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入笠牧場で牧場体験イベント
広大な牧場で暮らす牛と触れ合い、畜産への関心・理解を深めてもらおう竏窒ニ2日、伊那市高遠町の入笠牧場周辺の小学校高学年児童を対象とした牧場体験イベントがあった。子どもたちは放牧牛の健康診断を写生したり、上伊那農業高校生徒らの青空教室を通して、牛や牛乳について学んだ。上伊那畜産振興協議会などの主催。
夏休みを利用した恒例のイベント。17人の小学生と上農高の畜産班14人が参加した。
上農高生徒の青空教室は「人の食事を牛の餌」がテーマ。牧場には、草を食べた牛のフンが新しい草を育て、それをまた牛が食べるという“循環型農業”があることや、牛は人間が消化できない麦などを、胃で育てている微生物に分解させ、ミルクに変えていることを伝えた。
子どもたちは、上農高生徒らが育てている子牛とじかに触れ合い、生き物の温かさを実感していた。
高遠町の6年生は「地元では草を食べてもらうために牛を飼っている。そういうこともあって、将来は牛にかかわる仕事がしたいと思っている」と話していた。 -
農家と消費者、行政などのネットワーク化を目指す産直新聞を発刊
農産物直売所から情報発信をして、直売所、農家、消費者、行政など、さまざまな主体に緩やかなネットワークを築こう竏窒ニ8月1日、「産直新聞」が発刊する。伊那市ますみヶ丘の農産物直売所「グリーンファーム」(小林史麿代表)内に事務所を設置し、毎月1度、新聞を発行していく。小林さんは「産直・直売という新しい販売システムの中で、農業の生きる方向を模索し、地域農業を守るための役割を担っていきたい」と語った。
今年3月、南箕輪村の信州大学で県内直売所関係者などが一同に集う「第1回産直サミット」が開かれた。その中で、情報交換と横のつながりを築く必要性を実感。新聞という媒体を通して、それを実現することになった。
第1号は6ページのタブロイド版(次号から増ページ)で1万部を印刷した。紙面には、3月に開かれた産直サミットのことや、下伊那郡松川町の「竜峡小梅」にまつわるエピソードなどが紹介されている。当面は県内を取材範囲とするが、今後は近隣の県まで取材対象を広げていく。
新聞はグリーンファームのほか、伊那市富県の「たかずや」や、箕輪町の「あぐり」など、各地の直売所にも置かれる。当面は無料配布しながら、会員読者を募っていく。
個人会員は1カ月500円。団体会員は年間2万円。郵送料・消費税込み
問い合わせは産直新聞社(TEL76・3799)へ。 -
二極化する集落営農組織の発足(3)
旧伊那市内では、進行度に差はあるものの、各地区で検討委員会が早期に発足し、合意形成に取り組んでいる。一方、東部地区の高遠町、長谷地区は、これから検討委員会を発足させる段階。ほかと比べて進行が遅れている。現在、高遠地区で4組織、長谷地区で1組織の発足を目指しているが、面積規模の確保ができるかを今後の話し合いで見極めていく。麦の作付けがある地区は、07年度産麦のまき付けが始まる今年秋までに組織を発足させなければ07年度産麦の助成が受けられない。しかし、東部地区の場合、麦は一部法人しか作っていないため、水稲などの作付けが始まる来春を目途とした。
各地区の事情はさまざまだが、今後の営農組織を運営していく上では、共通する課題がある。
一つは、今回の制度の対象外である自給的農家や、麦・大豆などを栽培していない畑作農家を組織へいかにして取り込んでいくか。
上伊那の場合、自給的農家は年々増加しており、2000年の統計では総農家数の約25%弱を占めた。一方、農業就業者の高齢化は進んでおり、半分以上が65歳以上。75歳以上の農業者も多く、これらの人が農業を継続できなくなった場合、営農組織はその人たちに代わって地区内農地を耕作していかなければならない。しかし、加速度的な高齢化の進行とともに組織内の作業農家が減っていけば、一人当たりの作業面積は大きくなり、集約耕作地の管理に困窮する地区も出てくる。現に西箕輪は、地区内の遊休農地を営農組織に集積することを考えているが、組織に参加する農業者だけでは担え切れない状況にある。
