-
県の組織再編、景観保護などについて議論
田中康夫長野県知事と各市町村長との意見交換会が10日、県伊那合同庁舎であった。県政上の基本政策に関して市町村長と直接意見交換すためのものだが、総論的な議論と各論的な議論が混在したものの、県の組織再編や景観保護、森林保全とその財源などについて意見が交換された。
田中知事は市長村の意見を聞かない窶狽ニいう市町村や県会議員らの意見を踏まえて、04年より県側から設定されて行われているもので、地方事務所が存在する10圏域ごとに行われている。
県側は知事のあいさつの後、(1)県の組織再編、(2)廃棄物の減量化・資源化を進める県の取り組み、(3)これからの森林政策、(4)景観の保護・育成計画窶狽ネどの基本政策について説明。
市町村側からは、事前に意見質問項目を提出した市町村長が発言。小坂伊那市長は、景観計画に関連して、権兵衛トンネル開通に伴う国道361号線沿いの景観保護について、伊那市と南箕輪村、さらに木曽などの広域的な対応策について権威イニシアティブを取ることを要請した。
伊東高遠町長はポレポレの丘事業をコモンズ支援金認定事業とするよう要請した。
矢ヶ崎辰野町長は、県の組織再編について厚生課と保健所の統合は賛成だが、農業振興と密接な関係にある土地改良課を環境部門に統合するのは疑問と注文をつけた。
平沢箕輪町長は、組織再編について(1)職員の意識改革(2)民間委託の積極的推進窶狽|イントとして指摘し、高校再編問題で「教育委員会の提案は唐突で納得できない」として箕輪工業高校全日制廃止(多部制・単位制への移行)を含むプランの白紙撤回を求めた。また救急救命士の認定を急ぐように求めた。
高坂飯島町長は中央道の上を渡る水路橋の改修への県の補助を求め、曽我中川村長は中川村の地域振興をめざすブランド化戦略との関係で、県の応援が組織再編計画の中にどのように組み込まれているかを質した。
宮下長谷村長は、森林保全政策との関連で、水源税などの導入について質し、知事は森林税の06年度からの導入に向け準備していると答えた。
中原駒ヶ根市長は、事前の意見質問項目の提出が遅れたため最後になったが、(1)組織再編については市町村との棲み分けを明確にすべることを求め、(2)高校再編については唐突な再編計画の提案に講義して白紙撤回を要求した。(3)また昭和伊南病院の救急救命センターの設備・体制の整備が必要とした県の報告に対して、「地元の努力を無視している」と感情をあらわにして自説を述べた。 -
伊那市・高遠町・長谷村合併協(14)
伊那市・高遠町・長谷村合併協議会の第14回会議が11日、市役所で開かれた。▽特別職の身分の取り扱い▽事務組織および機構の取り扱い窶狽ケ承。新市章は11月ごろから募集したいと報告した。
特別職の身分の取り扱いは、特別職報酬等審議会を設置し、合併までに調整。理事者、地域自治区長(総合支所長)、消防団員、各種審議会委員などの報酬額を審議する。
委員はまちづくり委員会、区長会、女性団体など各市町村長が推薦した6人と、経営者協会上伊那支部、金融団など4人で構成。
9月ごろに諮問し、11月に答申予定。
事務組織および機構の取り扱いは、本庁に総務、市民生活、保健福祉、産業振興、建設、水道の6部を設置。高遠町、長谷村に置く総合支所は、本庁の組織と整合性を持ち、これまでのサービスを維持する体制を確保する。
部・課の肥大化について「最小限必要で、効率的な課を考えた。都市計画課は建設課で対応できる」とした。
市章は11月初旬から1カ月ほど募集し、候補選定委員会で5点に絞る。合併後、新市長・市議会議員が決まったあと、選定委員会を設けて決定する。
委員は正副会長・幹事会に一任した。
次回(11月)の合併協では、特別職報酬等審議会の答申のほか、仕事の流れを示した機構図が提示される。 -
錦町を愛する会が夏祭りを企画
伊那市荒井区錦町の住民有志でつくる「錦町を愛する会」(木下昭治会長、11人)は15日、図書館前の広場で夏祭りを開く。
5年ほど前に常会主催の夏祭りが途絶え、飲み会の席で夏祭りの話が持ち上がった。「子どもたちに楽しい思い出を残してやろう」と急きょ、組織を立ち上げ、祭りを企画した。
当日はフリーマーケット、ヨーヨー、ビール、ジュース、花、野菜などの夜店が並ぶ。時間は午後6時から9時まで。
