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かんてんぱぱ・権兵衛トンネル開通記念工芸展シリーズ2
権兵衛トンネル開通記念「伊那と木曽の工芸作家展」の第2シリーズが23日、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで始まった。昔懐かしい光景を人形で再現する御子柴明實さん(69)=伊那市宮本町=と、木目を生かした箱や厨子、碗などを手掛ける北原昭一さん(59)=木曽町=の作品約80点が、訪れた人たちの目を楽しませている。
御子柴さんの人形は、桐の木を彫り、木目込み、彩色を施したもの。もとは桐塑人形を製作していたが、飯島悠紀氏に師事したことをきっかけに、美しいラインを表現できる木彫に取り組むようになった。
「だるま市」「そば打ち」など、自身が幼いころに目にした光景をテーマとしたものが多く、安堵(あんど)感や懐かしさがある。そのほかにも、イマジネーションから造形した作品もある。 -
まゆククラフト展
駒ケ根市東伊那の駒ケ根シルクミュージアムを拠点に活動する桑の実の会は4月2日まで、飯島町七久保の道の駅花の里いいじまで「まゆクラフト展」とまゆクラフト体験を行っている。
まゆを薄くはがして作ったバラやガーベラ、スズランをふんだんに使い豪華に仕上げたブーケ、コサージュ、まゆをはがして張りつけ、トラや犬などの動物を描いた絵、さまざまな花をかごに盛ったアレンジ、本物そっくりに作り上げた梅や桜、松などの盆栽のほか、全国農業協同組合主催の全国まゆクラフトコンクールで準グランプリに輝いた小林さな恵さんの「干支と遊ぶ」、会員の力のこもった出品作品など80点を展示した。
また、体験コーナーではまゆでかわいらしいペンギンを作る。体験料500円。 -
駒ケ根市の教職員人事異動
駒ケ根市内小中学校の転退職職員は次の皆さん(カッコ内は新任校)。
◇赤穂小▽教頭=矢澤静二(塩尻東小)▽教諭=米山香織(宮田中)田中貞光(辰野東小)薄田眞奈美(伊那東小)上野真理(高遠北小)小林かず子(手良小)有賀智(諏訪市立豊田小)山・ス重幸(伊那小)上條映子(中野市立中野小)片桐千佳(退職)▽講師=桃澤敏郎(赤穂南小)保科洋子(赤穂南小)宮下智子(退職)渡邉亜希子(小諸高)▽非常勤講師=山内典子(西春近北小)木下智子(七久保小)木下志保(飯田市立追手町小)曽根原千穂(赤穂東小)▽栄養士=北原美津子(伊那小)
◇赤穂東小▽教頭=赤羽根直樹(佐久市立臼田中)▽教諭=石田愛(退職、新規・兵庫県公立学校)伊藤彰(辰野南小)西澤茂治(飯田市立丸山小)小野教子(宮田小)宮入美雪(塩尻東小)▽講師=中村香代子(退職)清水幸治(退職、講師・南箕輪小)
◇赤穂南小▽校長=白鳥彰政(高遠小)教諭=天田良子(退職)坂本淳(退職、伊那養護学校)市川ひとみ(退職、長野養護学校)木下聖子(箕輪西小)橋爪洋幸(手良小)前原修(辰野西小)▽講師=速水英典(退職)細江文子(箕輪中部小)
◇中沢小▽教諭=曽根原浩(宮田中)川尻年輝(伊那東小)▽講師=白鳥みち江(新山小)▽非常勤講師=吉澤由範(高遠小)
◇東伊那小▽教諭=上田日登美(小諸養護学校)▽養護教諭=風間永子(組合立聖南中)
◇赤穂中▽教頭=塚田英行(飯田市立高陵中)▽教諭=北原隆(退職)木下久資(宮田中)古田昌三(伊那養護学校)村澤生悦(小諸市立芦原中)島尻英二(伊那中)横田茂樹(飯島中)久保田徹(信大付属松本中)大口春香(茅野東部中)友田ひとみ(中野市立南宮中)山崎智子(白馬村立白馬中)
▽講師=林さくら(退職)大久保美帆(白馬村立白馬中)久保田美穂(小布施町立小布施中)前田理衣(大町町立仁科台中)▽司書=林真未子(退職)▽事務=中澤麻由美(栄村立東部小)
◇東中▽校長=向山健一(退職)▽教諭=諸田直貴(退職)小林久通(伊那中)星野泰志(宮田中)大隈光子(箕輪中)徳武秀和(赤穂中)堀米玲子(伊那中)▽講師=関口善弘(東部中) -
駒ケ根市の小学校で卒業式
駒ケ根市内の5小学校で22日、一斉に卒業証書授与式が行われた。
