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温暖化で農家に注意呼びかけ
向こう一カ月の平均気温が平年より高くなるとの気象庁の予報を受け、県は、このまま温暖化が続くと農作物に影響が出る可能性があるとして、対策を呼びかけている。
気象庁の13日の発表によると、向こう1カ月の平均気温が高い確率は70%となっている。
対策は、麦は、上伊那で栽培されている早生種ハナマンテンは、穂のもとになる幼穂が生育が10日ほど進んでいることから生育を遅らせるよう麦ふみなどを行う。
果樹は、凍害に気をつけ木の幹にワラを巻く。野菜は、温度が急に下がった場合、花芽分化しやすくなるので温度管理に気をつける。
花きは、アルストロメリアやカーネーションで葉焼けの発生が確認されていて、換気と適正な水やりをする。
きのこは、キノコバエ類の施設内への進入防止のため粘着シートを設置する。
上伊那では、上伊那農業改良普及センターで対策の指導を行っていて、詳しい情報を提供するという。 -
もりもり上伊那山の感謝祭
よりよい森林づくりを進めていこうと上伊那地方事務所などは9日、「もりもり上伊那山の感謝祭」を伊那市のいなっせで開いた。
感謝祭には上伊那の林業関係者や市民団体など200人程が参加した。
林業に功績のあった個人や団体のほか、平成20年度林業関係コンクールポスター部門などで入賞した子どもたちに表彰状を贈った。
枝打ちの部で最優秀賞を受賞した箕輪町木下財産区の黒河内将裕区長は、「自然を愛することで地元の山を守っていきたい」と話していた。
木下財産区は、植樹したヒノキ林で4年前から間伐や枝打ちをしている。そこで出た木材を利用して東屋を建てるなど、間伐材の有効利用を行っている点が評価された。
この後、上伊那の4団体による活動報告会が開かれた。
このうち上伊那森林組合は、所有者の異なる小規模の山林を集約することで計画的な森林整備をしたことを報告した。
上伊那地方事務所では、それぞれの活動について情報交換をし、災害や地球温暖化の防止など、森本来の機能が引き出せるような森林整備を進めていく考え。 -
ちゃぐりん作文表彰式
児童対象の農業教育誌「ちゃぐりん」の全国感想文コンクールに、JA上伊那あぐりスクール伊那校の4人が入賞し13日、JA上伊那本所で表彰を受けた。
この日は受賞した児童が、あぐりスクール校長の宮下勝義組合長から賞状を受け取った。
「ちゃぐりん」は、農業や食事に関するさまざまな記事を、子どもたちが分かりやすい内容で掲載している月刊誌。
JA上伊那ではこの雑誌を、食農教育の一環として行っているあぐりスクールで教材として使っている。
感想文コンクールは、ちゃぐりんを読んで感じたことを原稿に書いて応募するもので、全国からおよそ2300点が寄せられた。
あぐりスクール伊那校からは、優良賞に3人、ちゃぐりん賞に1人が選ばれている。
優良賞に選ばれた伊那北小5年の渡辺彩葉さんは、「記事を読んで感じた自給自足の大切さを書きました。選ばれてびっくりしたけどうれしい」と話していた。 -
ファーマーズの集い
箕輪町の果樹栽培農家、北原節夫さんが、高い技術を持つ人に与えられる農業名人に認定された。
認定式は、13日開いた「第6回上伊那ファーマーズの集い」の中で行われ、今回は上伊那で3人が認定された。
このうち北原さんは、リンゴの品質を高める研究を重ね、生産したリンゴは全国のコンクールで金賞を受賞している。 -
上伊那果樹推進協議会発足
上伊那果樹共済推進協議会が9日発足し、平成23年春までに、果樹共済の加入率を50%とする目標などを確認した。
協議会は、上伊那地方事務所や市町村、JA、南信農業共済組合などで組織する。
果樹共済は、リンゴやナシ、モモ、ブドウを対象としたもので、掛け金の半分は国が負担している。
しかし加入率は、全国平均で約25パーセントと低く、制度そのものを見直そう竏窒ニの一部意見もあるという。