メンバーの一人、木下洋一郎さんは「以前は盆踊りもあってにぎやかだった。地域住民の交流も兼ね、みんなで盛り上げてもらいたい」と来場を呼びかけている。 -
伊那市の小黒川付近でクマに襲われけが
11日午前9時30分ころ、伊那市西町区大坊の小黒川付近で、河川管理のため一人で巡視中だった駒ヶ根市東伊那の県嘱託職員・新井佑幸さん(63)がクマに襲われ、顔面や額、左ふとももなどを負傷した。市は防災無線や有線放送などを通じて注意を呼びかけている。
新井さんは、自力で近くの民家まで助けを求め、救急車で市内の病院に運ばれた。命に別状はないという。
助けを求められた女性(62)によると、「額は右側が10センチ、左側が20センチくらいの長さで裂け、顔やシャツは血だらけ。急ぎ、氷で冷やした。お尻も左側のズボンが破れていた。自分で車を運転し、救助を求めてきた。気丈でしっかりしていた」。
現場は、幅1・5メートルくらいの作業道。草の上には点々と血が残されているなど、被害の大きさが分かる。
地域住民の多くは、作物の被害や足跡などからクマが近くに生息していることは分かっていたが、人を襲ったのは初めて窶狽ニ驚いていた。
市は、午前11時に防災無線で周知し、近くのキャンプ場、学校にも注意を呼びかけた。また、午後は、伊那市猟友会の協力で、現場付近の小黒川両岸に、1基ずつドラム缶の捕獲檻(おり)を設置した。
上伊那では昨年8月16日、宮田村でジョギング中の男性が子連れのクマに襲われている。 -
みのわ手話ダンスの会が県外の愛好者と交流
箕輪町の手話ダンス愛好者でつくる「みのわ手話ダンスの会」(大槻一子指導員)は7日、町内の松島コミュニティーセンターで、交流会をした。大槻さんが指導する上伊那の4教室のメンバーと、東京、横浜から迎えた愛好者ら約60人が、親ぼくを深めた。
03年から2年に一度ある交流会。参加者らが「瀬戸の花嫁」「四季のうた」「ふるさと」「川の流れのように」など、さまざまなジャンルの曲に合わせて23プログラムを披露。日ごろの練習の成果に、盛大な拍手を送り合った。
また、全プログラム終了後は、各土地のお囃子(はやし)を全員で踊り、交流もした。
大槻指導員は「手話は聴覚障害者の大切な言葉ということを、見る人も、踊る人もより深く理解し、障害者との交流を深めていきたい」と話している。 -
伊那市竜西地域
Bフレッツ受付開始NTT東日本は、高速大容量の情報通信が可能になる光ファーバーを使用した通信料定額制サービス「Bフレッツ」を伊那市の竜西地域でも開始する。提供開始は05年11月15日で、12日から事前受付が始まった。
高速大容量の通信網の整備を求める声は多く、NTT東日本は04年秋に伊那市天竜川東岸、伊那部地区で「Bフレッツ」の提供を開始していたが、他地域でも提供開始を求める声が上がっていた。
提供開始地区は、通り町・青木町・内ノ萱・大芦長・上新井・川北町・桜町・錦町・東町・室町・元町・上手町・小沢下・旭町・入舟町・仲町・本町・宮本町・西町伊那部・小黒・春日町・沢・下春日町・城南町・駒美町・新町・中部・堤ケ丘・南部・双葉町・北部・上村・水神町・高尾町・天竜町・前橋町・八幡町・山本町。
だが、製造業会社からの通信網整備の声が多いインター工業団地周辺や、駒ヶ根市周辺での提供は今回も見送られた。 -
水しぶき・歓声大きく 海洋スポーツ満喫
高遠町の高遠湖にある「B&G海洋センター」が11日、無料開放された。12日までの2日間のみで、カヌーやヨットなどの海洋スポーツを多くの人に親しんでもらおうと計画。お盆間近だけに毎年、帰省客らでにぎわいをみせている。
通常は予約制で、1時間ごとに料金設定がされているが、この機会には好きなときに、好きな分だけ楽しむことができる。インストラクターの指導で、カヌーやミニヨット、手こぎボートも体験できるとあって人気だ。
千葉県から実家の伊那市に帰省してきたという、青嶋こずえさん(45)ひかるさん(12)親子は、約1時間にわたってカヌーなどを体験。「臨場感あふれて、おもしろい」と楽しんでいた。 -
人口定住対策・小原の集合型町営住宅起工
高遠町が小原地区に建設する、集合型町営住宅ハイツ小原南F棟の起工式が11日あり、関係者約20人が出席して、工事の安全を祈願した。
集合型は人口定住対策の一環として、95年から99年にかけて、瀬戸にA、B棟を、小原南にC、D、E棟を建設。6棟目となるF棟は、プライバシーの確保や日当たりの良さを考慮し、C棟北側に隣接して建てる。
