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「畜産農家の応援団になって」
JA上伊那が畜産物フェアーJA上伊那は14日、地元信州産畜産物の消費拡大運動で「畜産物フェアー」を南箕輪村の生産物直売所ファーマーズあじ縲怩ネで開いた。家畜飼料価格の高騰により県内の畜産・酪農家がかつてない経営危機に直面している実情を訴え、店内の特設コーナーで畜産物を紹介し、買い物客に消費拡大の協力を呼びかけた。
飼料高騰の一方で、牛乳や牛肉、豚肉、たまごなどの消費は落ち込んでいるため、特設コーナーで地元信州産牛肉、たまご、牛乳、乳製品、加工品などの“こだわり商品”をPRし、販売した。
「深刻な状況が続けば、畜産農家は規模の縮小、あるいは経営をやめざるをえない」(JA上伊那畜産部会協議会)として、「畜産農家の応援団になって」と呼びかけるチラシと牛乳も買い物客に配った。 -
花の苗無料配布
市内花いっぱい運動の一環として、伊那市振興公社(白鳥孝理事長)は13日「夏を彩る花」の苗を市民に無料配布した。配布した苗は例年と同じサルビア、マリーゴールドのほか、今年加えたペチュニアの3種類。西町のウエストスポーツパーク管理センター前の会場には100人近くの人が行列をつくり、苗を手渡されると大切そうに袋や箱に入れて持ち帰った。
列の先頭に並んだ竹松利文さん(66)=富県北福地=は「30分前に並んだ。3年前からもらいに来ているが、毎年楽しみにしている。苗は庭に植えて大事に育てたい」と話した。
苗は振興公社の職員が種から育て、約千人分を用意した。配布は88年から毎年行われている。
配布は14日も午後1時からウエストスポーツパーク管理センター(旧市勤労者福祉センター)東側駐車場である。対象は伊那市民のみ。種類は13日と同様で、約500人分を用意するが、なくなり次第終了となる。問い合わせは同公社(TEL78・5010)へ。 -
遊休農地の荒廃防ぐ 牛4頭を放牧
農業者の高齢化などで生じた遊休農地の荒廃を防ごうと、伊那市高遠町藤沢荒町の本沢牧場3・5ヘクタールに10日、牛4頭を放した。住民有志でつくる「あすなろ会」(秋山靖樹会長、23人)が04年から取り組み、草刈りの手間が省けるなど効果が表れている。
放された牛は箕輪町、宮田村の酪農家から借り受けた4縲・1歳の雌。いずれもおなかに子どもがいて、健康な体作りを兼ね、足腰を鍛える。
牛の健康検査やダニの駆除などを済ませ、農地に放牧すると、歩き回ったり、草をはんだり。広々とした場所に移ったせいか、飛び跳ねる場面もあった。
牛が雑草を食べ、農地を歩き回ることで土を起こすことにつながり、シカなどの侵入もなくなったという。8月上旬には牧場内の1ヘクタール余へソバをまき、9月に収穫する予定。フキ畑もあり、地元の農産物直売所で販売したいと考えている。
秋山会長(70)は「田んぼを元の姿に戻したい。ただ後継者の育成が課題」と話した。
牛は出産時期を見ながら10月上旬ごろまで、標高850メートルの牧場で過ごす。
遊休農地に牛4頭を放牧
ソバを栽培
農業者の高齢化などで生じた遊休農地の荒廃を防ごうと、伊那市高遠町藤沢荒町の本沢牧場3・5ヘクタールに10日、牛4頭を放した。住民有志でつくる「あすなろ会」(秋山靖樹会長、23人)が04年から取り組み、草刈りの手間が省けるなど効果が表れている。
放された牛は箕輪町、宮田村の酪農家から借り受けた4縲・1歳の雌。いずれもおなかに子どもがいて、健康な体作りを兼ね、足腰を鍛える。
牛の健康検査やダニの駆除などを済ませ、農地に放牧すると、歩き回ったり、草をはんだり。広々とした場所に移ったせいか、飛び跳ねる場面もあった。