農家のセーフティーネットである共済の維持に向け、昨年9月に上下伊那、諏訪地域でつくる南信地域果樹共済推進協議会が設立され、より具体的な活動を実行していこうと下伊那に続いて上伊那協議会が発足した。
平成20年の上伊那地域での栽培面積に対する加入率は34・3パーセント。協議会では、加入率50パーセントに向け▽市町村役場やJA各支所へパンフレットの設置▽制度の説明会開催▽未加入の生産者に対して委員が訪問する竏窒ネどの活動をしていく計画。
協議会長に選ばれた曽我逸郎中川村長は、「ひょうや台風など農業経営のリスクから、農家が安心して生産できるよう共済推進に向け皆で協力していきたい」とあいさつした。 -
「南箕輪村野菜法人」の設立準備進む
南箕輪村の野菜生産農家らが、会社組織として野菜の生産を行う「南箕輪村野菜法人」の設立準備を進めている。
今回、野菜法人を設立するのはJA上伊那の呼びかけに応じた南箕輪村内の農家らで、3、4人が発起人となり、およそ5.2ヘクタールの農地でアスパラガス、スイートコーン、加工用トマトなど6品目を栽培していく予定。
現在の農家経営は、家族で農業を行う個人経営が主体だが、高齢化、後継者不足が進む中、個々の農家でできることが限られてしまい、労力の限界がある。
また、生産規模を拡大するためには、土地をまとめたり、資金調達する必要があるが、これらを行う場合も個人経営には限界がある。
そこで複数の農家が集まり、会社として農業を行う中で、こうした問題を解消しようと考えた。
また、担い手の育成にも取り組み、持続可能な農業経営を実現していきたい竏窒ニ考えている。
JA上伊那では、「農業経営は厳しい状況にあるが、法人化する中で、新しい活路を見出していきたい」と話している。
南箕輪村野菜法人の設立は2月末を目指している。 -
信州フラワーショー2009
県下最大級の花のイベント、ウインター2009信州フラワーショーが5日から、伊那市のJA南信会館で始まった。
県内の花卉生産者の技術向上などを目的に、JA全農長野が毎年開いているもので、会場にはアルストロメリアを中心に、この時期栽培される花およそ400点が並んでいる。
審査の結果、最高賞にあたる農林水産省関東農政局長賞には、飯島町の久保田卓二さんのアルストロメリアが選ばれた。
久保田さんの花は、色や形、ボリュームなど全体的にバランスが良かったことが評価された。
JA全農長野では、「原油の高騰など厳しい状況が続いているが、素晴らしい花がたくさん集まった。ぜひ多くの人に見に来ていただきたい」と来場を呼びかけていた。
また、会場には招待を受けた伊那市内の園児たちが訪れ、関係者から説明を受けながら見学していた。
ウインター2009信州フラワーショーは6日午後1時まで。 -
集落営農組織「まっくんファーム」法人化検討
南箕輪村の集落営農組織「まっくんファーム」の法人化について研究する会議が4日、南箕輪村のフォレスト大芝で開かれ、まっくんファームの会員約70人が出席した。
会議では任意団体の現在の組織から法人化した場合、組織がどう変わるかについて説明があった。
説明によると法人化した場合、集落の農地を一括して計画的に利用し、労働力の軽減やコストを抑えることができ経営の発展につながるという。
また法人化は手段であり目的ではないとして、経営の発展、継続に向けたビジョンを持つことが重要だとしている。
南箕輪村ではモデル経営として野菜生産者を主体とした法人を設立することが決まっていて、600アールほどの畑でアスパラガスやスイートコーンを生産する計画。
まっくんファームでは法人化について研究を重ね平成23年度までに方針を決めることにしている。 -
伊那市農業委員会定数削減
臨時総会で可決伊那市農業委員会は30日、臨時総会を開き、平成22年度からの委員数を現在の40人から30人に削減する議案を可決した。