来年1月末に完成を予定し、12月初旬から入居者を募集する。
伊東義人町長あいさつで「入居者も目的に合うよう、若者に入ってもらい、さらに町の活性化にもつながれば」と期待した。
F棟は、鉄筋コンクリートの三階建て。延床面積は約600平方メートル。2LDKで9世帯。建設費は1億円余。 -
みのちゃんバスBDF事業アンケート
約9割が廃食用油回収に協力箕輪町は、廃食用油からバイオディーゼル燃料(BDF)を製造し町内巡回みのちゃんバスに使用する「みのちゃんバスBDF事業」の計画実現に向けアンケートをし、廃食用油の回収に約9割が協力する-などの結果をまとめた。結果を参考に、廃食用油回収システムなどの検討を進める。
同事業は、廃食用油を各家庭と町内小・中学校の給食室から集める。家庭からの回収のために町民の協力が必要となることから、町民の意見・要望を反映した事業にするため、BDFの啓蒙も兼ねてアンケートをした。
町女性団体連絡協議会の構成団体会員1430人(重複含む)を対象に、6月25日から7月31日まで。回答は650人で回収率45・5%。
「廃食用油の回収に協力できるか」との質問に、80%が「協力する」、11%が「条件付きで協力する」と回答。条件付きの主な内容は土・日曜日の回収や保管容器の支給など。回収回数は、月1回が56%、年2回が28%、月2回が12%。回収場所はごみ収集ステーションが78%、公民館13%だった。
家庭での廃食用油の処理方法は、「固めたり新聞紙に吸わせて燃やせるごみとして捨てる」が68%で最も多く、「最後まで使う」18%、「消費者の会の廃油回収に出す」8%。1カ月の廃食用油処理量は100-500ミリリットル未満が43%、100ミリリットル未満33%、500ミリリットル-1リットル未満17%。
自由意見として▽ぜひ実現してほしい▽回収場所が汚れないように考えてほしい▽回収時に廃食用油だけを回収し各家庭の収集容器は持ち帰りできるようにしてほしい-などがあった。 -
新エネルギー導入プロジェクト
みのちゃんバスBDF事業箕輪町は、04年度に策定した「箕輪町地域新エネルギービジョン」に基づき、廃食用油からバイオディーゼル燃料(BDF)を製造し町内巡回みのちゃんバスに使用する「みのちゃんバスBDF事業」に取り組んでいる。06年度の導入に向け、7月にしたアンケート結果を集計し、廃食用油回収システムやBDF運用体制の立案を進めている。
みのちゃんバスBDF事業は、町が掲げる新エネルギー導入構想の4プロジェクトの中の一つ。住民協働の事業に位置付け、県のコモンズ支援金事業特別分の内定も受けている。
廃食用油は、各家庭と町内小・中学校の給食室から集める。回収により期待される効果は、可燃ごみの資源化が年間6111リットル(内小・中学校4900リットル)、二酸化炭素の削減が年間14トン。
BDFをみのちゃんバスに利用し、“ごみ”は“ごみ”でなく、“資源”として生まれ変わることを普及・啓発。住民の環境問題・環境保全への意識を高める。また、地球にやさしいBDFを使うことで軽油使用料を削減し、地球温暖化防止を図る。
回収システムと運用体制の立案後、区長会・衛生部長会・女性団体連絡協議会などに説明。住民説明会も開き理解を深めてもらうと共に、10月にはBDFプラントを設置。来年3月末までにプラントの試行、みのちゃんバスの試運転、説明会などを重ね、4月スタートに備える。 -
箕輪町交通少年団研修視察
箕輪町交通少年団は5日、研修視察で飯田市の日本道路公団中部支社飯田管理事務所、高速道路交通警察隊飯田分駐隊などを訪れ、交通関連施設に理解を深め、交通安全の意識を新たにした。
町内小学校5、6年生の団員58人が、町のバスに乗って参加。中津川インターから伊北インターまで管轄する道路公団の事務所では、恵那山トンネルの施設制御室などを見学。白バイやパトカー、トンネル内で照明の清掃などに使う道路公団のリフト車にも乗った。リフト車の荷台は高さ5mまで上げることができ、子どもたちは高くても大喜びで荷台に乗っていた。
通常はなかなか見学できない施設での研修で、積極的に体験したり、質問するなどして楽しく学んだほか、恵那峡ワンダーランドでも遊んだ。 -
第1回ものづくり日本大賞優秀賞受賞
