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【記者室】親と同じ仕事に就きたいか
県教職員組合上伊那支部が今年、郡内の小6と中1の児童・生徒とその保護者計610人を対象に職業に関するアンケートを行った。興味深かったのは「親と同じ仕事に就きたいか」に対して「はい」と答えた子どもは40%前後、「同じ仕事に就かせたい」とする親が約50%前後竏窒ニいう結果だ▼これを多いと見るか少ないと見るかは意見の分かれるところだろう。だが親の答えが半々というのは、子どもに同じ苦労をさせたくない竏窒ニの思いが透けて見えてくるようで感慨深い▼「就きたくない」の理由に多くの子どもたちが挙げたのが「やりたいことがあるから」。夢や希望に向けて努力するのは大いに結構。少々寂しいが「それなら頑張れ」と応援してやりたくなる。(白鳥文男)
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旭松食品中間決算
旭松食品(本店・飯田市)は16日、07年3月期中間決算を発表した。
納豆部門が好調に推移したことから連結売上高は87億1千万円(前年同期比2・4%増)、経常利益は固定費削減などで前年同期より30・1%増の5700万円。中間純利益は300万円となった。
部門別売上高は、凍み豆腐部門が21億9600万円(前年同期比3・4%減)、加工食品部門が20億4400万円(同5・3%増)、納豆部門が35億6700万円(同5・5%増)など。
通期予想は、売上高183億円、営業利益、経常利益ともに2億7千万円、当期純利益1億2千万円を見込む。 -
いなっせに巨大クリスマスツリー登場
伊那市の駅前再開発ビル「いなっせ」正面玄関に巨大クリスマスツリーが登場竏秩B16日夜に点灯式があり、子どもたちのクリスマスソングが響いた。12月25日まで飾る。
ツリーは、高さ5・5メートルのモミの木。いなっせのオープン3周年を記念し、管理組合が設置した。電球1300個のほか、リースやベルなどを飾り付け、毎日午後4縲・1時に点灯する。
カウントダウンで点灯し、伊那小学校合唱団約35人が「赤鼻のトナカイ」など3曲を歌った。
ツリーは、市内小沢の小坂洋一さん(68)が寄贈したもの。50年以上前に用意したクリスマスツリーを庭に植えたところ、大きくなりすぎ、困っていたという。小坂さんは「おやじやおふくろの思いが詰まった木。きれいに飾ってもらい、感激している」とツリーに目を向けた。 -
まちじゅう美術館の審査で入賞35点決まる
伊那商工会議所・商業連合協議会は16日、伊那商工会館で「第5回まちじゅう美術館」の審査会を開いた。会頭賞をはじめとする入賞作35点を決めた。
まちじゅう美術館は、商店街に市内の保育所・幼稚園年長児から募集した絵を飾る取り組み。「私の好きなお店」「私の家族」をテーマに、32保育園・幼稚園から691点が集まった。市町村合併で、高遠町・長谷にも呼びかけたため、前回より115点多かった。
審査には主催者役員、地元の洋画家須沢重雄さんの10人が当たり、子どもらしく伸び伸びと表現できているかを基準に見て回った。
「好きな店」は食べ物屋さんが人気で、ふわふわのおいしいパン、赤やオレンジ、黄など色鮮やかな花、棚にずらりと並んだ本など個性あふれる作品がそろった。クレヨンや絵の具などのほか、折り紙をはり付けた作品もあった。
表彰式は23日、伊那商工会館で開く。
応募作品は23日縲・2月25日、伊那地域の中心商店街に展示。例年、年末年始にかけていたが、各店で正月の飾り付けがあるため、クリスマス商戦までとした。
主催者は「子どもたちのかわいい絵が並ぶ。美術館めぐりをしながら、買い物や飲食を楽しんでほしい」と呼びかけた。
入賞者は次の通り(敬称略)。
▽会頭賞(5人)=うしくなおと「ぼくのすきなおみせはほんやさん」(富県北部)ふくよちさき「かぞくでたのしいおふろだよ!」(緑ケ丘)ふくざわはるや「かぞく」(上の原)とのうちたくと「かわいいあかちゃんがたのしみなかぞく」(西春近北)たばたかすみ「わたしのすきなケーキやさん」(富県南部)