委員定数は、農家数や農地面積により法律で定められていて、伊那市では、農家数などが減少しているため、早ければ1年後に法定の委員数が減らされる見通しとなり、削減案が検討されてた。
現在の伊那市の委員は、選挙で選ばれる数が40人で、削減後は選挙での定数が25%削減の30人となる。
内訳は、有権者数に照らし、高遠町・長谷地区で16人から7人へ、美篶・手良地区で6人から5人となる。
また、農業団体などの推薦による委員は、現在の5人から1人減り、4人となる。
この案は、すでに各地区の区長会などで説明され異論がなく、今日の委員会での可決を受け小坂樫男市長に建議書として提出した。
この定数削減についての条例改正案は、3月議会に提出される予定で、来年平成22年3月の選挙から適用されることになる。 -
中米研修生が伊那市を訪れる
国際協力機構(JICA)の研修で中米などから日本を訪れている研修生が28日、伊那市手良の農村女性グループ「あいの会」から、農村部の生活改善を学んだ。
この日はグアテマラやパナマなどの8カ国から訪れた研修生17人が、伊那市手良を訪問。「あいの会」から、会が発足した経過や、現在の活動などについて、説明を受けた。
「あいの会」は、当時、収入を得る方法がなかった農村の女性らが集まり、20年前に発足。女性たちは、直売所経営や切花販売を通じて、自分たちの収入を得る手段を獲得してきた。
また、現在は地元の子どもたとへの食育活動にも関わっている。
この日は、女性たちが手作りした地域の郷土料理なども振舞われ、研修生たちはさまざまな料理にはしをのばし、その味を楽しんでいた。
コスタリカから参加している女性は「コスタリカでは、依然として男性優位の伝統が残っている。女性たちの活動には、とても興味をもった」と話していた。
研修生は来月25日まで日本に滞在し、日本の農村の生活改善を学ぶ。 -
JA上伊那農業振興大会
農業生産の拡大のため組合員同士の団結を図ろうと28日、JA上伊那農業振興大会が開かれた。
大会は年に1度開かれているもので、この日は組合員など230人が参加した。
大会で宮下勝義代表理事組合長は、「経済状況の悪化で農業も商工業もひっ迫した状態。一人一人が明確な将来の見通しを立て上伊那の農業振興に尽力してほしい」とあいさつした。
この後、記念講演が行われた。
講師は、関東地区昔がえりの会の小暮郁夫社長が務めた。
昔がえりの会は、30戸の農家がH11年に立ち上た農業生産法人で、農作物の生産、販売、営農支援などを行っている。
小暮社長によると▽農業のみで充分な生計をたてられること▽生きがいのある農業経営竏窒フ2つを目標としいて、それを実現するために▽生産コストの削減▽出荷規格の簡素化▽機械の共同利用▽農地の集積による生産規模の拡大竏窒O底したという。
JA上伊那のH19年度の販売実績は約161億4千万円で、将来的な目標を200億円と定め、生産の拡大、農業振興に取り組んでいくという。 -
信大井上教授のダッタンソバ新品種研究、重点地域研究開発推進プログラムに選ばれる
信州大学農学部、井上直人教授のダッタンソバの新品種開発研究がこのほど、独立法人科学技術振興機構の重点地域研究開発推進プログラム・育成研究に選定された。
同事業は、文部科学省の関係機関・独立法人科学技術振興機構が行っているもので、大学などの研究を促進するため、研究事業に補助金を提供もの。今回の選定により、井上教授の研究には、年間2,600万円の研究費が3年間提供される。
井上教授は、宮田村のタカノ株式会社と共同でダッタンソバの研究を進めている。最終的にはダッタンソバの栽培を担う伊那市生産者協議会の設立を含め、研究を進めており、産学官連携のビジネスモデルとなることが評価された。
ダッタンソバは、血圧を抑える効果や、アレルギー、血糖値の抑制効果があるとされる物質が多く含まれており、共同研究では、それを活かした加工方法の開発、機能性を強化した商品開発を進めている。
