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地域ぐるみで子どもを育てるためのフォーラム
情報交換を通してネットワークを築き、地域で子どもを育てる意味・課題などを考える「地域ぐるみで子どもを育てるためのフォーラム」が2日、箕輪町文化センターであった。上伊那、諏訪地区の教育関係者など約250人が参加。日本冒険遊び場づくり協会理事・天野秀昭さんは「遊びは生きる力の源」をテーマに講演し、子どもたち自身が主役となって遊びを見出していくことの重要性を訴えた。
地域住民と世田谷区との協働で生まれた子どもたちの遊び場「羽根木プレーパーク」のプレーリーダーとして活躍する天野さんは「現代の大人は、自分の価値観でやっていいこと、悪いことを決め、子どもたちの遊びを制限する一方、“遊べない子どもが増えている”というが、遊べないのでなく、子どもたちは自分達が“やってみたい”という遊びを、大人が制限している」と指摘。「子どもは、“やってみたい”という自分から求める遊びをする中で、生きていることを実感し、命の根っこが育つ。大人の決めた世界で子どもを遊ばせ続ければ、生きている実感を喪失し、自分で生きる力を失ってしまう」と語り、子どもたちには自ら育とうとする力があることを強調した。
また現代は、迷惑をかけないように遊ばせようとするが「迷惑をかけない関係はありえない」とし、小さい時から迷惑をかけながら、かけてはいけない迷惑を学んでいく重要性を示した。
分科会では、地域で行っている子育て活動の実践発表もあった。 -
南箕輪村で農作業事故防止・安全推進協議会
農作業安全運動月間に合わせて南箕輪村営農センターは1日、農作業事故防止・安全推進会議を、南箕輪村のJA上伊那南箕輪支所で開いた=写真。
稲刈りの時期に合わせ、利用が増えるコンバインなどによる作業事故を未然防止することが目的。県内の農作業事故の実態や機械操作講習などから、作業中の留意点などを講習した。
村内における昨年の農作業死亡事故は1件だが、比較的軽微な事故は何件か発生している。こうした事故が、大事故につながる危険性もあるため、背後の見えないコンバインで作業する場合は補助者が配慮したり、草が詰まった場合は機械を停止して取り除くなど、十分な注意を払うよう促した。また、県内の傾向として高齢者の事故が多いため、基本を怠らず、適度な休憩を取るなどして心と体を休めながら、安全な機械使用をするよう求めた。 -
現箕工へ新しく設置する08年度開始予定の多部制・単位制高校の内容面の検討がほぼ完了
高校改革プランに伴い、08年度開始となる多部制・単位制高校の設立準備を進める箕輪工業高校将来計画準備委員会と箕工の未来を育てる会は、新しい高校の中身の検討をほぼ完了した。多部制・単位制の特色を生かし、1クラス20人程度となる少人数教室を実現。普通科を基本に、科目選択の仕方で進学コース、工業コースなど、さまざまな方向に特化して学べるようにする。また、入学年度ごとの少人数ホームルームを設けるなど、心のケアにも努めていく。
3年間での卒業を目指す生徒の受け入れを想定する午前部に2クラス(80人)、午後部、夜間部はそれぞれ1クラス(40人)を設置し、従来の定時制を希望する生徒の受け入れを想定した。
工業コースを選択すれば、現在の箕輪工業工業科とほぼ同様の内容が学べる。また、地元企業との連携によりデュアル・システムを導入。各企業が持つ最先端技術が学べる実践的就業体験を取り入れていく。
定時制を希望する生徒への配慮から、定時制専用教室を設置したいとしているが、現状では教室数に限界があるため、県に対し設備の充実を求めていく。
今後は、教育課程の検討、パンフレットの作成を10月末までに進める。 -
「ドラゴンファミリー」が発表会
8月の伊那まつり「市民おどり」に参加予定だった、ペアーレ伊那、伊那市総合型地域スポーツクラブ中地区クラブの親子体操教室などでつくる連「ドラゴンファミリー」の発表会が3日、同市の伊那東小学校体育館であった=写真。
7月の豪雨災害で伊那まつりが中止となり、子どもたちの練習の成果を披露する場をペアーレ伊那などの講師・根橋恵美さんらが企画。発表会は豪雨災害復興祈念の思いも込めている。
