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高遠高校芸術コース美術・書道専攻生が卒業展
高遠高校芸術コースの美術、書道を専攻する3年生の卒業作品展が26日まで、信州高遠美術館で開かれている。個性あふれた力作がそろい、3年間の集大成として堂々と発表している。
美術専攻の生徒は油絵と陶芸作品を出展。油絵は風景や花々など個々で自由にテーマを決めて製作し、30縲・0号と6号の大小2点ずつを並べる。「技術や経験を今後の人生に生かしたい」などとメッセージも添えている。
担当の北原勝史教諭は「それぞれ造形的、色彩的に工夫していて、作品に深みがあり、よく描き込んでいる」と評価する。
書道専攻は、隷書、行書、かななど、これまで学んできたなかで得意とする書体の題材を選んだ。曹全碑や乙瑛(いつえい)碑と並ぶ漢代の隷書碑の代表作とされる「礼器碑」を書いた作品などがある。3カ月かけて仕上げ「完成度は高い」と担当の小宮山健司教諭。
「みずみずしく、個性がよく表れ、高校生の感性でしか書けない作品ばかり。ぜひ、多くの人に見てもらいたい」と来場を呼びかけている。
午前9時縲恁゚後5時(火曜日休館)。入館料は一般500円、小中学生150円。問い合わせは、信州高遠美術館(TEL94・3666)へ。 -
【記者室】中原区民いこいの森完成
箕輪町中原区に完成した「中原区民いこいの森」。区に公園がほしい-と始まった整備事業は、町の地域総合活性化事業交付金を受け、過日のお披露目を迎えるまでに2年を費やした▼「行政は材料費だけのバックアップで、区民が総力を結集しての結果」との町長の言葉のように、区民の手で造り上げた。作業中は、近所の人が差し入れしてくれたことも。あずま屋、焼肉ハウス、ミニグラウンドがあり、整備途中から区民だけでなく近隣地区の住民も散歩やジョギングに利用。子どもたちの遊び場にもなっていた▼今後は公園の維持管理。造る以上に大変だと思うが、「中原の夢の実現に向け頑張る」と力強い言葉を聞いた。皆が憩う公園になることを期待したい。(村上裕子)
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箕輪町公民館あざみ学級
ビーズのネックレス作り箕輪町公民館の講座「あざみ学級」は18日、ビーズクラフトでネックレス作りに挑戦した。
ビーズクラフトは今回が3回目。学級の仲間の一人が趣味でビーズをやっていることから講師役になり、学生皆で楽しんでいる。第1回は指輪、第2回はブレスレットを作った。
今回は「アレンジハートネックレス」。白色を基調にした1連のネックレスで、トップの部分が花の形をつないだハート型になる。花の部分はピンクかブルーで好きな色を選んだ。
講師役の学生以外は、普段全くビーズクラフトをやっていないため、「小さいビーズを一つ刺して、中心から外に向かって刺す」というように一つ一つ手順を追って教わりながら制作。「一人では出来ないけど、教えてもらうとわかる」「やってるときも楽しいけど、出来上がったらまた楽しい」と夢中になっていた。 -
スポーツ活動指導者講習会
学校や地域のスポーツ活動指導者を対象とした研修会が18日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。伊那、諏訪地域の約50人が集まり、総合型地域スポーツクラブの現状とリラックス体操を学んだ=写真。伊那教育事務所主催。
スポーツ活動の指導に携わるうえで役立つノウハウを学んでもらおう竏窒ニ開催している取り組み。実演では、身体機能改善トレーニング公認A級指導士で本紙で「頑張っている人のがんばらない体操」を連載している山岸洋子さんを講師に迎え、体と心の関連性を見る体操とリラックス体操に挑戦。
山岸さんは「言葉は自分の力にもなるし体を壊すもとにもなる」と語り、肯定的な言葉をかけてあげた時は体に力が入る一方、否定的な言葉を聞くと力が入らなくなる無意識の現象を実演。「想いや言葉、触れ合いなどが体に与える影響は目に見えないが、粒子が細かいだけ」と説明した。また、否定的な言葉を言ってしまった場合も、肯定的な言葉に言い直すことで、体も健康に保つことができるとし、参加者の関心を集めた。 -
南箕輪村新成人の「20歳の抱負」「村への要望」まとまる
南箕輪村公民館は、3日にあった07年成人式の対象成人者が寄せた「20歳の抱負」や「村への要望」をまとめた。成人者のコメントは次の通り。かっこ内は氏名、またはペンネーム。敬称略。
▼社会人として一人前になりたい。(匿名)
▼ついに20歳です。4月からは社会人なので気を引き締めていきたいと思っています。税金などは積極的に支払い、国民がするべきことは必ずしたいと思っています。(20歳に見えない大人)
▼20歳としてこれから大人の社会に入っていくので自覚を持ち、しっかりとした姿勢で臨んでいきたいと思います。(尾形高志)
▼人の痛みのわかるやさしい女性になりたい。(匿名)
▼財政が厳しい中ですが、あまりお金をかけなくても充実した福祉を目指してほしい。栄村の村長さんの話を聞いてなるほどと感じました。(加納由一郎)
▼社会人として今まで以上に責任を持って行動していきたいと思います。(匿名)
▼私も頑張りますのでより良い村にして下さい。(匿名)
▼悲しい出来事が毎日報道されています。少しでも明るい社会となる手伝いができる社会人となりたいです。(イルカのバイト)
▼人に流されない「自分」をしっかり持ちたい。(北原麻奈美)
▼人事を尽くして天命を待つ! 苦あれば楽あり! 大人の自覚(タッチー)
▼まだまだ青春してます。4月から仕事をすることになるけど、好きな事は一生やり続けられる大人になりたいです。(岡村夏樹)
▼元気で長生きしていい息子、イイ男になりたい。(Siro)
▼私達をはぐくんでくれた南箕輪の風土を大切にしたいと思います。
▼2度と戻らない一瞬一瞬を大切に生きたいと思います。(かーの)
▼20歳になっても自分らしく!!(清水佐奈子)
▼特にないけど楽しくうまくやっていく。笑ってればイイと思う。(雪だるさん)