赤穂小学校(高野普校長)では式に間に合わせようと急ピッチで工事を進め、このほど完成したばかりの新体育館で卒業生130人が晴れの卒業式に臨んだ。真新しい明るい体育館に整列した卒業生らは壇上に上がって一人一人高野校長から卒業証書を受け取った。
壇上に並んだ卒業生は向かい合った在校生らとともに『卒業の歌』を合唱。曲の合間に「お父さん、お母さん、ありがとう」と大きな声で呼び掛けると、保護者席の中のあちこちにハンカチで目頭を押さえる母親の姿が見られた。
高野校長は式辞で「心身共にたくましく成長した姿をうれしく思う。卒業生に『耐雪梅花麗』の言葉を贈りたい。努力する心、支え合う心を信じて歩んでほしい」と激励の言葉を贈った。
在校生らの拍手に送られて退場した卒業生はようやく緊張から解放され、友達同士で晴れやかに笑い合っていた。 -
刺繍教室作品展に向けて、創作に意欲
宮田村南割区の刺繍作家竹中理恵子さんが主宰する刺繍教室「オリジナルT」は、4月14日から3日間、伊那市のかんてんぱぱホールで作品展を開く。小学校1年生から85歳の女性まで幅広い年代の受講生が、百点以上を出品。世界各地の図柄や最新の技法もとりいれ、「今まで見たこともない刺繍の世界を、多くの人に感じてもらえれば」と創作に励んでいる。
昨年、フランスに留学して本場の技術を学んだ竹中さんは、世界各地で愛される刺繍の良さを広く伝えたいと思案。
高齢になっても創作意欲を燃やしている受講生の姿にも感化され、作品展を企画した。
同教室に通う20人に加え、竹中さんが講師を務める村教育委員会の学校週5日対応講座「やさしい手芸」の子どもたちも出品。
「3世代、4世代と年代関係なく続けられるのが刺繍の良さ。初心者からベテランまで技術は幅広いが、デザインや色の楽しさを感じてもらえれば」と竹中さんは話す。
1000色以上ある糸を使い分け、世界各地の図柄などを布地に縫い込む刺繍の世界。根気と色彩感覚などが求められるが、同教室最高齢の85歳の女性は「つい夢中になってしまう」と、笑顔で展示作品を仕上げていた。
作品展は駒ヶ根市のパッチワーク教室・マルコミコットンクラブとの共催で、「花のパッチワーク&世界の刺繍展」と銘打つ。午前9時から午後6時(最終日のみ午後4時)まで開場し、入場無料。 -
千村俊二さんの原画のかざり扇子を予約販売
飯島中学校を62年3月に卒業した同年生でつくる昭和36年飯島中学校卒業還暦同年会実行委員会(下平憲夫代表幹事)は、白檀の香り漂う「福寿草の扇子」「桜の扇子」の2種類を予約販売する。
原画は会員の1人、日本画家の千村俊二さん(本郷出身、春日井市在住)に依頼した。
同会は5月4日、還暦記念式典を予定、席上、出席者に記念品として渡す「福寿草の扇子」を製作する。合わせて、多くの町民に町出身の千村さんの作品に触れてもらおうと「桜の扇子」を加え、2種類を希望者に販売する。いずれも1本2000円。扇子台は別途500円。
予約は4月末までに。申し込み、詳細は同年会幹事・下平憲夫さん(TEL86・2215)、三石博さん(TEL86・4910)、下平貢さん(TEL86・2247) -
駒ケ根市文化財団基金奨励賞
駒ケ根市文化財団(渋谷敦士理事長)は第3回基金奨励賞を日本舞踊師範の花柳太昌(本名松本八寿子)さん(63)=上穂栄町=と、駒ケ根豊年おどり保存会(木下鉄人代表、20人)=中沢=に贈ることを決め、19日、授与式を駒ケ根市文化センターで開いた。花柳さんは「日本舞踊の文化がなかった伊那谷に疎開してきて、今に続く道をつけてくれた両親のおかげ。天国で喜んでくれると思う」、木下さんは「今は技術は進んだが、農家はほとんどが兼業になってしまった。昔ながらの血と汗と涙の農業を踊り継いでいきたい」とそれぞれ受賞の喜びを語った。
花柳さんは17歳で師範となり、踊りの指導や振付などを通じて日本舞踊の発展に尽力してきた。駒ケ根豊年おどり保存会は、日本古来の稲作の様子をユーモラスに表現した貴重な踊りの保存と継承に務めてきた。
渋谷理事長は「高い技術を生かし、今後も文化の発展と振興に貢献を」と激励した。
同基金は伝統芸能や芸術の振興を図ろうと95縲・9年にかけて市内の事業所や市民からの寄付を募り、総額約5千万円を集めて創設された。 -
