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壮年ソフトボールチーム「スーパァーロビンズ」
伊那市を中心としたソフトボール愛好者でつくる壮年(40歳以上男子)チーム・スーパァーロビンズ(矢島広監督)は23窶・5日、富山県である日本スポーツマスターズ05ソフトボール競技に初出場する。これまで、何回も全国規模の大会に駒を進めていたチームにとって、4年振りの全国大会。晴れの舞台で全力を見せつけ、古豪復活を目指す。
スーパァーロビンズは、全日本一般男子選手権大会で3位など、全国で実績のある「伊那ロビンズ」を母体に、1988年に結成。これまでに、第4、5回全日本壮年全国大会で4位、3位、全日本壮年県大会で9回優勝窶狽ネど、栄光を手にしている。地元はもとより、全国でもその名をとどろかす有名チームだ。
ここ4年間、選手の高齢化にともないチームは弱体化。しかし、若い選手6人に入れ替え、チームの構造改革を図った。芽を出したチームは6月の県代表予選大会で優勝し、全国への出場権を獲得。今年は選手もその気で取り組んだ。今までチームを引っ張ってきた選手たちもサポートや控えに回り、一丸となって勝ち取った全国大会出場の喜びはひとしおだったという。
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日本スポーツマスターズはスポーツ愛好者の中で、競技志向の強いマスターズ世代(35歳以上)を対象としたスポーツの祭典。ソフトボール競技は、45都道府県代表が3日間のトーナメントで王座を競う。
主戦は大会に向けて調整を続けてきた秋山清博さん。スライダー、チェンジアップなど変化球は多彩で、内・外角を鋭く突く制球力も持つ。打者を追い込むと、ライズボール、ドロップボールを投げ分けて打ち取る。「一つひとつ、全力を尽くすつもりで投げ、まずは1勝を目指す」と気合は十分。
打線はどこからでも打てる組み立て。切り込み隊長に自ら名乗り出た主将・秋山道夫さんをはじめ、俊足の1、2、9番。長打力のある3、4番に続くのは、得点圏打率の高い5、6番。一発のある・ス裏クリーンアップ・スも期待できる。
全国大会では、相手の失策を誘い、好機を確実に得点に結びつけるのが重要。6番の西村政史さんは「きれいじゃなくても何とか打ち返し、得点につなげる」と、自分のプレーに懸命。ムードメーカーの有賀賢治さんも「誰よりも声を出し、素早い動きでチームを盛り立てる。あとは勝ち進むのみ」とチームを牽引する。
「全国一を目指し過去の栄光に委縮せず、チームの良さをつぶさず伸び伸びとプレーさせたい。来年、再来年にはもっと強くなれるチーム。しかし、あくまでも目標は全国の頂点を目指す」(矢島監督)。
初戦は同県立山町民グラウンドで午後2時から、1回戦を勝ちぬいた高知、群馬県代表のいずれかと対戦。「どのチームもベスト4に入る実力」と、初戦が重要になりそうだ。
一つの谷に一つのつがいしかいないというこまどり(ロビンズ)。伊那谷のこまどりは、もう一度全国のスーパァースターを目指し、大会に旅立つ。 -
どうぞのいす大芝高原で森林散策
地元の木を学ぼう窶狽ニ21日、伊那市の福祉事業所どうぞのいすが主催する「里山の森ミニハイキング」があり、スタッフや一般参加者約10人が、南箕輪村大芝高原の「みんなの森」で森林散策をした。
これまでもスタッフは、同事業所が地域材を使った摘み木を製造・販売していることから「自分たちの使う木はどんなものなのか」と、地域に自生する木を学ぶ勉強会を開いている。散策もその一環。一般にも参加を募ったところ、伊那市や南箕輪村の希望者が集まった。
散策した森林は、アカマツを中心に、木が本来持つ生命力を生かした整備をして、さまざまな木が残されている。
森林整備にボランティアで取り組む西村智幸さんの案内で、実際木に触れたりしながら名前の由来や特性を学んだ。
参加者は「普段なじみのある木でも、立ち木だと分からない」などと話しながら、散策を楽しんでいた。 -
手作りセミナーで巻きずしに挑戦
伊那市東春近の車屋分館(春日多喜男分館長)は23日、地元の集会所で手作りセミナーを開いた。区民約20人が集まり、細巻きや軍艦巻き、細工巻きに挑戦した。
分館事業の一つとして「食」にこだわったセミナーを企画。今回は「巻きずし」を取り上げ、市内荒井区の寿司・割ぽう「アカハネ」赤羽孝一代表、板前の矢島均さんを講師に迎えた。
