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起業チャンピオン賞を表彰
伊那商工会議所・伊那市主催のビジネスプラン創造塾を受講し、近く創業する女性2人に8日、起業チャンピオン賞を贈った。
受賞したのは、アジア生活雑貨販売と喫茶ビジネスの宮島洋子さん(33)=荒井区、アマランサス栽培と福祉雇用事業の山岸深雪さん(42)=若宮区=。
宮島さんは、ベトナムに滞在していた経験を生かし、布や陶器、衣類などの雑貨販売に加え、軽食を楽しめる店を通り町に構える。オープンは来年1月上旬予定。
山岸さんは「アマランサスを伊那の特産品にしたい」と来年から借り受けた畑25アールで栽培する。知的障害者らの働く場を確保。商品化には高遠町の栽培者らと連携していく。
表彰式で、伊藤正専務代行は「商売を始める熱い思いが伝わってきた。不安も多いと思うが、今後もフォローアップしたい」と地域の活性化につながるよう2人の活躍を祈り、新しい事業の芽が出ることに期待した。
受賞者も「自分のため、まちのために頑張りたい」とそれぞれ決意を語った。
創造塾は、新規創業を目指す人や新たな事業展開などを考える中小企業者を対象に開催。経営コンサルタントなど専門スタッフから伊那市のマーケット分析、資金計画、事業計画書の作成などを学んだ。25人が受講し、12人がプレゼンテーション。その中から、実現性が高いビジネスプランに「起業チャンピオン賞」を贈った。 -
仙醸で重油漏れる
水源汚染回避に全力高遠町上山田の仙醸(黒河内靖社長)で8日、重油が漏れ出し、同社と高遠町・高遠消防署などが、原因の究明と土壌・水源汚染の防止に奔走した。
漏れ出したのボイラー用の重油、推定2・6キロリットル。地下に埋設された配管部分に何らかの異常が生じたもの見られている。タンクが空になったので補充したところ、ボイラーを使用していないのに異常な速さで重油が減り漏出に気付いた。
タンク周辺を掘削し漏出状況を調べたところ、地表から40縲・0センチ下の茶色の地層の部分に重油が滲んでいることを発見。地層の広がり方や地下水の具合などにより、土壌・水源地汚染が心配されることから、夜まで異常箇所の確認と、汚染の広がり具合の確認作業が続いた。近くには高遠町河南地区の水道水に利用されている押出水源地がある。
仙醸の伊藤好専務は「当社も水が命の仕事。汚染防止と原因究明に全力を尽くしたい」と本紙に話した。 -
水質改善しつつある
諏訪湖流入河川と天竜川の本・支流の水質調査をした「天竜川水系健康診断」の結果報告会が8日、伊那市の市駅前ビルいなっせであった。
本年で9回目となる健康診断は、民間企業主体でつくるリサイクルシステム研究会などが、9月1日に流域49ヵ所で調査。結果を分析した沖野外輝夫信州大学名誉教授は「活動の成果が出ている」と、天竜川の水質が年々改善しつつあると報告した。
汚染の総合指標となるCOD(化学的酸素消費量)は、諏訪湖の影響がある釜口水門と新樋橋を除くと、南宮大橋の3・62ppmを最大にして、他の地点は2以下と、きわめて清浄な結果。農耕地からの肥料流出の指標となる窒素は良いレベルで安定し、排水の指標となるリンは安全圏内の数値となった。
天竜川支流については「一部の支流でリンの数値が時間帯によって変る地点がある」とし、今後も注意しながら継続的な水質浄化の取り組みが必要と訴えた。
健康診断は10回を目途に結果をまとめる。沖野名誉教授は「土地利用の変化と照らし合わせ、開発に何を気をつけなければいけないか将来的な展望を提案できれば」とした。 -
箕輪南小学校、季節の伝統文化を地域のお年寄りから習う
お年寄りの知恵を子どもに伝えていこう竏窒ニ箕輪南小学校で8日、季節の伝統文化を地域のお年寄りから学ぶ交流会があった。約35人のお年寄りが学校を訪れ、しめ縄や凧(たこ)、昔ながらのすいとんを子どもたちに伝授した。