牛が雑草を食べ、農地を歩き回ることで土を起こすことにつながり、シカなどの侵入もなくなったという。8月上旬には牧場内の1ヘクタール余へソバをまき、9月に収穫する予定。フキ畑もあり、地元の農産物直売所で販売したいと考えている。
秋山会長(70)は「田んぼを元の姿に戻したい。ただ後継者の育成が課題」と話した。
牛は出産時期を見ながら10月上旬ごろまで、標高850メートルの牧場で過ごす。 -
上伊那農政対策委員会総会
上伊那農政対策委員会(委員長・宮下 勝義JA上伊那代表理事組合長)の第12回総会は10日、JA上伊那本所で開き、08年度の事業計画案などのほか、「WTO農業交渉に関する特別決議」案と「畜産・酪農対策における特別決議」案を承認した。
計画では、08年度農政活動事業に、国内農業を守るため「WTO農業交渉」などに対する取り組み、認定農業者ら意欲ある経営体の所得確保に向けた支援、農畜産物の消費拡大運動と地産地消、農業の多面的機能を守る農地・水・環境保全向上対策、食農教育、GAP(農業生産工程管理手法)の取り組みなどを掲げる。
予算は収入、支出の総額それぞれ約1757万円。08年度の賦課金は1戸当たり前年度より100円引下げの600円に決めた。
宮下委員長は、「将来にわたって農業を継続、維持発展するため、再生産が可能な所得確保に取り組まねばならない。08年度も諸要求の実現のため幅広い農政対策に取り組みたい」とあいさつした。 -
梅狩り、梅もぎ体験販売
箕輪町南部営農組合は8日、同町木下の組合所有の梅園で梅狩り、梅もぎ体験販売会を開いた。梅漬けやジャムなどにしようと町内外から多くの人が訪れ、たわわに実った梅の実をもぎ取って持ち帰った。料金は1キロ300円の格安とあって、持ち帰る量は平均で約5縲・キロ。中には17キロ持ち帰った人もいたという。
同町松島の女性(56)は「梅漬けにする梅を取ろうと来た。良い実がたくさんあってうれしい」と話した。
面積約20アールの梅園内には竜峡小梅の木が20本ある。園を管理する同組合の担当者は「今年もかなり良い出来だ」としている。 -
里山「団地化」で整備促進
所有者ごとでは間伐などの手入れが行き届かない私有林を団地化することにより里山の整備促進を図ろうと、伊那市富県北福地の山林所有者約30人は上伊那森林組合との間伐協定締結に向けた準備作業に取り組んでいる。
対象となる森林は北福地の里山約16ヘクタール。地権者らは間伐などの整備作業を上伊那森林組合に委託し、同組合は作業一切を無料で請け負う代わり、間伐した木材の売却益などを得る。間伐にかかった経費のうち90%が県の里山整備事業の補助対象となる。間伐作業には今年秋ごろに着手する見通し。
県林業経営者協会の会長も務めた橋爪庄一さん(77)が発起人となって団地化を呼び掛けたことにより、昨年から地権者が集まって数回の協議を重ねた結果、今年5月にほぼ合意に至った。山林の図面作成には信州大農学部の学生も協力した。
8日は地権者約15人が北福地集落センターに集まり、地図で大まかな区分の確認をした後、実際に山に入って土地の境界を画定した。山林内には目印が何もないため、地権者らは林道や沢筋、稜線などを手がかりに現在地を地図と照合。境界を確認すると、目印の赤いテープを立ち木に結び付けた。地権者らは「山にはほとんど来ないから荒れ放題だ」などとため息をつき「間伐でもっと明るい山になってくれればいいな」などと話し合っていた。 -
大泉営農組合 営農講習会
南箕輪村の大泉営農組合(唐沢君人組合長、約160軒)は10日夜、大泉西部地区館で営農講習会を開いた。村産業課の松沢良行農政係長らを招き、集落営農の法人化について勉強。地域の水田を守りながら、後継者を育てる方法などについて考えた。