役員が炊いた米5升分を用意し、参加者はすし飯や巻き方などを教わった。
男性の中には、飯の量が多すぎたせいか、巻く際にのりからはみ出てしまう人も。「細巻きは、卵2個分の飯をのりの上に置く。真ん中は薄めに」とアドバイスを受け、次第にこつを覚えた。「これならプロになれるか」と冗談を交え、楽しみながらかんぴょうやキュウリ、卵などを巻いた。
試食後、食べきれなかった巻きずしは自宅へ持ち帰った。 -
湖で水難レスキューに挑戦
総合学習で手作りカヌーによる水辺の自然を学ぶ伊那市の伊那小学校5年智組(北澤夏樹教諭、33人)が22日、長谷村の中央構造線公園近くの美和湖で水難レスキューに挑んだ。
安全に対する意識を高め、突発事故の際に冷静に対応できる力を身につける。小学校のプールを利用して訓練を積んでいるが、実際の湖では初めて。
訓練は2艇一組になり、沈没したカヌーをもう1艇が引き上げ、排水してカヌーを復元。沈没して湖面に投げ出された船員らが復元されたカヌーに乗り込む「クロスレスキュー」に挑戦。「足がつくプールと、水深のある湖では全く違う状況」(北澤教諭)に戸惑う児童たちもいたが、カヌービルダーの蓑口健二さんの指導で、迅速に対応した。
五十嵐理人君(10)は「実際の湖では難しくて大変。実際に事故が起こったときには、パニックにならないよう訓練を積み重ねたい」と話した。
智組は4年時からダンボール製と木製のカヌーづくりに挑戦し、美和湖を中心に伊那谷の川や湖沼でカヌーを利用した自然学習に取り組む。今年度は美和湖の地形や地質、植物などを観察調査。6月には国土交通省天竜川ダム統合管理事務所から「美和湖探検隊」に任命されている。 -
第4回
伊那谷発-個性ある食文化を全国へ【下】伊那谷には様々な食品製造会社がある。その中から、長い伝統を引き継ぎながら新たな展開の道を模索する登喜和冷凍食品の登内英雄社長と、宮島酒店の宮島敏企画部長に、直面する課題と今後にかける夢などを話し合ってもらった。その後編。
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手良地区農業集落排水事業しゅん工
伊那市手良で20日、農業集落排水処理施設「手良浄化センター」がしゅん工した。95年から市内各地で進めてきた伊那市の農業集落排水処理事業は、同施設の完成と共に終了した。
手良地区の農業集落排水事業は98年から着手され、04年度末に終了。今年3月25日から供用を開始し、9月現在、約240世帯が同施設を利用している。
小坂樫男市長は「供用開始から現在までに240世帯が利用している現状から、地域の要望の高さがうかがえうる」と話し、センターの完成を祝福した。
事業費の総額は約33億円。処理対象人数は2760人、計画戸数は689戸。
同事業組合の働きかけもあり、供用開始から半年で、40パーセント弱の普及率に達している手良地区で市は、年度内は50パーセント、3年以内に95パーセント以上の普及率達成を目指し、呼びかけをしていく。
一方下水道工事は、金銭的負担も大きいため「経済的理由で利用できない人は、利息の50パーセントを補助する制度などを利用してほしい」と話していた。 -
伊那食品工業
寒天フィルム製造に本腰
伊那谷初の液化天然ガス利用工場新設伊那食品工業(本社・伊那市、井上修社長)は11月から環境配慮型の新製品「寒天フィルム」の本格製造を始める。製造する伊那市西春近の藤沢工場C棟では、伊那谷で初めて燃料にCO2排出量の少ない液化天然ガス(LNG)を使用する。
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菓匠「しみず」でケーキショー
伊那市前橋町の菓匠「しみず」で、ケーキショーが開かれている。パティシエが作り上げた工芸菓子が並び、来店者は職人芸に感心している。9月末ごろまで。
工芸菓子はチョコレート工芸、アーモンドと砂糖をペーストにしたマジパンのデコレーションケーキの5個。ヒマワリを中心に、虫とり網を持った男の子を題材にした「夏の思い出」、「かご盛りのフルーツ」「海の中のショコラたち」などパティシエが一人ひとり構想を練り、2カ月前から準備した。人物の生き生きとした表情、色使いなどテーマに合わせた雰囲気を出している。
また、販売員のかごを使ったラッピングも飾っている。
同店では「店売りの菓子とは違う、なかなか見る機会のない工芸菓子の世界を楽しんでほしい」と話す。
