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第20回南箕輪村農業フォーラム
第20回南箕輪村農業フォーラムは27日、「品目横断的経営安定対策」に対応する地域農業「担い手」育成対策などを考えようと、「地域でつくろう担い手」をテーマに村民センターで開いた。農業関係者ら90人が、講演や事例研究などで学び合った。村営農センター、地域「担い手」育成総合支援協議会の主催。
伊那市東春近の農事組合法人「田原」経理・広報担当理事の酒井弘道さんが記念講演。04年10月の設立までの経過や仕組みなどを話した。
「加入は原則として設立時のみ」とする申し合わせ事項を説明し、「スタート時に加入の問題は南箕輪でもあると思う。皆が様子をみたら始まらない。ある程度、どこかで線引きが必要かと思う」とアドバイス。「今までと同じ考え方の中で同じようにやっていこうと考えるのはやめたほうがいい」と話した。
地産地消事業の一環で「リンゴ(ふじ)」の消費拡大コーナーを設け、「南箕輪村輪の会」によるリンゴ料理の試食や、リンゴジュースの試飲、リンゴのプレゼントもあった。 -
箕輪中生が人形劇公演
箕輪町の箕輪中学校11・12組は24日、松島保育園で人形劇を披露し、園児を楽しませた。
11・12組は毎年、学習で人形劇をしている。題材選びから台本、舞台や人形制作、音響、公演まですべてを協力して取り組む。公演を通して人との接し方を学ぶ活動にも位置付けている。
本年度は「アラジンと魔法のランプ」。毎年、松島保育園で公演しているが、園児に楽しんでもらえるように登場人物を考え、アラジンなどのほかに、子どもたちの好きなドラえもんを登場させた。
生徒は「せりふを覚えるのが大変だった」と話していたが、人形を操って熱演。園児は人形を目で追いながら楽しんでいた。中学生の保護者も参観した。 -
【記者室】節分の風習
節分の豆まき。ある寺では、豆をまいた年男年女に福升をあげているが、近年は遠慮する人が増えたという。現代生活では使用機会も減り、必要ないということらしい。幸福や長寿の祈りを込めた福升を頂いたら幸せになれるような気もするのだが▼ところで関西の風習という巻きずしの丸かぶり。ここ数年、急に関東方面に広がったように思う。コマーシャルを見るたびに、この風習を新たに取り入れている家庭はどれくらいあるのかと考える▼商売上の戦略も少なからず手伝っていると思うが、定着したかどうかは別として、ある地域特有の風習をコマーシャルまでして広めなくても…と思ってしまう。それでも、丸かぶりで幸せになるのならよしとするところか。(村上記者)
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KOA四半期業績を発表
KOA(本社伊那市、向山孝一社長)は27日、06年3月期第3四半期業績を発表した。第3四半期(05年4月1日縲・2月31日)の売上高は370億300万円で、前年同期と比べ、ほぼ同水準となった。
売上高は昨年10月以降、デジタル家電を中心に増加。
営業利益は26億2700万円(前年同期比5億2700万円増)で、電子部品の売上増と原価低減、経費節減など改善活動に取り組んだ結果が表れた。経常利益は33億4900万円(同8億6900万円増)。四半期の純利益は20億7500万円(同4億3300万円増)で、1株当たり48円94銭となった。
06年3月期(05年4月1日縲・6年3月31日)の連結業績では、売上高500億円、経常利益45億円、当期純利益を27億円を予想している。 -
JA上伊那、合格祈願大豆を販売
合格への祈念を込めた大豆で、受験突破を目指してもらおう竏窒ニ、上伊那農業協同組合(JA上伊那)は28日から、05年度の上伊那産大豆をパック詰めにした「合格祈願大豆」を、南箕輪村のJA上伊那ファーマーズあじーなとJA上伊那のホームページで販売する。