小学校卒業式
中川村の2小学校で20日、卒業式が行われ、それぞれ思い出深い学びやを後にし、新たな世界に飛び立った。
中川西小学校(清水篤彦校長)では34人(男20、女14)が鉢植えのパンジーが飾られた花道を通って、ひな壇にそろった。
清水校長は卒業生一人ひとりに卒業証書を手渡し「いつも低学年の見本となり、リーダーとして活躍した。4月から中学生になるが、春のように暖かい心、夏のように燃える心、秋のように澄んだ心、冬のように厳しい心を持ち、充実した中学校生活を」とはなむけの言葉を贈り、門出を祝った。
在校生は「仲良く遊んでくださった6年生のお兄さん、優しく世話してくださった6年生のおねえさん、ご卒業おめでとう」と呼び掛け、巣立つ6年生に感謝し、歌で卒業を祝福した。卒業生は「今こそ飛びたとう、未来を信じて、若い力を信じて、広い広い大空に」と、巣立ちの決意を歌声に込め、会場いっぱい響かせた。
東小学校では23人(男13、女10)が巣立った。
なお、飯島町の飯島小学校は71人(男34、女37)、七久保小学校は37人(男21、女16)が学び舎を後にした。 -
木下みこし会10周年
箕輪町木下の箕輪南宮神社例大祭や、みのわ祭りなどでみこしを担ぐ「木下みこし会」が結成10周年を迎えた。18日夜、祝賀会を木下公民館で開き、会の継続とさらなる発展を誓い合った。
95年、みのわ祭りでみこしを担ぐため箕輪町商工会南部支会がみこしを手作りし、96年みこし愛好者により会を結成した。
現在会員は高校生から70歳代まで約80人。地元の祭りのほか、会の兄貴分である飯田市松尾町上溝区のみこし会元島田と交流し、八幡神社秋祭りに友情参加。マレット・きのこ会など仲間づくりにも取り組んでいる。
清水政治会長は、「今は和の心が失われつつあるが、我々はリーダーとして積極的に和の心を継いでいかないといけない。10年の節目。今までの歩みを喜び合うとともに、これからの20年、30年へと発展することの大切さを皆で誓いたい」とあいさつした。
歴代会長を代表して唐沢祥朗さんは、「これからも長く続け、担いでよかったと言われるみこしにしてほしい」と話した。
今後は組織強化や会員拡大などに取り組む。同日の05年度総会では役員改選があり、会長に唐沢祥朗さん、副会長に原康雄さん、副会長・会計に森谷良明さんを選出した。 -
東部中学校合唱部サンクスコンサート
伊那市立東部中学校合唱部のサンクスコンサートが19日、伊那市生涯学習センターホールであった。こども音楽コンクール中学校合唱の部で、全国1位の文部科学大臣奨励賞を2年連続受賞した記念と感謝の気持ちを込めた受賞曲の熱唱に、満席の観客は割れんばかりの拍手を送った。
受賞曲は組曲「御柱の情景より」深山にて・里曳き(作詞作曲・唐沢史比古)。心に迫る重厚な響きで、全国1位の実力を存分に聞かせた。ホールは感動に包まれ、素晴らしい演奏にしばらく拍手が鳴り止まなかった。
コンサートの前半は、部員が日ごろどのように練習し高め合っているかを伝える構成。小人数のゴスペルや男声合唱の響き、ピアノ弾き語り、ギターやヴァイオリン演奏などを盛り込み、合唱部顧問の唐沢流美子教諭の楽しい司会で、部員が次々と美しい歌声、演奏を披露した。 -
おやじ塾絵手紙挑戦
宮田村公民館が開く中高年男性のための生きがい講座「おやじ塾」はこのほど、絵手紙づくりに挑戦。慣れない筆づかいに悪戦苦闘しながらも、手描きの楽しさにふれていた。
伊那市の倉科照子さんが講師。おやじ塾のメンバー約10人は、果物や野菜を観察しながら、ハガキ上に筆を走らせた。
墨で輪郭を描き、色を塗る。バナナやデコポンなど色鮮やかなものから、緑が映える旬のふきのとうまで。差し出し人に宛てた文章も考えた。
「たまには妻に宛てて手紙を書いてみるか」とあるメンバー。まわりの人たちに「そりゃ、奥さん感激しちゃうなぁ」と冷やかされつつ、絵手紙の世界を満喫していた。 -
伊那谷作家展
駒ケ根市菅の台の駒ケ根高原美術館は1996年から02年にかけて同館で個展を開いた坂本勇さん=伊那市、柴田久慶さん=駒ケ根市、村上忠志さん=辰野町=の3作家の絵画13点を集めた作品展を4月13日まで開いている=写真。