そのため、自給的農家などを組織内に取り込み、何らかの形で組織の作業を担ってもらうことが人材確保の鍵。自給的農家などは制度に伴う助成の対象ではないため、恩恵の薄さが組織参加を妨げているものの、現在ほとんどの地区が、田植えや稲刈り機などを共同利用しており、これらの協業組織は、全て集落営農組織が吸収することになるため、JA上伊那の担当者は「制度に伴うメリットはないが、今後も機械の共同利用を続けたい農業者は組織に参加する必要がある。かなりの農業者の参加を得られるのでは」と話す。
また、作業にかかる経費の配分問題もある。今のところ、各地区の営農組織は、課せられている要件である「経理の一元化」を、「出荷の一元化」という形で実現しているにすぎない。そのため当面は、作業にかかる費用は個々人で負担し、収量に応じた収入を得られ、従来とほとんど同じやり方で農業を続けることができる。しかし、これらの営農組織は5年以内に農業生産法人になる。そうなると、より厳密に「経理の一元化」を実行していかなければならず、利益も出来高でなく、作業負担によって配分されるようになる。
個人の努力によって単位面積当たりの収量が増えた場合、増収分に対し、ボーナス的に賃金を支払うことはできる。しかし、同等の面積規模の農家に必要経費を配分する場合、努力分にかかる費用が他農家より多くても、それを事前にどう評価し、その分の費用を配分していくかは今後、それぞれで考えていかなければならない。
やる気のある農業者の賃金支払い枠を確保することも必要となる。今回の制度は、余った農地を意欲ある農業者に集約し、作業に応じて賃金支払いをしていく。そのため、一定期間しか作業が無く、賃金を支払える期間が限定的な水稲な麦、大豆だけでなく、年間を通して作業が必要となる園芸作物などにも取り組む必要がある。 -
さくらがブドウの袋かけ体験
汗流す充実感、園主平沢さん夫妻の厚意で宮田村の心の病と向き合う当事者グループ「さくら」は27、28日、村内駒が原の農園でブドウの袋かけ作業に挑戦した。園主の平沢秋人さん、明子さん夫妻が「収獲するだけでなく、もっと色々な体験をしてみては」と快く農園を開放して実現。自分が書いたイラストや文字入りの袋を一つひとつ丁寧にかけ、楽しみながら働く意欲を高めた。
昨年も平沢さん夫妻の厚意でブドウの収獲を体験したメンバー。
「今年は袋かけもやってみませんか」と声がかかった。
夫妻との会話も楽しみつつ、にぎやかに作業。袋には自分の名前や似顔絵を書くなど、愛着も込めた。
「来年はみんなで栽培もしてみない。将来ワインなんかできたら最高じゃん」と平沢さんから持ちかけられ、メンバーは夢もふくらんで笑顔。汗を流す充実感に浸り、9月中旬の収獲を心待ちにした。 -
駒ケ岳北御所ルートの復旧作業
伊那谷の中学校の伝統でもある中央アルプス駒ケ岳集団登山の主要ルートで、今回の豪雨により被害があった宮田村の北御所林道について、管理する南信森林管理署は31日から作業に入り、1週間程度で復旧する見通しを示した。豪雨で大半の中学校が夏休み明けに登山を延期しており、それには間に合う公算だが、30日に北御所から入山して登頂を予定していた駒ケ根東中学校は、往復ロープウェー利用に変更する。
同署によると、林道入口から500メートル付近をはじめ5カ所で崩落。「緊急車両が通れないため、学校集団登山は現時点でできない」と説明する。
ただ「工期は1週間程度で、夏休み明けの利用には支障がない予定」とした。 -
品目横断的経営安定対策加入申請相談窓口の開設
関東農政局長野農政事務所は28日から、08年度から始まる「品目横断的経営安定化対策」の加入申請相談窓口を、伊那市の長野農政事務所地域第二課に設置する。
すべての農業者を対象として個々の品目ごと対応してきたこれまでの施策に変わり、限定した担い手農業者へ品目を区別せず、横断的に施策を講じていく新対策が08年度から導入されることに伴い、その加入申請が9月から始まる。
窓口は、対象農家から寄せられる加入手続きに関する相談・問い合わせなどに応じていく。
開設時間は平日の午前8時半縲恁゚後5時15分。