昔から病気や災いを払う力があると言われてきた大豆にちなんだ取り組み。近年は、大豆は含んでいるレシチンが、記憶力や集中力をアップさせる効果もあるといわれている。
1袋は150グラムで限定300個。大豆はすべて駒ヶ根市の五十鈴神社で合格の祈祷を受けている。あじーなの販売価格は1千円。ホームページの販売価格は「一発合格」の語呂に合わせて1850円。
表紙は五角形(合格)とし、風水で新しいことをはじめるのに良いとされる黄色を使用している。 -
無塩みそパウダー「酵豆粉」発売へ
伊那食品工業=伊那市=と宮坂醸造=東京都=が約2年かけて、無塩みそパウダー「酵豆粉(こうずこ)」を共同開発した。4月から、業務用を中心に販売する。
「酵豆粉」は塩の入っていないみその粉末。みそと同じ伝統的な発酵手法をとり、たんぱく質や糖質が吸収のよいペプチド・低分子糖に変換される栄養価の高い食品。
伊那食が信州大学大学院農学研究科と産学共同で研究し▽脂質の吸収抑制▽エネルギー代謝の促進▽体質改善竏窒ネどの機能を見つけ、宮坂醸造が製造を担当。塩を入れず、腐敗しないみそ造りを確立し、世界で初めて量産化、工場でフリーズドライ製法で仕上げた。
27日の記者会見で、塚越寛会長は「健康食品ブームで、大豆の栄養素を利用できないかと思っていた。大豆を効率よく摂取する意味で、画期的である」と菓子など多くの用途に期待。企業同士の提携について「企業が生き残る手段」と話した。
伊那食は揚げ物の吸油量低減、でんぷん老化防止などの機能に着目し、付加価値のある商品開発を進めている。
価格は未定。 -
上農インドネシア研修参加者結団式
インドネシアの林業事情を学ぶため、2月4日から1週間、現地研修をする上伊那農業高校緑地工学科の生徒が26日、出発に向けた結団式をした。
研修は国土緑化推進機構が林業専攻の高校生を対象とした毎年のもので、国際的視野に立った林業の担い手を育成することを目的としている。今年は希望した1年生2人、2年生3人が参加。これまで同校からは、約20人が研修に参加している。
2年生の伊東勝美君は「インドネシアは日本が大量の木材を輸入している国で、熱帯雨林も減少している。現場の実態を見てきたい。植樹などを通して現地との交流を深めたい」と抱負を語った。
生徒たちは、マングローブの伐採跡地につくられたエビの養殖場や、森林復活プロジェクトの現場を見学する予定で、さまざまな角度から現地の森林事情についてふれる。 -
上農で社会人講師による授業
現場の生きた知識を取り入れよう竏窒ニ、南箕輪村の上伊那農業高校で26日、生産環境科の3年生42人が、伊那市ますみヶ丘のグリーンファーム社長で伊那市そば打ち名人の会の会長、小林史麿さんから、地産地消型の農産物流通と地域食材「そば」を通じた地域おこしを学んだ。
社会人講師による授業は「個性ある高校づくり推進事業」の一環。今回は、産直市場を通じた現代の農産物流通と、県内の農産物生産量第2位の「そば」に精通した小林さんに講師を依頼した。
生産者と直接つながりを持つ産直市場は、一般的な流通より安心で新鮮な野菜を提供できる魅力があり、消費者のニーズも高まっている。小林さんは「現代はインターネットなど人を介さない流通が進んでいるが、そう長くは続かないと思う。むしろ今後は、昔の物々交換に近い人と人とのつながりを重視した流通へと変化していく」と語った。
そばについては、実は伊那地域が信州そばの発祥の地である竏窒ニする説を唱え、地域おこしへの活用も積極的に進んでいることを示した。そば打ちの実演もあり、生徒らも、水加減や延し方などのコツを習いながらそば打ちに挑戦した。普段の授業にはない貴重な知識を深めた様子だった。 -
観光協会が自立計画で町から分離
飯島町観光協会(会長・高坂町長)は26日夜、農村環境改善センターで臨時総会を開き、町から分離し、事務局を町振興公社に委託することに合意し、関係する条例改正を議決した。