▽副会頭賞(10人)=いずみみゆう(伊那北)ゆざわゆう(高遠第四)みやじままき(つくしんぼ)こばやしゆうすけ(伊那西部)ほんだりかるどきよし(上の原)のじゆき(緑ケ丘敬愛)こまつものか(西春近南)すずきももこ(伊那)きゃくのふう(天使)なかむらさゆき(東春近中央)
▽部会長賞(20人)=かにさわけいた(大萱)まきたとしあき(手良)みさわまゆう(伊那北)みやざわりく(美篶東部)はしづめしえみ(西春近中央)かわしまやまと(西箕輪南部)きりやまゆりこ(西箕輪北部)おおぐちめい(長谷)おのとぎそういちろう(竜南)ほそのしゅんいち(伊那東)いのうえまゆか(新山)むかいやまあやめ(竜北)くさのゆうじ、あおきやまと(竜東)はしもとさき(美篶西部)ふくはらたつや(高遠第一)きたはらひろゆき(高遠第二)(竜東)やまぎしゆりな(美篶中央)たなかみゆき(東春近南部)ながたげんき(竜西) -
まちづくり大賞表彰式
地域ボランティアの花いっぱい運動を顕彰する伊那市の「まちづくり大賞」の表彰式が15日、市役所であった。
小坂市長は「花づくりのボランティア活動が活発になってきたのは喜ばしい。美しい伊那市で、さらに飛躍できるよう協力をお願いしたい」とあいさつ。努力賞以上の入賞団体・個人に表彰状などを手渡した。
最優秀賞に選ばれた「小沢花の会」の池田清和会長は「花が好きで、多くの人と交流しながら花を作っている。市民が喜ぶ花づくりをして、市発展のために協力したい」と述べた。
「まちづくり大賞」は97年度に旧伊那市で始まり、各地域で四季折々の花が咲き、市民らの目を楽しませている。今回は「花いっぱい」に高遠町・長谷を含む27団体・個人、新たに設けた「学校花壇づくり」(フラワーブラボーコンクール出場校除く)に2校の応募があった。
「小沢花の会」は芝桜で作る花富士をはじめ、サルビア、マリーゴールド、菊などで広域農道沿線などを彩り、花を通した市内外の住民と交流していることなどが評価された。 -
一の会がたかずやの里で夕食提供
伊那市飲食店組合の有志でつくる「一の会」(林孝司代表)が14日夜、富県の児童養護施設「たかずやの里」を訪れ、子どもたちのための夕食を作った。 夕食提供は今年で24年目。もともと組合として始めた取り組みだったが、諸事情で伊那飲食店組合としては継続を断念。それでも続けたい竏窒ニいう有志らが、年に1度、たかずやの里を訪れ、子どもたちに夕食を提供している。
今年は牛丼、マツタケの吸い物、サラダ、デザートの4品目約50食分を準備。牛肉は国産にこだわり、知人から仕入れたマツタケを使うなど、季節の食材なども用いた。
林さんは「実際自分たちも、同じ位の子どもや孫がいる。一緒に楽しめればと続けてやっている。楽しみに待っていてくれることが嬉しい」と話す。
6年生の女の子は「夕食提供の人たちが作ってくれるといつもと違う雰囲気で美味しい。忙しい中調理しに来てくれるのも嬉しい」と話し、食事を楽しんでいた。 -
第20回伊那社会保険委員大会
第20回伊那社会保険委員大会が15日、伊那市のプリエキャスレードであり、委員活動や保険・年金事業で功績のあった16個人2事業主を表彰した=写真。
委員活動の一層の推進を図ることを目的に、社会保険委員活動強化月間に行われている取り組み。今年は、伊南、伊那、伊北の3支部から約110人が集った。
唐澤敏治会長は「昨今の社会保険行政は年金や医療費など、さまざま問題が山積となっている。みなさんの事業所ではできる限り従業員の健康に努めてほしい」とあいさつ。
その後、諏訪東京理科大学経営情報学部の田中祐子教授による講演会もあった。
表彰は次のみなさん。
◇社会保険委員功労者▼社会保険庁官表彰=中原憲視(平沢製作所)▼長野社会保険事務局長表彰=伊藤深雪(イトウ電産)浜島久矩(伊那醤油)▼長野社会保険事務局保険課長表彰=里見登美子(赤羽電具製作所)中嶋宗之(ナンシン)今井勇(ハーモ)柴田達夫(康和会駒ヶ根竜東病院)▼会長・所長連名表彰=黒河内三記子(アドコマーシャル)藤澤敦子(藤澤)沖村直子(環境計画)北原周次(伊那ケーブルテレビジョン)加藤隆司(竹花工業駒ヶ根支店)鈴木順子(増田屋自動車工業)竹村三紀子(アイク)唐澤千洋(箕輪町商工会)半澤明夫(マブチ・エスアンドティー)
◇政府管掌健康保険事業功労事業主▼社会保険庁長官表彰=吉澤文男代表取締役(南信美装伊那)