中村製作所精密金型設計・製作、超精密プレス部品加工などを手掛ける中村製作所(本社・岡谷市、中村一成社長)のプロジェクトが、政府主催の第1回ものづくり日本大賞優秀賞を受賞した。プロジェクトテーマは、「(世界初)超小型電子記憶装置用基台のプレス製造法-研究開発、実用化に成功」。中村社長は、「若い人が技術を継承する励みになればうれしい」と受賞を喜んでいる。
ものづくり日本大賞は、政府が新たな総理大臣表彰制度として創設。日本の産業・文化を支えてきたものづくりを継承・発展させるため、ものづくりを支える人材の意欲を高め、存在を広く社会に知らせるねらい。表彰対象はものづくりに携わる人材やグループ。今後、2年に1度表彰予定。
中村製作所は、産業・社会を支えるものづくり分野の中でも挑戦しにくいとされる「製造・生産プロセス」に応募。プロジェクトチームは、伊那工場(箕輪町三日町)のメンバーと同製作所の金型の95%を製造している三協精密(本社・須坂市)の柴田安雄社長の10人。
プロジェクトは、デジタルオーディオプレーヤーなどに使われるハードディスクの基台の小型化。従来、アルミを溶かし型に流し込む方法で製造していた2・5インチの基台を、7-8年前に金型の設計やミクロン代の金型の微調整など数々の特許や優れた技術ノウハウを駆使し、プレス製造法による鉄製の1・8インチの基台の実用化に成功。鉄、ステンレスなどを材料に、プレス加工にしたことで精度の高い商品が生まれた。現在1インチ、世界最小の0・85インチまで開発。1インチ基台はすでに商品化している。
「精度は当然だが回転が早いので、1日でも1時間でも早く金型を造ることをテーマにしている」と三協精密の柴田社長。中村社長は、「創業間もなくから開発志向が当たり前のようにあった。今後も、若い世代と一緒にタイアップしながらものづくりを次世代に引き継いでいく」と話した。
1インチの基台を持つ中村一成社長 -
宮田村の山ぶどうワイン04年産樽熟成「紫輝」が完成
宮田村の特産品山ぶどうワイン「紫輝」(しき)の04年産樽熟成タイプの完成発表会が11日、醸造する村内の本坊酒造信州工場で開かれた。駆けつけた日本ソムリエ協会常務理事の高野豊さんは「ブドウの良さが分かる。将来性のあるワイン」と好評価。上伊那各地の酒販店で882本限定で発売するが、村内ではワイン文化をさらに定着させようと新たな動きも出ている。
昨年秋に収獲した山ぶどうを7カ月間、3種類のオーク樽で熟成。例年よりも寝かす期間を1カ月ほど伸ばすなど、改良も施した。
藤野公宏工場長は「従来に比べ酸味と渋みが増し、樽の香りもついて本格的に仕上がった」と説明する。
発表会には村内14戸の栽培農家、村、商工会、農協などの関係者約30人が出席。全員で試飲したが「最高」と、栽培農家も納得の表情を浮かべた。
山ぶどうワインにかねてから関心を寄せている高野さんは「将来を見据えて、村全体にワイン文化を定着させることが大切」とも呼びかけた。
関係者でつくる中央アルプス山ぶどうの里づくり推進会議は23日、高野さんを村民会館に招き、料理を組み合わせたワインの楽しみ方の講演会を開く。
村飲食店組合に参加を呼びかけたほか、一般の参加も自由。同会議事務局の村産業課は「地域食材の活用なども提案してもらい、ワイン文化を定着させたい」と期待を寄せる。
樽熟成の価格は1本2625円(税込み)。講演会は午後2時からで参加無料。問い合わせは村産業課85・5864、本坊酒造85・4633まで。 -
小学生重傷
10日午前9時5分ごろ、同市下平の会社員木下弘一さん(43)の長男で小学2年生の翼君(7歳)が自宅前の市道上に停車中の普通乗用車を降り、自宅に戻ろうと道路を横断しようとしたところ、対向車線を時速約40キロのスピードで走ってきた同市下平の公務員近藤利三さん(33)運転の普通乗用車にはねられた。翼君は頭を強く打つなどの重傷だが命に別状はないもよう。駒ケ根署は双方の不注意とみてさらに原因を詳しく調べている。
-
第57回上伊那教育会夏期講習会
上伊那教育会は5日、伊那市生涯学習センターで第57回上伊那教育会夏期講習会を開いた。
若い教師数人が集まり、教育や生き方の根源を、日本を代表する哲学者、西田幾多郎の思想に学ぶことを目的に、飯島町で始めた学習会で、今年は60人余が集まった。上伊那の小中学校に勤める教職員のほか、一般参加者もいた。