「集落営農法人化で何をめざすのか?縲恟W落の将来を水田とともに縲怐vと題した講習会に約30人が出席。村集落営農組織「まっくんファーム」に入る形での法人化を目指している同組合は、年一度の講習会で本年度、集落営農について勉強した。
松沢農政係長は、農業法人の種類などについて説明。「地域の中で最適な法人をみつけていく必要があり、自分たちの土地で生まれた作物をいかに売って、組織を維持するのかが大切。後継者たちに、愛着を持ってもらうことも組織の育成につながる」とした。
松沢農政係長の話に耳を傾ける組合員ら -
富県さつき会展示会
伊那市富県の盆栽愛好者らでつくる「富県さつき会」(橋爪謙司会長、5人)は第4回サツキ展を富県北福地の北和田集会所前の地域コミュニティセンター「ひなたぼっこ」で8日まで開いている。会員が丹精込めて育てたサツキ約50鉢を展示して、訪れた人の目を楽しませている。樹高は約30センチのものから1メートルを超える大きなものまでさまざまな種類があり、それぞれ赤やピンク、白などの花を多彩に咲かせて美しさを競っている。
橋爪会長は「昨年は残念ながら霜にやられて開催できなかったが、今年は大きい花がよく咲いてくれてよかった。サツキは手入れが大変だが、見てくれる人たちが『きれいだね』と言ってくれるのがうれしい」と話している。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時。 -
栗の里、体制づくり本格化
飯島町営農組合が推進する「栗の里づくり」は、農林水産省の広域連携アグリビジネス支援事業採択を受け、本年度中に栗加工場を建設する。栗の植栽も目標の20ヘクタールがほぼ終了し、初収穫が見込まれるなど、体制づくりが本格化する。
町は、遊休農地、耕作放棄地が増加し、高齢化による梨、リンゴ園の廃園が目立つ中、岐阜県恵那市の「栗の菓工房」から具体的提案もあり、町ぐるみで「栗の栽培」に取り組み、売れる農産物・競争力のある栗の産地化を推進する。
栗の植栽は七久保地区を中心に、05年度始まり、08年3月までに15ヘクタール、残る5ヘクタールも本年度中に完了し、秋には初収穫ができる。
栗の加工・直売施設は、七久保の道の駅花の里いいじまの北側、約6千平方メートルの敷地に約千平方メートルの施設を建設する。7月に造成、9月ころ着工し、来年3月完成、4月操業を予定する。 -
宮田高原牧場2年ぶり再開
一昨年7月の豪雨災害の影響で閉鎖を余儀なくされた宮田村宮田高原牧場は5日、2年ぶりに再開して8頭の牛が入牧した。標高1650メートルの高原に広がる7・5ヘクタールの涼しい牧草地に、夏場の4カ月間放牧する。頭数は閉鎖前を下回り、飼育農家減少などで将来的な見通しも厳しいが、運営する村の産業建設課は「高原の環境維持や観光面でも牧場は欠かせない」と存続したい意向を示す。
「牧草の状態を心配したが大丈夫。元気に育ってもらえれば」と村農政係の担当者。
8頭の牛はいずれも2歳までの子牛で、駒ケ根市と箕輪町の飼育農家5戸が託したもの。うち7頭はメスで、成長して乳牛となる。
約70年の歴史を誇る同牧場はかつて、村内農家の牛も含め30頭以上の放牧があったというが、近年は頭打ち。3年前は16頭、閉鎖前の2年前は9頭にまで減った。
採算ベースにするには20頭ほどを確保しないと難しく、存廃の論議対象にもあがる。
平沢正典村産業建設課長は「放牧だけを考えると厳しいが、高原全体の観光もとらえて考えたい。のどかな牧歌的な雰囲気は残したいのだが」と話す。
一昨年の豪雨で、唯一通じる寺沢林道の崩落により閉鎖が続いた宮田高原。7月からはキャンプ場も本格オープンし、災害を乗り越えて新たなシーズンが始まった。 -