▼消防団の勧誘活動を増やしてほしい。(Y・K)
▼南箕輪が大好きです。今まで私を育ててくれたこの村のために恩返しができるように頑張っていきたいです。(匿名)
▼今はいじめの問題が大きく取り上げられています。私は小学生より野球を始め、現在大学の硬式野球部で頑張っています。苦しい事もいっぱいありました。でもスポーツに打ち込んで本当に良かったと思っています。卒業後は南箕輪村に帰ってスポーツを通じた地域づくりに寄与できるよう努力したいと思っております。(宮沢祐作) -
駒ケ根市で認知症を考える講座
駒ケ根市は19日、一般市民を対象にした認知症について考える講座を同市の駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。約80人が集まり、諏訪市の県介護センター所長丸山直道さんによる講義「認知症高齢者の正しい理解と私たちにできること」を聴いた=写真。丸山さんは認知症の現状や原因などについて説明した上で、認知症の人への対応について「介護する側からされる側に立場が変わったつもりで考え、かけがえのない一人の人間として接する気持ちが大切だ」と訴えた。
講座は2月17日にも「認知症の理解と高齢者への対応について」をテーマに開かれ、医師や介護経験者の講義を聞くほか、参加者によるグループワークなどが行われる。 -
駒工で大学との連携授業
駒ケ根市の駒ケ根工業高校(本間秀明校長)は19日、東京工科大片桐研究所クリエイティブ・ラボの川島基展チーフインストラクターを講師に迎え、情報技術科3年生32人を対象に本年度2回にわたって行ってきた「生体動作の理解で深めるリアリティ3DCG映像制作とヒューマノイドロボット制御」の最終回となる授業を行った。理数系への興味を高めようと文部科学省の外郭団体、科学技術振興機構が推進するSPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)の一環。
川島さんは、体の各部にセンサーをつけた人間の動きをビデオカメラで撮影してコンピューター処理し、3次元CG(コンピュータ・グラフィックス)画像を制作するモーション・キャプチャの手法などについて、最新の映画やビデオゲームに駆使されている実例を挙げて詳しく講義=写真。生徒たちはメモを取りながら真剣な表情で難解な講義に聞き入っていた。
授業は5月に第1回を同校で行ってCGの基礎について学んだ後、7月には東京工科大で実際にCG制作システムを使用してアニメーションを制作した。 -
交通栄誉章受章報告
交通安全に大きな功労があったとして第47回交通安全国民運動中央大会(17日、東京都)で、駒ケ根市赤穂南割の小町谷美枝さん(62)が交通栄誉章緑十字銀賞を、飯島町の七久保小学校(細川道子校長)が同優良学校表彰をそれぞれ受けた。18日、小町谷さんと細川校長が駒ケ根署を訪れ、山本修作署長らに受章を報告した=写真。2人は「活動を支えてくれた多くの人たちへの感謝の気持ちでいっぱい」「受章を機に、これからもさらに交通安全活動に務めていきたい」などと喜びを語った。
小町谷さんは交通安全協会の活動に二十数年携わり、2000年からは伊南安協の女性部長を務めるなど、地域の交通安全推進に長年尽力してきた。七久保小は児童がドライバーらに交通安全を訴える手紙を書いて渡す「レター作戦」を40年にわたって続けてきた活動が評価された。 -
農道とJR立体交差で上下水道付け替え
宮田村議会は19日に臨時会を開き、大田切区で進む県単農道とJR飯田線の立体交差事業の進ちょくに伴う上下水道管の付け替え工費総額620万円を村の上下水道事業会計に追加する補正予算案を可決した。
立体交差の構造物「ボックスガルバート」に上下水道管を東西方向に埋め込むもので、上水道が延長90メートルで2百万円、下水道が82メートルで420万円の工費。
2005年11月に着工した「ボックス」の工事だが、現場事務所によると進ちょく率は85%でほぼ計画通り。
村は当初、新年度予算に付け替え工事費を計上する予定だったが、事業の順調な進行により前倒しした。
現在、交差前後から国道153号線に接続する260メートル区間を整備中。2008年度中の完成を目指しており、約2・4キロメートルの全線が開通する。
同農道は村の南部を東西に貫くもので、2000年度に着工。その後、計画地にオオタカの営巣などを確認して広域農道西側の331メートル区間を中止するなど事業変更があったが、立体交差部分は計画通りに2車線規格で進んでいる。
臨時会では7月豪雨の林道復旧工事が激甚災害の指定を受けたことなどにより、4100万円余りを補正する一般会計予算案も可決した。 -
7月豪雨被害で宮田村の公共復旧費用1億円近くに
昨年7月豪雨による宮田村の公共施設への復旧費用が9860万円で確定した。そのうち6カ所で崩落した林道寺沢、小三沢線は激甚災害の指定を受け復旧費は総額で8700万円にのぼり、19日の村議会臨時会で指定に伴う補正予算案を可決した。
激甚指定を受けたことなどにより、復旧費用のうち村の一般財源、起債からの支出は700万円となる。
復旧費では耕地の土砂除去が1件で290万円。土木関係が河川2カ所、村道路肩1カ所の計720万円。上水道施設関係が160万円となった。
復旧工事は既に着手しているが、林道は雪融けを待って春から。林道が通じる宮田高原キャンプ場、同牧場の今年の利用は難しい状況にあるが、来年度中には復旧完了する。
村内では1972(昭和47)年の水害以来の大規模な被害となった。 -
体験授業で春からの期待ふくらませ、宮田中入学説明会で初の試み
宮田村の宮田中学校は19日、4月入学予定の宮田小6年生115人を対象に入学説明会を開いた。ひと足早く中学校の学習を肌で学んでもらおうと、体験授業を初めて実施。春からの新たな学校生活を垣間見て、夢や希望をふくらませた。
昨年までは学校見学や授業参観のみだったが「より中学校の雰囲気をつかんでほしい」と、新たな試みとして体験授業を実施。英語と数学の2科目を学んだ。