問い合わせは関東農政局長野農政事務所地域第二課(TEL72・3178)へ。 -
豪雨被害の林道復旧見通し立たずも、孤立した牛たち元気に
豪雨により決壊した宮田村の寺沢林道で27日から、本格的に土砂を取り除く作業などが始まった。26日には林道終点の宮田高原まで、村や村議、地方事務所の担当者らが視察。高原内に取り残されている放牧中の牛9頭の健康状態が、良好であることも確認した。ただ、林道入口から6・5キロの崩落は、道が約10メートルに渡って崩れてなくなっており、早期の復旧は困難な状況だ。
村は宮田高原キャンプ場の今季営業を既に断念しているが、大きく崩落した場所は車が全く通れないため、放牧牛の下山も見通しが立たない状態。
26日の視察で牛の健康状況などを確認した村の担当者は「今のところは問題ない」と説明する。
しかし孤立状態が長引くことも予想され、関係者は苦慮。村は定期的に宮田高原まで入り、牛の管理を行っていく計画だ。 -
クマのしわざ?、養蜂場荒らされる
宮田村大田切区の太田切川沿いの河畔林内で、クマによって養蜂場が荒らされたと26日朝、同村に通報があった。村産業建設課の担当者が調査したところ、クマが蜜をなめたと思われる跡や、子グマとみられる足跡などを確認。目撃情報はないが、現場近くには民家もあり、注意を呼びかけている。
現場には養蜂箱数十個が置いてある。数日前から荒らされた形跡があり、駒ケ根市内に住む養蜂場の所有者が村へ相談して分かった。
周辺は河畔林が続くが、水田などで開けた場所もある。この養蜂場もすぐ脇には水田があり、約100メートルほど離れた場所には民家や工場も点在している。
村は防災無線や有線による広報を使って全村に注意を促したほか、現場周辺に広報車を巡回させている。
また、養蜂場の所有者には早急に電気柵を場周辺に設置するよう指導した。
村内では近年クマの目撃が相次いでいるが、中央道や広域農道より東側に出没したという情報はない。
村内は集中豪雨により山林被害も出ているが、クマの出没との因果関係は分かっていない。 -
箕輪町上古田
これからの農業林業を考えるEグループが草取り作業箕輪町上古田の住民組織「これからの農業林業を考えるEグループ」(唐沢光範グループ長)は26日、観光農園を目指し柴桜など花を育てている農地で、草取り作業をした。
Eグループは、箕輪町第4次振興計画策定で地域計画を作るために04年度に区で組織したグループの一つで、農業林業を担当。計画策定後も、遊休荒廃農地を無くし地域を活性化させようと、話し合いやボランティア活動を続けている。メンバーは11人。応援者もいる。
作業は、Eグループが借りている上古田グラウンド東の遊休農地7アール。柴桜を増やそうと春に苗を植えた。今は朝顔も育っている。
出勤前に参加した9人は、柴桜の畝の間と朝顔畑の草を抜き取ったり、機械で耕すなど、約1時間の作業に精を出した。 -
伊那食品工業、定年退職者の再雇用を目的としたぱぱ菜農園を本格始動
団塊の世代の大量退職が始まる07年を前に伊那食品工業(本社・西春近)はこのほど、定年退職者の再雇用などを目的とする農業法人「ぱぱ菜農園」の活動を開始した。荒廃農地の有効利用、安心・安全な食の提供なども目的としており、季節に合わせた作物を栽培していく。
塚越寛会長を社長として05年5月に設立した同法人は、1年の準備期間を経て06年5月、実質的にスタートした。現在の従業員は定年退職者2人と伊那食品工業社員3人の合わせて5人。約3ヘクタールの借地を利用し、トウモロコシ、カボチャ、ジャガイモなど約20品目以上を栽培している。
農地は、伊那食品工業周辺にある遊休農地を活用。また、寒天の残さから作ったミネラル豊富な肥料「アガーライト」を使用し、環境負荷を減らしながら安心・安全な農作物栽培に取り組んでいる。
栽培した野菜は直営レストランで使用したり、一般や社員などに販売しており、試行期間に提供したトマトなどは「甘くておいしい」と好評だった。
人員が増えれば、規模を拡大することも考えている。 -
大雨による上伊那の農業被害