宮田中生徒が、学校のシンボル梅を収獲
宮田村宮田中学校は5日、校内に植えてある52本の梅の収獲を行った。学級ごとに、日ごろから管理するそれぞれの木に分かれて作業。代々の先輩が受け継いできた伝統も感じながら、大地の恵みに歓声が沸いた。
同校のシンボル・ス梅並木・ス。1975(昭和50)年に、当時の生徒たちが5カ月の準備を経て竜峡小梅を中心に植樹した。
以来、各学級と緑化委員会が丹精込めて育てあげ、毎年6月には収獲の喜びを味わっている。
この日も、生徒たちが緑に輝く小梅を丁寧にもぎ取り。昨年よりも20キロ多い293・3キロを収獲した。
校内では収獲量の予想クイズを行うなど、別の楽しみも盛り込んでにぎやかに。
梅は学校の給食に使うほか、一部は販売。地域のお世話になった人たちにも配る。 -
宮田村農業委員選挙7月1日告示、同6日投開票で
宮田村選挙管理委員会は4日、村農業委員選挙の日程を7月1日告示、同6日投開票と決めた。
委員定数は12人でそのうち団体と議会推薦を除く選挙による定数は8人。前回3年前は定数削減したが、今回変更はない。
立候補予定者説明会は20日午後7時から。26日に届出書類の事前審査を行う。
4月1日現在の基準を満たした選挙人名簿登録者数は768人。同選挙は無投票が続いている。 -
国際クレマチス協会がクレマチス切り花農家を視察
世界のクレマチス愛好家でつくる国際クレマチス協会の一行60人が4日、飯島町田切のクレマチス切り花専業農家・渋谷宗一さんのハウスを視察した。
一行は米国や英国、ドイツ、スイス、ノルウェーなど9カ国から参加。2日に来日し、クレマチスの鉢花生産者、土岐市の春日井園芸センターを見学した後、来町した。
一行を迎え、渋谷さんは「今、一番花が切り終わり、二番花を切り始めている。切り花はつぼみのうちに出荷するので、満開の花は見られない」と説明。
参加者は3カ所のハウスに分かれ、渋谷さんの案内でゆっくりと見て回った。
ハウスでは、つぼ形の紅色、紫色、反りかえりがキュートな新品種、「ケイコ」と名付られたオリジナル品種が咲き始め、参加者はカメラやビデオを向けたり、渋谷さんに「消毒は何を使うか」「一番好きな花は」「大輪系は栽培しないのか」などと質問したり、お茶を飲みながら、クレマチス談義に花を咲かせた。
英国から参加したケンさん、フィアナさんは「欧州とは異なる仕立方で参考になった」「育種が興味深かった」と感想を話した。
一行は、伊那市のかんてんぱぱガーデンで昼食を取り、名古屋に向かった。 -
宮田小2年4組がサツマイモ栽培
宮田村宮田小学校2年4組は今年度、村内農家の協力も得ながらサツマイモの栽培に取り組んでいる。村学校給食を育てる会の後藤寛さんの指導で苗を植え、成長に期待を寄せた。
苗植えするために、石拾いをして土を耕すなど準備してきた子どもたち。
この日は、保温や雑草対策の効果がある「マルチ」と呼ばれる黒いビニールシートを土のうえにかぶせ、作業を進めた。
前日降った土の感触に「やわらかい」と歓声も。「結構大変だ」と言いながらも、大地を踏みしめて心地良い汗を流していた。 -
新規就農者激励会
箕輪町のながた荘で28日、今年から町内で新しくリンゴ栽培を始めた高橋章浩さん(35)、礼子さん(37)夫妻の激励会があった。平沢豊満箕輪町長をはじめ、JAや地元の農業委員ら関係者約20人が夫妻を激励した。
東京都出身の章浩さんは大学卒業後、銀行員、スキーインストラクターを経て、公園緑地管理財団に入社。群馬県でリンゴの摘果作業のアルバイトをしたことをきっかけに、リンゴ栽培を志し、「どうせならリンゴが盛んな長野で」ということで長野県へ。佐久市で果樹栽培を学び、JAを通じて箕輪町でリンゴ栽培を始めた。