ゲーム感覚も盛り込んだ趣向を凝らした授業内容に、子どもたちも興味津々。新たに始まる英語の発音など、笑顔で学ぶ楽しさにふれた。
その後、中学生の先輩から部活動など学校生活の説明も。「見るだけではなく、実際に学んだり、話しを聞くことで、より期待を持って入学してもらえるのでは」と唐澤久樹教頭は話した。 -
伊那商工会議所議員新年会
伊那商工会議所は18日、07年議員新年会を伊那市の越後屋で開いた。関係者や来賓など約90人が集まり、さまざま変化が起きている地域の発展のため、互い尽力していく志を新たにした。
あいさつに立った向山公人会頭は、都市部での景気回復が聞かれる中、地方は依然として厳しい財政状況が続いている現状を指摘。地域においては3市町村の合併や権兵衛トンネルの開通など昨年の大きな変化に伴い、さまざまな変化が生じつつあることを示し「商工会議所としても日本風景街道への取り組みなど、新しい活動を進めている。これまで取り組んできたものが一つでも形になるようにしていきたい」と語った。
また、来賓に招かれた小坂樫男市長は権兵衛トンネルの交通の交流を課題に挙げ「市としては企業誘致が進んでおり、求人難への懸念もあると思うが、木曽の方から来てもらったり長谷の方へ帰ってきてもらう政策を進めていかなければならないと考えている」と語った。
また、永年役員勤続者に対して日本商工会議所が贈呈した感謝状の伝達もあった。 -
JA上伊那が合格祈願大豆を発売
大豆の栄養に授かって志望校に合格しよう竏秩B上伊那農業協同組合(JA上伊那)は19日、今年の「合格祈願大豆」を発売した=写真。
農産物検査に合格した特定加工用大豆は、「マル合」の検査印が付けられる。これにちなんで昨年から限定販売するようになった合格祈願大豆。すべて上伊那産の大豆を使用しており、販売前には駒ヶ根市の五十鈴神社で合格祈願をしてもらった。パッケージには風水で良いとされる黄色を用い、五角(合格)にカットするなどの工夫を凝らしている。
JA上伊那ファーマーズあじ縲怩ネやAコープの伊那中央店、こまがね店など5店舗で扱っているほか、インターネットでの通信販売もしており、昨年は遠方からの注文もあったという。
1袋は150グラム。価格は税込みで千円(インターネット通販の場合は送料込みで1850円)。限定300袋となっている。 -
JA上伊那の『上伊那の郷土料理』が発刊累計1万部を突破
上伊那農業協同組合(JA上伊那)が発刊している地元の郷土料理集『縲恤黷ゥら娘に伝えたい縲恟繹ノ那の郷土料理』がこのほど、発売開始から4年目にして発刊累計1万部を突破した=写真。
JA上伊那生活部会員などの協力で、2002年に作成したこの本は、地元の郷土料理約200点を季節ごとに取り上げ、作り方からゆえんまでを紹介している。発売から2カ月で6千部を完売。その後もコンスタントに売れ続け、6度目の増刷となった今年、累計1万部に到達した。
漬物シーズンとなる秋には販売数が増える傾向にあり、購入者の中には正月料理を作るの時に活用する例もあるという。
担当職員は「嫁いできた女性へのプレゼントには最適。今はおじいさんおばあさんと一緒に暮らさない家庭も増えているため、そういう家庭の主婦にも重宝されている」と話していた。
本は、上伊那のAコープ店、農産物直売所、主な書店で購入することができる。
A5判、192項。価格は1500円(税別)。 -
い~なちゃんカード TDLに20人を無料招待
伊那市コミュニティーカード協同組合(中村紘司理事長、154店)は19日、伊那商工会館で東京ディズニーランド(TDL)日帰り旅行無料招待者の抽選会があった。中村理事長らが応募券を引き、無料招待者20人を決めた。
昨年12月15日縲・月14日の売り出し期間中、加盟店で飲食や買い物をし、伝票3枚を集めて申し込む方法で募ったところ、市内を中心に、329枚の応募があった。
応募者の中から100人を優待。応募者全員に優待の応募通知を郵送し、先着順で受け付ける。優待希望者は、1人5千ポイント、または現金1万円が必要となる。
旅行日は2月17日。
問い合わせは、事務局(TEL72・7000)へ。 -
きょうは大寒
20日は二十四節気「大寒」で、最も寒さが厳しくなる時期。
19日の伊那の最低気温は氷点下3・6度だったが、一日中、晴れた穏やかな天候で、道行く人も「いつもより上着が一枚少なくて済む」と話した。
日の当たる場所では今月初旬に降った雪がすっかり解け、フキノトウが顔を出す。
長野気象台の1カ月予報によると、平年に比べて気温が高く、くもりや雪の日が少ない。昨年1月の平均最低気温は氷点下4度。冷え込む日はあるが、2、3度ほど高めになるそうだ。 -
高遠町児童合唱団が新宿の音楽祭出演へ
伊那市の高遠、高遠北両小学校の児童でつくる「高遠町児童合唱団」が2月3日、市が有効提携を結ぶ新宿区である第3回「新宿ステージフェスタ」(財団法人新宿文化・国際交流財団主催)に特別出演する。
1986(昭和61)年の締結からこれまで、海外や地元の合唱団が出演する「平和祈念国際交流演奏会」に参加。演奏会は昨年で幕を閉じたが、今年は同フェスタに招かれた。
新宿文化センターの大ホールと小ホールで同時開催する音楽祭で、邦楽や吹奏楽、ジャズやポップス、コーラスなど26団体が出演する。
高遠町児童合唱団は4年生以上約80人でつくり、当日は「U&I」「COSMOS」「ステージ」「赤い機関車」の4曲を披露する。
本番に向けた合同練習では「心を込めて、聴いている人の心に届くように」などと音楽教諭から指導を受け、熱心に励んでいる。
高遠北小6年の安西旭宏君は「聴いてる人たちが楽しくなるように頑張って一生懸命歌いたい」と意気込んでいた。
旧高遠町と新宿区は、新宿御苑に高遠藩主・内藤家の下屋敷があったことが縁。20周年にあたる昨年、合併により市としてあらためて新宿区と提携を結んでいる。
当日は午後0時30分開場、午後1時開演。入場無料。問い合わせは、財団法人新宿文化・国際交流財団(TEL03・3341・2255)へ。 -
飯島町観光協会のフォトコンテスト