梅雨前線の影響で記録的な大雨となった上伊那に、深刻な農作物被害が発生している。24日午後5時までに県が確認している上伊那(駒ヶ根市、箕輪町、飯島町を除く)の被害状況は86ヘクタール、2510万円。品目別では、水稲への被害が52ヘクタール1851万円で最も大きく、上伊那農業協同組合(JA上伊那)は、約96トンの減収を見込んでいる。次いでが野菜が、33ヘクタール531万円。スイートコーンの倒伏、ネギ、ブロッコリーなどの冠水が広い範囲で見られた。
市町村の被害金額は、伊那市1530万円、辰野町125万円、南箕輪村31万円、宮田村415万円、中川村407万円。現在も集計を進めている状況で、今後被害規模が拡大すると考えられる。
被害が大きかった伊那市の西箕輪地区は、スイートコーンの倒伏やネギの冠水などが広い範囲で見られたが、天候の回復と共に状況も回復すると見込み「出荷に影響がでないよう最大限の対策をとっていきたい」と、JA上伊那の担当者は話す。
一方、出荷に深刻な影響があるとされるのは土砂の流入があった西春近柳沢地区など。約1ヘクタールで土砂の流入があり、水稲、野菜共、本年度の収穫は見込めないため、対処策としても来年度を見越した措置しかとれないのが現状。今後は、流入した土砂の取り除き、破損した水路の修復を進めていく。 -
豪雨の影響で中ア駒ケ岳登山ルートの一部が利用困難に
豪雨の影響による林道の決壊や増水などで、中央アルプス駒ケ岳の宮田村の沢すじ沿いの登山ルートの利用が困難になっている。運行を再開した駒ケ岳ロープウェーなどを利用して頂上へ向うルートは、崩落などの情報は入っていない。村など関係者は細心の注意を呼びかけつつ「風評被害」の拡大に頭を悩ませている。
「自然相手ですから、全てが大丈夫ですよとはお答えできません。十分注意して、状況判断を徹底してください」。
上伊那地方の観光の中核を担う中央アルプス駒ケ岳。玄関口にあたる宮田村役場の観光担当者は、問い合わせの電話に苦慮した。「観光は重要な産業。だからといって、簡単に安全と天秤にかけるわけにもいかない。何とコメントしたら良いか困っています」。
登山道の伊勢滝ルートは、寺沢林道の崩落で登山口となる宮田高原まで入れない状態。同ルートを経由して宝剣岳方面へ向う沢、八丁坂ルートも増水などの危険性があり、村は通行自粛を求めている。
接続する県道の決壊で運休になっていロープウェーも25日から本格的に再開。
終点の千畳敷から宝剣岳、頂上などへ向う登山ルートに支障などの報告は入っていないが、アルプスという自然が資源だけに、豪雨が与える風評被害は計り知れない。
「全国ニュースでも流れた。被災地というイメージがついてしまうことが一番こわい」と関係者の苦悩は続く。 -
リンゴオーナー630本を契約
宮田村とJA上伊那宮田支所は23日、りんごオーナー契約会を村ふれあい広場などで開いた。愛知県など県外から家族約千人が宮田村に訪れ、農園で実が6センチ前後に肥大したリンゴの木を品定めし、630本の契約が成立。
契約会は1昨年から果実の生育がわかる夏の時期に実施している。
また、近くのほ場ではジャガイモやトウモロコシなど野菜収穫体験もあり、訪れた家族連れは農村の休日を楽しんでいた。
愛知県愛知郡から家族4人で参加した竹内智武さんは「子どもたちがリンゴが大好きなどで参加した。収穫が楽しみ」と話していた。 -
小学生親子がブルーベリー狩りを楽しむ
JA上伊那宮田支所・村学校給食を育てる会は23日、駒ケ原ブルーベリー団地で小学生親子を対象に、夏の収穫体験を行った。
自然に触れ、自分で汗して、収穫した野菜や果物を味わう、初めての企画に15組、約40人が参加し、ブルーベリー狩りを楽しんだ。 ほ場では園主の小田切多門さんが「黒く完熟した実は触っただけでポロっと取れる」と説明。子どもたちは真っ黒に色づいた実を次々とほおばり「甘い!」「おいしい」と口に運んでいた。
また、お持ち帰り用もせっせと摘んだ。
長男、長女の3人で参加した向山雅恵さんは「とても甘い。店で買って食べたのとは全然違う」と話していた。
次回の収穫体験は30日、ジャガイモとスイートコーンを予定する。 -
りんごオーナー園開園祭