今年は西田哲学を研究している京都工芸繊維大学の秋富克哉助教授の講演もあった。秋富さんは、life、人生や生命のための哲学を説いた西田の思想から、宗教と科学という相対する事柄を説明。
参加者の一人は「人生のための哲学があることを知った。哲学とまでは言わなくても、自分なりの信念を持っていきたい」と話していた。 -
上農生グリーンファームで企業研修
南箕輪村の上伊那農業高校の生徒が、伊那市ますみヶ丘のグリーンファーム産直市場(小林史麿代表)で8日、企業研修を開始した。
「農業の実践的学習」として同校は、先進農家体験や企業研修など、実社会を通して「農」を学ぶ現場実習を多く取り入れており、生徒たちは進路選択の参考にしたり、現場を知る機会として積極的に参加している。
グリーンファームでの研修に参加したのは生物工学科の3人と園芸学科の1人。「実際に働いてみたかった」と話す生徒や「将来的に現在学んでいる分野で就職してみたい」という生徒など、参加理由はさまざま。
今後5日間、生徒たちは、生産者と消費者をつなぐ現場でさまざまな仕事を少しずつ経験しながら、普段と異なる角度から「農」を学ぶ。 -
一本の道を生きる
駒ケ根市菅の台の駒ケ根高原美術館は9・10日、中学生を対象にした絵画制作ワークショップ「一本の道を生きる」を同館で開いた。赤穂、駒ケ根東、宮田各中学校の美術部生徒ら約40人が参加してゴッホ、ピカソなど一筋の道を歩いた画家らについての講義を聞き、「道」をテーマに絵画作品を制作した。
講師の府中市美術館館長、多摩美術大教授の本江邦夫さんが「ゴッホとゴーギャン」「ピカソとマチス」について講義した。画家の生涯や作品などについて詳しく聞いた生徒らは、与えられたテーマ「道」についての作品をそれぞれ制作。クレヨンや絵の具などを使い、真剣な表情で画用紙に向かった=写真。苦労して描き上がった絵は本江さんと同館副館長の松井君子さんが講評。「色彩に重みがあってよい」「着眼がよく、透明感がある」などと好評価を受ける一方で「作品の中に強く訴えてくるものがない」など手厳しい批判も。生徒らはうなずきながら講評に耳を傾けていた。 -
伊那市で打ち水大作戦
地球温暖化防止の一環として、環境省などが後援する「打ち水大作戦2005」が10日、伊那市役所正面玄関付近であった。温度計で測定したところ、打ち水直後に1・5度下がった。
午前中に雨が降ったものの、昼には石だたみが乾き、予定通りに取り組んだ。市職員105人に加え、来庁者8人も参加。
市役所南側の地下水「せせらぎ水路」から水をくみ、市職員らがバケツに入った水をまんべんなく手でまいた。
午前11時55分の外気温は32・5度。打ち水直後に下がったが、午後零時5分以降は元に戻った。体感は「ちょっと涼しくなった気がする」。
昨年に続いて2回目で、市役所民生部生活環境課は「打ち水を通じて、自分のできる温暖化防止を意識する機会になれば」と地域住民の啓もうにつながることを期待した。
高遠町、長谷村でも予定していたが、雨でアスファルトがぬれていたため、中止とした。 -
知事が箕輪町のリンドウ業者視察
箕輪町中箕輪のリンドウ生産業者、スカイブルー・セト(瀬戸堯穂代表)を10日、田中知事が訪問した。
この日田中知事は、県内の躍進企業や先進的農業者などを訪問。さまざまな意見を今後の政策運営に反映させたいとしている。
瀬戸さんは、リンドウの育種から苗・切花の生産まで一貫して取り組む県内でも進んだ生産者で、育種技術にも優れており、これまでに60種類のリンドウを品種登録している。また、瀬戸さんの開発した「ホワイトベル」と「夢ハイジ3号」は、10年に一度オランダで開かれる園芸見本市「フロリアード」で金賞を受賞している。
田中知事は、切花の加工所や育種ほ場を見学。気候や地理的条件はリンドウに適しているのか窶狽ネどを質問したり、瀬戸さんの開発した品種の多さに改めて驚いた様子で「県内だけでなく県外にも長野県のリンドウを宣伝していきたい」と話していた。 -
伊那広域シルバー人材センター箕輪地区
樹皮絵サークル仕事だけでなく趣味を生かして互いの交流を図ろうと、伊那広域シルバー人材センター箕輪地区は、会員がサークルを作って楽しく活動している。3年前、カラオケサークルが発足。今年3月には、より活発な会員活動を願い、新たに樹皮絵、手芸、マレットゴルフの三つのサークルが出来た。伊那広域シルバー人材センターの中で一度に三つものサークルが立ち上がり活動しているのは箕輪地区だけという。