親子など約50人が当日予定していた踊りのほか、マット運動などの10演目を発表。笑顔が弾ける子どもたちの踊りに、会場に集まった家族らはビデオカメラを熱心に向けていた。
根橋さんは「子どもたちにとって今年の夏は一度きりしかない。祭りに向けて衣装もそろえてきたので、発表の場所がほしかった。ほとんどの人が出席してくれてよかった」と話していた。 -
南箕輪村 初の全地区一斉防災訓練
南箕輪村は3日、全12地区の自主防災会が初期消火などの訓練を一斉展開する、総合防災訓練を村内各会場で展開した。全地区が一斉訓練をするのは本年が初めて。中込公民館をメーン会場に辰野、箕輪町との広域応援訓練として、自衛隊らによる炊き出し訓練もした。
東海地震の対策にそなえ、震度5強の地震が発生したと想定して訓練。地震を予測した村が各自主防災会長へ電話連絡し、住民への周知を進めると、午前8時30分に地震が発生、それぞれが避難勧告の発令に従がい、各地区の避難所へ避難した。
公民館や企業のグラウンドなどの各避難所では初期消火、応急手当て、タンカの組み立て訓練などを実施。村は本年、全地区へ架設トイレを配備したので、各所で組み立ての講習もあった。昨年に続いて、バイク愛好者ボランティア団体「BFFW」が参加し、各避難所の情報収集もした。
村役場では職員らが7月豪雨災害の反省会を開き、課題などを検討した。 -
悠生寮作品展
駒ケ根市の知的障害者更正施設「悠生寮」の利用者の作品展が駒ケ根市立博物館ロビーで10日まで開かれている。切り絵、貼り絵、刺しゅう、絵画、書など、利用者らが思い思いに制作した個性あふれる約20点の作品が展示されている=写真。訪れた人たちは「なかなか大したもんだ」などと作品の出来に感心しながら鑑賞している。入場無料。
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みのわ祭りポスター・うちわ図案コンクール表彰
箕輪町はこのほど役場で、みのわ祭りポスター・うちわ図案コンクールの表彰式をした。ポスター用は箕輪中学校1年3組の本田優衣さん(13)、うちわ用は同2年5組の岡玲奈さん(13)の作品で、二人にそれぞれ賞状と副賞の図書券を贈った。
今年のみのわ祭りは7月豪雨災害の発生により中止となり、表彰式も延期していた。
応募は箕輪中美術創作部の部員から23点。祭り実行委員会広報宣伝部会の会長はじめ部会員7人が審査した。
岡さんは、「選ばれると思わなかったのでうれしい。色塗りをもう少しきれいにして、来年もできれば応募したい」。本田さんは、「最後は少しあせって急いで描いたけど、選ばれてびっくりだった。来年は色塗りをもっとやり、配色計画をもっと考えたい」と話していた。
平沢豊満町長は「大変すばらしい図案でうちわとポスターができたが、日の目を見れなくて申し訳なかった。来年またぜひ応募して」と話した。 -
駒ケ根高原マラソン出場者数ほぼ昨年並み
初秋の駒ケ根高原を走る「第24回中央アルプス駒ケ根高原マラソン」(24日開催、駒ケ根市、市観光協会など主催)の出場申し込みが8月下旬に締め切られた。事務局によると9月1日現在のエントリー総数は約2850人で、昨年とほぼ同数という。
招待選手として出場する名古屋国際女子マラソン優勝の弘山晴美さん(資生堂ランニングクラブ)による地元小・中学生対象の陸上競技講習会が、大会前日の23日に開かれることもこのほど正式に決定した。学校などを通じて参加希望者を募る。 -
殿島橋架け替え
第2回殿島橋架け替えワークショップ(WS)が1日夜、伊那市西春近支所であった。橋の取り付け位置を考え、伊那建設事務所が示した西春近側を現橋の上流40メートル付近に架橋することで同意した。
殿島橋は天竜川にかかり、東春近と西春近を結ぶ延長約220メートルの歩行者専用道路。7月の梅雨前線による豪雨災害で、橋脚が沈下し、西春近側から橋げた60メートルを撤去した。
現橋の安全性を確認したところ、橋脚の土台が洗掘されたり、橋げたがかしいだりと補修は難しく、国土交通省と相談して使える状況にないと判断。現橋を使っての仮橋もできないという。