◇厚生年金保険事業功労事業主▼社会保険長官表彰=渋谷敦士理事長(アルプス中央信用金庫) -
県縦断駅伝18・19日 「上伊那」チーム紹介(下)
初日の最長区間4区(若宮縲恟H和、16・4キロ)を走る、上伊那チームのニューフェイスだ。高校、大学時代は、出身地・上田市のチームで出場し、県縦断駅伝(県縦)は6回目となる。昨年までは、島根県で教員をしていたが、県縦に出るため帰郷し、上伊那農業高校で教べんをとっている。
「県内出身の一般ランナーにとって、県縦で走ることは夢の舞台。久々の県縦なので楽しみです。今すぐにでも走りたい気持」
上伊那チームの一員になるためには、選考大会(16キロ)で基準タイム内の記録を達成する必要があった。5千メートルを14分台で走る実力はあったが、選手に選ばれるため長距離に対応できる体力づくりに日夜、励んできた。
「(上伊那は)周りに強い選手がいるので上を目指す楽しみもあった。ベテラン選手が未だに活躍している姿は励みにもなり、頑張る力になりました」
初日の最長距離を任されることは、光栄なことだと言葉を噛み締める。「できる限り順位を落とさずに次ぎの選手へ、たすきを渡したい。自分の持っている力の中で好レースを」と、つなぎのレースを目指す。
最後に走った7年前、大学3年生の時に出場した県縦の3区(現4区)で、チームの足を引っ張った思い出を振り返る。「あの時と比べて精神的、実力的にも強くなった。同じ区間で前回の雪辱を果したい」と意気込みは十分だ。
伊那市御園 -
放課後、週末有意義に…家庭・学校・地域は何を
伊那市教育委員会などが主催する「放課後子ども体験フォーラム」は14日夜、同市駅前ビルいなっせであった。子どもたちの健やかな成長のため、放課後や週末に体験活動・学習指導をさせるために家庭、学校、地域は何をしていけばよいかを考えた。
学校職員、PTA、育成会、公民館関係者など約200人が参加。伊那教育事務所の山田敏郎生涯学習課長の基調講演や「子どもの居場所づくりはなぜ必要か」などについての全体討議があった。
山田課長は、運動能力や学力の低下、集団行動ができなくなっている子どもたちの現状を説明。「心の成長には地域での豊かな体験が不可欠」などとし、人と人とのつながりを持った地域社会づくりの必要性を訴えた。
最後に「人と人とのつながりは時代と共に薄れていっている。キーワードは人との交流を自分の立場でどう問い直す必要があるか」と呼び掛けた。
討議では「子どもたちの生活は忙しくなっている。多様な人との関わりが減っているので、生活体験の豊かさを求めたい」「人と接する機会をつくって、家でテレビゲームをするよりも楽しいと思える居場所づくりができれば」などの意見が出た。 -
県軽自動車協会伊那支部 交通事故防止のため寄贈
県軽自動車協会伊那支部(唐木章支部長・29社)は15日、伊那市の高齢者交通安全モデル地区へ、交通事故防止のための反射リストバンド350個を贈呈した。市役所に唐木支部長ら5人が訪れ、同モデル地区の美篶地区交通安全協会の松浦源治会長へ手渡した=写真。
同支部は、高齢者のかかわる交通事故が多発していることを心配し、交通弱者の歩行者を守るための交通安全グッズを送った。
唐木支部長は「自動車販売店の立場からも高齢者の事故が減ってもらいたいと願っている。使用することで少しでも減ってくれれば」とあいさつ。松浦会長は「高齢者が交通事故から自分を守っていくために役立てたい」と感謝した。
美篶地区の高齢者人口は1714人のため、松浦会長は、反射リストバンドを「高齢者クラブなどと相談し、有効的に使っていきたい」と考えている。 -
サルの群れ工業団地に出没
宮田村新田区の南平工業団地周辺に16日、数十頭のサルの群れが出没。工場敷地内や道路などを平然と歩く姿がみられた。工場関係者などによると、年に数回は群れを目撃するという。
観光客も訪れる本坊酒造信州工場の敷地内にもサルの姿が。従業員は「珍しいことではないが、お客様には近寄らないように注意しています」と話した。
ざっと見ただけでも30頭以上。親子のサルも多く、木の実や草などをむしっては、食べるような光景も。
対面の工場に渡るため村道にも出て、通りかかった車両が驚いて速度を緩める場面もあった。