その中の一つ、「樹皮絵サークル」は会員14人。樹皮絵は、色紙などに樹皮とコケをはって絵を描く木の皮の張り絵のような作品。主に山水風景を題材にしている。皆、初心者で、第1・第3金曜日の月2回、箕輪町産業会館に集まり、趣味で樹皮絵に親しんでいる大槻長司さん=上古田=の指導を受ける。
1作品目は、皆が同じ題材に挑戦。「樹皮の選び方、張り付け方、絵の具を使った色付けなど難しい」。要領がつかめるまで苦戦しながらも、約2カ月半かけてそれぞれの作品を完成させた。
「先生の見本を見て頭に描いたものを樹皮を張って表現する。でも失敗を繰り返し、いい絵になっていない」と代表の伊藤昇さん。「慣れれば慣れるほど、絵に心を寄せるようになればなるほど、難しくなる」という。
現在は2作品目に挑戦している。制作に取りかかってすでに3回目。皆とても熱心で、部屋には指導する大槻さんの声しか聞こえないほどだ。
「今まで木の皮に関心はなかったけど、樹皮絵を初めてから注意して見るようになった」「木の皮を拾うのが楽しくなった。これは山に使える、これは岩になる-と関心を持つようになった」
「この辺には樹皮は落ちてないよ。全部、私たちが拾っちゃったから」と笑うほど、これまで見過ごしていた樹皮に自然と目がいくようになり、「うんと興味が出た」という。
シルバー人材センターに登録する同じ仲間であっても、日ごろは職場が違う。そのため、年1回の総会など顔を合わせる機会は限られている。しかし、サークル活動によって新しい交流が広がっている。
「趣味を一つでも二つでも持つことは、心の広さが違ってくる。共に生き、支え合い、助け合うのが本来の姿。シルバーに行ってサークルで仲間を作り、新しいことを覚える。こういうサークルを本当に大事にしていきたい」と願いながら、作品づくりに打ち込んでいる。 -
南大東島訪問団 伊那踊りに熱狂
南大東島からの訪問団は6日、伊那踊りの連に飛び入り参加。持ち前のリズム感で、ダンシング・オン・ザ・ロードなどをその場で覚え、伊那市民とともに踊りに熱狂した。
6日は、お祭り広場での屋外コンサートと通り町での島物産即売会を開催したが、ちょうど空き時間に始まった伊那おどりに、島唄グループの「ボロジノ娘」と大東太鼓の「碧会」の小中学生は興味津々。
実行委員の1人である春日晋治市議会議員が仲介して、急きょ、西春近の連への飛び入り参加が決まった。沖縄の民族衣装をまとった「ボロジノ娘」ろそろいのジャージ姿の「碧会」が連の待機場所まで出向くと、唐木孝之西春近公民館長の司会で即席の対面式。唐木館長が「突然ですが素晴らしいお客さんが一緒に踊ってくれることになりました」と紹介すると、西春近北小の連の子どもが、島の子どもを大きな拍手で迎え入れた。
島の子どもは伊那踊りはまったく見たことがなく、最初の内こそどのように踊るか戸惑い気味だったが、回りを見ながら、「いなっせ」角あたりにつくまでにみようみまねで習得。笑顔いっぱい、歓声を上げながら踊った。
連の中で南大東島ののぼりも打ち振られ、沿道の見物客らは「あれが南大東島から来た衆かね。うまいもんだね」などと話していた。 -
お祭り広場、南大東島の太鼓に熱狂
南大東島訪問団は6日、小沢川沿いのお祭り広場浪漫横丁屋台村ステージで2回にわたり島唄と太鼓のコンサートを行い、聴衆を熱狂の海に誘い込んだ。県道をはさんだ通り町の空き店舗で開かれた島特産品の物産展も大賑わい。「南大東島にきて下さい」という島の人の声が響いた。
コンサートでは、島伝統の大東太鼓「碧(あおい)会」が大活躍。独特の早いテンポの演奏で、踊りを終え帰路につこうとする人々を引き止め、いつしかステージ回りは黒山の人だかり。小中学生の団員が入れかわり立かわり独自のたたき方を披露する場面では、その迫力に「ウォー」という鳴り止まぬ拍手が会場を包んだ。
島唄の「ボロジノ娘」や歌う島役場産業課長・濱里保之も好評で、濱里のコミカルなステージでは歌に合わせて「はまちゃん、はまちゃん」のコールも。大きなおひねりも飛んで濱里を驚かせた。島では芸を賞賛する意味をこめ舞台に紙に包んだ金銭を投げる「おひねり」の風習がなく、濱里は「何が飛んできたのかビックリした」と笑っていた。
ステージには伊那市消防音楽隊も飛び入りの友情出演をし。濱里とともに「涙そうそう」「信濃の国」を演奏して交流を深めた。