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飯島町観光協会(会長・高坂町長)は19日、「飯島町の自然」「人と暮らし」「50年後に残したい現代の写真」の3テーマで募集した06年度フォトコンテストの審査会を役場で開いた。技術審査員の唐木孝治カメラマンや事業企画部会員、事務局ら17人が慎重に審査し、町発足50周年記念として設けた「50年後に残したい現代の写真」部門では「1番残したい写真」に、高谷昌利さん(飯島町)の「川沿いの集落」が選ばれ、「自然」「人・暮らし」の特選は該当なしだった。
コンテストにはほぼ昨年並みの22人より69
点の応募があり、「自然」は17人26点、「人・暮らし」には13人22点、「50年後に残したい現代の写真」には13人21点があった。
「自然の部」にはコスモス畑やそば畑、千人塚公園の桜、中アの冠雪と紅葉など豊かな飯島の自然を切り取った秀作がずらり。「人・暮らしの部」には、飯島陣屋のいろりを囲む人々やお陣屋祭など人々の生活を感じされる力作が並んだ。
また、「50年後に残したい現代の写真」には代官行列やどんど焼き、大三国花火などがあった。
▽テーマに沿っているか▽飯島町の風景の特色が出ているか▽四季の変化を上手にとらえているか-などを観点に審査し、各部門ごと特選、準特選、入選を選んだ。
唐木さんは「今回、自然や人の部門は力強さやインパクトに欠け、特選とする作品が無かった。『50年後に残した現代の写真』には普遍的なもの、後に場所が特定できる写真を1番残したい写真にした」と講評した。
審査結果は次の通り(敬称略)
◇自然▽準特選=「湖上の満開」熊井好男(塩尻市)「秋桜の季節」春日芳人(駒ケ根市)、「静」加勢春樹(松川町)▽入選=「春のひととき」下宮伸一(駒ケ根市)、「白い花が咲く頃」向山世男(伊那市)、「実の秋」増田●雄(神奈川県)、「春到来」小林紀一(飯島町)◇「人・暮らし」▽準特選=「昔ながらに」平沢繁美(飯島町)「本郷魂」加勢春樹(松川町)▽入選=「あの花、きれいだね」高谷昌利(飯島町)、「お祭りの夜」向山世男(伊那市)「去りゆく桜」久保田由人(伊那市)、「与田切公園の初秋」太田登(飯田市)、「川遊び」片桐久司(飯島町)◇「50年後に残した現代の写真」▽一番残したい写真(特選)=「川沿いの集落」高谷昌利(飯島町)▽準特選=「お陣屋祭りのクライマックス」向山世男(伊那市)「50年後のこの街は!」原鳳兵(飯島町)▽入選=「どんど焼きの日」久保田由人(伊那市)、「想い出の仲仙道」太田登(飯田市)、「カントリー周辺の秋」春日芳人(駒ケ根市)、「西岸寺の桜」大西廣文(飯島町)▽特別賞=「やぎのいる風景」小林紀一(飯島町) -
原木シイタケのパイオニア、水上鎮雄さん、平八郎さん(駒ケ根市北割)
駒ケ根市北割の中央アルプス山ろくで親子2代にわたり、原木シイタケを栽培する水上鎮雄さん(84)と平八郎さん(51)、シイタケ栽培のパイオニアである。
おがくずに多種類の養分を混ぜた菌床栽培のキノコや安価な輸入品が出回り、クヌギやナラなど原木からシイタケを栽培する人が減少する中で、里山の自然の光と、アルプスの地下水脈から涌き出る水を使って、最高の環境で、頑固に味と安全性を極めようと、原木シイタケ栽培に取り組む。
◇◇
1946年3月、敗戦で中国から復員した水上鎮雄さんは、稲作だけでは食べて行けないと、いろいろと副業を試みる中で、61年、シイタケの周年栽培に出会い「今まで春と秋しか収穫できなかったが、これは画期的な技術。10ヘクタールの森林資源も活かせる」と原木百本から栽培に着手した。徐々に数を増やし、2代目の平八郎さんが中学を卒業する頃には、年植3千本に増え、経営の部門比率は稲作6、シイタケ4となった。
77年、鳥取大学農学部を卒業した平八郎さんは「キノコの中で育ち、親父がバリバリやっているのを見て、農業は自分で考え、自分で組み立てられる」と迷わず農業を継いだ。「同じことをやっていたのでは価値がない。(自分が)入ったら入っただけの仕事をしなくては」という頼もしい平八郎さんの言葉に、「妻と2人では仕事の量に限界があり、息子が入ってくれた経営は根本的に違う(鎮雄さん)」と、機械化とビニールハウスによる規模拡大に踏みきった。原木の伐採はチェーンソーを用い、搬出や移動にはトラクターやフォークリフトを、最も手間の掛かる穴開け作業には、高速ドリルも導入した。現在では1日800本も開けることができる。種菌も金づちで打ちこむ方法から、押し込むだけの成形種菌に進化した。さらに、同年から始まった米の減反政策も規模拡大に拍車を掛け、現在では年植1万本余となった。
87年まで10年間、JAを通じて系統出荷してきたが、様々な課題もあり、仲間が集い「自分たちで販路を開拓しよう」と、近くのサラダコスモの多大な協力もあり、スーパーへの直販の道も拓いた。
85年には「規模拡大には、労力の均等化を図るしかない」と干しシイタケにも手を広げた。
しかし、最近は中国産の安価な輸入物や、おがくず、こぬかなどを培地にする菌床栽培も増え、キノコ類の価格低下が始まった。原木シイタケが駒打ちから収穫までに15カ月ほど掛かるのに対し、菌床栽培は7、8カ月で発生し、安上がりで回転が早い。「ゆっくりと苦労して成長したキノコは味がいい、人間と同じ。おいしくて、味のいいものを作ることで可能性を広げたい」と平八郎さん。
そのためには「無農薬、有機栽培。キノコはとてもデリケート。湿度、温度に細心の注意を払う。キノコの品質は培地と原木の種類、水、品種で決まる。この地の気候にあった物、味、香り、色、形、麟被やヒダの密度など、数百種類の種菌の中から品種を選定するのが1番難しい」。
今は一線を退いた鎮雄さんは「後継者により、維持され発展している。孫も後を継いでくれそうで、苦労した甲斐があった」と笑顔。 -
飯島中で百人一首クラスマッチ白熱戦
飯島町の飯島中学校で18日、新年恒例の百人一首クラスマッチがあった。
1クラスが8チームに分かれ、ルールはお手つきは相手に1枚札を渡し、1回休み、同時は無効、取った枚数が1番多いクラスと個人を表彰。