町はふるさとづくり計画(自立計画)の外郭団体改革プランの中で、観光資源の現状、会員の構成から町が中心になっての運営は困難とし、観光協会を町から分離する(事務局機能を持たない)ことを決めた。これを受け、観光協会は理事会を開き、観光協会の持つネームバリューや会員の意向を考え、機能を振興公社に委託し、存続させる方向で、臨時総会に諮った。
会の冒頭で、高坂町長は「観光協会は発足8年を経過し、観光振興に寄与してきたが、行政コストの圧縮や、観光資源の状況など総合的判断で、行政に事務局を置くのは困難と言う結論に達した」と経過に触れてあいさつ。
会員からは「事務局が町と振興公社の違いは」「委託事務費はどの位か」などの質問が出され、事務局は「事務経費を行政負担から、観光協会の予算から振興公社に支払うことになる。概算で20万円位」とした。 -
原色ドライフラワー&プリザーブドフラワー展
生花の美しさいつまでも-。飯島町文化館エントランスで15日まで、「原色ドライフラワー&プリザーブドフラワー展」が開かれ、来場者の目を楽しませている。
「早春」をテーマに、飯島町赤坂の葛岡一枝さんが制作した、原色ドライフラワーとプリザーブドフラワーのアレンジ作品23点を展示した。
完全に乾燥させてつくる原色ドライフラーは、湿気を嫌うため、作品はカップやドーム型などガラスケース入り。ケースの中で、シンビジウムやカトレア、バラ、クリスマスローズなどが生花のままの色、形を留め、華やかな雰囲気を醸している。
花の色を薬剤で脱色し、脱水、好みの色に染色してつくるプリザーブドフラワーは、自然界には存在しない濃茶や濃緑色、くすんだ黄色などシックな色合いに染めたバラ、実物をかごに盛るなどアレンジした。 -
【特集 権兵衛開通】木曽高速は山を越えるか?(1)
伊那市沢尻地区で、国道361号から火葬場下交差点に抜ける沢尻バイパスの建設が急ピッチで進んでいる。権兵衛トンネル開通にともなう木曽からの流入車輌に対応したものだ。だが、当初は05年度末と言われていた権兵衛道路開通が2ヵ月余り早まったため、バイパス工事の方が遅れている。
管轄する伊那建設事務所が、このバイパスを重視して来たのは、開通にともない、木曽の国道19号を通過する大型車輌が伊那に流入するとの予測のもとに、トンネルから北に向かうルートを整備するためだ。
国道19号は「木曽高速」と呼ばれ、中央道塩尻インターと中京方面に行き交う車。さらに関東北部から佐久平・和田峠を経由して木曽を通り抜ける車など特に大型の通過車輌が多い。このうち東京方面に行き交う車が、伊那インターから中央道を利用したり、さらには辰野町の平出から有賀峠を利用することになるのではないかと想定している。
伊那建が考える誘導コースは、トンネル出口から農道・中の原交差点を直進、現在工事中の沢尻バイパスを経て、火葬場下から春日街道に流すルートだ。春日街道の西には広域農道があり、これを経由した方が短距離だが、農道は県ではなく市町村の管轄で、構造的にも多量の大型車輌の通過による影響が大きいと言われており、県としては、県道である春日街道に誘導することをメインに考えてきた。
だが、地元南箕輪村などのからは「実際は農道通過が最も多くなるのでは」との懸念の声も上がっている。この声を受けて一定個所の拡幅や歩道の整備も進められてきたが、現在でも交通量の多い広域農道がどこまで、流車輌を受け入れ可能かは未知数だ。
トンネルと北方向をつなぐルートには、さらに、春日街道・広域農道が国道153号と合流する伊北インター付近の混雑、辰野町内の狭い幅員、竜東への車の誘導方法など、解決するべき課題は多い。
権兵衛トンネルの開通は、伊那と木曽に新しい時代をもたらすだろう。だが、それは同時に、木曽の住民が何10年にもわたって直面してきた大型通過車輌の交通問題を、伊那側でも共有することを求めている。(続く)
=毛賀沢明宏= -
世界を体験 自分を高めて