箕輪町りんごの木オーナー園が23日、開園した。オーナーは、町内4カ所の園で好きな木を選んで名札を取り付けた。
オーナーの申し込みは146人、187本。開園祭には67人のオーナーが家族と共に訪れた。
今年でオーナー3年目という岐阜県の家族5人は、実が多く着いている木を探して園内を歩き、気に入った木に名札を縛り付けた。「去年はものすごく収穫できた。みつが入っていてとてもおいしかった。今年も楽しみ。期待しています」と話していた。
園主によるとリンゴの生育具合は、「実の大小の差があって心配していたが、平年以上の出来になってきて今のところ順調。台風がなく、ずっと天候がよければ去年より期待できそう」という。
オーナーは梨選果場で、五平もち、トウモロコシ、ブルーベリーを味わって交流。ブルーベリー狩りの体験もした。収穫祭は11月19日を予定している。 -
ブルーベリー園開園
飯島町上の原のブルーベリーもぎ取り農園「ベリーヒル(市村茂園主)」が開園した=写真。8月20日ころまで開く。
ベリーヒルは50アールに、デキシーやエイトブルなど中晩生種を中心に1200株を栽培。 開園は午前9時から午後4時まで。入園料大人千円(250グラムパック付き)。中学生以下300円、3歳以下無料。
市村さんは「完熟のブルーべリーは、酸味がなく格別甘い。店頭ものとは一味違う」と来園を呼び掛けている。
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大雨に伴う農業経営者の相談窓口設置
上伊那地方事務所は20日、大雨の影響で被害を受けた農作物の対処方法を相談できる技術・経営相談窓口を伊那市の県伊那合同庁舎内の上伊那農業改良普及センターに設置した。
21日までに入った相談内容は、家庭菜園的なものが多いが、深刻な被害があると想定される場所には県の方から出向き、状況把握、技術アドバイスに努めている。特に深刻な被害を確認しているのは辰野町、箕輪町、伊那市など。土石流被害のあった伊那市柳沢地区などは、水田、畑とも土砂が流れ込んでしまったため、基盤整備から考えなければならないところもあるという。
相談窓口は当分設置する予定で、7月中は緊急対応として土日も開設する。
開設時間は午前8時半縲恁゚後5時15分。来所、電話などで相談を受け付ける。
問い合わせは上伊那農業改良普及センター(TEL0265・76・6842)へ。 -
豪雨被害調査中の村職員がクマと遭遇
豪雨被害の調査で山林に入っていた宮田村職員3人が22日正午過ぎ、子連れのクマと遭遇。数メートルの所まで接近したが、危うく難を逃れた。想定外の・ス二次災害・スに、「もうダメかと思った」と肝を冷やした。
村西側の林道を約2キロ入った地点。1人の職員が黒い物体を見つけ「あれクマじゃないの」と話した矢先、飛びかかってきた。
斜面上部に逃げた職員を親グマが追ったが、この職員はかつて県縦断駅伝にも出場した元陸上選手。
背後に迫るが何とか振りきり「もう足が動かない。へぇやられたと思った」と話した。
役場に戻った3人から話しを聞き、他の職員もビックリ。「彼じゃなかったら、逃げきれなかったかも。何事もなくて良かった」と、胸をなでおろしていた。
現場周辺に人家はない。 -
宮田高原キャンプ場今季の営業断念
豪雨による林道の寸断で通行不能となった宮田村宮田高原キャンプ場は22日までに、今シーズンの営業再開を断念した。同高原の牧場には放牧牛が取り残されており、早期に下山させたい考えだが見通しは立っていない。
高原に通じる寺沢林道は、3カ所で道本体が崩れてなくなるなど、各所で寸断。週明けにも村は再び現地調査するが、復旧の見通しは全く立っていない。
同高原は標高1650メートルに位置し、村が7月から9月末までキャンプ場を営業。宿泊客だけでシーズン中に1500人ほどの利用がある。 -
早生(わせ)モモの出荷始まる
飯島町上の原のJA上伊那飯島果実選果場で21日から、早生(わせ)モモの選果、出荷作業が始まった。初日は町内や中川村など20軒が1000キロを持ち込んだ。
モモは早生(わせ)系で実が大きく、着色のいい「山梨」。実は小さめだが、甘みが強い「たまき」。