筝曲が流れる中、文芸委員らが読み手になって、上の句から読み上げると、取り札を囲んだ生徒たちは、身を乗り出し、札の上をすばやく視線を滑らし「ハイ!」と手を伸ばした。
三方から同時に手が伸びたり、時には2人で取り合うなど、実力伯仲したチームもあり、枚数が少なくなると、競技は白熱した。 -
中川中学校で入学説明会
中川村の中川中学校で18日、4月入学の新1年生と保護者を対象に入学準備の説明会を開いた。会に先だって、入学前に授業や学校を知っておこうと、児童や保護者が授業参観をし、学校内や先輩が学ぶ授業の様子を見学、保護者らも我が子が春から通う中学校に理解を深めた。
約1時間の授業参観の後、児童と保護者は分かれて説明会へ。
児童に向けては、現1年生が、プロジェクターを使って、中学校の生活全般、教科、文化祭、生徒会、部活動について説明した。
保護者を対象した説明では、同校の特色、生活習慣や学習習慣など、入学までに身につけたい基本的習慣について説明を受けた。
このほか、制服や運動靴、かばん、体育の運動着など各家庭で準備する学用品などにも触れた。 -
【記者室】伝統文化を引き継ぐ難しさ
伝統文化を引き継いでいくことが、いかに難しいことか。小正月などに各地域で獅子舞があった。いくつかの保存会員らは、担い手不足が深刻と口にした。夜勤や交代制など仕事の都合で、けいこに参加できないなどを理由に挙げる▼「仕方なく参加している」という若者の言葉にショックを受けたが、それだけ地域のつながりや伝統文化への関心が薄れきたのかとも思う。活気づく組織はコミュニケーションを取る場として幅広い年齢層が集う。各戸を回ることも担い手確保につながっている要因という▼地域の宝を守るため、保存会立ち上げに向けて動き出すところがある。保存会発足で安どするのではなく、継続させるためのてだても考えなければ、いずれ行き詰まる。(湯沢康江)
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地産地消セミナー開催
身近な大豆の簡単な調理方法を学ぼう竏窒ニ20日、伊那市の農村女性グループ「農村女性ネットワークいな」(溝上かつ子会長)による地産地消セミナーが伊那市駅前ビル「いなっせ」であった。約15人が集まり、豆腐づくりに挑戦した=写真。
農業後継者の育成や農村の振興を目的とした活動を展開している同グループが、地元食材をテーマに毎年1回開催しているセミナー。今回は「豆を食べて豆に暮らそう豆は元気の源」をテーマとして、豆腐作りをメーンとした簡単な大豆料理3種を選んだ。
グループに分かれた参加者たちは、普通の大豆、黒豆、青大豆の豆腐づくりに挑戦。ミキサーですり潰した大豆をしばらく煮ると、大豆の良い香りが部屋の中に漂った。そのほか、簡単にできるナガイモのきな粉団子やおからサラダなど、さまざま大豆料理を学び、試食会でその味を楽しんでいた。
溝上会長は「若いお母さんの中には大豆がどういう風になっているかを知らない人もいる。今後は収穫体験なども提供していければ」と話していた。
上伊那は品種の一つ、ぎんれいを中心に大豆を作る農家も多いという。 -
原木シイタケのパイオニア、水上鎮雄さん、平八郎さん(駒ケ根市北割)
駒ケ根市北割の中央アルプス山ろくで親子2代にわたり、原木シイタケを栽培する水上鎮雄さん(84)と平八郎さん(51)、シイタケ栽培のパイオニアである。
おがくずに多種類の養分を混ぜた菌床栽培のキノコや安価な輸入品が出回り、クヌギやナラなど原木からシイタケを栽培する人が減少する中で、里山の自然の光と、アルプスの地下水脈から涌き出る水を使って、最高の環境で、頑固に味と安全性を極めようと、原木シイタケ栽培に取り組む。
◇◇
1946年3月、敗戦で中国から復員した水上鎮雄さんは、稲作だけでは食べて行けないと、いろいろと副業を試みる中で、61年、シイタケの周年栽培に出会い「今まで春と秋しか収穫できなかったが、これは画期的な技術。10ヘクタールの森林資源も活かせる」と原木百本から栽培に着手した。徐々に数を増やし、2代目の平八郎さんが中学を卒業する頃には、年植3千本に増え、経営の部門比率は稲作6、シイタケ4となった。
77年、鳥取大学農学部を卒業した平八郎さんは「キノコの中で育ち、親父がバリバリやっているのを見て、農業は自分で考え、自分で組み立てられる」と迷わず農業を継いだ。「同じことをやっていたのでは価値がない。(自分が)入ったら入っただけの仕事をしなくては」という頼もしい平八郎さんの言葉に、「妻と2人では仕事の量に限界があり、息子が入ってくれた経営は根本的に違う(鎮雄さん)」と、機械化とビニールハウスによる規模拡大に踏みきった。原木の伐採はチェーンソーを用い、搬出や移動にはトラクターやフォークリフトを、最も手間の掛かる穴開け作業には、高速ドリルも導入した。現在では1日800本も開けることができる。種菌も金づちで打ちこむ方法から、押し込むだけの成形種菌に進化した。さらに、同年から始まった米の減反政策も規模拡大に拍車を掛け、現在では年植1万本余となった。
87年まで10年間、JAを通じて系統出荷してきたが、様々な課題もあり、仲間が集い「自分たちで販路を開拓しよう」と、近くのサラダコスモの多大な協力もあり、スーパーへの直販の道も拓いた。
85年には「規模拡大には、労力の均等化を図るしかない」と干しシイタケにも手を広げた。
しかし、最近は中国産の安価な輸入物や、おがくず、こぬかなどを培地にする菌床栽培も増え、キノコ類の価格低下が始まった。原木シイタケが駒打ちから収穫までに15カ月ほど掛かるのに対し、菌床栽培は7、8カ月で発生し、安上がりで回転が早い。「ゆっくりと苦労して成長したキノコは味がいい、人間と同じ。おいしくて、味のいいものを作ることで可能性を広げたい」と平八郎さん。
そのためには「無農薬、有機栽培。キノコはとてもデリケート。湿度、温度に細心の注意を払う。キノコの品質は培地と原木の種類、水、品種で決まる。この地の気候にあった物、味、香り、色、形、麟被やヒダの密度など、数百種類の種菌の中から品種を選定するのが1番難しい」。