村などによると、近辺は以前からサルが頻繁に出没するが、目立った被害は報告されていないという。 -
小中学生対象の税に関するコンクール入選者
小中学生を対象にした税に関する書道、標語、作文コンクールで、宮田村関係分の入選者が決まった。標語で、宮田中3年の澤下久仁香さんが伊那税務所長賞(優秀)を受賞。書道で宮田小6年の新井美香さん、作文で宮田中3年の所沢奈々さんがそれぞれ伊那地区納税貯蓄組合連合会長賞金賞に輝いた。
租税教育推進協議会、納税貯蓄組合連合会などが主催。
今年は村内から中学生の標語292点、作文14点、小学生の書道に323点の応募があった。作文を除く入賞作品は村役場ロビーに展示している。
入賞者は次の皆さん。
【小学生書道】▽伊那地区納税貯蓄組合連合会長賞金賞=新井美香(6年)▽同銀賞=草間洵奈(同)小田切雄、村沢茉美(以上5年)安田彩華(4年)
【中学生標語】▽伊那税務署長賞優秀=澤下久仁香(3年)▽同佳作=小野ちはる、浜田康貴(以上2年)▽上伊那地方事務所長賞=北原加奈(同)▽関東信越税理士会伊那支部長賞=大澤すずみ(同)▽宮田村租税教育推進協議会長賞=芦部俊也、保科蘭、上田成剛(以上3年)田中大貴(2年)高坂栞(1年)
【中学生作文】▽伊那地区納税貯蓄組合連合会長賞金賞=所沢奈々(3年) -
南ア林道バス今季も無事故で運行終了
伊那市長谷の戸台口から北沢峠まで、南アルプス林道を結ぶ市営バスが15日、今季運行を終了した。7月の豪雨の影響で利用客数は01年度以来5万人を切ったが、紅葉シーズンは昨季を上回るにぎわいを見せた。営業開始から27年間、94万600人を無事故で運んでいる。
利用客数は前年比約3千人減の約4万7300人。夏山シーズンのピーク突入時に豪雨が重なり、団体客(15人以上)のキャンセルが相次いだことなどによるもので、7月だけで前年比約5千400人減だった。
最終日は利用した9人全員に来季の乗車券の引き換え券を、最終便に乗車していた2人には記念品も贈った。
終了式には運転手ら職員約15人が出席。市商工観光課の御子柴泰人課長は「無事故でこられているのも皆さんの努力の結果」と労をねぎらい「喜んで利用してもらい、また来てもらうことが大事。鋭気を養ってもらい、来季に向けてほしい」と述べた。 -
南箕輪村結婚相談所
所長に三沢一二三さん南箕輪村結婚相談所は11月から、所長と相談日が変わった。所長は三沢一二三さん。相談日は毎月第2・4月曜日と第3日曜日。午前9時縲恁゚後6時。場所は赤松荘(TEL74・9553)。問い合わせは村社会福祉協議会(TEL76・5522)へ。
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電磁波の健康被害について考える講演会
快適な生活をもたらしている電化製品や携帯電話から発生する電磁波の健康被害について考える講演会が11日、伊那市の東春近ふれあい館であった。電磁波環境研究所所長・荻野晃也さんを講師に迎え、電波塔周辺などで多くの健康被害が報告されていることや、どのような影響があるのかなどを学んだ=写真。コープながの「環境ウォッチャーズ倶楽部」主催。
荻野さんは、世界各国が電磁波問題に注目する中、日本の関心の低さを指摘。01年には世界保健機関(WHO)が証拠は不十分としながらも、送電線から出る電磁波による発ガン性の可能性を認めたほか、電波塔周辺でガンや小児白血病などが多く発生した事例などを扱った研究論文も次々に発表されている。一方、確実な証拠がないために具体的行動につながらない現状も示した。
荻野さんは「100%の危険性は確定していない。しかし欧州では、今後大きな危険が及びそうなものに対して予防措置を講じている。日本でも予防措置を導入していくことが一番大切」と訴えた。 -
花ロマン(3)トルコキキョウ
紫やピンク、白、緑、パステルと多彩な色、一重、二重、八重、バラ咲きとゴージャスな花容、上品さも合わせ持ち、冠婚葬祭には欠かせない花、トルコキキョウ。花色が地中海の海の色のようだとも、トルコ石のようだとも言われ、別名はユーストマ、リシアンサス。キキョウとはなんの縁もゆかりもない、リンドウ科の花-。