目視でキズ、色、形で3ランクに分け、選別機で大きさで分けられ、5キロずつ箱詰され、徳島方面に出荷された。
共同選果は31日まで、月、水、金曜日の週3回、出荷のピークとなる2日以後は連日行われる。
「山梨」に続き、8月から「あかつき」が収穫され、20日ころまでに、1万1千ケースが選果、大阪や中京方面に出荷される。
JA上伊那果実課の吉川順平課長は「作柄平年並み。糖度も乗って、おいしい」と話していた。 -
モモの産地、中川村で収穫はじまる
モモの産地、中川村三共で21日から、モモの収穫作業が始まった。
早生系の「山梨白鳳」「たまき」、中生種「あかつき」の3種類約20アールを栽培するみなみ農園(中山晶行園主)では、青みが抜け、赤く色づいたモモを、ふんわりと包みこむように、丁寧に収穫した。
「やまなし」は実が大きく、色づきも良い。「たまき」は小玉だが、赤味と甘みが強い。8月から収穫が始まる「あかつき」は大玉で赤く、糖度十分。
早生系は3月下旬に摘蕾(てきらい)4月中旬に開花、5月から摘果作業を繰り返し、大きく育てた。
甘くて、新鮮なみなみ農園のモモはほとんどが贈答用。リピターが多いとか。
直売、全国発送もしている。詳細はみなみ農園(TEL88・2671) -
二極化する集落営農組織の立ち上げ(2)
水田面積の占める割合が大きい地区は比較的迅速に集落営農組織の発足準備を進めている一方、畑作面積の占める割合が大きい西箕輪地区、伊那地区などは、協議が難航している。これらの地区は、畑作農家が参加しなければ面積要件を満たす担い手組織がつくれない。しかし、新しい経営所得安定化対策の恩恵が少ない畑作農家には、組織に参加することにメリットを見出せない人も多く、地区の合意形成が図れずにいる。
伊那地区では、耕作面積の約4割が牧草地と畑。地区で一つの組織立ち上げることを目指してきたが、畑作、牧畜農家の反応が鈍い。
土地の相続税を危惧する人もいる。農地の相続については、細分化防止などの目的で相続税を猶予する制度があり、猶予された個人は、その土地を原則として20年、農業用地で使用した場合に免除される。しかし、組織に参加した場合、土地の所有権が個人から団体へと移るため「その後、相続税は猶予されるのか」と懸念する。
西箕輪地区の場合、遊休農地の管理方法も課題となっている。
同地区は、高齢化、若手農業者の減少に伴い、約7%以上の農地が荒廃している。任意組織は、これら遊休農地も面積集積する予定だが、現在地区で農業を営む人のほとんどが、自分自身の農地を耕作するのに手一杯で、荒廃地を耕作する余裕がないのが現状。まして、何の助成もない畑を耕作していく余裕もないという。
しかし、JA職員は「組織に参加しなかった人たちが今後高齢化した時、その人たちの農地を耕す後継者がおらず、一層荒廃が進んでしまう事態を招きかねない」と危惧する。
畑作面積が大きいわりに、比較的スムーズに協議を進めてきたのが西春近地区。約4割が畑作で占める同地区は、地区で一つの組織を発足し、法律の位置付ける「特定農業団体」としする。すでに85%の基本合意を得ており、加入申し込みに向けた準備が進んでいる。発足は9月を目途としている。
西春近の場合、地域の実情に熟知した関係者が中心となり、3年間かけて組織のあり方を検討してきた。地区で一つとしたのは、認定農業者を除いても任意組織が担い手の面積要件を満たせるため。また、特定農業団体とすることで土地の利活用を円滑に図れるようにした。関係者は「個人で担い手となれる大規模農家だけでなく、小規模にやっている人も一緒に地域で農業を続けていけるような組織にしようとみんなで話し合ってきたんだよ」と経緯を話す。
西春近には、すでに田植えや刈り取りを共に行う協業組織があるが、これらは全て任意組織に統合していく。 -
二極化する集落営農組織の立ち上げ(1)
個人4ヘクタール、団体20ヘクタール以上の農業者を「担い手」として、これまでの助成措置を担い手のみに限定して講じていこうとする国の新しい「経営所得安定化対策」の07年度導入を前に、担い手となる「集落営農組織」発足に向けた協議が各地で進んでいる。伊那市の場合、各地区ごとで農家、市町村、上伊那農業協同組合(JA上伊那)などが組織づくりを進めている。地域事情はそれぞれ異なり、一元的な組織ではその後の運営が立ち行かない。そこで「地域の合意形成」を最優先課題として協議を進めてきた。迅速に合意形成を図り組織発足にこぎつけた地域がある反面、地理的条件や地域事情がしがらみとなり、協議が難航する地区も出てきている。