主体美術協会会員の坂本さんは、春を待ち望む人の気持ちを果樹園の情景に重ねて表現した「春を待つ果樹園」など3点を、国画会会員の柴田さんは、情熱的な恋心を感じさせる130号3枚の大作「Ren・恋」など4点を、二紀会会員の村上さんは、人間の孤独感を表現した「ひとたち(孤)II」など6点をそれぞれ展示している。
午前9時30分縲恁゚後5時。大人1千円、大学・高校生800円、小・中学生500円(小・中学生は毎土曜日無料)。水曜日休館(4月からは無休)。問い合わせは同館(TEL83・5100)へ。 -
宮田小2年が百人一首カルタで意欲
宮田村の宮田小学校2年生106人は、1年生の時から百人一首カルタを授業に取りいれている。楽しみながら覚えることで、自然のうちに漢字能力や集中力などが向上。がぜんやる気を出す児童も多く、勝ちぬき方式による「名人、クイーン戦」も子どもたちの発案で始まった。
1年生の時に始めた百人一首大会。正月だけでなく、年間のライフワークとなり、15日の大会で通算7回目を迎えた。
児童の要望で前回から、名人位を頂点に勝利するごとに階級をあげていく方式を採用。大きく4つのクラスに分かれての個人戦だが、トップ22人の「名人、クイーン」級は小学校低学年とは思えないハイレベルな争いだ。
対戦中は脇見もせず、無駄話もない。集中力を高め、上の句をほんの少し詠んだだけで反応する。多くが百人一首全てを暗記しているという。
1回の大会で5、6試合こなし、その間も勝てば上位にあがり、負ければ下位に沈む。
厳しい戦いの中、1度も陥落することなく名人位の座を守っている本田峻太君は「(カルタを)取るのが本当に楽しい」と話す。
その学習効果は国語力の全般にも好影響を与えていると、担任の丸山雅夫教諭は説明する。大半の児童が漢字検定に合格。さらに古文の難しい言葉や読み方も興味を持って習得しているという。
「国語だけじゃない。がぜんやる気を出し、意欲を持った子が目立つ。集中力にも影響があると思います」。
目標を持って・ス勝負・スする学習は3年になっても続く。 -
改定版「お役人」発刊
飯島町歴史民俗資料館飯島陣屋はこのほど、ブックレットシリーズの「お役人」改定版を発刊した。
A5判、千部発行、1部300円で飯島陣屋で販売。
94年に発刊した初版が完売になったため、章立ては同じだが、内容はさらに充実、写真も最新にした。
著者は初版同様、西沢淳男さん(大学講師)=埼玉県在住=。西沢さんは幕府体制の中間管理職、知られざる代官の素顔、悲喜こもごもの実像と虚像を描いた「「代官の日常生活」の著者。改定版「お役人」にも、そのエッセンスが入っている。
改訂版は(1)陣屋のお役人たち(2)お役人の仕事(3)お役人の昇進(4)お役人の実像-からなり、改定版では陣屋の1年、年中行事の内容を充実させた。正月や2月の初午、3月は上巳(じょうし)の節句、6月は疫気をはらうために16個の菓子やもちを神に供え、食べる嘉祥(かじょう)など行事の様子を詳しく記した。
飯島陣屋ブックレットは陣屋が復元、公開された94年から刊行。既刊は「お役人」のほか「伊那県時代-飯島陣屋から伊那県庁へ(高木俊輔著)」「江戸幕府の天領(村上直著)」同資料館編の「信濃の天領陣屋」「陣屋があった江戸時代」の5冊がある。 -
日本棋院駒ケ根支部副支部長
塩澤明さん(76)赤穂公民館の囲碁講座で講師を務めて11年。4歳から83歳の市民ら約40人が集う講座で週1回、碁を教えている。さらに、講座だけでは飽き足らず、もっと強くなりたい竏窒ニいう子どもたちを自宅に招き、熱心に指導を続けている。
「囲碁は年齢、性別に関係なく楽しめるのがいい。難しいと思われがちだが決してそんなことはないし、覚えればこんなに楽しいものはないですよ。それに非常に奥が深くて、打てば打つほど夢中になる。そこが魅力ですね」
◇ ◇
豊科で米屋を営む両親の間に男5人、女4人の9人きょうだいの8番目として生まれた。「兄たちの通知表は甲ばかりだったが、自分だけは乙が3つばかりあった。宿題だけは家に帰ってすぐにやったが、まあ、家の中で本を読むより外に行って遊び回ってばかりいる子どもだったね」