その上で、橋の取り付け位置について、東春近側は現行のままで、西春近側を現行と上・下流付近で検証。現行と下流は、橋と国道153号線に高低差が生じるなどの理由から、上流がいいと結論を出した。上流は国道と交わる沢渡交差点の改良などがいるものの、高低差がない、歩行者の流れがスムーズになるなどの利点がある。殿島橋から200縲・00メートル上流の春近大橋への歩道設置は、交通の安全確保や犬田切川を渡る歩道設置などが必要となる。
上流に取り付けた場合、延長は約230メートルで、春近大橋と平行する。幅員4メートル。
本年中に詳細を煮詰め、06縲・7年度にかけて橋本体の工事を進める。08年度に交差点など周辺を整備する。
殿島橋架替促進協議会委員ら約40人は、スクリーンに写し出された橋の現況などを見ながら説明を受け、取り付け位置に同意。
設計の留意点に「西春近側の交差点付近は子どもの安全を確保できるように」「犬田切川の護岸工事をしっかりしてほしい」などを挙げた。
早急に地元説明会へ入り、図面ができた時点でWSに示して最終的なものにする。 -
南箕輪小6年2組が村へ1万円を寄付
南箕輪小学校6年2組(春日睦美教諭、33人)は1日、役場を訪れ、災害支援に使ってほしいとフリーマーケット売上金の半分1万円を寄付した。
4年生からリサイクル活動に取り組んでおり、8月下旬の大芝高原まつりの際、家庭で不要になったものを再利用しようとフリマを開いた。7月下旬の梅雨前線による豪雨災害を受け、自分たちで使うのではなく、被害を受けた人の力になれればと、話し合って寄付することに決めた。
役場には、春日教諭の引率で、フリマ係の代表3人が訪問。
義援金を受け取った唐木村長は感謝し、来年のまつり参加を呼びかけた。
フリマでは、タオルや陶器など日用品、子ども服のほか、牛乳パックを使った手作りの小物入れなど180点を販売した。また、まつりのおまつりパレードにも参加し、楽しんだ。
唐沢涼君は「まつりに参加して、地域にかかわることができた。貯めたお金も渡せたので、よかった」と話した。 -
ゴン太、2度目のお手柄
クマ追い競技チャンピオンとなった北海道犬の血を引く、小坂伊那市長の愛犬・ゴン太がこのほど、伊那市小沢の市長宅に出没したクマを追い払った。ゴン太は4年前、西春近に出没したクマの捕獲に貢献したこともあり、2度目のお手柄に誇らしげな表情を見せる。
7月の豪雨災害以降、竜西地区ではクマの出没情報が多数寄せられており、すでに20頭ほどが捕獲されている。
市長宅にクマが出没したのは8月中旬。午前2時ころ、普段とは違ううなるようなゴン太の鳴き声がし、外へ出たところ、自宅裏に設置してあった蜂の巣箱が壊されていたという。しかし、肝心な中身はほとんど食べられておらず「ゴン太に追われ、食べられなかったのでは」と小坂市長。
その後、元信州大学教授・建石繁明さんが調査したところ、足跡の様子や残された毛などから、出没したのは子グマであると判明。
ゴン太は今年で9歳。伊那谷を舞台とした後藤俊夫監督のふるさとシネマ「こむぎいろの天使」にも出演した過去もある。小坂市長は「まだまだ元気でサルも追う。人には忠実で吠えない。クマを恐れないのは北海道犬のDNA」と話していた。 -
高遠高校「兜陵祭」はじまる
伊那市の高遠高校の文化祭「第46回兜陵祭」が2日、始まった。生徒の友人や保護者なども多数訪れ、催しや個性豊かな展示を楽しんでいる。
今年のテーマは「兜陵STORY縲恂イと希望と感動を縲怐v。
2学年は、「沖縄」をテーマとした展示を企画。自然風土、歴史、戦争体験など、各クラスがさまざまな角度からの展示をしており、海の中を再現した水族館も登場した。中庭のイベント会場では、早食い大会を開催。横一列に並んだ男子生徒らは、スタートの合図とともに目の前の菓子を一気に口の中に押し込み、会場の笑いを誘っていた=写真。
また、うどんや菓子など食べ物のブースは人気が高く、多くの人でにぎわいをみせていた。
一般公開は3日の午前10時40分縲恁゚後2時半にもある。体育館では、合唱部や吹奏楽部などの演奏会も行う予定。 -
富成勇夫さんの個展 ベル伊那で5日まで
信州美術会会員の洋画家、富成勇夫さん(68)=駒ヶ根市東町=の個展「野佛の詩・異文化への憧憬」は5日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