毎年の恒例。全校で一つを習うこともあったが、昨年から1・2年、3・4年、5・6年の連学年ごとに分かれ、それぞれの成長段階に合った作業に取り組んでいる。今年は1、2年がすいとん作り、3、4年がたこ作り、5、6年がしめ縄作りに挑戦した。
しめ縄づくりで、2年目となる6年生の女子児童は、手際よく縄をなうお年寄りから手ほどきをうけ、いち早くしめ縄を完成。「去年よりはうまくできたが、難しい」と話していた。お年寄りは「今は人からもらうのでしめ縄をつくっていないが、昔さんざん作ったからつくり方は忘れない」と昔を懐かしんでいた。 -
地産地消の新たな流れを目指す伊那谷工房本格始動
地元ニーズに密着した地産地消の流れを築き、里山と地元消費者をつなごう竏窒ニ、上伊那の製材所や家具職人、販売店などが「伊那谷工房」を立ち上げた。地域と密着した販売所を通し、地域材商品を提供する製材所・職人と、地元消費者とを結び、拾い上げた消費者ニーズを商品に還元。消費者ニーズに即した地域材商品を企画することが、商品の付加価値となる。“地域”という小規模で無理のない流通ルートを用い、必要最低限の利益のみを目的とすることで、従来よりも安い商品を提供する。一方、消費者の消費行動が、里山の荒廃を防ぐことにもつながる。
駒ケ根市で地域材家具を製作販売をする「工房楽木」を中心に、伊那市の向山製材、福祉事業所「どうぞのいす」など4者が共同参加している。商品企画は工房楽木の牧野郁生さんが担当する。
「里山再生への願い」「良質な製品づくりへのこだわり」「職の創出」「健康・環境への配慮した商品へのニーズ」など、生産者から消費者までが持つさまざまな要望を一つにつなげることで、誰もが満足できる関係を実現することが最大の目的。
第1弾として企画した「里山の学習机」はすでに販売を開始。安全性、耐久性、健康面への配慮など、本当の意味で子どものことを考えた。アトピーが心配な子どもにも安心な植物原料100%の塗料を用い、大人になってからも使える頑丈な構造を取り入れた。天板には硬くて丈夫なドングリを使用。パーツごとの役割によって木材を使い分けている。「愛・地球博」にも出展した。
現在は「どうぞのいす」で展示販売している。18日には机の説明会もある。
問い合わせはどうぞのいす(TEL74・6697)へ。 -
第6回
駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり
~3年目の現状~ 【上】地元食材を地元で消費する「地産地消」の発想が社会的に注目を集めている。上伊那でもこの視点から各種取組みが開始されている。その中で、駒ヶ根商工会議所が中心となり、地元菓子店やJA上伊那・農業生産者とともに3年前から始めた「駒ヶ根竏鋳n産地消の銘菓づくり」は、先駆的な例と言えよう。
特産銘菓づくりをテコにして食品製造・販売業と農業の振興を図り、地域活性化につなげようという試みは3年を経てどうなっているか?現状と課題を関係者に話し合ってもらった。 -
厳選ほのぼの作品 気持ち和ませて
漫画家・橋爪まんぷさん(65)=伊那市境南=の「4コマまんが100点漫展」が来年1月9日まで、高遠町の信州高遠美術館で開かれている。
同美術館の依頼を受け、美術館では初めての個展。20年近く描きためた4コマ漫画の中から時事問題を除いた100点を厳選し、個展に合わせて全作品に色を付けてた。
サラリーマンの日常生活を描いた作品が中心で、職場での上司とのやりとりや、妻子との会話などを取り上げている。
まんぷさんは「作品はどれもほのぼのとしたもの。殺伐とした時代のなかで気持ちが和めばうれしい。ぜひ見にきてください」と来場を呼びかけている。
期間中の土・日曜日、祝日の午後2時縲・時は、チャリティまんが似顔絵会をする。色紙代1500円で、希望者に「ちょっとおもしろい漫画タッチの顔」を描く。売り上げ金の一部を社会福祉に寄付する。