旧制松本中学(現松本深志高校)時代、キャンプに行った高原で友人と散策していた時、北アルプスの常念岳を背にして子どもが無邪気に遊んでいる光景が目に映った。目の前に広がる絵のような情景に感動し、友人に「おい、教員やらないか」と問いかけられて「いいな。やりたいね」と即座に答えた。
1950年、20歳で数学教師として豊科の高家(たきべ)中学を皮切りに教員生活をスタート。以降県内各地の小中学校で教壇に立った。
囲碁との出会いは23歳の時。当時の校長が初段で、教頭はじめ教諭らがこぞって囲碁に打ち込んでいたことから先輩に「お前もやれ」と教えられ、たちまちその面白さのとりこになった。
「授業中にもね、この生徒は碁に向いている、やらせたらうまくなるだろうな竏窒ネどと考えたりしていた。ふと天井を見上げると碁盤に見えるほど、本当に夢中でした」
◇ ◇
松本や上伊那で校長を歴任するなどして退職。「その後は専ら囲碁三昧。だが昔は一晩中打っていても平気だったのが、今は年のせいか一番で駄目だね」とぼやく。「打つ時の集中力がなくなった。でも生徒に教える時は真剣ですよ。教える時にはいい加減なことはできないからね。やっぱり教えることが好きなのかな」
囲碁のほかにも拓本、絵画、郷土芸能などへの造詣も深い。
「始めたら何事も徹底的にやらないと気が済まない困った性分でね。94年に5段を取った時も土蔵に閉じこもって一生懸命にやったもんだ。もっともそれ以降はちっとも腕が上がらないけれどね。言わば万年5段ですよ(笑)」 -
飯島中学校の卒業証書授式
飯島町の飯島中学校(竹沢代蔵校長)で17日、卒業証書授与式が行われ、115人(男49、女66)が9年間の義務教育を修了し、思い出深い学びやを後にし、新たな世界に飛び立った。
在校生や教職員、保護者らの拍手の中、卒業生らはさわやかな笑顔で入場。
竹沢校長は卒業生一人ひとりに卒業証書を手渡し「堂々として、謙虚、存在感のある一流の中学生だった。互いに高め合い、磨きあった学年集団だった」と校内での卒業生の姿に触れ「高校ではたくさんの本を読み、自ら学ぶ学生であってほしい」と期待し、門出を祝った。
在校生を代表し、丸山春花さんは「1人がみんなを、みんなが1人をきづかう生徒会を築いてくれた。部活ではやさしく励ましてくれた」と感謝し「これからはそれぞれ別の道を歩むことになるが、飯島中学校の思い出を胸に、決して、あきらめず、夢と希望を持って1歩1歩進んで」と激励し、送辞とした。
これを受け、卒業生を代表し、中村明弘君は「1年の時から歌に力を注ぎ、だれにも負けない歌声を作ることができた。これからも全校合唱の火を燃やし続けて」と希望「それぞれの道に旅立つが、飯中の3年間の思い出を胸に、困難を乗り越え、夢に向かって大きく羽ばたいていきます」と旅立ちの決意をにじませた。
全員で体育館いっぱいに「大地讃頌」を響かせ、卒業生は万感の思いを込めて「フィンランディア」を歌い上げ、別れと旅立ちの歌とした。
なお、中川村の中川中学校でも05年度卒業証書授与式が行われ、79人(男43、女36)が義務教育の過程を終え、巣だった。 -
駒ケ根市の2中学で卒業式
駒ケ根市の赤穂中学校、東中学校で17日、それぞれ卒業式が行われ、354人(男子188、女子166)の生徒が9年間の義務教育を終えた。
東中(向山健一校長)の卒業生は男子27、女子20の計47人。卒業生代表の工藤由紀さんは涙で声を詰まらせながら「3年前、期待と不安を胸に入学して以来たくさんの思い出ができた。その間、時に厳しく導き、優しく見守ってくれた先生や家族に心から感謝したい。卒業を機に自分の道を切り開き、それぞれの希望に向かって頑張りたい」と答辞を述べた。
卒業生は在校生らの歌う『蛍の光』に送られながら、3年間の思い出の詰まった母校を静かに後にした=写真。
向山校長は式辞で「3年生は学校の顔だ、と以前話したが、皆よくその期待に応えてくれた。周囲に支えられ、生かされて巣立ちの日を迎えられたことにあらためて感謝しよう」と述べた。 -
胸をはって中学生に 小学校でも卒業式