そのトルコキキョウに魅せられ、新品種の育種に取り組むのは伊那市東春近の伊東茂男さん(55)。「ライバルは大手種苗会社、より豪華に、だれも見たことがない新しい花を日々求め、研究している」。
伊東さんが種苗会社を退職し、トルコキキョウ栽培に着手したのは19年前。紫1色だったトルコキキョウに、パステル系の白花に紫の縁取りがある新品種が発表された時だった。この花を見て、伊東さんは「自分に合いそうな花、将来性もある」と、経済連の薦めもあり、上伊那では7人の仲間と一緒に始めた。
はじめは1棟30坪で、苗を取り寄せて栽培したが、2年目から自家受粉による種採りを始めた。ハウス内を防虫網で囲い、チョウチョやミツバチが入らないようにした。めしべが飛び出している花を選んで受粉したが、品種の固定率は低く20%位。白と紫がきれいな復輪となる花を大量出荷できるまでに7、8年掛かった。
市場から「純白」がほしいとの要望を受け、自分で新しい色を作ろうと研究を始めた。紫の縁取りの白花から、紫の部分が少ないものを選別するなど、試行錯誤しながら、何年も掛かって、「純白」を作り出したが、すでに市場では「純白」が出回っていた。「スタートは遅いし、成果も遅れ、遅れた」と残念がる。
市場には新色の黄色やグリーンが次々と登場。「売れ筋は種苗メーカーが作る。メーカーが新品種を出したら、すぐに対応できるようにしたい」と研究を重ね、良い遺伝子を持つ素材集めをした。「手持ちの遺伝子を有効に使って、全く新しい花をつくる」ことに集中し、育種は一重から八重、さらに豪華なバラ咲きへと広がった。ブライダル需要を受け、花の大きさも8-10センチと大輪化していく。
「目標は小輪から大輪まで、ニーズに即応できる体制づくり。より豪華により珍しく、これがトルコキキョウかと思われるような、フリンジの強い、パロット咲のような花に挑戦したい。種苗メーカーが新品種を出せば、1、2年で同じ色ができるまでになった」と自信をのぞかせる。
次々と誕生する新し花、オレンジ系、ベージュ系、黒紫色とほとんどの色が作出されてきたが、ないのは「本当のブルー」だけ「限りなく、本当のブルーを出したい」と意欲を見せる(大口国江)。 -
ネパールで友好の石碑除幕
国際協力友好都市協定締結5周年を記念してネパール・ポカラ市を訪問している駒ケ根市民友好親善訪問団(団長・中原正純市長)が14日、同市のフレンドシップ公園で開かれた友好の石碑の除幕式に出席した=写真。中原市長は「両市の友好のシンボル。訪問を契機に交流が深まることを期待する」と述べた。
石碑は高さ約1・8メートル。カトマンズ市民が制作した。プレートには再構築、再結成などを意味する「Re ynion」などの文字が刻まされている。
親善訪問団はポカラ市に16日まで滞在し、カトマンズ、バンコクを経て19日正午ごろ駒ケ根市に帰着の予定。 -
防火・危険物漏洩防止パレード
秋の全国火災予防運動期間中の14日、伊南防火管理協会(堀内茂彦会長)と石油商業協同組合上伊那支部南部ブロック(池野克洋ブロック長)は火災予防と危険物漏洩防止を訴えるパレードを行った。のぼり旗や横幕を付けたタンクローリーなど4台が消防署の車に先導され、伊南行政組合消防本部北消防署から管内4市町村の市街や住宅地などに向けて出発=写真。「ストーブへの給油には十分注意して」「灯油などの漏洩事故に気をつけましょう」などとスピーカーで放送しながら住民に火災・事故防止をアピールした。
消防署前で行われた出発式で竹上俊隆消防長は「昨年に比べ火災が多く発生している。パレードで防火をしっかりアピールしてほしい」と訓示した。 -
【造形作家 今井由緒子さん】
東伊那に定住して6年半になる。東京や横浜などの都会で暮らしていたが、10年ほど前、自然の中で創作活動をしたくてアトリエの適地を探した。首都圏からあまり離れると不便だと思い、近くから探し始めたが気に入った所はなかった。知人の紹介で現在の地を見たところ、風景の素晴らしさに「一目ぼれ」。母の実家にも近く、即決してアトリエを建てた。
「会った人に『作品のイメージと違いますね』とよく言われるんです。作品からは洗練されたちょっとおしゃれな印象を持たれるようで。近代のモダニズムの中で育ったからそれはそうかもしれないけれど、でも原点としては田舎育ちですからね」