高遠高校進学コースの女子生徒2人がオーストラリアのシドニーに28日から15日間の日程で短期語学留学する。26日、同校振興会会長の伊東義人高遠町長を訪ね、出発のあいさつをした。
語学留学は、町と長谷村、同窓会でつくる振興会の事業で6年目。1、2年生を対象に、ホームステイをしながら現地の英語学校で学ぶ。渡航・研修費用のほぼ半額を補助する。
1年の中山由貴さん(16)=長谷村非持=は「英語を使う職業に就きたいと考えている。これまで学んできた英語の実力を試してみたい」と抱負。2年の佐藤友希子さん(17)=宮田村町二区=は「現地の人との触れ合いを大切にし、異文化も学んで自分の考えを大きくしたい」と熱意を伝えた。
伊東町長は、地元の紹介用に町の英語版パンフレットや高遠城址公園の絵はがきなどを渡し、「友好を深めて、悔いのない研修にしてほしい」と研修の成果に期待した。 -
4月「学校改革推進調整委員会」発足へ
高遠町、長谷村、高遠高校同窓会でつくる振興会は26日夕、「高遠高校の将来を考える会」を同校で開き、学校評議員やPTAを交えて、学校側と同校の現状課題を探り、魅力ある学校づくりについて意見を交わした。
「高校の再編の時期」ととらえ、「地域に根ざし、信頼される高校」(振興会)を目指しての初会合。事前にあった同校の現状と将来像への意見を求めるアンケート結果に基づき、主に挙がった意見に沿って、振興会の3団体、学校評議員、PTAの5分散会で議論した。
議題は▽進学実績と強化▽コース制の充実▽風紀・校風の改善▽進徳館・高遠の学・地元力・中高連携の取り入れ▽その他(校名変更など)竏秩B
分散会で、卒業後の進路に対し、「生徒や保護者が目的意識に欠けている」と指摘する意見があった。95年度に導入した大きな特色といえるコース制について、時代のニーズに合わせた専門分野の取り入れなど、見直しに対して意見が集中。通学条件の悪さや交通費負担の軽減を求める意見もあり、巡回バスの導入案など行政側への要望も多かった。
全体を通して、振興会長の伊東義人高遠町長は「互いに協力し合って課題を解決していきたい」と述べた。
同校は4月に「学校改革推進調整委員会」を立ち上げ、意見を基に将来の構想を打ち出していく考え。 -
町長と職員との職場懇談会
飯島町は2月1日から7日まで、初の町長と職員との職場懇談会を開く。
自立し持続可能なまちづくりに向け、日頃意見交換する機会の少ない職員と町長が直接懇談し、町政に生かす。
対象は課長、係長職以外の職員。懇談時間は概ね1・5時間。テーマは仕事の上で日頃感じていること、仕事を進める上での提案など、フリーに話し合う。
初日は午前10時から、議会、総務課、企画財政課、会計室、午後3時から住民税務課を予定する。 -
エーデルこまがねでそば打ち実演
駒ケ根市の軽費老人ホーム(ケアハウス)エーデルこまがね(福澤亘施設長)で23日、そば打ちの実演が行われた。集まった約30人の利用者の前でそばを打って見せたのは同施設の料理担当責任者の清水丈明さんと、配食サービス会社・日清医療食品の松下幸市さんの2人。伊那市のそば打ち同好会の会員で名人位を持つ清水さんは「今日は小麦粉とそば粉の割合を3対7にします」「そば打ちで一番大事なのは水まわし」などと話しながら、鮮やかな手さばきを披露した。利用者は「うまいもんだ」などと話しながらそば打ちの様子をじっと見つめていた。中には近くに寄って「どのぐらい練るの?」などと質問する人の姿もあった=写真。
打ち上がったそばは昼食の食卓に上り、利用者らは打ちたての味に舌鼓を打った。 -
観成園に車いす寄贈
東京海上日動火災保険長野支店(堀内武文支店長)は25日、駒ケ根市の特別養護老人ホーム観成園(福島紀六園長)に車いす1台(約10万円相当)を寄贈した。同支店伊那支社の内藤充訓支社長と代理店オフィス・イコマの伊藤元雄代表が訪れ、目録を福島園長に手渡した=写真。福島園長は「温かい気持ちに感謝する。利用者の95%が使う車いすはまさに求めていた物。利用者のために役立て、一層楽しく過ごせる施設づくりに生かしたい」と礼を述べた。贈られた車いすは軽量で座面も低いため、小柄なお年寄りでも扱いやすいという。