一方、島の物産展も大好評で、青パパイアやその加工品、海産物加工品、サトウキビを利用して05年から作られはじめた島特産のラム酒も、本土ではじめて販売され、多くの伊那の人で賑わった。島訪問団を訪ねて、島の出身者や島を訪ねたことのある人々も東京や関西地方からも集まった。
お祭り広場でのコンサートや物産展の開催には、伊那市通り町商店街が協力し、力を合わせて伊那まつりを盛り上げた。 -
ミカドテクノスが新アイデア
真空・高圧 含浸・充填装置ユニークな工作機械を製造するミカドテクノス(本社・箕輪町、伊藤英敏社長)が、新たなアイデアによる新型機械の製作に乗り出している。「真空・高圧含浸・充填装置」とも命名するべきもの。
作業が困難とされてきた微細穴内部への金属や樹脂の充填などが容易にできる。従来は、大気中で微細穴に充填物を溶かして注入しようとしてきたが、穴内部に気泡ができるなどして作業が難しかった。
同社では、数年前に開発した「瞬時真空プレス」の技術を応用発展させ、真空状態で微細穴に溶けた金属や樹脂を流し込み、それが固まらないうちに瞬時に空気圧をかけて奥まで押し込む技術を開発した。
この技術を利用すると、例えばガスボンベのフタに使用するボルトに、穴を開け、そこに融点の低い金属を充填することによって、火事などの際に温度が上がるとガス抜きの穴が開く安全なボルトにすることができる。
伊藤社長は「まず真空状態で解けた金属を流し込んだり、あるいはその中に漬けたり、空気に邪魔されずに奥までしみ込ませると言うのが新しい発想。新素材への利用など、様々な応用が期待できる」と話している。 -
夏休み親と子の押し花教室
箕輪町の秦益子さんが主宰する「アートフラワーみのわ」は6日、恒例の夏休み親と子の押し花教室を町文化センターで開いた。子どもたちはきれいな押し花をたくさん使って作品づくりに熱中した。
作品は、子どもでも簡単に楽しく作れるうちわとレースクロス。秦さんや会員がパンジー、千鳥草、アジサイ、コスモスなどの押し花を持ちより、指導した。
参加した親子25人は、好きな花や葉を選んでうちわやレースの上に並べ、花束のようにしたり、チョウチョウを作ったり、思い思いにデザインしてオリジナルを作り上げた。
おばあさんが押し花を習っているという上古田の植田修平君(箕輪西小4年)、涼太君(同2年)、恭輔君(年少)の3兄弟は、お母さんと一緒に参加。一人ひとりこだわって花を並べ、うちわを完成させた。修平君は「思ったよりうまくできた。学校の夏休みの工作で持っていくけど、記念品として大事にとっておく」と話していた。 -
箕輪町議会臨時会
箕輪町議会臨時会は10日開き、箕輪工業高校全日制の存続を求める意見書の提出、05年度一般会計補正予算案などを可決した。
県立高校再編整備案により、箕輪工業高校が全日制を募集停止し多部制・単位制に転換する学校として名前が挙がったことを受け、「箕輪工業高校の全日制がなくなることは、地域と一体となって魅力ある学校づくりを実践する地元・学校にとってまことに由々しい限り。存続を強く求める」とする内容で、県知事、県教育委員会、県議会議長あてに意見書を提出する。
高校改革案、多部制・単位制に賛成か反対か-を尋ねた寺平秀行議員の質問に、平沢豊満町長は、「基本的には、たたき台として案が出ていることに反対。どういうプロセスで決まっているのか明確でない限り検討すべきではない。たたき台の案の白紙撤回をあくまで要求する」と答えた。
05年度一般会計補正予算は、歳入歳出に各5500万円を追加し、総額を79億8580万円とする。歳出は地域総合活性化事業交付金の増、町発足50周年記念講演会補助金、中部小旧体育館屋根改修工事、衆議院選挙費など。
人事案件は、監査委員に山口武勇さん(65)=松島=の選任(新任)に同意。山口さんは興亜電工箕輪工場に入社し、89年6月からKOA本社経営推進室部長、91年4月退職。同4月に工房ウッド設立、副社長を務め、98年から社長。03年10月退職。現在は農業。 -
大芝の湯でチェーンソーアート作品展
南箕輪村の大芝の湯は、チェーンソーアート作品を展示している。チェーンソーで見事に彫刻した作品に関心が集まっている。
作品は、下伊那郡松川町で工房コロボックルを営む米山孝昭さんが制作した。
6月下旬、NHK総合テレビ全国放送の番組「お元気ですか日本列島」の1コーナーが大芝高原で生中継され、米山さんが番組内でチェーンソーアートの制作を披露した。これが縁で作品を展示することになった。