茅野市出身。
「父が趣味で油絵を描いていました。いつも油絵のにおいがしている父の部屋に入ると何だかほっとしたものです」
その影響か、小学生の時から絵に才を現した。画家になるつもりで高校は美術課程に進んだが、そこでの出会いが人生の転機となった。思いもかけず彫刻作品を「なかなかいいじゃないか」と先生に褒められたのだ。
「それからというもの、彫刻に絵とは違う新鮮な面白みを感じ始めました。確かに絵が第一歩です。でも絵は2次元だから平面上でしか表現できない。それが彫刻は物として現実に存在するんです」
東京芸術大彫刻科に進み、卒業後も精力的に創作に打ち込んで多くの個展を開くなど、気鋭の作家として注目を集めた。
だが一時、特に思い当たる理由もないまま虚脱したような心境に陥り、創作活動を中断したこともあった。
「数年間何も作らなかった。ヨーロッパに行ったりして。このままアートやらなくてもいいや、と思った時もあったけれど、2年ぐらいたったらやっぱり何か作らずにはいられなくなった」
何か作っていないと落ち着かない。アート作家というのはやればやるほど意欲が出てくる反面、やらないと出てこないものらしい。
「エロスを表現したかった」という若いころとは一線を画し、20年ぐらい前から生と死をテーマにし始めた。
「やはり年齢を重ねるにつれてだんだん見えてくるものがあるということかな。人生の終焉に近づくと若い時とは違うものが感じられるようになってきた。これまで生きてきた時間の集大成として自然と人間とのかかわりを表現したい。ただ美しいだけでなく、きちんとしたコンセプトをもってね」
「たくさんの作品を作ってきたがなかなか満足できるものはない。でも表現は私にとって生きること。生きている間は表現し続けるでしょう」
(白鳥文男) -
中沢小マラソン大会
駒ケ根市の中沢小学校(北原三千生校長)は15日、全校マラソン大会を行った。快晴の青空の下、グラウンドを元気にスタートした児童らは色づいた紅葉が舞い散る秋の道を走った。
原則として1・2年生は1・5キロ、3・4年生は2キロ、5・6年生は2・4キロのコースを走るが、希望者は長い距離に挑戦することもできるほか、3・1キロの長いコースも用意された。グラウンドに集まった児童らは緊張した様子もなく、号砲とともに一斉にスタート=写真。直後の混乱の中で靴が脱げてしまう児童もあったが、元気いっぱいで起伏の激しい公道に飛び出した。
沿道では応援に繰り出した保護者や近くの住民らが「頑張れ」「もう少しだよ」などと大きな声援を送り、息を切らしながら懸命に走る児童らを励ましていた。 -
かんてんぱぱで陶と織展
陶と織を手掛ける3人による「陶と織展」が15日から、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。晩秋の雰囲気に合わせたショールやスカーフ、普段の生活に楽しみを添える器や花器など約500点が、訪れた人たちを楽しませている=写真。
長野県陶芸作家協会の有志による合同作品展で2年目。今年は黄瀬戸や志野、織部などを手掛ける湯沢千春さん(駒ヶ根市)、里山の草花などを粉引きや染付けで描く北沢正和さん(飯田市)、草木染めしたウールやシルクを、さまざまに織り上げる大熊純子さん(飯田市)の3人が出展。「秋色に囲まれて」をテーマに、窓から見える紅葉に合わせた作品などもそろえた。
寒い季節に活躍する実用品なども多く、手作りの温もりが、これからの生活に温かさを添える。湯沢さんは「織りにしても陶器にしても、機械でつくられたものでは作れない温かみや使い心地の良さがある。ぜひ、手にとってみてほしい」と話していた。
入場無料。午前10時縲恁゚後5時(最終日は午後3時まで)。20日まで。 -
南部小学校の児童が南原保育園の園児とともに収穫祭
南箕輪村の南部小学校の児童と南原保育園の園児が13日、秋の収穫祭を兼ねた交流会を開いた。寒空の下、元気良く遊んだ子どもたちは、3年生の作った焼きいもやさつま汁で体を温めた。
3年生以下の児童と園児らは毎年、園の横にある畑でサツマイモをともに作っており、収穫を終えたこの時期に収穫祭をしている。調理は3年生が担当。男子が焼きいも、女子がさつま汁作りをしている間、1、2年生と園児らが一緒に遊ぶ。