10日の午後2時と4時の2回、伊那市を中心に活動するアマチュアバンド・柘植晃&スターダストを招き、まんが&ジャズライブもする。
午前9時から午後5時(最終日は3時)まで。毎週火曜日、年末年始(28縲・月3日)は休館。入館料は一般500円、小学生150円。
問い合わせは、信州高遠美術館(TEL94・3666)へ。 -
総合学習の成果発表「プラムデー」
宮田村の宮田中学校は8日、総合学習の成果を友人や地域に伝える「プラムデー」を村民会館で開いた。歴史や自然、福祉など、机上の勉強ではなく、実体験に基づいた学習内容を発表した。
1、2年は各学級、3年は4つの班に分かれてテーマを決め、週2時間ほど総合学習を実施。地域などに目を向けて調査してきた。
各分野で活躍する村内の・ス達人・スを調べた1年3組。会場に達人を招いて技を発表してもらうなど、地域の隠れた逸材を紹介した。
2年3組は宮田村の農家が丹精こめてつくる米について学習。きれいな水や豊かな自然があってこそ、農業が続けられると調査結果に基づき発表した。
村内の福祉施設や伊那擁護学校と交流する3年生の福祉班。高齢者宅へ訪問するなど、ふれあいの中から感じた素直な気持ちを表現した。
多くの体験を積んだ子どもたち。成果を見ようと、保護者や村民が数多く会場に足を運んでいた。 -
農産物加工所の設置など農業委員会が村へ建議
宮田村農業委員会(小田切信樹会長)は7日、今後の法改正をにらんだ農業経営の安定支援と、農業体験交流促進や農産物加工所の早期実現などを求めて清水靖夫村長に建議した。昨年まで含めた「優良農地の保全」については、生産効率のあがる農地の集積など、より柔軟な内容に変更した。
建議は営農組合の設立促進、担い手対策などから、地産地消による食育まで14項目。
長年求めている地元農産物を使った加工所の設置について、清水村長は「村としても総合的に研究したい」と、周辺の観光活性とからめて検討を進めたい考えを示唆した。
生産効率があがる土地利用について、清水村長は「活力あるむらづくりのためにも、農業基盤を明確にしたい」と答えた。 -
子育て学級調理実習
宮田村公民館子育て学級は、ふだんの食事で摂取しなければならない野菜の適量を知ろうと調理実習を開いた。村の栄養士加藤いくみさんが指導。ポトフやポテトサラダなど16品目をつくり、バイキング形式で試食した。
幼児を持つ母親として毎日料理をつくる参加者。日ごろの食事を見直し、育ち盛りの我が子や家族に適量な野菜を食べさせたいと企画した。
ワイワイにぎやかに調理。「みんなでやると、いつもより楽しい」と、多彩なメニューを手際良く調理した。
学級長の内田美保さんは「みんなどの家庭でも工夫していると思うけど、子どもたちに美味しく野菜を食べさるのは難しいですね」と話していた。
色鮮やかな料理の数々。体が求める野菜の適量を感じながら、会食していた。 -
宮田小音楽室もアスベスト未検出で調査終了
宮田村は7日開会の村議会12月定例会で、アスベスト(石綿)が天井裏に密閉状態で吹き付けてある宮田小学校音楽室の大気中からアスベストは検出されなかったと公表した。
同小施設の調査は全て終了。ロックウールのアスベスト含有も含め、同小施設から飛散は確認されなかった。
また、天井裏のはりにロックウールが吹き付けてあった町2区の教員住宅についても、アスベストは未検出だった。 -
宮田村議会12月定例会開会
宮田村議会12月定例会は7日開会し、指定管理者制度を来年度から適用する11施設についての管理要件の一部条例改正など23議案を上程した。一般質問は13日に開き、16日の最終日に議案を採決する。
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高遠町が寄贈した桜の苗木植樹
長谷小学校(三沢久夫校長)は7日、開校30周年を記念してタカトオコヒガンザクラの苗木3本を植樹した。 高遠町から節目を祝して寄贈された苗木で、高さ2縲・メートル。卒業を控えた6年生が植樹を担った。