例年「ジャパンケーキショー」(東京都洋菓子協会主催)に出展しているが、新店舗のオープンを来月に控え、出展はやめ、店内で開いた。 -
来年2月に「愛と死をみつめて」TV放送
伊那市東春近出身のジャーナリスト河野實さんがこのほど、来伊した。12月に「愛と死をみつめて窶・5年目の真実」を出版することなどを語った。
「愛と死窶煤vは河野さんと、軟骨肉腫と闘いながら21歳の若さで亡くなった大島みち子さんが交わした手紙をまとめた実録。「窶柏^実」には「愛と死窶煤v、大島さん著「若きいのちの日記」に描かれていない、2人が会った56日間の会話を中心にまとめた。河野さんが6月から3カ月間かけ、手紙などを読み返すことなく、記憶だけで書き上げたという。
河野さんは「ミコさんは命を削る、マコは命を燃やした。純愛ブームといわれるが、そんなに軽いものではない。お金に苦労し、ぎりぎりの中で辛さを背負って生きた」と話す。
昨年12月、1963年の発刊から約40年ぶりに復刊され、テレビ化が決定。当初、今秋の放送を予定していたが「窶柏^実」の出版で来年2月下旬にずれ込んだ。キャストはみち子役に石原さとみ、實役に草・ス剛が候補に上がっている。10月中旬に記者発表の予定。
伊那市にあるJR伊那市駅前の河野實ファンクラブの店「ラーメン太陽」(安田一悟店主)では早速、「TV朝日系でドラマ化決定 5夜連続 来春2月」と黄色い文字で記した看板を設置。テレビ化をPRし「愛と死窶煤vをサポートする。
「愛と死窶煤vは漫画化、韓国でのドラマ化も決まっている。 -
情報誌100号縮刷版発行で祝賀会
伊那市手良の中坪区・中坪の歩み研究委員会(山岸久男委員長)はこのほど、月刊「中坪の歩み」の100号縮刷版発行の祝賀会を、中坪公民館で開いた。手良公民館長、委員9人ら約40人が出席。「200号の達成、地域の発展を目指して今後も頑張りたい」と乾杯した。
山岸委員長は「『ふるさとを見直そう』『地域の歴史を伝えよう』と、研究委員会を発足。古きを尋ね歩き、今思えば地道な活動の中で大変だった。中坪の歩みが区民をつなぐ大きな媒体となって、これからも発足の理念を忘れずありふれた情報新聞にならぬように努めると共に、肩ひじはらず『中坪くさい、手良の風』のつまったものにしていきたい。重みのある『宴の莚(むしろ)』で共々祝い喜び合うことができて嬉しい」とあいさつした。
「中坪の歩み」は区内の情報誌で、96年7月に発刊。9常会から1人ずつ選出する委員が取材・編集し、地域の言い伝え、区の動き、お年寄り(80歳以上)の半生を聞く「歩いてきた道の思い出」などをB4判の片面刷りにまとめ、月1回発行している。
縮刷版は230部制作し、全戸に無料配布。希望者に販売していたが完売した。 -
秋の全国交通安全運動が始まる
「あぶないよ 昔とちがう からだと道路」をスローガンに掲げた秋の全国交通安全運動が21日、全国一斉に始まった。30日までの10日間、夕暮れ時の歩行中と自転車乗車中の交通事故防止、シートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底、重大事故につながる飲酒運転の撲滅窶狽^動の重点に、住民の交通安全意識の高揚を図っていく。
初日早朝、伊那警察署、上伊那地方事務所、伊那交通安全協会など約120人が伊那市下新田の市役所前の道路、環状南線(通称・ナイスロード)で、啓発チラシ、ティッシュなどを信号待ちのドライバーに配布=写真。参加者たちは「秋の交通安全週間です。お気をつけて」と呼びかけ、啓発運動を展開した。
市、伊那安協、地方事務所の3台の広報車も伊那署管内をそれぞれ回り、交通安全運動を呼びかけた。
伊那署管内での交通事故発生数(20日現在)は、448件で昨年同期と比べて4件増。南信地区の6つの警察署で発生件数が減っているなか、唯一増えている。
発生状況は、高齢者が関わる事故が前年同期比24件増の125件で最も増加数が多く、女性が第1当事者の事故が昨年同期比22件減の149件で最も少ない。 -
第4回
伊那谷発-個性ある食文化を全国へ【上】狂牛病や鳥インフルエンザを1つの契機にして、近年、食についての消費者の意識が変化している。安全・安心・健康を求めて、伝統食への関心が高まり、その地で採れたものをその地で食す「地産地消」の考え方も急速に普及してきた。そうした中で、上伊那の食品製造業社は何を考え、模索しているか?