同支店は毎年社会貢献運動の一環として社員らに募金を呼び掛け、会社でも同額を出資して車いすなどを各地の福祉施設に寄贈している。内藤支社長は「今後も引き続き社会貢献に務めていきたい」と話している。 -
明社協がタオル包装
自宅でお年寄りや障害者らの介護をする人たちに慰問品として大型バスタオルを贈るため、明るい社会づくり運動駒ケ根市協議会(堀内照夫会長)は24日、タオルの箱詰めと包装作業を駒ケ根市福祉センターで行った。理事ら約20人が参加し、手分けして箱の組み立てやタオルをたたむ作業などを手際良く行った=写真。堀内会長は「バスタオルの慰問は毎年のことだが、介護で苦労している人に少しでも喜んでもらえればうれしい」と話している。
包装されたタオルは「日ごろの介護お疲れさま」などと書かれた慰問文とともに26日から約1週間かけ、明社協の理事らが市内174世帯の介護者宅に直接届ける。タオルの購入資金には市内の金融機関など18カ所に置いた「善意の箱」に寄せられた募金などを充てている。 -
旧竹村家で防火訓練
第52回文化財保護デーの26日、駒ケ根市教育委員会と伊南行政組合消防本部は国の重要文化財に指定されている旧竹村家住宅で防火訓練を行った。住宅そばの土手から出火、強風にあおられて火が住宅に燃え移りそうだ竏窒ニ管理人の大芝靖夫さんが消防署に訓練通報。静かな朝の高原にけたたましいサイレンを鳴らしてポンプ車が駆けつけ、ホースをつないで放水した=写真。大芝さんは放水銃と消火器を使った訓練を行った。署員は講評で「この住宅は木造・わらぶきで火の回りが早い。火を出さないことが大切」と呼び掛けた。訓練を終えた大芝さんは「数年前、近くの食堂で火災が起き、類焼を心配したことがある。万一の火災の時には今日の訓練のように落ち着いて対処したい」と話した。
文化財保護デーは1949(昭和24)年の火災により奈良・法隆寺の金堂が焼失したことから、貴重な文化財を災害から守ろうと55(昭和30)年、文化庁と消防庁が定めた。 -
山ぶどうワイン3年連続で県の原産地呼称認定
宮田村の特産品山ぶどうワインの2005年産2銘柄が、品質が高い県内産の製品であることを証明する県の「原産地呼称管理制度」に認定された。25日に東京都内で開かれた審査会で決まった。
著名なソムリエらが官能審査した結果、昨年末に発売したヌーボータイプの「紫輝」、若干熟成期間を置き2月中旬発売予定の「駒ケ原」がそれぞれ3年連続で認定となった。
同村内では14戸の農家が山ぶどうを栽培。ヤマソービニオンという他では大量生産していない独自品種で、村内の本坊酒造信州工場で醸造している。
同工場長の藤野公宏さんは「ぶどうの素材を活かしてワインにする段階はある程度到達できた。今後は話題性も高め、多くの人に楽しんで頂ける味わい豊かなワインにするのが目標」と話した。
関係者の話しによると、審査会では「紫輝」「駒ケ原」ともに高い評価で認定が決まったという。
05年産の「紫輝」は昨年末の解禁以降、出荷、売れ行きともに好調。同工場の在庫もほぼ底をついている。 -
原色ドライフラワー&プリザーブドフラワー展
生花の美しさいつまでも-。飯島町文化館エントランスで15日まで、「原色ドライフラワー&プリザーブドフラワー展」が開かれ、来場者の目を楽しませている。
「早春」をテーマに、飯島町赤坂の葛岡一枝さんが制作した、原色ドライフラワーとプリザーブドフラワーのアレンジ作品23点を展示した。
完全に乾燥させてつくる原色ドライフラーは、湿気を嫌うため、作品はカップやドーム型などガラスケース入り。ケースの中で、シンビジウムやカトレア、バラ、クリスマスローズなどが生花のままの色、形を留め、華やかな雰囲気を醸している。