児童たちを前に、三沢校長は「高遠町の大事な宝を友好の証として頂いた。成人してふるさとに帰ってきたときにはきれいに咲いていることだと思う」と話し、学校、児童ともに新たな出発を誓って、校庭北側に1本1本丁寧に植えた。 -
ブルドーザーとトラックに挟まれ死亡
6日午後8時21分、駒ケ根署に住民から「ライトがついたまま止まっているトラックがあり気味が悪い」と通報があり、署員が調べたところ、同市赤穂中割の牧場経営倉田耕一さん(58)が自宅近くの道路で大型トラックとブルドーザーの間に挟まれているのを発見した。消防などが救出して病院に運んだが、胸と腹を強く圧迫されていて同日9時46分に死亡が確認された。
駒ケ根署の調べによると倉田さんは、緩い傾斜地で後ろ向きに止まった大型トラックの荷台後部とブルドーザーの機体後部に挟まれていた。同署で原因を調べている。 -
国際理解シンポジウム
海外協力隊の活動経験を小中学校の教育に生かそうと国際協力機構(JICA)駒ケ根青年海外協力隊訓練所と毎日新聞長野支局は3日「国際理解教育シンポジウム竏谷ICAと地域の連携」を同訓練所で開いた。約30人の聴衆が集まり、毎日新聞長野支局長城島徹さんをコーディネーターとした6人のパネリストによる意見発表に耳を傾けた。
訓練所の協力で校内に「世界情報センター」を設けている赤穂南小学校教諭の西澤浩さんは「児童らは訓練所の候補生との交流を通じて海外の人々の生活に興味を持ち始めた」と紹介し「今後もぜひ交流活動を続けてほしい」と希望を述べた。
海外協力隊員で理数科教師として南アフリカ共和国に派遣された経験を持つ五味房子さん(東御市立北御牧中学校教諭)は「南アフリカでは教師にさえ簡単な分数計算ができない人が多い。アパルトヘイトはなくなったことになっているが、黒人蔑視の意識はいまだに根強く、学校にも大きな較差がある」などと報告し、教育水準の引き上げが必要竏窒ニ訴えた。 -
市長一日父親
駒ケ根市母子寡婦福祉会(熊沢宏子会長)は3日、10年前からの恒例となった中原正純市長を迎えての「市長さん一日父親」を同市障害者センター高砂園で開いた。親子ら約50人が参加し、にぎやかにもちつきやゲームなどを楽しんだ。
庭に用意された2つの臼を囲んだ子どもたちは張り切ってきねを振り下ろすが、慣れないせいか手つきがどうも危なっかしい。見かねた中原市長が代わってきねを手にし、力強くつき出すと見守る子どもたちから「すごい」「いい音」と感嘆の声が上がった。エプロン姿で奮闘する一日父親の手本を見て要領を得た子どもたちは代わる代わる元気にきねを振るった=写真。
参加者らは景気良く6升のもちをつき上げ、昼食に皆でおいしそうにほお張った。 -
ウォームビズ 衣料店に「コーナー」豊富な品ぞろえ
環境省が推進する秋冬のビジネススタイル「ウォームビズ」。伊那市内の衣料店には「ウォームビズコーナー」が設けられ、例年に比べて豊富な品がそろっている。売れ行きは「まずまず」のようで、春先まで着ることができるベストなど今後に期待感を持つ。
ベルシャイン伊那店は、10月初旬から販売フロアにコーナーを設置し、売り上げも例年より伸び「1・2縲・倍の手ごたえ」があるという。
ウール素材のベスト(男性)、保温性やファッション性が高い、カシミヤのハイネックセーター(女性)など定番の人気商品をコーナーに陳列。各サイズ、各色をとりそろえ、商品を切らすことなく並べたことで、ウォームビズに関心のある人の購入意欲をそそり、売り上げにつなげている。
「ウォームビズなのでベストが欲しい」「スーツに合うベストを探しているのだが」など、40代後半の男性客の反応が多い。また、クールビズのノータイスタイルの影響もあり、スカーフを首元に巻く「アスコットタイ」の問い合わせも増えている。
紳士服「アオキ」伊那ナイスロード店では上着、ベスト、カーディガン、保温機能性素材の下着、首元を保温するウールのネクタイなどを1カ所に集めた。ミドル丈の下着は、新たに入荷。