伝統食こうや豆腐の新たな展開を目指して研究を重ねる登喜和冷凍食品の登内英雄社長と、地元産の酒米「美山錦」を使った個性ある日本酒の製造と販売に精力を傾ける宮島酒店の宮島敏企画部長に、直面する課題と食品製造業の今後にかける夢を語り合ってもらった。
【司会・毛賀沢明宏】 -
南大東島の青パパイア
台風被害甚大8月の伊那まつりにあわせて伊那市を訪問した沖縄県南大東島の青パパイア生産組合の平安山正治さんから、このほど、台風14号で根こそぎなぎ倒された青パパイアの写真が寄せられた。
同島は最大風速55・1メートルの暴風圏に34時間閉じ込められ、サトウキビや青パパイアなどに推定で1億円近くの被害が出たという。
平安山さんは「島民は台風に慣れているが、今度ばかりは大きくて驚いた。青パパイアのダメージは大きいが、島民は、大歓迎してくれた伊那の人のことを思い出し、期待くれている人がいるのだから、頑張って良い物を作ろうと話している」と語った。 -
伊那市マレットゴルフクラブ武石村とマレット交流
美ヶ原高原の東側に位置する小県郡武石村のマレットゴルフクラブの18人が19日、伊那市を訪れ、伊那市マレットゴルフクラブ(伊坂安男会長)のメンバー約50人と交流した。
県大会で知り合ったことが縁で始まった交流大会で10年目。毎年交互に、それぞれの市と村を行き来して交流を深め、今年は西箕輪のマレットパークはびろを会場にした。
武石村のメンバーは、前日にバスで伊那市を訪れた。男女混合の4、5人で組をつくり、パーク内36ホールを回った。
武石村から訪れた女性は「村のコースは芝なので、石や木の根がある伊那のコースは難しい」と話していたが、伊那市マレットゴルフクラブの男性も「武石村の芝生のコースの方が難しい」と話し、慣れないコースの難しさを実感しつつ、いつもと違う雰囲気を楽しんでいた。
結果は次の通り。
▼総合優勝=下平明夫(119)(1)白沢永司(2)鈴木光子(3)小町谷勝巳(4)網野さだ子(5)網野友好(6)翠川九市(武石村)(7)平松一(8)内藤智里(9)酒井平八(10)小阪東洋
▼ホールインワン=下平明夫(2)、武田彪、白沢当志子、登内保雄、北沢昇行 -
春富ふくじゅ園で敬老の日フラダンス
敬老の日の19日、老人介護施設を利用する人に和んでもらおう窶狽ニ、駒ケ根市のダンス教室「スダジオAKI」(国澤晶子代表)の生徒13人と国澤さんが、伊那市西春近のデイサービスセンター「春富ふくじゅ園」など2カ所でフラダンスを披露した。
踊りを披露したのは、6カ月から2年目までの初心者クラスのメンバー。ハワイの衣裳“ムームー”や、花の首飾り“レイ”などで着飾り、「ハワイアンララバイ」など6曲を笑顔で踊った。
フラメンコやフラダンスを教える同教室が、敬老の日にふくじゅ園を訪れるのは2年目。昨年はフラメンコを披露した。
温かな南国を思わせる音楽と、楽しそうな踊りを見た利用者の中には、一緒に手を振る人もおり「ハワイで見てきたフラダンスより優雅だった」と話す人もいた。
メンバーはこの日、市内の民間受託介護施設「アイリスケアセンター伊那」でも、ダンスを披露した。 -
「日影水墨画会」と「仙墨会」合同作品展
日本墨絵会副会長の中山玉駒さん(75)=駒ヶ根市中沢=が講師を務める、伊那市内の2教室「日影水墨画会」と「仙墨会」の水墨画の合同作品展は25日まで、伊那市荒井区錦町の市立図書館広域情報コーナーで開いている=写真。入場無料。
図書館で4回目となる日影水墨画会の展示会に、仙墨会が初めて参加。墨の濃淡だけで描かれた作品は風情豊かで、見所の多い展示会となっている。
作品は、両教室の生徒計16人の1年間の成果と、講師の作品2点、合計29点を出品。6号から20号サイズの額装を中心に、ボタン、バラ、カトレア、リンドウなどの花や鳥、風景、人物などを描いている。
中山さんは「この日のために、生徒たちが頑張って描き上げた1年の成果を見て下さい」と来場を呼びかけている。
月曜日は休館日。午前10時から午後7時(最終日は午後3時)まで。 -
伊那北で高校改革プランについて考える高校生集会開催
統廃合の対象校に名前が挙がった高校だけでなく、全県の人に高校改革問題を考えてほしい窶狽ニ伊那北の高校生徒らは10月22日、県教育委員会と高校生が直接話し合う「高校改革プランについて考える高校生集会」を伊那市の同校同窓会館で開く。上伊那だけでなく、全県の高校生に参加を呼びかけ、県全体での議論につなげたいと考えている。