花の色を薬剤で脱色し、脱水、好みの色に染色してつくるプリザーブドフラワーは、自然界には存在しない濃茶や濃緑色、くすんだ黄色などシックな色合いに染めたバラ、実物をかごに盛るなどアレンジした。 -
山ぶどうワイン生産者らが06年産の準備に奔走
3年連続で県の原産地呼称管理制度の認定を受けた宮田村の山ぶどうワイン。生産者らは喜びも束の間、本年産の準備に追われている。25日にはせん定技術講習会、栽培検討会を開き、より美味しく、幅広く味わってもらおうと14戸の生産農家や関係者が取り組んでいる。
この日は原産地呼称認定の審査当日。ある生産者は「合格を待つ受験生の気分。美酒に酔いしれたいね」と認定結果を気にかけながら、ほ場で開かれたせん定技術講習に臨んだ。
山ぶどうの生産は今年で7年目。呼称認定に落選するなど苦汁を味わった時期もあるが、03年産が認定されて以降は高い評価を受けるようになった。
05年産は史上最高の約24・8トンを収穫。量、質ともに最高の出来映えと呼び声も高く、昨年末に発売した「紫輝」をはじめワイン醸造も順調だ。
検討会では2006年産の生産目標も確認。今年をさらに上回る30トンに設定した。
今後は増加した量をどのように販売に結び付けるかが鍵になるが、醸造販売する本坊酒造信州工場は「ワインとしての販路拡大は現状で精一杯」と指摘した。
それでもさらに付加価値をつけようと、樽ではなく陶器の中で醸造する甕(かめ)発酵など、新たな技術の試験的導入も示唆。
パンや、フルーツソース、生食用に山ぶどうを使う取り組みも始まっており、生産者や村、農協などでつくる「山ぶどうの里づくり推進会議」はあらゆる可能性を探っていく考えを確認した。
せん定作業は2月に入ってから本格化。芽が出る前に1回目の防除作業が行なわれる。 -
「九条の会中川」発足へ
平和を希求し、憲法九条を激動する世界に輝かそうと、村民有志による「九条の会中川」が発足する。発足式は2月28日午後7時から、中川文化センターで開く。発足に先立て、準備会が村内に4カ所に立て看板を設置、多くの村民の理解と、会への参加を呼びかけている=写真。
看板は縦90センチ、横180センチ「平和の砦 憲法九条を守ろう」と書かれている。
「九条の会」は04年6月、大江健三郎さんや井上ひさしさんら9人が結成。「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという1点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、ひとり一人ができるあらゆる努力を今すぐ始めることを訴えます」とアピール。
このアピールに応え、村内の憲法学習を進めるグループが発足準備会(尾上利香代表)を立ち上げ、憲法についてもっと知ろう、子どもたちに戦争の無い未来を残そうと「九条の会中川」を発足させる。 -
衛生部長会
新年の各区役員改選後初めてとなる宮田村の衛生部長会が23日夜、役場で開かれた。家庭ゴミの排出量が増加傾向にあることから、村は引き続き減量化推進に協力を呼びかけた。
同村内のひとり当たり1日平均のゴミ排出量は、上伊那広域連合が03年度の実績をもとに算出した550グラムを下回る状態で推移。しかし、徐々に増えており、住民意識の徹底が再び課題になりつつある。
この日は、現状にふれながら年間事業計画を確認。村生活環境係はゴミの分別など適正な提出や拠点収集などについても解説し、理解を求めた。
本年の各区衛生部長は次の皆さん。
▽町1区=原一詔▽町2区=黒岩崇▽町3区=太田博道▽北割区=浦野孝之▽南割区=赤羽和夫▽新田区=伊藤博敏▽大田切区=林光男▽大久保区=伊藤千春▽中越区=加藤保男▽つつじが丘区=三富隆生▽大原区=浦野健 -
ボランティアパトロールが始動
地域ぐるみで子どもを守ることを目的に結成する中川村西小学校のボランティアパトロールが27日始動する。