井上教授は、殻がむきやすく、実が落ちにくい新しいダッタンソバを栽培しており「研究室レベルの実験までは済んでいる。今後は、大きな規模での栽培や生産システムの構築に取り組みたい」と話していた。 -
東大生が伊那市の農業を分析
伊那市の農業の実態について調査した東京大学農学部の学生が21日、伊那市役所で調査結果を報告した。
東大農学部の農業調査は「地域経済フィールドワーク実習」と呼ばれる学習の一環として毎年、関東を中心とした地域で行われている。
今年度は伊那市役所にOBがいることが縁で、伊那市の農業について調査した。
学生らは農家や農業関係者から、経営や農村をめぐるさまざまな問題について聞き取り調査などをした。
この日は農家や関係者を招き、学生11人が結果を報告した。
このうち木原崇彰さんは「農家における夫婦の労働負担」というテーマで発表した。
木原さんは、農家の大半が家族経営だが家事などを含め女性の方が男性に比べて労働時間が長い竏窒ニ指摘した。
そのうえで、「男性は家事労働についてもその負担を認め均等にしていくべきではないか」と話した。
また甲斐友里恵さんは、伊那市における堆肥の流通について、「需要が供給を上回っているので生産から販売まで一括して行う仕組みが必要ではないか」と発表した。
調査の結果は報告書としてまとめ、農家や関係者に配られるという。 -
アルストロメリアの出荷本格化
出荷量全国一を誇る上伊那の冬の花アルストロメリアの出荷が本格化している。
伊那市高遠町にある西村勝雄さんのハウスでは、ピンクや白色など12種類のアルストロメリアが咲き、出荷作業が行われている。
16日は選別作業を行い、咲いている花を切り取った。
上伊那では年間を通じてアルストロメリアを栽培しているが、生産者の高齢化が進んでいる。
西村さん宅では、2年前から息子の邦明さんが、花の栽培を担当していて、出荷のピークは4月ころまで続くという。 -
機能性食品の果たす役割考える信州大医農連携市民講座30日に
信州大学医農連携市民講座は30日午後1時から、健康社会の実現に向けて機能性食品が果たす役割などをテーマに長野市のホテル信濃路で開く。同大学農学部と医学部が主催し、県テクノ財団伊那テクノバレー地域センター、信州機能性食品開発研究会(会長=塚越寛伊那食品工業会長)の共催。話題提供、パネルディスカッションの二部構成で行う。
信州大学大学院農学研究科の大谷元教授が「機能性食品による生活習慣病の予防」、同医学研究科の能勢博教授が「機能性食品のテストベットとしての熟年体育大学事業」と題して話題提供。
パネルディスカッションは大谷教授を座長に唐澤豊農学部長、久保惠嗣医学部長らをパネリストに迎え「健康社会実現のための医農連携の役割」をテーマに意見を交わす。
参加申し込みは21日まで。問い合わせは伊那テクノバレー地域センター0265・76・5668へ。 -
プリムラポリアンサ出荷
冬から春にかけて咲く花、プリムラポリアンサの出荷作業が、伊那市東春近の花卉農園「導楽園」で最盛期を迎えている。
導楽園では現在、バラのような花を付ける品種「プリンセス・オブ・ローズ」を出荷している。
13日は、20人ほどのスタッフが枯れた花を取り除き、鉢を整える作業をしていた。
プリムラポリアンサの出荷は去年の12月末から始まり、今月下旬までにおよそ4万鉢を東京、大阪などに出荷するという。
花は、黄色やピンクなどさまざまな色があるが、最近人気があるのは、1つの花に複数の色がついた変わった色合いのものだという。
酒井大社長は、「今年は例年並みの出来。品種改良もしているので、扱う種類を増やしていきたい」と話していた。 -
信大農学部生が栽培した大豆寄付
信州大学農学部の学生が、自分で育てた大豆を地域で使ってもらおうと25日、南箕輪村に寄付した。
大豆を届けたのは駒ケ根市在住で信大農学部3年の水上積善さん。