伊那市の東春近小学校で17日、05年度卒業生の卒業証書授与式があった。6年生63人(男子34人、女子29人)が思い出が詰まった学び舎を巣立った。
橋爪伝校長が一人ひとりに卒業証書を手渡し「児童会で取り組んだ全校あいさつ運動では皆の心と心がつながり仲良くなれた。中学校へ行っても心のあいさつ運動を続ければ未来は必ず開ける」とエールを送った。
在校生は「いっぱい遊んでもらえてうれしかった」「全校をまとめてくれた6年生が作り上げたような楽しい学校にしていきたい」などと、言葉を添えて歌をプレゼントした。
卒業生は後輩たちの気持ちに対して「在校生の皆さん心温まるメッセージありがとう。4月からは新6年生を中心によい学校になれるよう頑張って」と感謝した。
卒業生は教諭や在校生らに見送られるなか、胸をはって堂々と退場。式場を出ていく児童たちを見守る保護者のなかには、目頭をハンカチで抑える母親らの姿も多く見られた。 -
県伊那技術専門校で修了式
南箕輪村南原の県伊那技術専門校で17日、本年度修了式があった。木工や木造建築、機械など普通と短期の合わせて7科56人(男45、女11)が半年から2年間で技能を習得し、社会で活躍する。
在校生や職員が見守るなか、石川秀延校長が各科の代表者に修了証書を手渡した。皆勤者13人への賞状授与もあった。
石川校長は「入校当初の目標や情熱を失うことなく知識と技能を身に付けたが、それは生涯を通じて大きな糧となる。常に問題意識をもつ職業人になってほしい」と激励した。
木工科の池田豊さん(29)=箕輪町=が「習得した技能をさらに向上させ、社会に貢献していきたい」と答辞した。
修了生は17歳縲・1歳で平均年齢31・6歳。県内者が38人、県外者が18人で、このうち40人(15日現在)が就職が内定している。 -
5月から旭座で記念映画祭
伊那市の旭座は5月下旬縲・月上旬、伊那市・高遠町・長谷村の合併に伴う新市誕生、伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネル開通を祝い、記念映画祭を企画した。「昭和」をテーマに、名作から最新の話題作を取り上げる。
第1弾は「大森林に向かって立つ」(61年制作)「愛と死をみつめて」(64年制作)で、伊那市にゆかりのある作品を選んだ。上映期間は5月20日縲・月2日。
「大森林竏秩vは伊那谷でオールロケーションし、JR伊那市駅前、通り町、三峰川水系などが登場する。伊那の大森林にふらりと流れてきた主人公アキラが山の無法者たちを相手に正義の斗魂を燃やす娯楽アクションで、原木を載せて天竜川の切り立った断崖を突っ走るトラック同士の激突、アキラの伊那節、南アルプスの風光など見どころ満載。出演は小林旭、浅丘ルリ子ら。
「愛と死竏秩vは、東春近出身のジャーナリスト河野実さん著。河野さんと、軟骨肉腫と闘いながら亡くなった大島みち子さんとの3年にわたる往復書簡をもとに、映画化し、大反響を呼んだ作品で、浜田光夫、吉永小百合が主演した。
第2弾は「カーテンコール」(6月3日縲・6日)、第3弾はアンコール上映「ALWAYS竏虫O丁目の夕日」(6月17日縲・月7日)。
旭座では「作品はビデオでも見られるが、映画館の大きなスクリーンで感動と迫力を味わってほしい」と話している。
上映時間はこれから詰める。 -
【記者室】民謡「御嶽山」を広めるには
南箕輪村公民館は本年度、民謡「御嶽山」講座を初開講した。05年1月に村無形文化財の指定を受けた民謡「御嶽山」を広く村民に知ってもらい、踊る人が増えることを願っての講座で、3人が修了した▼指導した大泉御嶽山保存会によれば、わずか10回の講座で踊りを覚えるのは大変とのことだが、「よく覚えた。立派」と受講者を称えた。修了式で踊り終えた受講者の一人は「御嶽山はとてもいい。なくしたくない」と言った▼村公民館は新年度も講座を計画する。「好きでないとできない」と保存会。歴史ある民謡を絶やすことなく、さらに広めていくことは容易ではない。受講者確保には、単なる募集だけでなく魅力をアピールする機会も必要ではないだろうか。(村上記者)
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心ひとつに歌でお別れ