ボランティアパトロールは広島や栃木の女児殺害事件や近隣の不審者による声掛け事案を受け、児童の登下校の安全確保のために、昨年末から1月まで保護者や広く地域の人々に声を掛け、全地区をほぼ網羅する51人が集まった。村教育委員会はボランティアパトロールとわかるように、腕章を準備し、同校に50枚届けた。
腕章は縦10センチ、幅40センチの布製、黄色の地に黒で「防犯パトロール、中川村教育委員会」と記した。
中川東小学校は父母の会を中心にすでに活動を始めている。 -
【特集 権兵衛開通】15万7千人の苦闘(3)
水抜き坑着工から2年10カ月が経た03年1月。貫通まで残り数百メートルになった所で、再び中央アルプスから大量の水が噴き出した。
被害が大きかったのは木曽側。木曽側坑口から約1キロは登り勾配だが、貫通地点までの残り約470メートルは下り勾配の工事だった。噴出した大量の泥水は、流れずに溜まり、切り羽を水没させた。
「地質も大変だったが、水の量も並大抵のものではなかった」
飯田国道事務所の石原幸宏建設監督官は振り返る。
噴出する水の量は、伊那側が毎分3・6立方メートル。200リットル入りのドラム缶18本分だ。木曽側はその3倍以上の毎分11・6立法メートル。同じドラム缶58本分。
通常、このような出水量の多いトンネル工事では「拝み勾配」といって、両方の坑口から登り勾配ばかりで掘り進み、一番高いところで双方が交わるのが最適といわれる。登りばかりで掘れば、出てくる水は自然に坑口に向かって流れていくからだ。
しかし、権兵衛トンネルでは、双方の坑口の標高差と工期の関係からそうはいかず、木曽側工区では下り勾配の工事もあったのだった。これが貫通直前の切り羽の水没をもたらした。ポンプで汲み出して、現状に戻すまでに2ヵ月を要した。
崩れやすい地質と大量の出水。4度にわたる切り羽の崩落。このため工事の進捗速度は伊那側で1日平均2・1メートル、木曽側では同じく1・2メートルだった。
権兵衛トンネルの全長は4・5キロ。施工中のものを含めて、全国で23番目の長さだ。この長さのトンネルは通常3年間で貫通できるといわれ、それに5年間が費やされたことじたいに工事の難しさが示される。のべ15万7千人が汗を流し、300年前に木曽の農民権兵衛が切り拓いた峠道を、高規格道路に生まれ変らせたのだ。
03年5月31日、水抜き坑が貫通した。最後に残された岩盤を取り除いた時、伊那谷から木曽谷に向けて、風がサーっと吹き抜けたという。(終わり)=毛賀沢明宏= -
住民参加型の企業誘致に理解求める
伊那市は、市報「いな」2月号の特集で「産業立地」などを取り上げた。市報とは別刷りで、全戸へ配布する。
産業立地特集では、産業立地の必要性、企業情報の収集や誘致企業支援などの誘致活動、市内にある工場用地案内などを掲載。二ツ折りのA4判。
国・県補助金や地方交付税の削減など財政不足が予想され「自主財源の中心である市税確保が必要」とし、活気のある元気な伊那市を実現するため、産業立地に力を入れている。
市民に向け「県内外に勤めている企業役員や幹部など知人がいたら、紹介していただき、企業訪問していきたい」と住民参加型の企業誘致に理解を求める。
問い合わせは、市役所商工観光課産業立地係(TEL78・4111内線334)。
そのほか、子育て支援や高齢者保健福祉サービスをまとめた「福祉特集」、2月4日の権兵衛トンネル開通を控え、権兵衛トンネルの歴史や開通後の観光面での期待、トンネルの工事の概要などを紹介した「権兵衛トンネル開通特集」も組んだ。 -
古布ちりめんのひな人形60点がそろう
伊那市通り町の御きもの「たかぎ」で26縲・8日、古布ちりめん人形展が開かれている。戦前に使われていた素材(古布)の木目込みひな人形が約60点そろう。
ひな人形は、江戸時代から大正にかけての着物をほどいて作ったもの。京都府の木目込み人形作家のオリジナルで、昨年8月に買い付けた。