きっかけとなったのは6月にあった文化祭「ペン祭」の田中知事との討論会。生徒から「高校改革プランについて、高校生の声を聞く場を設置してほしい」と投げかけたところ、知事も「高校生が自ら動くべき。そのような形でなら賛同する」としたため、同校の滝澤文那さん(17)が実行委員長となって準備を進めてきた。
高校生が主体的にやってみる時代なのでは窶狽ニ実感したという滝澤さん。「会は反対するためでなく、純粋に高校生の声を聞いてもらうためのもの。今後もこうした取り組みは継続的にしていきたいし、高校生間のネットワークづくりにもつなげたい」と話す。
既に上伊那の高校には生徒会交流会を通して呼びかけを始めているほか、県内他地域から参加を希望する高校もあるという。
今後は、ポスターと案内状を県内の県立高校88校すべてに送付し、参加を呼びかけていく。
問い合わせは伊那北高校生徒会(TEL72・2221)へ。 -
竹内徹自選展
雪景の中にある人々の温かな営みを描く高遠町の洋画家、竹内徹さん(69)の自選展「信州の雪に魅せられて」が、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで25日まで開かれている。情緒豊かな作品約60点が、訪れた人々を魅了している。
日展や一水会展に発表した大作も多く並び、竹内さんの代表作である信州の雪景色を描いた作品をそろえた。
現場で描くことにこだわり、師である中村琢二氏と共に20年近く全国各地を描いてきた。しかし最終的にたどり着いたのは、他に類をみない信州の山の素晴らしさだった。
それから15年、描き続けてきた信州の中でも、その時々で表情を変える“雪”への思い入れは強い。
竹内さんは「信州の雪景はただ寒いだけではなく、そこにある生活が、温もりを感じさせる」と話す。
昔と現代が入り混じる高遠町の街並みで、昔と変わらない営みをおくる人々を描いた雪景色は、錯誤する情景から伝わる郷愁や懐かしさを、雪が一層際立たせている。
入場無料。 -
北・中央・南-日本アルプスを走り抜ける男
飯島浩さん(36)=伊那市東春近=輸入薪ストーブの販売で全国有数のシェアを誇るDLD(本社・伊那市)。その店頭で、目を見張る写真を見せられた。深く切れ込んだ谷、青空の下に広がる大雪渓……アルプスの登山道を小さなリュックサックを背負って走り抜けていくランナーたちの写真だ。
◇
「これ、私なんですよ。腹ぺこぺこの時ですね」
同社カスタマーサービス担当。04年8月に行なわれた「TRANS JAPAN ALPS RACE」に参加した。
富山県の日本海から、北アルプスの剣岳・槍ヶ岳・上高地を走り抜ける。一般道70キロを経て、中央アルプスの木曽駒ケ岳から空木岳を縦走。さらに、駒ヶ根市から長谷村まで走り継いで、南アルプスへ。仙丈ケ岳・塩見岳・荒川岳・赤石岳・聖岳の頂きを経て畑薙ダムに下り、車道70キロを降りきって静岡県の太平洋に至る。全長421・5キロ、制限時間192時間(8日間)。気が遠くなるような過酷なレースだ。
2回目になる04年のレースには、全国から8人が参加。完走が6人。タイムオーバーが1人。残念ながら1人はリタイアした。
「『こんなの絶対無理』っていうのに挑戦するのが楽しいじゃないですか」
細面。一見、華奢(きゃしゃ)そうに見えるスレンダーな体型だが、その体力は強靭だ。緊急時以外の山小屋泊りは禁止。小屋で食事をとっても良いが、時間調整が難しいため食料持参が基本。風雨をしのぐチェルトや携帯食で、合計約8縲・0キロを背負って走る。睡眠は、良くて2縲・時間。どうしようもなく眠くなり、登山道にバタリと横になることもあるという。
「宝剣の鎖場で、一瞬意識が飛んだんです。『あれ!?なんでこんなに瞬きが遅いんだろう』と気がついた瞬間に怖くなりました」
伊那市出身。駒工在学中からマウンテンバイクに魅了され、様々な山を乗り回した。95年に国体の「登山・縦走」の選手に選ばれ、北信越大会で優勝。山に登るだけでなく走る魅力に取りつかれた。
以来、奥多摩の山71・5キロを走り抜ける日本山岳耐久レースや、丹沢山系の北丹沢耐久レースなどに次々と挑戦。山岳ランニングだけでなく、マウンテンバイクやカヌーなど5種目がセットになった山岳版トライアスロン=「アドベンチャーレース」にも出場している。