今は一線を退いた鎮雄さんは「後継者により、維持され発展している。孫も後を継いでくれそうで、苦労した甲斐があった」と笑顔。 -
伊那市・富県「トムキャロット」 小麦粉粘土遊び
伊那市の富県公民館の未就園児とその保護者を対象とした、子育て教室「トムキャロット」は19日、富県ふるさと館で、小麦粉を使った粘土遊びをした。地域住民を中心とした会員18組40人が参加し、それぞれが手作り粘土を使って、思い思いの形を作り楽しんだ。
粘土は、薄力粉と水、塩、食用菜種油などをパンの生地を練るようにして作った。幼児が口に入れても安全性であることを考え、井上美弥代表が作り方を紹介。「自宅でも手作り粘土で遊べる」ことが狙いだという。
食紅で色付けた、ピンク、緑、黄色などの粘土は見た目も鮮やか。子どもたちは、母親と一緒になって、アニメキャラクターや、雪だるま、飛行機、バナナ、などを作るのに夢中。なかにはお気に入りを友達同士で交換し合うなどして交流も深めていた。 -
小学生防火作品コンクール審査会
伊那防火管理協会は19日、伊那公民館で、伊那消防組合管内の小学生を対象とした防火作品コンクールの審査会を開いた=写真。ポスターと書道の部の各最優秀賞1点ずつを選び、ポスターは伊那東小4年の小林莉歌ちゃん、書道は同小6年の郷頭愛(まな)ちゃんの作品に決まった。
防火意識を高めるための恒例事業。ポスター、書道、作文の部へ管内の小学4縲・年生から342点の応募があった。この日は、最優秀賞のほか、小学校教諭らが審査をし、ポスター19点、書道14点の優秀賞も決めた。
ポスター、書道の部の優秀賞以上の入賞作品は、「春の火災予防運動」期間中(3月1日竏・日)、各市町村の役場や大型店などで展示。作文の部は後日、審査があり、入選作品は有線放送で発表する予定。 -
米倉斉加年「憂気世絵展」 ベル伊那・23日まで
名優として舞台・テレビなどで活躍する一方で、自らを浮世絵ならぬ「憂気世絵師」と称する米倉斉加年(まさかね)氏の作品展は23日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。同店では初めての開催。
日本や西洋の女性、子どもをモチーフとした肉質画、版画の計40余点を展示販売している。版画は「レフグラフ」と呼ばれる、日本の伝統工芸品である越前和紙の上に最新デジタル技術によって画像処理した世界で初めての技術だという。
「花のスカーフをした女」「春を待つ女」など会場に並んだ作品それぞれは、色彩豊かな色の表現。「鋭く幻想的で美しい女性や、かわいい子どもたちを描いた作品などが見る人を魅了している」(関係者)。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
もっと輝け!中小企業(2)
長野県商工部 山極一雄部長に聞く信州、あるいは上伊那の産業の目指すべき方向について「信州ものづくり産業戦略会議」や「上伊那地域の新しい産業像及び振興策調査研究委員会」が提言を発表してからすでに4年が経過した。この間、長野県では知事の交代劇があり、昨年11月には県の産業振興策を検討する懇談会が立ち上がるなど、新たな動きも見え始めた。上伊那の産学官が両提言に基づき「伊那谷のビジネスモデル」に選んだ元気でユニークな中小事業所の経営者たち(※注)にとっても次の展開は大いに気になるところだ。村井新体制になって、中小企業を盛り上げるための県の施策はどうなっていくのか。県商工部の山極一雄部長に聞いた。
※注 上伊那の産学官が03縲・5年に展開した「輝く経営者キャンペーン」で選ばれた優秀な中小企業経営者。同キャンペーンは、上伊那で輝いている中小企業経営者の・ス元気・スの秘訣を探り、地域産業の活性化に結び付けよう竏窒ニ、産業界、信州大学、県などでつくる推進委員会が中心となり、約100人の「輝く経営者」を伊那毎日新聞紙面やケーブルテレビ3局を通じて紹介するとともに、シンポジウムなどを開催。優れた経営者らの経営手法、経営理念などを通じて上伊那および信州の産業のあるべき姿、進むべき道を探った。昨年夏に、100人を一挙に掲載した単行本「信州伊那谷からの挑戦」を「いなまい叢書2」として発刊。
竏柱ァ内の中小企業を取り巻く環境で最も問題(課題)と思われることは何か?
山極一雄氏 日本経済は、「いざなぎ景気」を超えて、戦後最長の景気回復局面と言われているが、地方経済の実態は必ずしもそうではない。現実には地域の産業特性がうまく機能しているところと、機能していないところがあり、そのまだら模様の中でそれぞれが熾烈な競争をしていると思う。その縮図の一つが長野県。
製造業は、デジタル家電、半導体、自動車関連向けなどを中心に回復してきているが、鉱工業生産指数を見ると、水準的にはまだまだ低い。観光関係では、観光地の延べ利用者数が、平成2年から長野五輪が開催された平成10年頃まで年間1億人を超えていたが、五輪が終わった後は1億人を下回ったまま低迷している。特にスキー客は、昔はスキーブームで団体客が大勢長野県へ来たが、スキー離れが続いて、平成4年のおよそ4割の水準まで落ち込んでいる。
全国レベルの好景気が反映されない背景には、長野県の産業構造の特徴が影響していると思う。例えば、製造業では、長野県の場合、出荷額の半分近くが電気機械関連業種によるものだが、平成12年のITバブル崩壊後の落ち込みが非常に大きく、また、ちょうどそのころから海外シフトが高水準にあり、景気拡大が県内での製造活動にそのまま反映されにくい構造になってきている。
建設業については、長野県の場合、五輪などの大型基盤整備があったため、平成7年ころまでは良かったが、その後、建設投資が急速に減少している。平成3年のいわゆるバブル崩壊後も、五輪などの特殊要因があって下支えしてきたが、それらが一度に無くなってしまい、回復の実感も乏しいのではないか。まさに産業構造の変革期にあったが、対応が遅れている、あるいは、地域を担う新しい産業の姿が見出し得ないことが問題だと思う。
竏酎コ井新体制になって、新しい産業振興策を検討されているが、どのような背景や経過があるのか?