「ウォームビズで」と来店する男性客は多くないものの、来店者に対してベストを勧める機会が増えた。昨年に比べ、全店で1・5倍ほど伸びているのではないかという。オレンジやイエローなどパステル系も並ぶが、服に合わせやすい黒やグレーなどベーシックなものが人気。
商品だけでなく、色の合わせ方など着こなしも提案している。
室内温度18度で暖房を入れる伊那市役所では「ひざかけを厚めのものにした」「足首を温めるレッグウォーマーをつけている」と工夫している職員もいる。 -
県縦断駅伝に9年ぶり出場
滝澤恵美さん(25)15チームが優勝を競った県縦断駅伝(11月19・20日)に9年ぶりに出場。第4区(3・2キロ)を任され、区間6位の好走で上伊那チームの優勝に大きく貢献した。「監督は、今年は絶対優勝したいと言っていた。私は、とにかくみんなの足を引っ張らないようにしたい竏窒ニだけ思って走りました」
9年間の長い空白の中には、順調な競技人生から一転して絶望のどん底にたたき落とされた辛い日々があった。
◇ ◇
「小学校のころは短距離が本当に遅くて。長距離ではまあまあ速い方だったけど、でも1番じゃなかった」小学校6年の時、2歳上の姉が全国都道府県対抗駅伝大会に出場した。京都を走る姉の姿に刺激され「私もあんなふうに走りたい」と陸上を始めた。
県縦断駅伝には中学2年から高校1年まで3年連続で出場を果たし、区間賞にも輝く栄光の時代を経験。進学した大学では駅伝部に所属し、全日本大学選手権(インカレ)で1万メートル2位などの好成績を挙げて周囲からも将来を期待されていたが…。
大学3年の時、突然の悪夢が襲う。しばらく前から感じていた足指の痛みがなかなか引かず、仕方なく医師に診てもらったところ「手術が必要だ。直ったとしても今まで通りに走るのは無理」と思ってもみなかった宣告を受けた。「体質的に骨が弱かったところへ、無理な練習を続けてきたせいではないかと…。どん底に突き落とされたような気持ちでした」自己ベストを次々に更新するなど順調に力を伸ばしていた絶頂期のさなかだっただけに、何としてもあきらめ切れなかったがどうにもならない。無念さを胸に競技生活に泣く泣く別れを告げ、仲間を陰から支えるマネージャーの役に回った。
◇ ◇
大学卒業後は駒ケ根市役所に就職。競技はあきらめたが、激しい練習をしなければひどい痛みが出ることはないので、自宅周辺を一人黙々と走り続けた。
今年の県縦断駅伝の選考会には記録係として会場入りした。当日、旧知の役員に「痛みがないのならちょっと走ってみたら?」と勧められ、軽い気持ちで出場したところ予想外に調子が良く、痛みもまったく出なかった。好記録で走り切り、あれよあれよという間に選手として選ばれた。
「競技を離れてもう5年になる。現役の若い選手に比べて力が落ちている分、絶対に故障しないよう心掛けて練習しよう」レース当日まで足に気を遣いながら慎重に調整を重ね、9年ぶりの大会に臨んだ。
◇ ◇
毎朝約10キロのランニングを欠かさない。「今日は走りたくない、なんて思ったことはない。ランニングは日常生活の一部で、もう当たり前になっているんですよ」
勤務の傍ら、スポーツ少年団の指導をしている。「昔から、練習のメニューを作ってもらったり、車で伴走してタイムを計ってもらったり、たくさんの人にお世話になった。今度は私が地域の子どもたちを育てる手助けをすることで、その恩返しができたらいいな」 -
押手沢の砂防を事業化
大雨が降れば土石流発生の危険性が高い宮田村南割区の押手沢について、県が事業採択し、新たなえん提を設けるなど砂防事業に乗り出すことが分かった。県伊那建設事務所は6日夜に地元説明会を開き、事業内容や今後の日程などを公表。地権者の同意を得てから、早急に測量調査に着手する。
押手沢は1961(昭和36)年の36災害のほか、たびたび災害が発生。県は92年に砂防えん堤を設置したが、99年の豪雨で満砂の状態になっていた。