アルプス縦走では赤石岳頂上で、それまで走り抜けてきた北・中・南のアルプスの頂のほとんどが見渡せる好天に恵まれた。「これだけ走ってきたのか」としみじみ感動。だが目を南に転じると、これから走る山並みが延々と連なる。「本当かよ、と力が抜けました」と笑う。
「今度のレースは10月の8・9日で、会社のイベント『ストーブまつり』とかち合っているんです。ホント困ったなぁ」……山岳ランナーは屈託なく語った。
【毛賀沢明宏】 -
99歳以上の高齢者宅を訪問
伊那市は「敬老の日」の19日、長寿を祝って99歳以上の高齢者宅を訪問した。
上伊那で1番の長寿となった西春近の戸田志んさん(107)宅には、小坂市長らが訪ねた。
戸田さんは着物姿で対応。小坂市長は「県内で1番を目指して長生きを」と声をかけ、祝い状などを手渡した。
戸田さんは4世代7人暮らし。子ども6人、孫12人、ひ孫13人、やしゃご2人に恵まれる。5年前からベッド上での生活。耳が遠く、文章を見せると、返事が返ってくる。
長男新治さんの妻みち子さんによると「午前7時半ごろに起き、1日3度の食事を好き嫌いなく食べる。魚、カボチャ、イモが好き。週1回、デイサービスに通うのを楽しみにしている」という。時折、蚕を飼っていたことを思い出すそうだ。 -
南箕輪村と伊那市手良の高齢者学級交流会
南箕輪村公民館と伊那市手良公民館の高齢者学級交流会は16日、南箕輪村民センターであった。互いの活動を紹介し合い、演芸会で楽しく交流を深めた。
年1回の恒例。会場を市と村で交代に開き、今年は村が手良の学級生を招待。村のゆずり葉学級は48人中43人、手良は39人中21人が参加した。
それぞれの高齢者学級の活動紹介に続き、村の学級生が活動の中で作った「村民カルタ」や紙芝居などで村や伝説を紹介した。
昼食後はホールで演芸会。全員で「信濃の国」「ふるさと」を歌い、村は「大芝高原音頭」の踊りや「南箕輪村民の歌」、手良は「伊那節」を踊り「伊那市の歌」を斉唱するなど、それぞれの地域にちなんだ出し物のほか、学級生の有志が「ラバウル小唄」「津軽の花」などの踊りを披露した。 -
上の原保育所で伊那北吹奏楽部演奏
伊那市の上の原保育所で16日、伊那北高校吹奏楽部(北澤実枝子部長)生徒58人が、野外演奏会を開いた。
3年生の引退後、初となる演奏会は、保育園の誕生日会に合わせて企画された。ドラえもんやアンパンマンなど、子ども達が好きな4曲を選曲し、目でも楽しめるように窶狽ニ、劇などの演出も加えて練習してきた。
園児たちは、金管楽器や弦楽器が奏でる大なじみ音楽と、高校生のパフォーマンスに目を輝かせ「さんぽ」や「手のひらを太陽に」が演奏されると、音に合わせて大合唱を披露した。
弦バスを演奏する日岐敏史さん(16)は「小さい子がいると一緒に歌ってくれ、自然と笑顔になってうれしい」と話していた。 -
農事組合法人「山室」を設立
高遠町の農事組合法人「山室」が17日、設立した。組合員の協業で農業の生産性を向上させ、利益を増進するねらい。集落単位で経営体を組織するのは上伊那で2カ所目。
農業を取り巻く情勢は、担い手の減少や高齢化、獣害被害による生産意欲の低下など耕作を放棄せざるを得ない厳しい状況。「先祖から受け継いだ農地・農業を守る」ため、地区内に住所または耕地を持つ農家戸数98戸のうち33戸が賛同した。
経営面積は現在、集計中だが、来年度の事業計画は約10ヘクタール。酒米を中心に、小麦、ソバを栽培する。定款では将来ありうる事業として林業経営、農畜産物の製造・加工なども盛っている。
出資金(資本金)は265万円。配当は組合員の出資額に応じ、残余がある場合は事業従事によって分ける。
三義交流館「やまびこ」で開かれた設立総会には組合員ら約30人が出席し、定款や事業計画、役員などを決定。
発起人代表で代表理事に選ばれた伊藤忠彦さんは、設立に至る経過に触れ「先祖から受け継いだ農地を守るために、組合員が一緒になって経営してほしい」と呼びかけた。
来賓の伊東町長は、新しい営農を作り上げていく1つのモデルとして農業の進展につながることに期待した。 -
伊那小学校で運動会
伊那小学校(北原和俊校長、765人)で17日、運動会があった。全校児童を縦割りで4チームに分け、全児童が参加した「4色対抗大玉送り」、1年生の笑顔がこぼれた「いっぱい入れ太陽っ子の玉入れ」など26種目で激戦を展開した。
5・6年女子の騎馬戦では、応援に熱が入った一人の教諭が、応援旗を折ってしまうハプニングが発生。保護者からの熱い声援も多かったが、先生たちも児童の応援に熱中していた。