古布は花など自然を題材にした柄が多く、紫、赤、緑など草木染めの落ち着いた色合い。立ちびな、座りびながあり、高さは10縲・0センチ。ひな人形の原型といわれる次郎佐衛門もある。価格は6万円台から30万円まで。
そのほか、羽子板やタペストリーなども並ぶ。
同店によると、着物ブームで、買い求める人が増え、飯田市、岡谷市などから来店する人もいる。「色に深みがあり、しっとりとした感じ。古布ちりめん人形がこれだけそろっているのは、あまりないのでは」と話す。
営業時間は午前10時縲恁゚後6時半。
問い合わせは、たかぎ(TEL72・3509)へ。 -
伊那食品が松くい虫被害の予防に取り組む
伊那食品工業=本社伊那市=が、松くい虫被害の予防対策に乗り出した。2月中旬まで、敷地内にある赤松400本に薬剤を樹幹注入する。
松くい虫被害は駒ケ根市まで北上し、宮田村、伊那市は危険区域に指定される。
伊那食の敷地9万9千平方メートルには、平均樹齢50年の赤松が800本ある。会社もまちづくりの一環との考えから、自然を守ろうと500万円をかけて作業に当たっている。一企業がこれだけの予防に取り組むのは全国でも珍しいという。
松枯れの主犯マツノザイセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリの生態を考え、防除の効果が上がるよう、本社周辺の南側林えんを中心に、薬剤を注入。
晴れた日を選び、社員3人が胸高の平均直径40センチの松にドリルで穴を開け、木の大きさに合わせて薬剤の入ったボトルを打ち込む。
敷地内を散策する観光客も多く、社員は「被害にかかったらアウト。これまで育った木を大切にしたい」と話す。
上伊那地方事務所によると、本年度(昨年12月末)の被害量は4294立方メートル。01年度からほぼ横ばい傾向にあるが、北上することに危機感を持つ。
予防には薬剤散布などあるが、薬剤の樹幹注入法は健全な松に打ち込むことで確実に効果を上げることができる。6月、マツノマダラカミキリが飛ぶ3カ月前までが薬剤樹幹注入の施工時期とされる。 -
箕輪ダム、今後の対応
上伊那5市町村に水を供給する箕輪ダムの貯水率が過去最低を記録したことに伴い、各市町村でつくる上伊那広域水道用水企業団は、伊那建設事務所などと協議を重ね対策措置を講じている。
1月15日からは、自己水源の活用を増やすよう受水5市町村に働きかけ、箕輪ダムの取水量の約8%、1日3千縲・500トンを自主節水している。
配水量割合は、受水5市町村によって倍近く異なり、事態の認識にも格差がある。そのため、地域住民への働きかけなどは、それぞれの市町村に委ねている。24日の協議の段階では、住民に対して節水などの働きかけている市町村はなく、まずは現状を知ってもらう取り組みが中心となっている。
全国的な状況と比較すると、現在は取水制限をするほど危機的状況にはないという。しかし、今後は農業用水の確保も必要となるため、貯水量の温存を進めている。
企業団の担当者は「水は限りある資源。改めて水道の重要性を認識してほしい」と話している。 -
みはらしの湯・大森英明さんの写真展示
伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」は7日まで、さまざまな表情の富士山をとらえた写真15点を展示している。
作品はすべて伊那市美篶のアマチュア写真家・大森英明さんのもの。普段大森さんはさまざまな対象を撮影しているが、今回は特に富士山の作品を並べた。ぼうしをかぶっているかのように山頂が雲で覆われた「山頂笠雲」や、山の傍らから日の出の光が溢れる瞬間をとらえた「光輪の輝き」など、一瞬のすばらしさを写した作品も多い。
大森さんは、季節ごとに異なるベストスポットを探し当てるため、何回も現地を訪れながら、撮影を重ねているという。時には、仕事が終わってから現地に直行し、早朝の撮影に臨むこともある。
唐澤壽男支配人は「一枚一枚どれをとっても素晴らしい作品。多くの人に見ていただければ」と話している。