県の計画によると、現在あるえん堤の砂を取り除くほか、その約100メートルほど上流に新たなえん堤も設ける。
また、流域2カ所の山腹崩落地も改修。河床の侵食対策も施すなど、「堆積を防ぎ、土砂を健全な状態で流下させる」と説明した。
昨年の住民説明会で県は財政難などから事業化に難色を示したが、その後の調査などで大規模な土石流が発生した場合に最大で30戸に被害が及ぶと予測。本年度事業採択し、基本計画を策定した。
今後測量、ボーリング調査、用地買収を経て来年度に着工。説明会では出席者から「出来る限り早く完成させてほしい」と要望も挙がった。 -
聴導犬協会が移転新築の施設概要について発表
宮田村に本部を置く日本聴導犬協会は7日、同村民会館横(町3区)への移転が内定したことを受けて、今後建設する施設の概要などを発表した。2007年秋の完成を予定。現在よりも多い年間5縲・0頭の聴導犬や介助犬を育成し、地域に開けた交流の場にしていく考えも示した。
有馬もと会長は「村民の協力もあり、村が良い条件で土地を提供してくれた。地元へもっともっと還元したい」と説明。犬とのふれあいのなかで、教育や地域との交流にも取り組みたいと話した。
計画によると、村土地開発公社から約700万円で100坪を購入。訓練施設やユーザーが滞在する宿泊施設などが入る3階建ての本部棟を8千万円ほどかけて建設する。同じく同公社から賃貸する400坪は屋外の練習施設に使う。
総事業費は約1億円。財源は募金や寄付などで集めた自己資金約2100万円に加えて、助成金を見込んでいる。
聴覚障害者は全国に35万人いるが、聴導犬は全国に10頭。1000頭いる盲導犬に比べると認知度が低く、普及は進んでいない。
「聴導犬、介助犬をを取り巻く環境は施設的にも恵まれていない。私たちがモデルになって、全体の底上げが図ることができたら」と有馬会長は期待をこめた。
同協会は引き続き幅広い支援を求め、募金を呼びかけている。詳しくは同協会85・4615。 -
児童会の活動を紹介「冬祭り集会」
宮田村宮田小学校児童会は7日、全校に活動を紹介する「冬祭り集会」を開いた。12の各委員会がブースを設け、クイズやゲームなど趣向を凝らして発表。委員会に入っていない低学年も、楽しみながら児童会の役割を学んだ。
スタンプラリー形式で、子どもたちは校内の特別教室などに設けた各委員会のブースをまわった。
美化委員会は、ゴミの分別の正確性とスピードを競うゲームを企画。挑戦した児童は、空き缶や燃えるゴミなどを区別し、袋の中に入れていた。
新聞委員会は、各委員会のブースの感想を書いてもらい、それを貼りつけて壁新聞に。会場の児童は文章に絵を盛り込むなど工夫を凝らし、記者気分を味わっていた。 -
徴税吏員を21人に増員
宮田村は今月から、村税を徴収する徴税吏員(りいん)を21人に増員した。今までは税務係職員と課長級の9人体制だったが倍増。村総務課は「数多く足を運ぶことで、滞納整理を図っていきたい」としている。
04年度の村税徴収率は98・9%。前年度に比べ0・1ポイント低下しており、年々滞納が増える状況にある。
一方で税務係は4人体制で、03年度からは課長級の5人を徴税吏員に加えて対応。
しかし、今後さらに村財政が厳しくなることが予想されるため、増員を図って自主財源である村税の収納率向上を目指す。
7日の村議会12月定例会冒頭あいさつで清水靖夫村長は「滞納者を分担して受け持ち、効率をあげたい」と説明した。 -
箕輪町中心市街地にイルミネーション
箕輪町商工会が進める箕輪町TMO構想(中小小売商業高度化事業構想)の実働部門「みのわTMOネットワーク2004」(関嘉重代表幹事長)が、中心市街地の活性化のきっかけに-と、松島の商店街などにイルミネーションをともしている。
昨年、日の出商工会が独自で松島駅前通りに電飾をつけ好評だったこともあり、今年はTMOの活動として範囲を広げ、日の出商工会、仲町実業団、通り町実業団、木下南部支会が参加した。