山極氏 長野県は他県と比べても、いいものはたくさんあるが、それがグローバル競争など、めまぐるしい環境変化の中で、他県との競争にも遅れを取っているといった、長野県経済の憂うべき状況を、村井知事は、知事選を通じて、県内の経済界や商工団体、さらには、中小企業の方々から聞いてきた。
そこで、これから長野県経済がどのように時代と市場の要請に対応すべきか、またどのような方向付けをし、どのような取組みが必要なのか、といった総合的な対応が急務となっている。
行政や大学など関係機関がどのような支援を行えば、長野県内企業が従来から備え持つ能力を活かし、企業の絶え間ない努力や英知に応えられるのか、また、力強い長野県経済を再構築していけるのか、その道筋を示すために、産業界や大学、シンクタンクなど経済関係の有識者にお集まりいただき、「長野県産業振興懇談会」を昨年11月に設置。産業振興戦略プラン(仮称)を策定し、具体的な施策レベルまで提言いただきたいと思っている。
竏窒サのような振興策は何を狙い・目的としているのか?
山極氏 長野県民220万人が約8兆円の付加価値を生んでいるが、その中で非常に大きなウェイトを製造業が占めている(長野県の産業で製造業の占める割合は26・5%、全国では20・8%)。しかし、一人当たりの県民の所得を他県と比較した場合、長野県の製造業における要素所得が他県を下回っている状況にあり、これが結果的に県民所得の順位を下げている。だから、長野県の相対的なポジションを左右するにあたっての製造業の役割は非常に大きい。
長野県は、明治時代から輸出用生糸の生産が盛んとなり、最盛期にはわが国生糸生産量の約3割を占め製糸王国として知られていた。これに伴い、現在の長野県製造業の中核となる機械関連技術の基礎が培われた。
戦争と、その後のエネルギー革命、石油化学の発展に伴い製糸業は衰退したが、その一方で、航空機部品、光学機器、時計など疎開してきた工場が地元に定着し、あるいはそれが引揚げても疎開工場の残した技術が地元に根づいたことから、諏訪地域に代表されるカメラ、腕時計、オルゴールなどの精密機械工業が発達したほか、県内各地に電気機械、一般機械、輸送用機械など加工組立型産業が生まれた。
その後、オイルショックを経て軽薄短小化の波に乗り、また、情報化の波に乗り、現在の産業集積に至っている。地理的な要因もあり県内各地に製造業が分散しているが、全体としては、製造品出荷額の7割を電気機械、一般機械など加工組立型産業が占めており、長野県はこの比率が全国トップ。
このように、本県は、歴史的に見ても、他県以上に、製造業、特に加工組立型産業の重要性は高く、この製造業の良し悪しによって、長野県経済も左右されることから、この「長野県産業振興懇談会」では、製造業をベースにし、今までの長野県特有の技術の集約をもっとも効率的に付加価値に結びつけるようなものにポイントを置いて、プランを策定していただきたいと考えている。
特に、今後長野県産業が目指すべき旗印を明確にし、どのようにしたらそのような成長分野の産業を集積させることができるか、また、既存企業の経営基盤をいかにして充実・強化させるか、あるいは、次世代の人づくりをいかに行うか、ということなどを柱に検討していただいている。
竏窒サの振興策は、いつごろまでに策定し、どのように進めていくのか?
山極氏 財団法人長野経済研究所の平尾勇理事を委員長とする12人の外部有識者によって、この懇談会は開催されるが、今年度内、計6回開催し、本年3月末を目途に策定していただきたいと思っている。
これまで開催した3回の産業振興懇談会では、長野県経済の現状と課題、旗印・指針となる産業分野、企業誘致策、既存産業の育成策、創業支援策、次世代の人づくりに関して、長野県がこれまで培ってきた技術的な優位性、強みをいかに集積させて施策展開を図るか、本県の自然環境や地域特性を活かした産業分野は何なのか、などが論議されている。
この懇談会で論議されている御意見の中からすぐに取組みが可能な施策については、現在、作業を進めている平成19年度当初予算においても、企業誘致の推進強化、中小企業融資制度資金の充実、技術開発支援機能の拡充強化など、成長産業の集積や既存産業の充実・強化に結びつく有効な支援施策が実施できるように取組んでまいりたい。
竏衷、業や観光などの振興策はどのように考えるか?