水上さんは今年、地域の酪農家から借りた牧草地およそ30アールで、ギンレイという品種の大豆を栽培した。
栽培期間中は無農薬で育て、サークル仲間にも手伝ってもらいながら、草取りや刈り取りなどすべて手作業で行い、およそ200キロ収穫したという。
今回、収穫した全体のおよそ半分、100キロを村役場に届け、「地域のために使ってください」と話した。
唐木一直村長は、「安全な大豆でありがたい。味噌に加工して、学校や保育園、福祉施設で使用させていただく」と感謝した。
村では来年2月頃、新しくできる大芝高原味工房の施設で、第1号味噌として今回の大豆で味噌を造りたい竏窒ニしていて、水上さんたち信大生も一緒に味噌加工を体験する予定。 -
東京農大ですんきシンポ
「信州木曽から植物性乳酸菌の宝庫『すんき』の魅力を発信」と題されたすんきシンポジウムがこのほど、東京世田谷区の東京農業大学世田谷キャンパスで開催された。同大・木曽町・王滝村・木曽町商工会などの主催。木曽すんき研究会などが共催。
シンポジウムでは、日本で唯一の無塩漬け物であるすんきの特性の解説、すんき製造に適した乳酸菌株の解説、すんき乳酸菌の機能性の紹介竏窒ネどが行なわれ、すんき乳酸菌の機能性研究の展望が示された。
権兵衛トンネルの向こう側では、このような地域の伝統食品を活用する産学官連携の取組みが進んでいる。 【関連詳細記事 ゴーシュホームページに】 -
2008年いも焼酎みのわ完成
箕輪町のサツマイモを使った「いも焼酎みのわ」の新酒が完成し、今週から販売が開始されている。
いも焼酎みのわは、農家などで作る「いも焼酎を愛する会」がサツマイモを栽培し、県内の酒造メーカーの協力を得て4年前から造っている地元産の焼酎。
栽培しているのは、焼酎用のサツマイモ黄金千貫と紅あずまで、今年はおよそ3万5千キロを収穫している。
今年のイモのできは平年並みで、焼酎の味はまろやかで飲みやすいという。
今後、いも焼酎を愛する会や町ではPR活動を行い、焼酎の認知度を上げていきたい竏窒ニしている。
なお、いも焼酎みのわは1本720ミリリットル入り1250円で、箕輪町の酒屋などで販売されている。 -
まつぶさわいんお披露目会
今年の「まつぶさわいん」の完成お披露目会が18日夜、箕輪町の伊那プリンスホテルで開かれた。
ワインの原料となる「マツブサ」を栽培する「箕輪町まつぶさ会」のメンバーなどが集まり、今年のワインの出来を確かめた。
「まつぶさわいん」は、10年ほど前から箕輪町の特産品として売り出している。
もともと野生の植物だったマツブサを、人工的に栽培できるようになるまでには苦労もあったというが、去年あたりから収穫量も安定してきて、今年は約840キロから900本のワインができたという。
まつぶさわいんは20日から、町内の酒屋や、ながた荘などで販売する。価格は1本500ミリリットル入りで1850円、販売数は限定800本。 -
09年度の米の生産目標決まる
上伊那水田農業推進協議会が19日、伊那合同庁舎で開かれ、上伊那8市町村で来年度生産する米の生産目標を決定した。
協議会は、来年度の市町村別の米の生産目標などを決めるために開かれたもので、この日は各市町村や農業関係団体などおよそ30人が集まった。
来年度米の生産目標は、伊那市が1万3274トン、箕輪町が2714トン、南箕輪村が1767トンで、上伊那全体では3万1770トンとなっている。
県の協議会では、上伊那で来年度生産できる米の配分を上伊那の目標値より1032トン少ない3万738トンとしている。
しかし、上伊那では優良農地の保全などを目的に前年よりも生産量を減らさないよう取り組んでいて、県の配分枠を超える1032トン分は、生産調整の対象とならない加工用の米を栽培したり、上伊那以外の地域と配分枠の調整を行い、対応する方針。 -
JA上伊那女性まつり