大出にある1・8ヘクタールの果樹園にはシナノスイート、シナノゴールド、シナノドルチェ、ふじ、つがる、ジョナゴールドの6種類を栽培。そのうち60アールはリンゴ栽培者から受け継いだもの。
章浩さんは「前の方の管理がしっかりとしているので、実のふくらみや成長がいい。私が引き受けたことで虫や病気がでないよう気をつけたい」と話していた。
残りの1・2ヘクタールは遊休農地で、新しくリンゴの苗を植えた。
章浩さんは「おいしくて健康にいいリンゴをつくっていけたらと思う」、礼子さんは「リンゴで酵母をおこし、それを使ってパンを焼いてみたい」とそれぞれ夢を語った。
今は摘果作業の最中。夫婦での共同作業は「日頃話さなかったことも、リンゴ園の中で話したり、夫婦の会話も増え楽しくやっている」とのこと。 -
ワイン生産の一端にふれて、セミナー参加者栽培体験
宮田村の住民が参加する「ワインセミナー」はこのほど、村内産赤ワインの原料となる山ぶどう(ヤマソービニオン)の栽培体験を村内駒ケ原の農場で行なった。余分な芽を摘み取り、日当たりを良くする「芽かき」の作業に汗を流し、美味しいワインができる過程の一端にふれた。
村内産の赤ワインを知ってもらい、文化として地域に広めようと始まったセミナーの2回目。
山ぶどう栽培組合の春日伊平さんが指導。参加者は農家の苦労を肌で感じながら、ぶどうの成長に願いを込めた。
「このような体験を通じて、ワインを愛してくれればありがたい。私たち栽培農家も一緒に仲間になって、文化として広げていけたら」と春日さんは話していた。
セミナーは村公民館と村産業建設課の共催で4月から始まっているが、次回6月は試飲も入れながら農業全般を学習。農場体験は秋の収獲時にも予定している。 -
小梅の出荷最盛期
中川村田島のJA上伊那中川梅選果場で小梅の選果、出荷作業が最盛期を迎えている。
梅は小梅の代表品種「竜峡小梅」と赤い実の「吉村」。選別機でLから6Lに分け、10キロずつ箱詰めされ、名古屋市などに向けて出荷される。
小梅の出荷ピークは9日ころまで。26日までに伊南地区の農家が123トン(うち加工用93トン)を出荷する。L縲・L級は漬物用として加工工場に、3L以上が青果として、店頭に並ぶ。
隣接のたじまファームでも取れ立てを販売している。
また、今年初めて、選果作業の省力化を図るため、加工用の一部は選果せず、集果ネット(20キロ入り)のまま販売する。
JA上伊那果実課の井上博志課長は「今年は加工用が1キロ215円で、昨年に比べて30円上がり、農家の手取りが増える。収穫量も品質もいい」と話している。 -
入笠牧場で放牧始まる
JA上伊那が管理運営する伊那市高遠町の入笠牧場で28日、牛の放牧が始まった。上伊那、南信州、諏訪の畜産農家35戸が飼育するホルスタイン種と和牛のメス牛150頭が、10月上旬まで牧場で過ごす。
放牧するのは生後6カ月以上の牛で、飼料代と畜産農家の労力軽減、牛の足腰を丈夫にする目的。農家戸数の減少などにより頭数は昨年より減少しているが、初日は上伊那郡内の50頭を受け入れた。
体重測定や健康チェック、駆虫薬接種をして放すと、牛たちは広い牧場でのんびりと草をはむなどしていた。放牧は29日もある。
上伊那では、宮田村の宮田高原牧場でも放牧する。 -
JA上伊那総代会
理事5人削減上伊那農業協働組合(宮下勝義代表理事組合長)の第12回通常総代会は27日、JA上伊那本所で開き、理事定数の削減や08年度事業計画、「WTO農業交渉に関する特別決議」などを承認した。
役員の定数は、現行の理事39人を5人削減して34人、監事9人は2人削減で7人にする。常勤の理事は現行5人から1人削減し4人とする。定数の変更は、09年5月の通常総代会の時から適用する。