4チーム対抗戦は今年で2年目。昨年度の児童会が、縦割りで団結する運動会をつくろう窶狽ニ始めた。 -
油絵の展示即売「四季の彩り」
伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで20日まで、市内美篶美原在住の画家・小澤喜美子さんの油絵の展示販売会「四季の彩り」が開かれている=写真。
今回の個展は3年前に続き、3回目。南箕輪村の県道伊那箕輪線(通称・春日街道)から雄大な仙丈ケ岳を望んだ「仙丈残雪」、大鹿村の森林を空が入りきらないくらいの迫力で描いた「山里新緑」など、優しい柔らかなタッチで表現した新作48点が並ぶ。
小澤さんは約30年の画歴で、大潮会委員(審査員)を務めるほか、信州美術会、伊那美術会などに所属。上伊那を中心に、身近な風景を描き続けている。
「有名な場所でなく、普段誰もが目にしている日常を描いているので、見る人にそんな雰囲気が伝われば」と来場を呼びかけている。
午前10時から午後6時(最終日は午後4時)まで。 -
伊那公民館高齢者教室がオープン講座
伊那公民館高齢者教室の毎月恒例の学習会が14日あった。この日は、一般住民も参加できるオープン講座として約120人が参加。講師に小県郡武石村の矢嶋診療所長・矢嶋嶺さんを向かえ、中高年期の健康の考え方、介護保険の功罪などについての話を聞いた。
長年医師として地域医療・福祉に貢献してきた矢嶋さんは、「地域で老いて家で死ぬために窶伯注Nに生きて思い残すことなく死ねる医療と介護とは窶煤vと題して講話。途中、冗談を交えながら、これからの医療・福祉について語った=写真。
矢嶋さんはフィンランドであった実験を例に上げ、「健康診断を絶対視してはいけない」と主張。話によると、心臓疾患に成りやすい40窶・5歳の1200人を対象に、徹底的に健康診断をしてコレステロールを下げた半数と、放置した半数の12年間の死亡率は、ほおっておいた人のほうが低いという。
「勝手に生活習慣を変えさせられ気に入らない生活を送るのではなく、好きなことをして充実した人生を送ったほうがよい」とし、「日本人は大勢に意向する移行がある。年よりの健康問題について、もっと頭を働かせたほうがよい」と呼びかけた。 -
「田楽座」恒例けいこ場公演
伊那市富県を拠点に全国で活動する歌舞劇団・田楽座の稽古(けいこ)場公演「よっておくんな田楽座」が15、16日あった。初日は地元住民ら約150人が集まり、太鼓や横笛のリズムに合わせた踊りや歌など13演目の民俗芸能を楽しんだ。
現在の場所に稽古場を構えたのをきっかけに、地域の人に見てもらおう窶狽ニ始め、14回目。毎年の公演を楽しみに、県外から訪れるひともいるという。
これまであった演目に加え、新作の「廿一田植え踊り」「三味線縲恍テ軽小原節」も披露。体の中から響き渡る太鼓の演奏「八丈島太鼓囃子(ばやし)」、親子の競演が会場を和ませた「獅子舞」など、次々と代わる舞台に、観客は大きな拍手でこたえた。
稽古場公演とあって舞台と観客との距離は近く、生き生きとした表情で、会場狭しと動き回る団員は迫力満点だった。
稽古場公演にほぼ毎回きている遊佐千恵子さん=駒ヶ根市梨の木=は「演目の鮮度も最新だし、演技者のやる気も伝わってきて楽しい。身近で、これだけ盛りだくさんな演目が見れる稽古場公演はお得」と喜んでいた。 -
伊那ナイターソフトリーグ戦終了
5月初旬から熱戦を繰り広げてきた伊那ナイターソフトボール連盟(関達也会長)のリーグ戦の全日程が終了し、15日夜、伊那市の富士塚スポーツ公園運動場で閉会式があった。
Aリーグ(12チーム)は、昨季4連覇を逃したインターフェアが9勝1敗1分で優勝、王座を奪還した。Bリーグ(12チーム)は、パイレーツが11勝全勝で優勝、1シーズンでAリーグへの復帰を決めた。
Aリーグ下位3チーム、Bリーグ上位3チームは来春入れ替わる予定。
関会長は「29回目のリーグ戦は終わるが、1チームも欠けることなく春また顔を合わせよう。新規加盟チームの『ちゅ縲怩ィ縲怩ュGets』はBリーグで準優勝し、色んな意味で新風を吹き込んでくれた。Aリーグに行っても新しい風を期待したい」とあいさつした。
閉会式後、秋季トーナメント戦が開幕。18チームが参加し、10月中旬に優勝チームが決定する。
リーグ戦の成績は次ぎの通り。