チェーンソーだけで流木や丸太を彫刻し作り上げた作品は、ペガサス、馬、ウサギ、リス、カメ、シカ、フクロウなど16点。
「チェーンソーは林業で木を切る道具としか思われていないが、作品は仕上がりの段階まで高度なチェーンソーテクニックで制作したもの」だという。
作品は大芝の湯受付前と廊下に展示。今月末まで飾るという。 -
かれんにサギ草咲く
南箕輪村内の寺でサギ草が咲き始めた。真っ白いかれんな花が風に揺れ、涼しさを運んでいる。
30年以上も育て続けているサギ草。今年は2500本以上もある。4月初旬から約1カ月かかって球根を一つずつ水苔(ごけ)に包んで植え、これまで洞に置いて液肥を与えるなど管理してきた。草丈は20センチから25センチほどに成長し花が咲き始めたので、本堂の周りなどに鉢を並べ直した。
毎年、サギ草を楽しみに見に訪れる人もいる。寺では、「去年より丈がそろっている。お盆ころに見ごろになるのでは」と話している。 -
県産材住宅などの見学会を実施
寺子屋信州木づくりの家、県産材住宅などの見学会実施
寺子屋信州木づくりの家グループは6日、地域材住宅などの見学会を開いた。約40人の家族連れなどが参加し、年月を経た県産材住宅の様子や、製材所を見学した。
設計、建設、製材などに携わる8社から成る同グループは、それぞれの立場から県産材の普及を目指し、質の高い住宅提供に努めている。
広く一般の人にも県産材の良さを理解してもらいたい窶狽ニ、今後何回かに分けて見学会や講習会を行う。
この日最初に見学したのは、約8割で県産材を利用した新築住宅。県産材にも、さまざまな木材があるため、特徴に合わせて用途を決めているという。一方、「素材の持つ温もりや素朴さは感じてほしい」と、普通は隠してしまう柱なども、そのままに残して設計しており、普通よりも空間が広く感じられる。また、無垢(むく)のまま用いられた木材は、年月を重ねるごとに色合いは深め、趣きを増すという。 -
自然の中で自主性磨く
高遠町のNPO法人「自然学校ふる里あったかとお」は城址公園内の高遠閣を拠点に、7月31日から13日まで13泊14日の日程で、「子ども長期自然体験村」をしている。自然の中での生活体験や共同生活を通して、感性や自主性をはぐくむ。
6年目で、県内をはじめ、東京都や埼玉県、愛知県などから21人の小中学生が参加した。大学生らのボランティアスタッフも入れ替わりで20人余ほどが携わっている。
野外炊飯や自然探索、運動会をしたり、竹馬や弓矢などの竹細工にも挑戦。そば打ちやカヌー、民泊を体験するなど、地元との交流も楽しんでいる。
9日は、長崎に原爆が投下された日。スタッフが「ここで楽しく過ごせている幸せをかみ締め、戦争のない平和な世の中を築きあげていってほしい」と子どもたちに訴え、黙とうを捧げた。
昼食はスタッフが流しそうめんを計画。経験したことがないという子どもがほとんどで、「いつもと一味違っておいしい」と喜び、空腹を満たした。
スタッフの村田喜直さん(24)は「実体験をすることで、達成感や悔しさを感じ、最初に比べて、考え方や行動に少しずつ変化がありますよ」と子どもたちの成長に目を細めていた。 -
戸台の化石保存会学習会
長谷村戸台の化石保存に取り組む「戸台の化石」保存会(伊東耕平会長)の化石学習会が7日あった=写真。村内を中心に親子連れなど約40人が参加し、標高1000メートル以上の収集場所でアンモナイトなど、1億年前の化石を見つけ、古代ロマンに胸を躍らせた。
小中学生や父母が、戸台の化石の収集、研究、保護を通じて自然保全の重要さを学習し、親ぼくを深める、年間3回の恒例(57回)。
収集場所は区有林の斜面。地面に広がる破砕された泥岩をハンマーで軽くたたき、中からアンモナイト、貝類、植物のほか、生物がなでた跡が残る「生痕化石」などを発見した。
参加者は、足場の悪い斜面ながら作業に夢中。あちらこちらから「何か見つけた」「これなに」などの声が聞かれ、会員が説明していた。
採取した化石は標本にして、持ち返らず同会で保存する。
息子たちと一緒に参加した松尾みゆきさん(32)=長谷村杉島=は「子供にせがまれて参加したが、化石現場にいくのは初めて」と、そうそうからアンモナイトの化石を発見。長男のイサキ君(7つ)も母親に負けまいと一生懸命探していた。