本年1月から各地で担い手育成説明会などをしてきた伊那市では、9地区それぞれで担い手組織発足の準備を進めている。発足形式が地区ごと異なるが、水田面積の占める割合の多い富県、東春近、美篶地区などでは、比較的迅速に協議が進んでいる。最も早く任意組織を発足した富県地区は、7月中に地区内5集落で任意組織を発足させ、その後に課せられている法人化の計画は地区単位で検討していく。同様に集落単位での発足を目指す東春近も、7月から8月上旬には最初の組織が発足する予定。美篶地区は、任意組織は地区で1つとし、実際の業務は地縁的つながりを重視した集落単位で行っていく。地区の基本合意は95%得て、今後は加入申請の手続きを進める。
もともと一人当たり水田面積の小さい上伊那の場合、個人で経営規模4ヘクタールを満たす担い手となれる農家はわずかしかいない。そのため、小規模経営の水田農家がこれまで通り助成を受けていくためには、任意組織として担い手になる必要がある。そうした認識のもと、水田地域での合意形成は比較的迅速に進んでいるようだ。 -
循環型エネルギーの普及を目指す「薪(まき)の会」設立に向けた総会
循環型エネルギーである「薪(まき)」を通して、個人レベルで環境問題に取り組んでいくNPO法人「薪の会」の設立総会が15日、伊那市長谷の溝友館であり、理事長に山野勉さんを選出した。 山野さんは「楽しみながら環境問題を考えていける組織にしたい。温暖化の原因である化石燃料の使用を減らす一方で循環型エネルギーの普及に努め、個人レベルで温暖化対策に寄与できれは」と語った=写真。
同会は、薪ストーブ用の薪を生産したり、薪エネルギーの利用促進に努めてきた「薪ストーブの会」を前身とする組織。薪生産用機械の所有権などの問題が出てきたことを機に、「薪ストーブに限定せず、循環型資源としての薪の役割を広く普及していこう」と、NPOの発足に至った。
今後は(1)薪を利用する暖房機器の普及促進(2)間伐材の薪利用(3)効率的な薪生産にむけた生産プラントの設置(4)小中学校の野外活動サポート(5)林業体験を兼ねた薪狩りツアー竏窒ネどを行い、薪の利用促進に努める。
生産プラントは、08年度を目指して長谷地区に設置したいとしている。任意組織だったころは、長谷村民限定の組織だったが、今後は幅広い地域から会員を募っていく。
正式発足は10月半ばころ。
問い合わせは(TEL98・2867)山野さんへ。 -
マツタケ山が危ない?
富県地区で松くい虫への懸念が広がる伊那市富県地区は、拡大する松くい虫被害への強い危機感を募らせている。地区がグリーンツーリズム事業の一環として取り組む「きのこ山オーナー制度」は、マツタケが採れることが一番の売り物。マツタケはやせた土地に育つとされているため、マツタケ山の松は必然的に弱る。しかし、松枯れの原因を運ぶマツノマダラカミキリは、弱ったマツに卵を産む。そのことが大きなジレンマとなっている。
伊那市の松くい虫被害は今年3月、東春近田原と西春近表木で確認された。松くい虫被害は標高は800メートル以下でしか確認されていないとされているが、年々高い標高でも確認されるようになっている。標高約1300メートルの高烏山を背負う富県の住民の中には「温暖化の影響で今後、もっと上にも飛んでくるのではないか」と懸念する声もある。
4年目となるキノコ山のオーナー制度は、昔からマツタケが採れている山林を利用して、年に数本のマツタケを収穫するオーナーも出ている。今年も地元や県内から集まった86人が約35ヘクタールのオーナーに登録している。
富県グリーンツーリズムは、高烏谷山を背景とした田園風景を売り物に事業を展開しているため、松枯れが深刻になればマツタケに限らず取り組みそのものにも影響を与えかねない。