同店では初めての作品展。20年前から題材にしている男女の道祖神「双体野佛」の油絵、昨年3、4月の3週間、訪問した欧州の街並みなどの水彩画など計50余点を展示販売している。
昨年の欧州スケッチ旅行は約500年前、日本からローマ法王へ表敬訪問に旅立った少年4人の足跡の一部を辿り、ポルトガル、スペインの古城や教会をスケッチした。
夫婦、恋人の様に寄り添った双体野佛は愛きょう豊かな表情、欧州の風景は異文化への憧れを表現。優しさや暖かさが込められた筆のタッチに、来場者の注目が集まっている。
午前10時縲恁゚後6時30分(最終日は午後4時)。 -
伊那市美篶の上川手区 災害マップで地域助け合い
伊那市美篶の上川手区(北原伍区長)は1日夜、上川手第1公民館で災害マップ作りをした。区内20班の班長、民生委員、地域社会福祉協議会長など計約25人が参加。区内地図の上に、それぞれが把握している一人暮らしの高齢者住宅の場所などを記入し、同マップを作成した。
災害マップの必要性を学ぶため、6月に市社会福祉協議会の出前講座を利用し、区内3会場で7回の分散勉強会を実施。区の年間計画として、区民に理解を深めてもらい、有事の際に活用できるマップ作りに取り組んできた。
この日は、地域の代表者らが集まり、高齢者、障害者などの要援護者宅、土砂災害の危険がある場所、避難所などの位置を地図上に記入。高齢者などの災害弱者の場所を地図に盛り込むことは、プライバシー侵害になるとし、事前の聞き取りで開示許可のある人だけ記していった。
9日、完成したマップで避難誘導方法を確認するなど、区自主防災会の避難訓練をする予定になっている。
北原区長は災害マップ作りを通じて「地域で助け合うことができれば。普段から近所付き合いを深め、災害に備えるきっかけにしてほしい」と期待している。 -
伊那市 防災訓練で行動や避難体制など確認
「防災の日」の1日、伊那市は06年度総合防災訓練を市庁舎などで実施した。職員の災害時における対応能力を向上させるため、情報伝達、避難、消火などの訓練を通じて、有事に向けての行動確認をした。
市庁舎では直下型地震の発生を想定し、避難誘導訓練、屋内消火栓使用の消火訓練を実施。地震発生の放送があると、職員らは机の下へ身を隠し、誘導に従がって庁舎北側の駐車場へ約100人が避難した。
各階ごとの職員ら計28人で構成する自衛消防隊などは、訓練の事前に伊那消防署員から屋内消火栓、ロープを使った避難器具緩降機などの取り扱い方法を受講。地震により庁舎東側の地下にある重油タンクから火災があったとし、放水訓練をした。
この日は、悪天候で危険を伴うため、庁舎では本年初めてのはしご車による避難訓練は中止。計画した総務課の関係者は「避難器具や消火器具の取り扱い方の研修はできたので本来の目的は達成した。はしご車の避難ができなくて残念だが、来年の実施を目指したい」と総評した。
高遠町、長谷総合支所でも、停電時の電源供給などの訓練があった。 -
洋画家の富成勇夫さん 人生の中で絵は・ス楽しみ・ス
「優しさがにじみ出た絵」「ほわーんっと温かみがある作品ばかり」竏秩B
5日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで個展「竏猪・ナ(のぼとけ)の詩・異文化への憧憬(しょうけい)竏秩vを開く。愛きょうのある男女の道祖神「双体野佛」や、昨年の欧州スケッチ旅行で描いたポルトガル、スペインの街並みなど、油絵、水彩画の計50余点が並ぶ。
◇ ◇
駒ヶ根市在住で、伊那美術協会、信州美術会会員、新世紀美術協会準会員などの肩書きを持ち、画歴は約50年。定年退職するまでは、小中学校の図工・美術教員として、上伊那を中心に10校以上の学校で働き、現在は画家としての道を歩む。
◇ ◇
昨年3縲・月の3週間のスケッチ旅行は若桑みどり著「クアトロ・ラガッツィ竏駐V正少年使節と世界帝国竏秩v(集英社)をテーマにヨーロッパを訪問した。
「クアトロ竏秩vは500年前、織田信長の許可を受け、キリスタンの日本人少年4人がバチカンのローマ法王を表敬訪問する話。少年らは往復8年の旅路を経て本土へ戻るが、豊臣秀吉の時代へ移り変わっており、禁教令でひどい弾圧を受けて生涯を終えている。