駅前通りに加え、仲町の町道6号線、国道153号、JR木下駅前に点灯。産業道路沿いにもシンボルイルミネーションが3カ所ある。電球や発光ダイオードを2万3千球使い、赤や青、白などの明るい光が街並みを包んでいる。
「階段を上るように一歩一歩充実させていきたい」とし、来年度以降はイルミネーションとともに年末年始のイベント開催も模索している。
点灯は来年1月7日まで毎日、午後5時から11時まで。 -
町内3団体が募金、収益など福祉や三宅島支援へ寄付
高遠町老人クラブ連合会と伊那広域シルバー人材センター高遠地区は6日、町の福祉事業に役立ててほしい竏窒ニ、募金を町役場に届けた。
老人クラブ連合会は、年末恒例の女性部の活動の一環として、会員一人数百円づつ集めた募金12万1800円を寄付。シルバー人材センターは「助け合い募金」として、11月末にあった地区懇談会の席上などで会員から募った3万3400円を届けた。
伊東義人町長は「会員の皆さんの心温まる募金ありがとうございます。町福祉のために有効に使わせていただきたい」と感謝した。
また、10月末から11月初旬にかけて展開した高遠城址(し)公園の秋まつりで、食事所や町内のそば店でそばを提供した人たちが、収益金の一部や募金の合計金3万4157円を、町が友好交流する三宅村(東京都)の帰島支援金として町に預けた。 -
伊那中央病院・伊那市にバザー収益寄付
伊那中央病院(小川秋實院長)は6日、10月末にあったバザーの収益金9万9050円を、伊那市へ寄付した。収益金は地域の福祉の向上に役立ててほしい竏窒ニ、本年は同病院組織市町村の同市へ、来年以降も順次組織市町村に寄付する考え。
バザーは同病院祭に合わせて実施。本年度が初めてで、職員が家庭から持ち寄った品物を販売した。バザー品はタオル、シーツ、陶器の皿など日用雑貨を中心に約500点を用意したが、開始1時間ほどで品物はほぼ完売したという盛況ぶり。
小川院長、薮田清和同病院事務部長らは市役所を訪れ、「福祉に役立ててほしい」と、小坂樫男市長に寄附金を手渡した。 -
雪造り 深夜に着々
伊那市西春近のスキー場「中央道伊那スキーリゾート」は1日深夜から、断続的に人工降雪機を可動させ、1回平均約900トンを降雪。17日のオープン予定日を目指し、従業員は深夜のゲレンデ造りに追われている。
リフト3基の整備やレンタルスキーのワックスがけなどを終え、あとはゲレンデに雪が整うのを待つだけ。移動、固定式の人工降雪機合計22基のうち半数以上を稼働させ、全長約1200メートルのゲレンデ下半分の雪造りに励んでいる。
人工降雪機は水を霧状にして噴射。マイナス5度を目安に、午前0時から同6時の間を中心に雪をつくる。「今週の予想気温は低そうなので、毎日ほぼ稼働できればオープン日には間に合いそう」と話す。
4日、上伊那に例年より早い初雪が降り、利用者の機運は上昇。今季は、小さな子どもも楽しめる「モーグル」「クロス」を新設、砂場感覚で遊べる「雪の公園」も新たに造り、ファミリー対策を充実させる。
営業期間は来年3月31日までを予定。入場者数は例年並みの約8万人を見込んでいる。 -
骨粗しょう症予防教室「コツコツセミナー」
南箕輪村住民福祉課は6日夜、骨粗しょう症予防教室「コツコツセミナー」を村役場で開いた。女性18人が、骨粗しょう症の病態や予防、治療についての講演を熱心に聞いた。
骨粗しょう症は、骨の量が減ってスカスカになり、骨折しやすくなる全身の病気。セミナーは全2回で、第1回は伊那中央病院整形外科の高原健治医師が講演した。
総人口の10%弱が骨粗しょう症といわれ、寝たきりの原因の第3位は骨粗しょう症による骨折であることを説明。検診を受ける時期は、女性は閉経後は年1回、男性は少なくとも70歳以上は測定する。20歳代から40歳代後半までは骨密度があまり変化しないため、その間に一度測定し骨密度を知っておくことをアドバイスした。