◆Aリーグ (1)インターフェア(2)アスター7勝3敗1分(3)GTエボリューション6勝4敗1分(4)ラッキーズ6勝3敗1分(5)ライジング5勝4敗2分(6)天竜ザザムシ6勝5敗(7)伊那市役所5勝6敗(8)信濃路クラブ5勝6敗(9)ますみクラブ4勝6敗1分(10)ニュースターズ4勝6敗1分(11)トレンディー4勝7敗(12)ほうせん9勝2分
◆Bリーグ (1)パイレーツ(2)ちゅ縲怩ィ縲怩ュGets9勝1敗1分(3)歌麿呂8勝2敗1分(4)スリーピース7勝4敗(5)下県フェニックス7勝4敗(6)レッドビッキーズ5勝5敗1分(7)加城5勝6敗(8)CROWS3勝7敗1分(9)V・I・P3勝8敗(10)高尾クラブ2勝9敗(11)セレネーズ2勝9敗(12)ないのにクラブ2勝9敗 -
第29回上伊那花き品評会
切花を中心の花き生産販売者(JA系統外)らでつくる上伊那花卉(かき)生産者会議(会員70人、田中賢一会長)による品評会が16日、伊那市の信州INAセミナーハウスであった。バラやカーネーション、リンドウなど、美しい花々を展示。伊那市の田中和浩さんのバラが最優秀賞を受賞した。
品種の選定や栽培、出荷技術向上などを目的とした品評会で、約290点がそろった。
生産者会議は、それぞれがさまざまな種類の花を生産しているため、品評会でも異なる種類の花々を楽しむことができるという。
色の発色具合や茎の太さ、病気にかかっていないかなどを基準に審査する。
田中会長は「今年は陽気が暑かったため、今はまだ花が軟弱な気がするが、寒くなるこの時期から、どんどん良くなり、色も鮮やかになる」と話していた。
また「地元消費者に花に興味をもってもらおう」と、フラワーアレンジメント講習もあり、訪れた人々は、花を買い求めたり、アレンジ方法を学んだりしながら、美しい花々を楽しんでいた。
受賞者は次の皆さん。
◇最優秀賞▼バラ=田中和浩(伊那)
◇優秀賞▼トルコギキョウ=唐沢政成(箕輪)蟹澤亜紀(伊那)▼カーネーション=小林淳一(飯島)岡野敏幸(伊那)加藤忠一(南箕輪)那須野明(飯島)田中功(宮田)▼サンダーソニア=入江則充(伊那)▼バラ=鈴木一生(飯島)▼アルストロメリア=片桐敏美(飯島)
◇優良賞▼クレマチス=渋谷宗一(飯島)▼アルストロメリア=佐々木松男(飯島)▼カーネーション=堺沢正、堺沢豊、福澤一郎(以上駒ケ根)竹澤孝生(飯島)▼バラ=小林均(飯島)
◇奨励賞▼トルコギキョウ=酒井則男(伊那)▼カトレア=永田治彦(箕輪)▼バラ=鈴木一生、中村敦彦(以上飯島)▼洋ラン=伊久間弘道(南箕輪)▼ヒペリカム鉢=酒井大(伊那) -
春日商店主 春日太喜治さん(89) 伊那市荒井
終戦後、1945(昭和20)年12月、モンゴルから伊那に引き揚げた。生活していくために開いた店は、もう60年にもなる。
青果物、化粧品などを販売。当時は食料難で、店には行列ができた。米がなく、ジャガイモやサツマイモなどの野菜を店頭に並べると、瞬く間に売り切れたという。「夜中もなく、人の2倍も、3倍も働いた。そうしないと、生活できなかったもんでね」と振り返る。
93(平成5)年、奥さんが亡くなってからは、たばこ、ジュース、宝くじのみの販売に切り替えた。
「何でもそろう大型店ができて、車社会になって、小さな店はさびれてしまうわけ。ただ、店の場所が四つ角にあるもんで、常連客らが立ち寄ってくれる。健康なうちは、のん気にやってるの」と話す。
「お互いに健康でいいね」があいさつ代わり。
20年前から、仲間と一緒にマレットゴルフを楽しむ。今も週1回、市内を中心に近隣市町村のマレットゴルフ場へ出かける。18ホール、パー72のコースをパー60窶・5で回る。市内で開かれる各種大会に出場し、優勝トロフィーをいくつも手にしている。
「クマが出るもんで、1人じゃ行かん」そうで「仲間と一緒に笑ったり、話したり楽しみながら、自然と歩く。技能も磨くし、脳も使うし、健康にいい」。プレー後は、近くの「菊の湯」や西箕輪にある日帰り温泉「みはらしの湯」などでさっぱりと汗を流す。
健康の秘けつは▽夜は早く寝て、朝は早く起きる▽自分の体にあった体操をする▽3度の食事は腹八分目窶煤B
体操は毎日3回、腕や足首を回したり、耳をこすったりする。1回につき5、6分。「気が向いたときにやっても効果はない」と習慣づけることの大切さを挙げる。
「人間は希望と楽しみがなくっちゃだめだよ」と元気に笑う。今度の日曜日も、マレットゴルフに出かける。