少年たちを偲び、4人が辿った一部の足跡を追って、ポルトガル、スペインの教会、古城、街並みをスケッチ。ポルトガルのエボラ教会では少年2人が曲を演奏し、拍手大かっさいだったと記された、大聖堂のパイプオルガンなどを描いた。
ヨーロッパの美しい風景を目の当たりしたのと同時に、「少年たちは最後のことなんか予想もせず、この風景に目を輝かせていたのか」と哀れな気持ちを胸いっぱいにし、帰国の途についたという。
◇ ◇
退職後は海外へスケッチ旅行へ出掛ける機会が増えた。ヨーロッパは6年間で約5カ国を3回訪欧。500縲・00年前の石造りの建物など古い街並みを探訪する。
「日本人は異文化に憧れを持っている。観光旅行、グルメ旅行など、向かう目的は皆と同じ。写真を撮る代わりにスケッチをしてくるだけのこと」
「のんきに絵を描けることはぜいたく。金は無いけど、スケッチ旅行も続けたいし、もっと重厚な作品を描きたいね」。人生の中で絵とは・ス楽しみ・スだという。
※「富成勇夫個展竏猪・ナの詩・異文化への憧憬竏秩vは5日まで、ベルシャイン伊那店2階文化ホールで開催中。午前10時縲恁゚後6時30分(最終日は午後4時)。 -
西保育園で引き渡し訓練
宮田村西保育園は防災の日の1日、避難と保護者への引き渡し訓練を行った。地震予知を想定し、防災頭巾をかぶった園児が迅速に行動。迎えに来た家族と一緒に速やかに帰宅した。
園内放送と保育士の指示をしっかりと聞き、無言で園庭に避難。わずか数分で完了した。
吉川美幸園長は「各地で地震や水害などが発生しており、保育園でもどんな事故に見舞われるか分からない。これからも先生のいうことをしっかりと聞き、行動して」と園児に呼びかけ。
迎えに来た保護者にも、家庭で防災について再確認するよう協力を要請した。
同保育園ではこの日、おやつに非常食の乾パンを食べ、防災についてより理解を深めた。
村内3つの保育園は年に1回、保護者引き渡し訓練を実施している。 -
祇園祭、夏まつり写真コンテスト
推薦に向山さん「それ!!落せ」7月の宮田村津島神社祇園祭、みやだ夏まつり写真コンテスト(村商工会主催)の入賞作品が決まった。最高賞の推薦に向山世男さん=伊那市錦町=「それ!!落せ」を選んだ。表彰式は10月1日に行う。
昨年より11点多い77点から、12点の入賞作品を決定。商工会役員らによる審査の結果、祇園祭名物のあばれ神輿打ち壊しを被写体にした向山さんの作品が最も評価を集めた。
次点の特選には阿波踊りの子どもたちの表情をとらえた酒井幸一さん=伊那市西春近=「子ども連が行く」、観衆の前で踊る姿が絶妙な大西廣文さん=飯島町飯島=「梅舞会の晴れ姿」を選んだ。
その他の入賞者は次の皆さん。
【入選】林平一郎、久保村由人=以上伊那市=、加藤平治=南箕輪村=【佳作】向山世男、酒井幸一(2点)、林平一郎、両角巻男、久保村由人=以上伊那市= -
魚取りやいかだ遊びに熱中
飯島町中央公民館の父と子の冒険隊が27日、父子25人が参加し、田切の天竜川支流フッ川であった。
フッ川の淵に繰り出した父子は、歓声を挙げながら、たも網やせせりを使って、魚取り。天竜川から遡上したアユやアカウオ、ドジョウ、カジカなどのほか、八つ目ウナギも取れ、子どもたちを喜ばせた。
また、天竜川の河川敷で、流木を拾い集め、ロープで縛り、いかだも作り、フッ川に進水。水量がないため、いかだの前後にロープを着け、子どもを交代で乗せ、引っ張った。
子どもたちは「落ちそうになったが、怖くなかった」と大喜びしていた。 -
箕輪南小と東小の1、2年生が交流
箕輪町の箕輪南小学校と箕輪東小学校の1、2年生が29日、交流した。近い学校同士、交流して仲良くなろうと計画し、2年生は南小、1年生は東小でそれぞれ楽しく遊んだ。
2年生は、東小周辺に川遊びできる環境がないため、南小の学校林に流れる沢で沢ガニ採りを計画した。当初予定した7月は、悪天候でカニ取りができず、ドッジボールなどゲームで交流。この日は待ちに待った2回目の交流で、東小の31人は虫採り網と小さい水槽などを持って学校林に到着した。
生活科の授業で訪れている南小の15人が案内し、石を動かしたり、目を凝らしてカニを探した。「いた!」「カニ!」とあちらこちらで響く歓声にまぎれて、時には「助けて縲怐Aはさまれた」などという叫び声も。児童は沢を行ったり来たりしてカニ採りに夢中になっていた。 -
【記者室】サイトウキネンって何?