JA上伊那女性まつりが13日、伊那市の県伊那文化会館で開かれ、参加者が交流を深めた。
JA上伊那生活部会のメンバーなど、およそ1200人が参加した。
女性まつりは、各地区にある生活部会の情報交換や交流の場として毎年開かれている。
ステージ発表では、各地区の役員が参加しての沖縄舞踊が披露された。
またメンバーが、食と農について考える主婦たちを寸劇で演じ、会場を盛り上げていた。
ある参加者は、「みんなで集まって、さまざまな発表をするので、連体感も生まれ、今後の交流のきっかけにもなると思う」と話していた。 -
園児にリンゴをプレゼント
南箕輪村北部保育園の園児に11日、村内で採れたリンゴがプレゼントされた。
リンゴのプレゼントは、南箕輪村の地産地消事業の一環として行われたもので、村内の全保育園に合計650個のリンゴ「ふじ」が配られた。
この日は、リンゴを栽培した果樹農家の田中実さんやJA職員が北部保育園を訪れ、園児およそ80人にリンゴを手渡した。
気象や土地の条件が適しているということで、南箕輪村ではリンゴの主力品種「ふじ」のブランド化を目指していて、今回配られたものも「ふじ」。
南箕輪村では、給食や直売所を通じて地元産農産物の消費を拡大していきたい竏窒ニしている。 -
農業生産資材価格高騰対策
JA上伊那が総額2億8千万円の農家支援農業肥料や家畜飼料などが値上がりする中、JA上伊那は、総額で2億8千万円の農家支援を行っていく方針を示した。4日開いた記者会見で、宮下勝義代表理事組合長が明らかにした。
穀物価格の高騰や原油の値上がりの影響で、農家経営は今、過去にない厳しさとなっている。
こうした事態を受け、JA上伊那では、年度当初から支援策を行っているが、これから冬場となり、燃料費の増加などさらに負担が増えることから、さらに支援を充実させ農家を支援していくため、今回の対策を打ち出した。
具体的には、今年の7月から大幅に値上がりしている肥料や、段ボールなどの資材購入費の値引きなどをこれから新たに実施していく。
家畜飼料の購入に関しては、これまでも費用の一部補てんを行ってきたが、補てん額をさらに引き上げ、対応する。
重油や灯油などといった農業用燃料の購入についても購入費の一部を補助する。
今回の対策は来年2月まで行う予定で、これに充てる財源は、経営コストの節減やJAグループ全農の支援、JA上伊那独自の積立金の取り崩しなどで対応するという。 -
羽広菜の味噌漬け作業最盛期
伊那市西箕輪羽広で栽培された羽広菜の味噌漬け作業が最盛期を迎えている。
3日は伊那市西箕輪の、みはらしファーム漬物加工場で、羽広菜生産加工組合の組合員5人が味噌漬けの作業にあたっていた。
羽広菜は伊那市の羽広に伝わる伝統野菜で、今年9月に種をまいたものを収穫しカブの部分を味噌に漬け込む。
味噌のほか塩や砂糖、地元産の酒粕で漬け込み、数日間ねかせる。
今年は気候がよかったことなどから例年より出来がよいという。
味は辛味があり歯ざわりがやわらかいのが特徴。
羽広菜は去年、県から伝統野菜の継承と地域振興を目的とした伝統野菜に認定されている。
羽広菜生産加工組合では、「地域に伝わる伝統野菜を地域の外にも広めていきたい」と話している。
羽広菜のかぶ漬けは250グラム入り300円で、みはらしファームのとれたて市場や直売所などで販売されている。 -
大芝高原イチゴ収穫始まる
南箕輪村大芝区で作られている大芝高原イチゴの収穫作業が始まっている。
大芝高原イチゴは、章姫と呼ばれる大粒で糖度が高く、酸味の少ない品種。
29日は、大芝水耕生産組合の武村淳一組合長が摘み取り作業を行っていた。
作業は、毎年11月の終わり頃から始まり、7月中旬まで続けられる。
大芝高原イチゴは、通常ひとふさに40個ほどなるイチゴを摘果で7個ほどにして、養分を集中させるため、甘く、粒の大きいものができるという。
また、ハウス横の作業場ではパック詰めの作業も行われ、この日は60パックにイチゴが詰められた。