07年度事業報告では、事業総利益は86億7235万円で前年度より3億2千万円減少。事業管理費は86億7055万円で前年より1億8千万円削減した。当期剰余金1億9910万円、当期未処分剰余金4億37万円。
08年度事業は、事業総利益が85億4922万円で前年実績より1億2313万円減少の計画。営農事業の販売高計画額は野菜と花きを除いて米穀、きのこ、畜産、果実など前年対比100%を下回り、合計では前年対比98%の158億1496万円。 -
農業生産法人「株式会社JA菜園」設立決定
今後の畑作農業の振興を図る地域のモデル経営体として、上伊那農業協同組合が出資する農業生産法人「株式会社JA菜園」が設立する。JA上伊那本所で27日開いた第12回通常総代会で、設立と2千万円の出資を決めた。
遊休農地の解消など上伊那地域の広大な畑地帯の農業振興のため、JA上伊那の子会社として新たに設立。JA上伊那と伊那市農業振興センターで昨年12月ころから設立準備をしてきた。
JA上伊那の常務が代表取締役社長に就任し、実際に農作業に従事する2人が取締役となる。出資金総額2010万円のうちJA上伊那が2千万円、残り10万円を取締役2人が個人出資する。従業員は今後採用する。
事業は農畜産物生産販売が中心。西箕輪地区の吹上と羽広に約6・65ヘクタールの農地を賃貸借し、アスパラ、白ネギ、トマト、ブロッコリー、ヤマゴボウの5種類を中心に栽培する。
ブロッコリー、白ネギなどは今年から収穫し、全量を市場出荷する。今後、生産拡大も検討するという。
JA出資の法人は全国に184法人、長野県内には5法人ある。 -
A・コープ福岡店
経営改善へ上伊那農業協同組合は、A・コープレギュラー店舗のうち、経営が「大変厳しい状況」にある駒ヶ根市の福岡店など4店舗の経営改善方針を決めた。福岡店は、08年8月末の経営状況をみて収支均衡がはかれない場合、経営委託店舗として受託者を探し、受託者がいない場合は09年2月末で閉店する方針を定めた。
JA上伊那によると福岡店は、「伊南バイパス開通で交通の流れが変わり人が通過してしまうため利用客が減少した」。A・コープ愛用運動で、「安全、安心、新鮮な品質の良い食材を販売するA・コープ」の利用を呼びかけているが、経営状況が悪く早急な改善が必要になっている。
改善方針は今年3月、駒ヶ根地区集落懇談会で説明済みで、27日の通常総代会で改善方針を含む08年度事業計画が決定した。
改善対象の残り3店舗のうち辰野店、みのわ店は収支が改善しない場合に経営委託化を検討、辰野町小野地区たのめ店は経営委託化で改善を目指す。 -
地元の女性たちでつくる「菜々ちゃん倶楽部」が、地域の食材を使った手料理レストランをシルクミュージアム内にオープン
中央アルプスを望む高台で地元の食材を使った温かな家庭料理はいかが?竏秩B
駒ケ根市東伊那の女性たちでつくる「菜々ちゃん倶楽部」(会員15人、福沢高子代表)が24日、同地区にあるシルクミュージアム館内に、地域食材を使ったバイキングレストランをオープンした=写真。レストランではその季節に採れる地域の食材を使い、郷土食や家庭料理などを提供。地元の食文化を発信するとともに、地元への誘客を図り、地域の活性化を目指す。福沢代表(67)=東伊那=は「ここは景色も良いので、ぜひ訪れていただき、すべての料理を味わってもらいたい」と語った。
◇ ◇
レストランが開店するのはおよそ3年ぶり。経営難を理由に経営者が撤退。やむを得ずレストランは閉鎖されていた。そんな中、これまで同施設の直売所でおやきや五平もちを販売してきた同クラブが「地域のために」と、レストランを経営することになった。