「サイトウキネン? 何それ」。1カ月近くにわたって松本市で開かれているサイトウ・キネン・フェスティバルに県内の小学6年生と自律学校の児童が招待されるが、当の小学生の多くは冒頭のような反応だ▼サイトウはチェロ奏者、指揮者で桐朋学園などで後進の育成に力を尽くした故齋藤秀雄氏のこと。彼を恩師と仰ぎ、世界で活躍する100人以上の演奏家が集まって84年にオーケストラが生まれた▼齋藤氏に指揮を学んだ小沢征爾さんらが中心になって92年から毎年フェスティバルを開き、児童の招待も第1回から続けている。多くの児童にとって一生の間に聴く中で最高の演奏かもしれないことをよく肝に銘じて聴いて来てほしい。間違っても寝たりせずに…。(白鳥記者)
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地球のステージ
今年創立40周年を迎えた駒ケ根青年会議所(加藤道生理事長)は記念事業の一環として30日夜、国際救援活動で活躍する桑山紀彦さんのコンサート「地球のステージ」を駒ケ根市文化会館で開いた。小学生をはじめとする市民約200人が集まり、世界平和を訴える桑山さんの演奏と映像に見入った。大スクリーンには世界各地の子どもたちの生きざまなどの映像が次々に映し出され、桑山さんは歌と演奏で平和への思いとメッセージを語りかけた=写真。
精神科医師でもある桑山さんは世界49カ国で医療救援活動に携わってきた。地球のステージの公演は通算千回を超えている。 -
駒ケ根市災害対策職員を派遣
大きな被害をもたらした7月豪雨災害の復興要員支援を各市町村に要請した上伊那広域連合の求めに応じて駒ケ根市はまちづくり推進部の技術系職員延べ6人を1カ月間派遣することを決めた。1日、関係職員らに対し、中原正純市長が市役所で辞令を交付した=写真。中原市長は「市職員としての誇りを持って災害復旧に全力を尽くしてほしい。経験、知識、能力を生かし、誠心誠意頑張って活躍することを期待する」と激励した。
派遣期間はそれぞれ1縲・週間。上伊那広域連合土木振興課の指揮下で被災地の調査、設計、事業費確定などの業務に当たる。職員を派遣するのは1日現在、上伊那で駒ケ根だけ。
派遣される職員は次の皆さん。
宮下佳和、北村篤(以上区画整理課)田中政志、原孝之、櫻井拓雄、佐藤貴博(以上建設課)
◇ ◇
駒ケ根市は1日、1日付の職員人事移動を発令した。
異動は次の通り(カッコ内は旧職)。
▽商工観光課長(商工観光課長兼企業立地推進室長)竹村弘▽商工観光課企業立地推進室長(子ども課学校教育係長)中村敏郎▽子ども課学校教育係長(県上伊那広域水道用水企業団庶務係長兼経理係長)小島紀生 -
駒ケ根警察署防災訓練
防災の日の1日、駒ケ根警察署(山本修作署長)は大地震の発生を想定した防災訓練を行った。
午前7時に全署員に対して署長が非常召集命令を発令。連絡を受けた署員らは出動服に身を固め、次々に署に駆けつけて服装や携行品の検査を受けた。
災害による停電を想定した交通信号機の復旧訓練が署の近くの交差点で行われた。署員らは非常用のエンジン式発電機を信号機の制御盤に接続して信号機を作動させる一連の手順などを確認した=写真。
署内での火災発生を想定した避難や初期消火などの訓練も併せて行われた。 -
災害時に避難所などの危険度を判定
伊那市役所で1日、県建築士会上伊那支部と伊那市の「災害時における応急危険度判定等の協力に関する協定」の調印式があった。地震や風水害など災害時に、本部施設や避難所などが安全かどうか危険度を判定する。
協定書では、市からの要請により、上伊那支部の応急危険度判定士が現地へ出向き、災害発生後8時間以内に建物の危険度を判定。危険だった場合、他避難所への移動などの手段をとる。協力のための経費は市が負担。有効期間は07年3月までだが、改廃の申し出がない場合は継続する。
調印後、松沢考資支部長=辰野町=は「お世話になっている地域への社会貢献」と話した。