収穫されたイチゴは、その日のうちに地元の直売所やスーパーの店頭に並ぶという。 -
「ふるさと便」出荷作業
箕輪産リンゴに児童の手紙添えて箕輪産のリンゴに町内の児童の手紙などを添えて贈る「ふるさと便」の出荷作業が26日、箕輪町中原の果実選果場で行われた。
ふるさと便は、箕輪産の農作物に町を紹介する便りや絵を添えて贈るもので、箕輪町観光協会などが行っている。
この日は担当者がリンゴを詰め込んだダンボールにパンフレットや手紙などを入れる作業にあたっていた。
今回は箕輪南小学校の児童から絵が18点、作文が30点寄せられたという。
リンゴは遠くに住む友人や親戚などに贈られるということで、心温まる贈り物として喜ばれているという。
箕輪の選果場は今が出荷のピークで今シーズンはおよそ4万ケースを出荷する計画。 -
宮田村内で大豆「ナカセンナリ」の収穫、美味しいとうふの原材料に
宮田村では、今月末ころまで大豆「ナカセンナリ」の収穫が行われている。乾燥した後に村内の宮田とうふ工房で加工され、豆腐製品として販売される。今季の新大豆の出来ばえは良好で、栽培農家は大地の恵みを喜びつつ作業に汗を流している。
同村内では5戸ほどの農家が大豆を生産するが、全て品種はナカセンナリ。10年前に村内の製造業マスダ(増田清社長)が宮田とうふ工房を開設し、そこでつくる豆腐製品の原材料として供給している。
栽培農家で最大規模の保科治男さんは、コンバインで刈り取り作業。「昨年よりもさらに良い大豆ができそう」と話した。
地元産のおいしい食品をと農工が一体となって取り組む豆腐づくり。生産者の想いがいっぱい詰まった一丁の豆腐は、安全安心な食品として消費者の手元に届けられる。 -
畜産農家が街宣パレード
地産地消の促進など呼びかけ上伊那の畜産農家が一堂に会し地産地消の促進などを呼びかける街宣パレードが20日、伊那市で行われた。
畜産農家およそ60人が参加し、桃太郎旗をつけた軽トラック40台で伊那市から南箕輪村をパレードした。
これは、原油や飼料の価格高騰など生産コストの上昇による厳しい状況を消費者に理解してもらい、できるだけ地元産のものを買って生産者を応援してもらおうと、JA上伊那畜産部会協議会が行った。
JA上伊那本所を出発した参加者らは、地産地消をPRしながら南箕輪村の農産物直売所ファーマーズあじ縲怩ネを目指した。
ある参加者は、「上伊那にはおいしい畜産物がたくさんあるので、ぜひ安全で安心な地元のものを食べてもらいたい」と話していた。
JA上伊那によると、家畜の主食となるトウモロコシの価格は平成18年の秋以降急上昇していて、畜産物の生産コストはおよそ20%程度上昇しているという。 -
たゆまぬ努力で美味しいワインに、宮田村の山ぶどう栽培組合が学習会
宮田村特産の赤ワイン「紫輝」「駒ヶ原」の原料となる山ぶどう交配種ヤマソービニオン。今年も収穫を終え12月7日に新酒の解禁を控えるが、栽培農家は学習会を開くなどして意識の向上や幅広い知識の習得に努め、さらにレベルの高いワインづくりを目指そうと励んでいる。
「生産に携わるものとして、もっとワインやぶどうについて理解を深めたい」と始まった学習会。3回目を迎えた20日は、飯田市のソムリエ浜島晃さんを講師に「紫輝」と世界のワインを飲み比べ、現状認識と宮田村のワインの将来的な方向性も含めて探った。
「ワインは産地の個性を出すのに数十年もかかる仕事。地域の風土をビンの中に閉じ込めることが最も大切です」と浜島さん。「紫輝は飲み比べても他のワインと遜色ない。このように世界のワインを参考にしながら、仕立てていくのも良いと思います」と続けた。
栽培者のひとりでワイン醸造技術管理士(エノログ)の資格も持つ秋山泰久さん=南割区=は「地元に根付く良いワインにしていくには、栽培者みんなが同じ意識でぶどうづくりをすることが大切。このような学習会も通じながら底上げが図れれば」と話していた。