富県では、除間伐などで松林を整備し、松くい虫被害対策を図っていきたいとしているが、確実な防除策はないのが現状。センチュウは見つかっていないが、松枯れを確認している個所もある。 -
南箕輪村集落営農組織準備委員会第3回
南箕輪村集落営農組織準備委員会は13日夜、第3回会議を村役場で開いた。準備委員会を設立委員会に切り替え、今後より具体的な検討を進めていくことを決めた。
準備委員会を切り替え、南箕輪村「まっくん」ファーム設立委員会を設置。9月中の集落営農組織設立を目指し、加入持ち込み農用地、出入り作の対応、各土地改良区にかかわる費用負担、規定、管理作業の範囲や管理料など詳細を検討し、原案作りをする。
加入申し込みは、8月末日までに申込書をとりまとめることで同意。とりまとめ役員は設立委員会、営農組織、JA農家組合役員、農業委員、営農センター委員ら地区で体制を作る。 -
めいきん生協、ブルーベリーやアスパラの収獲体験
名古屋勤労市民生協(めいきん生協)の会員約30家族が8、9日、宮田村でブルーベリーやアスパラの収獲体験を楽しんだ。都会では味わうことの難しい・ス大地の恵み・スを肌で実感。歓声をあげた。
村内農家7戸が受け入れ。各家族はそれぞれのほ場に分かれて体験した。
前にも来村してアスパラを収獲したことがある瀬戸市の佐野元さんは、一家6人で再び参加。
「あのアスパラの味の良さが忘れられなくて。ブルーベリーは初めてだけど、色々な種類があって本当に美味しい」と、子どもたちも大喜びでもぎ取っていた。
宮田村内では7年ほど前からブルーベリーを本格的に栽培。現在は20戸ほどが生産しているが、一般希望者の収獲体験も8月まで受け入れている。
問い合わせは村営農組合事務局の農協グリーンセンター84・1201まで。 -
新サンマ早くも入荷
宮田村の生鮮スーパー「こいち」に11日、新サンマが入荷。秋の味覚をひと足早く味わおうと、品定めする買い物客の姿がみられた。
一昨日に北海道根室沖で水揚げされた初物で、同店では480円と例年並の初値で店頭に並んだ。
前林善一社長は「今の時期は刺身にするのが一番美味しい」と話していた。
現在は刺し網漁だが、8月のお盆前後の最盛期には価格も下がり、庶民も口にできそうだ。 -
乳牛との触れ合いを通して命の温かみを伝える体験学習、手良小で
牛の温かさをじかに感じてもらい、命の大切さや牛乳ができるまでを知ってもらおう竏窒ニ、伊那市手良小学校の5年生24人が10日、乳牛や子牛とふれあった。
市町村や酪農団体でつくる上伊那畜産振興協議会による本年度初めての試み。普段の生活で牛に触る機会がなくなった今、店頭に並ぶパックに入った牛乳しかしらない子どもも多い。生きた牛の温かさを感じてもらい、そこから牛乳が生まれていることを知ってもらうことが目的。中央酪農会議の「酪農教育ファーム認証牧場」に、上伊那で唯一認証されている伊那市手良の酪農家・酒井秀明さん(33)の協力を得て実現した。
初めての搾乳に挑戦した児童らは「温かい」「柔らかい」などと楽しんだ。苦戦する児童もいたが、一回でコツを覚えて上手に絞る児童もいた=写真。
担当者は「家に話を持ち帰ってもらうことで、牛乳を消費してもらうことにもつながれば」と話している。
美篶小、伊那東小などでも同様の体験学習をする。 -
JA上伊那青壮年部「くらしの安全・安心110番パトロール活動」出発式
地域の安全は自分たちで守ろう竏窒ニ、上伊那農業協同組合(JA上伊那)青壮年部(村田喜志男部長)は8日、「くらしの安全・安心110番パトロール活動」の出発式を伊那市美篶の六道原運動場で行った。
地域の安全をボランティアで守ろうとする動きが全国的な広がりを見せる中、地域づくりに貢献すべく、県内のJA青年部が一丸となった取り組み。
草刈りなどをしても、児童ら登下校時には自宅やほ場周辺の見回りをしたり、声がけをするなどして、不審者から子どもたちを守るほか、子どもや女性、高齢者から救援を求められた場合に、車内へ救護し、安全を確保する。
JA県青協は、パトロール車に添付するステッカー600枚を作成しており、上伊那14支部には、64枚が配布される。
活動はすでに始まっており、年間を通して展開していく。