小坂市長は「早期に判定することは極めて有利。市民生活が安定できるよう、専門家の協力を得ることは喜ばしい」と述べた。
県建築士会の調印は県内2カ所目。上伊那支部の判定士は100人余で、今後、上伊那の他市町村とも調印を交わす予定。市町村ごとに班分けし、担当個所も振り分けている。災害時、メンバーが対応できないときは、近隣市町村や飯伊・諏訪に応援要請する。判定士は04年の新潟県中越地震の際、民間住宅を中心に判定業務に当たった経験がある。 -
伊那地域の新たな交通ネットワーク構築へ
伊那市は秋ごろ、伊那地域の新たな交通ネットワーク構築のための検討委員会を立ち上げる。新市発足に伴う旧市町村の循環バス路線や、権兵衛トンネルを利用した広域的な交通ネットワークを検討する。
検討では、国土交通省の「公共交通活性化総合プログラム」を導入。地域の公共交通に課題があるものの、利用者のサービス維持や質の向上など地域のみで解決困難な事案について、具体的な方策を練るもの。
市内の交通手段は、合併前のまま引き継いでいるが、合併協議では「旧市町村間を結ぶ循環バスは合併後、速やかに運行できるよう関係機関と調整する」となっている。バス利用は地区や時間帯によって多少するが、交通弱者の増加で交通対策が必要な状況にある。
対象地域は伊那市とその周辺で、権兵衛トンネルの開通によって木曽も含む。
庁内プロジェクトを設け、交通状況や課題を把握。西春近地区社会福祉協議会が高齢者の交通手段の確保で取り組んでいる無償ボランティア移送サービスの実践の検証も含めながら、総合的に交通対策を考える。
検討委員会では、地域にあった交通体系のあり方、使いやすい移動手段、地域の観光資源を生かす公共交通を模索する。
委員は国交省と相談して選出するが、市や長野運輸支局などの行政機関、バス・タクシーの交通事業者、高齢者クラブ代表など利用者で構成する予定。
本年度中に方向をまとめ、必要に応じて07年度の試行運転を検討する。 -
三宅村立小学校の児童が国少で高遠体験
東京都の三宅村立小学校5年生10人が30日、伊那市高遠町の国立信州高遠青少年自然の家を訪れ、高遠北小学校の児童14人と交流した。
江戸時代に起きた「絵島生島事件」で、罪に問われた絵島と生島はそれぞれ、高遠町と三宅島に流された。そのことをきっかけに、高遠町町と三宅村は1970年に友好盟約を締結。互いのイベントに町村の代表者が参加するなど交流を深めている。三宅小の児童の「高遠体験」もその一環。昨年は高遠城下まつりに合わせて来訪し、今年もその予定だったが、豪雨災害の影響で延期された。
両校の児童は、隣同士の席に座り、こけしの絵付けに挑戦。最初は互いにはにかむ様子も あったが、次第に打ち解け、さまざまな会話を楽しんでいた。 -
信大農学部砂防緑化研究室が被災地で防災的機能の高い森林造成を伝授
南箕輪村の信州大学農学部砂防緑化工学研究室は1日、7月の豪雨で土石流災害が発生した辰野町赤羽の被災地跡で進める、防災的機能が高い森林造成を用いた災害復旧工事を一般公開した。行政関係者や一般市民など約60人集まり、天然木が持つ防災的機能を育てるための手法などを学んだ。
山寺喜成特任教授は「自然の中で種から発芽した天然木などは、下に伸びる“直根”が発達するため、土壌保持機能が高いが、人工的に植栽した木は、短い水平根しか育たない」とし、深く根付かない水平根の土壌保持機能の低さを指摘。被災跡地復旧には直根が発達する造成が必要であることを示した。
直根を人工的に育てる方法として自身が開発した「保育ポット」を用いた手法を紹介。土と肥料などを混ぜた小鉢状のポットには直径約3センチの貫通穴があり、そこに種をまくと苗木の直根を確実に発達させることができるようになっており、こうした苗木を植栽することで、自然に近い防災的機能を実現できることを示した。 -
「農事組合法人みのわ営農」(仮称)設立発起人会第2回会議
箕輪町の「農事組合法人みのわ営農」(仮称)設立発起人会は30日夜、第2回会議を町役場で開いた。役員会で検討した法人化計画や出資金の金額などを示し、10月の集落懇談会開催を確認した。