宮田小卒業式宮田村の宮田小学校は17日、卒業式を開いた。全校が心ひとつに最後の合唱。歌で新たな旅立ちを祝った。
6年間の思い出を振りかえり、声をふりしぼる卒業生97人。全校の仲間や教職員、地域、そして家族に感謝しながら、春からの新たな生活にむけて希望をふくらませた。
在校生は学年ごとに歌を交えて、送る言葉を卒業生にプレゼント。「皆さんの強い心とやさしさをみならい、立派になります」「自分から行動し、協力する姿。僕たちが受け継いでいきます」と祝福した。
野溝和人校長は「つらいことがあっても、必ず解決の糸口はある。小学校で培った心と体と学力で、希望をもって歩んでください」と激励した。 -
宮田中卒業式
宮田村の宮田中学校は16日、卒業式を開いた。巣立ちの春を迎えた103人は、周囲の支えに感謝し、思い出深き母校をあとにした。
保護者や来賓、在校生らが見守るなか、卒業生代表の丸山沙織さんは「一人では乗り越えられない壁も、仲間の協力で乗り越えられた」とあいさつ。多くの人の支えに感謝し「自己を見ることを心に置き、一歩一歩進んでいきたい」と話した。
2年生の竹村大輝君は在校生を代表して「たくましいチャレンジ精神で、一層魅力ある先輩になって。私たちは皆さんの伝統を受け継いでいきます」と言葉を送った。
新津吉明校長は、かけがいのない自分自身やふるさと、母校を大切にする気持ちを持ち続け「感謝することを忘れないで」と激励。生徒たちの成長した姿に目を細め、卒業証書を手渡した。 -
駒ケ根市教委が赤穂中生3人を表彰
駒ケ根市教育委員会は16日、各分野で優秀な成績を収めたとして赤穂中学校(諏訪校長)の巣山史織さん(3年)小松原彩香さん(3年)羽鎌田直人さん(1年)の3人に対し表彰状を贈った=写真。巣山さんは自然保護NGOのWWF(世界自然保護基金)が主催する作文コンクール「かけがえのない地球を大切に」に応募した作文「自然と私」が最優秀賞を受賞した。小松原さんは第26回JSCAブロック対抗水泳競技大会(日本スイミングクラブ協会主催)に出場し、50メートルバタフライの13・14歳の部で3位に入賞した。羽鎌田直人さんは第8回JOCジュニアオリンピックカップ大会(日本山岳協会主催)で男子ユースBで2位、総合でも17位に入賞した。3人は「表彰を機に今後もさらに頑張りたい」などとそれぞれ感想を話した。
中原稲雄教育長は「素晴らしい成果。行くべき道に向かってますます精進してほしい」と激励した。 -
赤穂東小児童が社協に寄付
駒ケ根市社会福祉協議会が05年秋に開いたふれあい広場にバザーを出店した赤穂東小学校4年2組(宮入美雪教諭、25人)の児童らは16日、ふれあいセンターを訪れ「困っている人のために使ってください」と売上金の一部約9500円を市社協に寄付した=写真。受け取った堀勝福事務局長は「寄付金は市社協の善意銀行に積み立て、寝たきりのお年寄りや障害のある人たちのために大事に使います。温かい気持ちに感謝します」と礼を述べた。
同クラスはバザーで自作のポップコーンやミサンガ、パチンコなどを販売。売上はクラスの宿泊学習の費用などにも充てた。05年にもスマトラ沖地震の被災者に義援金を送ってユニセフから感謝状を受けている。 -
卒業記念品は学校の表札
飯島町の飯島小学校6年生71人は卒業記念品として学校名表札を寄贈する。
現在の表札は88年度卒業生が寄贈したもので、長年の風雨にさらされ、「飯島町立飯島小学校」と書かれた字が薄くなったため、新調して記念品として残すことにした。
幅42センチ長さ180センチの木曽ヒノキに大沢教育長が「飯島小学校」と揮毫し、表面処理した。
裏面には学級ごと児童、担任教諭が自分で氏名を記した。
名前を書くに当り、児童らは大沢教育長に氏名の手本を書いてもらい、1週間、真剣に名前の練習をし、表札に書いた。
吉田勝美教諭は「板に書く時は、子どもも私もビリビリするほど緊張した。それぞれ個性のある良い字で書かれている」と話していた。 -
箕輪町有形文化財、無量寺の「木造聖観音菩薩立像」「木造地蔵菩薩立像」