小学校と保育園は、運動会を一緒に開催するなど、普段からも交流を進めている。この地域では南原保育園の園児のほとんどが南部小へ進学しているが、保育園のころからつながりができることで、新入時の不安解消にもつながっている。また、南部小の児童にとっても、世代の異なる兄弟以外の子どもと関わることで、縦の関係づくりを学ぶ機会になっている。 -
箕輪町長選無投票再選
平沢豊満氏一夜明けて2期目への抱負任期満了に伴う箕輪町長選挙で、現職の平沢豊満氏(65)=無所属、沢=が無投票で再選を果たした。一夜明けた15日、2期目への抱負を聞いた。
-2期目の取り組みの重点は
協働のまちづくり。21世紀型の自治体運営を実現するために、行政経営型の自治体運営を進める。地域活性化交付金は本年度は2千万円だったが、07年度は今の倍くらいに増額したい。地域づくりは地域の人が知恵とズクを出す。これを行政がバックアップする。町民への情報提供は、本当の情報開示が出来ていない。メディアの機能役割をフル活用して本来の町の実態を理解してもらう。
-産業振興、観光振興に対する考えは
産業振興は企業誘致と既存企業振興のためのバックアップをする。観光は都会の人が来て滞在していただくことを考えないといけない。農業、ながた荘やながたの湯、やすらぎの花(赤そばの里、伊那梅苑、住民が頑張っている花街道、チューリップほか)、景色などをどう結びつけるかだと思う。赤ソバは、地元の皆さんが努力してくれているが、ハード面も充実させないといけない。これは早く実現させたい。
-福祉施策は
イコール・オア・ベターで他市町村と比べ水準は低くないと思う。内容的には充実している。運動あそび、英語あそびはさらに充実させたい。医療費は今は小学3年生まで無料だが、おいおい6年生まで無料にしたい。
-町長に必要なものは
立ち位置を町民の位置に立って、バランス感覚をもって判断できるかどうか。
-無投票当選について
非常に責任は重い。それだけ信頼にこたえないといけないと思っている。
平沢氏は16日から公務に復帰。2期目初登庁は29日。役場講堂で就任式がある。 -
温泉のお菜洗い場設置
大芝高原17日、箕輪町長田18日から箕輪町長田の「みのわ温泉ながたの湯」の西に18日から、恒例のお菜洗い場が開設される。15日、町役場産業振興課が洗い場や看板を設置した。
温泉で温かく作業ができ、お湯で洗うことことでやわらかくおいしく漬かると人気のお菜洗い場。
開設期間は12月17日まで。毎週火曜日は休み。時間は午前8時縲恁゚後9時。無料。
産業振興課は「お菜くずは必ず持ち帰り、順番に仲良く使って」と呼びかけている。
南箕輪村では、大芝高原に恒例のお菜洗い場を設置する。
期間は17日から12月20日まで。午前8時20分縲恁゚後8時。無料。
村開発公社は、お菜くずの持ち帰り、順番を守った使用を呼びかけると共に、「不凍栓は勝手にしようしないで」と話している。 -
狩猟解禁
箕輪町内で安全パトロール箕輪町、伊那署箕輪町警部交番、町猟友会は狩猟解禁日の15日早朝、違法捕獲や事故の防止のため町内をパトロールした。
関係者8人がパトロールに参加。午前6時から約2時間半、東部地区と西部地区の山際、天竜川沿い、狩猟禁止の箕輪ダム周辺などを回った。
午前6時25分の日の出と共にハンターが繰り出し、西部地区のパトロール中に出会ったハンター4人に対し狩猟免許を確認し、安全を呼びかけた。事故や違反はなかった。
町などは「狩猟者は安全確認を徹底して。住民も狩猟期間になったので注意を」と理解を求めている。 -
子育て支援、こども室の新設を重点施策に
宮田村来年度の予算編成方針、32億円目標で宮田村は15日、義務的経費を除く投資的費用などを本年度当初予算比で10%削減し、予算額も約1億円減の32億円を目標とする来年度の予算編成方針を示した。重点施策には、行政運営の効率化、地域協働の推進とともに、子育て支援の充実を掲げた。こども室の新設で、保育から義務教育終了までの窓口一元化を図る。
職員を集めた編成会議で説明。清水村長はこども室について「一元化することで、子どもの育成の中味を濃くし、透明性も図っていく」と話した。