全町一円を対象とした法人設立を目指し5月下旬、設立発起人会(会員50人、柴正人代表)を立ち上げた。12月に設立総会を開く予定で、7人で構成する役員会で細部検討を進めている。
「農事組合法人みのわ営農」(仮称)は、水稲を中心とした基幹作業(耕起、代かき、田植え、収穫)を請け負う法人で、経理を一元化する。出資金は1口が水田面積1アール100円で、200口を上限とすることなどを説明した。
加入を勧める農家に(1)米を出荷している(2)水田耕作できなくなった(3)協業組織や営農組合に水田作業を全て、または一部委託されている(4)オペレーターとして参画したい-農家を挙げた。
今後は農家組合長会、ライスセンター運営委員会、コンバイン協業組合長会などの会議を重ね、10月に第3回会議を開く。集落懇談会は10月17、18、19日の3日間に15会場で開催。資料と加入申込書を配り、10月末までに加入申し込みを取りまとめる予定。 -
4月からみはらしぶどう生産組合長に就任
伊那市西箕輪
林正隆さん(66)野菜は毎年考えて、いろんな作り方をしなければならないけど、ブドウは1年目にやったことを応用して、続けていくことができる。それに果物ってなんか、夢があるでしょ竏秩B
開園して5年目となる「みはらしぶどう園」。3年目から徐々に実がつき始め、4年目となった昨年は、これまでにない実りがあった。「今年は長かった梅雨の影響が心配だったけど、夏場の好天で持ち返した。ここは標高が高く、昼夜の寒暖差が大きいから糖度の高い果物ができる。まだ始めたばかりだから、ブドウの先進地に比べて来場者が少ないのは残念だけど」ともらす。
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退職後はゆっくりしようと考えていたが、古くからの友人に声を掛けられたことや、自宅近所でできることもあり、ぶどう園に参加することを決めた。それまで、手伝い程度に農業をすることはあったが、出荷までする本格的な農業は初めてだった。木を育てる1、2年目はそれほど手間もかからなかったが、実がなりはじめた3年目、ブドウづくりの大変さを思い知った。
6月から7月にかけ、作業は本格化する。木の剪(せん)定から始め、房作りのための摘果、種なしにするためのジベレリン処理、袋がけ、消毒竏窒ニ続く。ピオーネ、シナノスマイルなどの大粒種は、60粒を36粒ほどまで摘果し、粒が大きくなるように促すが、実が成長してしまうと摘果のはさみが入らなくなるため、作業は短期間に集中する。連日、ブドウを見上げ、腕を上げたままで作業を続けなければならないため、次第に体が悲鳴を上げ始める。また、暑さ寒さも我慢しなければならない。それまでの会社勤めと違うことばかりだった。その一方で、無事に果実が成長する姿を見続けることへの喜びも覚えた。「自分の場合、ほかに何かしているわけでもないから、ぶどう園のおかげでいつも必ず一つは楽しみがあるのはいい。こんなに手がかかるとは思わなかったけど」と苦笑いする。
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生産者のほとんどは、ぶどう園の開園と同時にブドウ作りを始めた人ばかり。専門家の技術指導を受けたり、土壌改良をするなどして試行錯誤を続けているが、味には絶対的な自信を持てるまでになった。「最初は小粒で甘味もあまり出ていなかったが、木も安定し、酸味と甘味のバランスも良くなった。これからまだまだ良くなっていくよ」と自信を見せる。だからこそ、より多くの人に来てもらいたいという思いも強い。
「より多くの人に楽しんでもらえるよう、品種を増やすことも考えている。若い人は大粒が好きだけど、お年寄りは小粒が好きな傾向にあるから、そういうことも考慮して。市内でも、ここにぶどう園があることを知らない人もいる。すぐに広めるのは無理でも、美味しいブドウをつくり続けて、徐々に知っていってもらえばと思ってるよ」