予防の三原則は「食事・運動・日光浴」。カルシウムの多い食品やカルシウムの吸収を助けるビタミンDを摂り、運動はウォーキングや水泳、運動が苦手な人は散歩や自転車乗りから始めてもよい-とし、ビタミンDが日光浴で皮膚からも作られることも話した。
たばこや酒の飲み過ぎ、ダイエットも危険因子の一つに挙げ、骨の健康状態を知るため1度は測定することを勧めた。
第2回は16日午後1時縲・時、村公民館。骨を丈夫にするための運動、栄養の話と試食。運動のできる服装で参加。持ち物は上履き、バスタオル(運動時に床に敷く)、筆記用具。村内在住者に限る。申し込みは12日までに住民福祉課保健予防係(TEL72・2105内線111)へ。 -
高遠そばの魅力PR 「かくし味いっぱい…」審査員特別賞を獲得
県内の各市町村が地域の魅力をPRする「第5回ふるさとCM大賞NAGANO」(長野朝日放送主催)で、高遠町の高遠そばをテーマとした作品「かくし味いっぱい高遠そば」が審査員特別賞の「さわやか賞」を獲得した。
作品は、高遠産の玄そばを使ったそば打ちの様子や、辛味大根のしぼり汁に焼きみそを加えた「辛つゆ」など、高遠そばの特徴を紹介。ヴィバルディ作曲の「四季」に、桜などの町の魅力を紹介して、「あったかな人の心が隠し味 高遠そばの里」と最後を結ぶオリジナルの歌詞をのせた曲を合わせて流している。
96作品の応募のなかから最終審査に残り、「曲を聞きながら桜をイメージできたし、高遠そばも食べたいなという気持ちにさせられた」と評価を受けた。 石工と石仏を題材にした昨年に続く受賞。CMは来年、年間通して30回放映される予定だ。
総務課秘書広報係は「2年連続の受賞は本当にうれしいし、町の宣伝もできてありがたい」とうれしさをにじませている。 -
有償福祉運送にかかる使用車両拡大特区に認定
伊那市はこのほど、国土交通省に対して申請していた「伊那市における福祉有償運送使用車両拡大特区」として認定された。
特区の内容は06年4月からNPOなどの非営利団体が心身障害者などへ提供する有償福祉運送に伴うもの。原則的に、4月以降の有償運送サービスには、福祉車両を利用することが規定されているが、今回の認定で、一部の団体が、セダン型車両を利用することが可能となった。
伊那市は、外出が困難な障害者・高齢者の増加に伴い、希望する時間に送迎できるボランティアの必要性を認めている。また、歩行は困難でも、福祉車両の機能を必要としない対象者もいるため「こうした対象者の運送にはセダン型車両が望まれる」として特区申請をしていた。
電車やバスでの外出が困難な障害者には、福祉タクシー券や高齢者バス・タクシー券の交付しているが、金額に上限があり、すべての外出需要が満たされているわけではない。
セダン型車両が利用できる条件については、福祉有償運送のため設置している協議会の検討に基づき今後決定する。 -
森の音楽会「アンサンブル・ファンファール」
小さな子どもと一緒に生の音楽を楽しみたい竏窒ニの願いから始まった森の音楽会の第6回「アンサンブル・ファンファールのクリスマス」が3日、駒ケ根高原美術館別館VITA AMOR(ビタ・アモール)で開かれた。駒ケ根市の子育て支援グループ「ファミリーサポートぐりとぐら」主催。会場には親子連れなど約200人が集まり、クリスマスらしい華やかな響きの金管楽器のアンサンブルに聴き入った。
ステージに立ったアンサンブル・ファンファールのメンバーはモーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』などの馴染みのあるクラシックのほか、アニメソングやクリスマス・メドレーなどを次々に披露した=写真。客席の子どもたちは特に騒ぐこともなく、母親らとともに静かに曲を楽しんでいた。
アンサンブル・ファンファールはトランペット、ホルン、トロンボーンなどで編成するアンサンブル。飯田市を中心に活動している。