来年度の予算編成は、持続可能な財政を確立するため、事務事業をゼロから積み上げる「ゼロベース予算」が基礎となる。
本年度導入した事務事業評価の結果に基づき、慣例にとらわれず、拡充、縮小、廃止などの見直しを行っていく。
また、基金繰り入れを見込まない編成を基本とし、積み立て金の確保に努める。村債も抑制を図り、借入総額を3億円以内とした。
旅費、備品購入費などの需要費も節減し、本年度当初の10%以上削減を目標に設定。
食糧費による慰労会、懇親会の廃止、公用車の効率運用も求めた。 -
地元産品もふんだん、Aコープ宮田店新装開店
上伊那農協が宮田村町二区で営業するAコープ宮田店が15日、増床工事を終えて新装開店した。売場面積が旧店舗に比べ1・7倍広がり、品揃えもより豊富に。開店セールも行われ、訪れる客で店舗駐車場は朝から満車の状態が続いた。
地元生産者から毎日新鮮な農産物が届く、直売コーナーも充実。地元のものを地元の人に食べてもらおうと、大豆製品を販売する「みやだ豆腐工房」の販売コーナーも併設した。
オープンした午前9時には、既に多くの買い物客で盛況。カットやパック詰めを自店で行うようになった精肉コーナーでは、牛肉の半額セールが人気を集めていた。
開店セールは週末の村農業祭をはさみ、来週の21日まで続く。 -
伊那市高遠第2・3保育園で異年齢交流
伊那市の高遠第2・3保育園(柿木節子園長、41人)で13日、異年齢交流を目的としたクッキングがあり、園児らが園で収穫したサツマイモを使ってスイートポテトづくりに挑戦した=写真。出来上がりを食べた園児らは「甘ーい」などと舌鼓を打ち、笑顔を広げていた。
本年度から本格的に始まった「なかよし保育」の一環。年間20回の予定で、各年代が一緒になってプール遊びなどの交流をしてきた。年上の子が年下の子の世話をすることで、園内に兄弟関係と同じような深いつながりが生まれているという。
この日は、各学年が交じり3グループに分かれて、蒸かしたサツマイモを潰し、生クリーム、砂糖、バターを混ぜて、丸い形にしていった。エプロンを着るのに手間取っている園児がいれば、年上の子が手伝うなどして交流を深めていった。
柿木園長は、なかよし保育について「同じ地域に帰った時でも交流できるようになってもらえればうれしい。小規模の保育園ならではの活動にしていきたい」と話していた。 -
五十嵐裕子太極拳気功教室 成果披露・交流深める
太極拳・気功指導員の五十嵐裕子さん=伊那市美篶=が同市で開く5教室の生徒らでつくる実行委員会(原田恒子委員長)は12日、「第2回五十嵐教室太極拳気功交流会」を市内の富県ふるさと館で開いた=写真。
日ごろの練習成果を発表する目的。伊那市を中心とした生徒ら65人が参加し、各教室ごとの10縲・5人が剣、扇なども使って、22表演を繰り広げた。
五十嵐さんは「日ごろのけい古の成果を十分に発揮してもらいたい」とあいさつ。発表者らは、指先から足先まで意識を集中し、呼吸を整えながら流れるような動きを披露した。
見守る他の生徒らは、次のけい古に向けて参考にしようと、目を見張りながら熱心に観察していた。 -
郷土研究交流の集い 近世上伊那の飢饉などテーマに
上伊那郷土研究交流連絡会(竹入弘元会長)は11日、伊那市荒井区の上伊那郷土館で、「第7回上伊那郷土研究交流の集い」を開いた。会員ら約50人が参加。同館所蔵の資料見学や、小中学校教師らでつくる同館専門委員による研究発表などがあった。
原毅教諭(宮田小)、小野章教諭(西箕輪小)、北林敏文教諭(箕輪中)が研究発表=写真。原教諭は「大久保文書からみた近世上伊那地方の飢饉」と題し、江戸時代に2回あった凶作について書かれた文書の内容を解説した。
説明によると、天明期における野口村(現・伊那市手良)の餓死者は105人で、飢饉は浅間山の噴火による寒冷で農作物が生産できなかったなどが原因とした。
屋根板(樽木)を主な税として納めていた中坪村(現・同)では、森林資源の枯渇も要因の一つにあげ「今後は樽木の生産高の減少と年貢の変遷に伴う中坪村の様子の変化と飢饉の関係を明かにしたい」と話した。
館内見学は、神子柴遺跡(南箕輪村)出土の石器、俳人の野口在色の資料などを担当者が説明した。