山極氏 商業については、小売業の年間販売額、従業員数とも昭和57年を上回って推移しているが、事業所数は昭和60年以降減少を続けている。これは、小規模店舗が減るとともに大型店が増加していることを示している。また、小売業の売場面積における大型店の占める割合も上昇を続け、平成18年3月には約6割に達していることから、中小小売業の経営環境は厳しいものが窺える。
商業振興施策には、「これ」といった決定打がないのが実情だが、商店街は「まち」の重要な機能の一つでもあることから、商業振興は、商業者と地域住民と行政とが一体となって取り組むべきものと考えている。
一方、商店街ににぎわいを取り戻すためには、個店の活性化をはじめ、自らの問題であるとの強い自覚をもって、自助努力をしていくことが求められている。
これらを踏まえ、県としては、「まちづくりの一環としての商業振興」との考え方に立った、まちなか再生に必要な施策及び、意欲のある商店街が行う主体的な取り組みに対する、より実効の上がる支援策を検討したい。
観光関係では、長野県内には多数の温泉があり、温泉地数では北海道に次いで全国第2位、高原、湖沼など美しく豊かな自然環境にも恵まれているが、先程述べたように、観光地の延べ利用者数が、五輪が終わった後は1億人を下回ったまま低迷している。特にスキーについては、スキー客は平成4年のおよそ4割の水準まで落ち込んでいる。このような背景から、観光に携わる事業所での経営環境は、大変厳しい状況にある。
このような状況を踏まえ、本年から団塊の世代が退職期を迎えることや、本県を主舞台としたNHK大河ドラマ「風林火山」が放送されることから、大きな旅行・観光マーケットが生まれるものと予想されており、これを千載一遇のチャンスと捉え、県が主体となり、官民一体となった全県挙げての「信州キャンペーン」を推進し、誘客促進に取り組む。
また、引き続き、市町村や観光関連事業者と連携を密にし、地域の地理的・文化的な特色を活かした、市町村を広域的につなぐ旅行商品の造成・販売や、都市圏での観光PRイベントなどによる県外への情報発信を積極的に行い、誘客促進に努めていく。
特に、「スキー」産業については、長野県の重要な観光資源であり、この産業が元気を取り戻さなければ、観光立県として長野県の将来発展性はない。そのため、引き続き、「スキー王国NAGANO構築事業」を強力に推進していきたい。特に、子どもたちのスキー場利用を優待する『信州スノーキッズ倶楽部』を充実するなどし、子どもたちが大人になって再びスキー場を訪れ、ファミリーでスキーを楽しみ、そしてさらに、その子どもたちへと受け継がれるような、10年・20年後の長期的なスキー振興の戦略をもって、ウィンター・リゾートの再生に努めたい。
竏註M州の中小企業経営者にいま最も求められているものは何か?
山極氏 長野県の産業構造は、時代の変遷とともに、生糸から精密加工へ転換でき、現在のような切削とかプレス、メッキ、金型など、ものづくりの基盤となる多種多様な技術を持つ企業が集積し、地域経済に活力を与えている。この間、長野県経済は、オイルショック、円高不況、バブル崩壊等、様々な困難に直面してきたが、先見性に満ちた企業家の存在、そして多くの経営者の大変な御努力によって、乗り越えてきた。県内中小企業の皆様方には敬意を表する。
県内の中小企業経営者に今、最も求められていることについては、私の方から、これが足りないとか、こういった経営が良いといったことを言える立場ではないが、企業訪問した中で、独自性というか、先見性というか、やる気というか、一言では表現できない素晴らしい経営者がいる。その経営者の共通項としては、自社の強み・弱みをしっかりと認識していることだと思う。そして、強みを発揮するためには、その強みを発揮できる分野を認識し、目標に向かって、明確な経営理念や戦略を掲げ、それを目指すマネジメントが極めて大切だと思う。
南信地域に関しては、ハイブリッド自動車用の角度センサ、半導体製造用の部品など、国内外で高いシェアを誇る企業も多数あり、昨年4月に経済産業省が発表した「元気なモノづくり中小企業300社」にも選定されている。
その背景には、駒ヶ根市の「テクノネット駒ヶ根」や、伊那市の「伊那異業種交流研究会」など、異業種、異分野の交流が盛んであること、また、伊那市では、創業塾や経営革新塾が活発に開催され、起業チャンピオン賞の授与等も行い、創業や経営意欲をかき立てる支援が活発に行われている。さらに、伊那市や駒ヶ根市では、市役所内の企業誘致の独立したセクションを新たに設け、積極的に誘致活動を進められていることなどが挙げられる。
こういった地域の取組の中から、地域内の企業が互いに切磋琢磨し、経営力を向上し、特色ある企業群が形成されているのではないかと思う。
中小企業は、経営者の力の及ぶ範囲が広いことから、経営者の資質や力量、熱意に大きく影響を受ける。このような活動が活発に行われ、今後の地域経済がさらに活性化することを期待したい。
竏注ナ後に2007年の抱負をお聞かせ願いたい。
山極氏 産業振興は、自治体の力だけでできるのではなくて、企業の皆さんの力による所が大きい。だから、企業の経営者には、熱意を持って、頑張っていただくことがまず第一。
県内中小企業経営者一人ひとりが、他社との競争の中で、勝ち抜ける、あるいは、自社以外にはできるところはないというオンリーワン企業を目指し、そういった企業の集積が、県内経済の強さになっていくのではないか。
その中で、行政は、企業が目標へ向かって進む障害を取り除く、後押しをする、あるいは手を取って一緒に進むということが求められるし、大学や支援機関、金融機関との連携も一層重要になってくる。
県としても成長が期待できる分野に対しては、工業技術総合センターやテクノ財団をはじめ、中小企業振興センターなど、商工関係機関並びに、大学や銀行等との連携のもと、経営や技術課題の解決や産学官連携の促進に努め、挑戦する企業への支援に積極的に取り組み、県内産業の飛躍の年・ス産業振興元年・スになることを期待する。 -
福祉作業所で書き初め
宮田村福祉作業所は18日、書き初めを行った。利用者は新年の抱負も頭に浮かべつつ、筆を走らせた。
好きな言葉や頭に浮かんだ語句を半紙にのびのびと。それぞれ個性が出て、味のある作品が仕上がった。
同作業所は毎月1回、近くに住む伊東諄一さんを講師に迎えて習字に挑戦。村の文化祭などで力作を発表している。 -
上の原保育園の園児らがお年寄りと交流
伊那市の上の原保育園の園児らが17日、地元の高齢者でつくる「菊の会」や上の原地区社会福祉協議会のメンバーなど約15人と正月遊びをしながら交流を深めた。
年に4回ほどのペースで交流をしている同園と菊の会。昨年は運動会や観劇にも招待された。
年明けということで今回は、こま回しやカルタ、百人一首などといった昔ながらの正月遊びに挑戦=写真。お年寄りが読み上げるカルタを園児らが拾ったり、男性参加者から難しい綾取りの方法を習う園児の姿が見られた。
また、年長園児は生活発表会で演奏した和太鼓も披露し、お年寄りらを楽しませた。
核家族化により自分の祖父母と一緒に住まない園児らも増えているが、交流会を重ねるほど園児たちもお年寄りに懐き、互いに顔を覚えるようにもなってきているという。