町教委が県宝の指定申請へ箕輪町教育委員会は、町有形文化財に指定している北小河内の無量寺所有「木造聖観音菩薩(ぼさつ)立像」と「木造地蔵菩薩立像」の県宝の指定申請をする。16日の町教委臨時会で決定した。
聖観音菩薩立像と地蔵菩薩立像は、無量寺の本尊である国重要文化財「木造阿弥陀(あみだ)如来座像」の脇侍。80年1月29日に町有形文化財に指定、本尊と共に放光殿に安置している。
05年10月17日、県文化財保護審議会委員2人による調査があり、06年1月の町教委定例会で県宝の指定申請について町文化財保護審議会に諮問した。2月24日、申請について無量寺の中川弘道住職や総代、地元区長の同意も得た。
臨時会で、審議会の「県宝にふさわしい物件」と判断し、町教委が県宝の指定申請をすることに「異議ない」との答申を受け、申請することに決した。
聖観音菩薩立像は像高133・4センチ。地蔵菩薩立像は像高129・1センチ。共にヒノキ材、彩色。
調査によると、両像は像高がほぼ同じこと、作風の共通性から、セットとして同時に作られた一具同作で、平安後期12世紀後半ころの制作とみられる。「阿弥陀如来座像」との一具性には若干疑問があるが、三像は同じ平安後期の作に間違いないという。両像は地方作だが平安後期の典型的な作風を示し見応えがあり、「一具の観音・地蔵の数少ない遺例としても貴重」としている。 -
箕輪中卒業生に庄内地区から花束の贈り物
箕輪町と「友好交流推進協定」を結んでいる静岡県浜松市の庄内地区から16日、箕輪中学校3年生に卒業祝いの気持ちを込めた春の香りいっぱいの花束が贈られた。
毎年恒例の花束贈呈。庄内公民館長、庄内地区箕輪町交流協会役員ら8人が、色鮮やかなガーベラと甘い香りを放つフリージアの花束を持って町役場を訪れた。
17日に卒業式がある3年生253人を代表し学年協議会役員3人が花束を受け、副会長の松田翔君(15)が「素晴らしい花束を頂き感激している。心から感謝申し上げる。支えてくださった皆さんの思いを胸に、この花のようなきれいな花を咲かせたい」と礼を述べた。
同協会の中山憲次副会長は「卒業のお祝いに、ささやかだが庄内の花を贈ります。庄内の人の気持ちをお受け取りください」と会長メッセージを伝えた。
平沢豊満町長は「花に庄内の人の気持ち、温かさ、太平洋岸で育ったにおいがたくさん詰まっている。庄内の皆さんの気持ちを中学生一人ひとりが理解し、立派な社会人に育つよう頑張っていきたい」と感謝した。
庄内地区からは22日にも、町内小学校卒業生231人、保育園卒園児252人のために花束が贈られる。 -
巣立ちの時 卒業シーズン
高遠中は町立として最後小中学校も卒業シーズンを迎えた。高遠町の高遠中学校(原弘幸校長)は17日、69人(男36、女33)の生徒が学びやを巣立った。
在校生や保護者らが見守る中、原校長が卒業証書を手渡し「それぞれ自分で決めて進むこれからの道のりは平たんだけでなく、乗り越えなければならない困難なときが来ると思うが、決してあきらめなければ道は切り開ける」と激励した。
伊東義人町長は市町村合併にふれ「町立としては最後の卒業式。これまで築きあげてきた校風は後輩たちに引き継がれ、新たな歴史とともに発展していく」と、はなむけの言葉を送った。
卒業生代表で藤木真太郎君が答辞。「楽しいことも辛いことも踏まえ、心身ともに成長できた3年間だった。これからはさまざまなことがあると思うが、中学校生活の思い出とともに友人や先生方、家族らの励ましの言葉を思い出し、目標に向けて努力していきたい」とした。
帰り際、卒業生は恩師や友人らと言葉を交わし、思い出の中学に別れを告げた。
この日は、伊那市の春富中、南箕輪村の南箕輪中でもあった。 -
かんてんぱぱで伊那と木曽の工芸作家展
権兵衛トンネルの開通を記念して16日、伊那側、木曽側を代表する工芸作家6人による「伊那と木曽の工芸作家展」の第1シリーズが伊那市西春近のかんてんぱぱホールで始まった。それぞれの個性がいきたさまざまな工芸作品が訪れた人の目を楽しませている。
展示会はシリーズ構成で、伊那側、木曽側の作家が1人ずつペアを組み、3シリーズを展開する。各作家の個性を見られるように配慮し、会場は個展形式になっている。