初日のこの日は、おやきや五平もちをはじめ、アスパラやフキなどといった旬の食材を使った料理約40品を準備。開店と同時に予約客などがぞくぞくと入店し、さまざまな料理を楽しんだ。
伊那市から訪れた竹村清光さん(74)、宏朋さん(74)夫妻は「ここには初めて来たが、料理はどれも素朴でおいしい。今度は家族を連れて一緒にきたい」と話していた。
バイキングの時間は午前11時時縲恁゚後2時半(午前10時縲恁゚前11時は単品のみ)。中学生以上1260円、70歳以上1050円、小学生840円、3歳以上530円。
問い合わせはシルクミュージアム(TEL82・8381)へ。 -
かかし隊が田植え、親子仲良く・スどろんこ・スに
親子一緒に農産物の栽培を通じてさまざまな体験をする宮田村公民館「われら、かかし隊」は24日、田植えをした。・スどろんこ・スになって汗を流し、秋の収獲に想いを馳せた。
3年目を迎える同隊は、町三区斎藤診療所横の耕地に水田を設け、今年もコメづくりに挑戦。
川手友幸さん=町三区=、田中一男さん=大田切区=らの指導で、さっそく親子で水田に入った。
ヌルッとした泥の感触に、戸惑い気味の子どもたちも。しかし、徐々に時間が経つにつれて作業にも慣れ、せっせと稲を植えていた。
愛娘の凛ちゃん(3)と参加した大原区の保科ひとみさんは「なかなか家族でこのような体験をする機会もないですからね」と、昔ながらの作業を子どもや仲間と一緒に楽しんでいた。
植えた稲はコシヒカリともち米。水田の横ではジャガイモやニンジンなども育てており、今後秋にかけて交流を深めながら土に親しんでいく。 -
村営農センター通常総会
南箕輪村全5保育園は、村内産の野菜を優先的に使っていくため、6月2日から、保育園給食で使用する食材を生産物直売所「ファーマーズあじ縲怩ネ」(同村)から購入し始める。農業振興組織である村営農センターが進めてきた事業。07年度、中部保育園で試験的に行い本年度から全園に拡大した。
22日夜、村役場であった同センター通常総会で、08年度事業計画の一つとして承認した。説明によると、出荷生産者977人のうち138人(14・1%)が村の生産者である同直売所を通じ、村内産の野菜を優先的に購入しながら地産地消を目指す。今後は供給に対応するため、地元農家で生産体制をつくりながら事業を進めていく。
将来的には学校給食への導入も検討している。
通常総会では、このほか、土地利用のあり方検討会議による有効利用の検討竏窒ネどを盛り込んだ本年度事業計画や規約の一部変更など3議案を承認した。
村役場で行った村営農センター通常総会 -
松くい虫箕輪町まで
上伊那地方事務所は上伊那の松くい虫の被害状況について、今年新たに箕輪町でも発生が報告されるなど被害地域の北上は止まらず、被害量も引き続き増え続けていることを明らかにした。23日に伊那市役所で開かれた伊那市松くい虫対策協議会の中で発表した。
上伊那の年度ごとの被害量は、初めて中川村で発生が報告された95年の144立方メートルから年々増加。飯島町、駒ケ根市、宮田村、伊那市と被害地域は徐々に北上を続け、06年度には4799立方メートル、07年度は過去最大の5250立方メートルにまで増加した。
駆除対策は99年度まで発生の全量を処理できていたが、各市町村の予算の問題もあってその後は処理が追いつかず、駆除量は06年度2712立方メートル、07年度は3821立方メートルにとどまっている。
これまで松くい虫被害の報告がなかった箕輪町でも1縲・月にかけ、福与地区で計3本の被害があった。過去の例から、一度被害が発生するとその後爆発的に拡大する傾向がみられることから、関係者は事態を重くみて対策の強化を図っている。
松くい虫の被害を未然に防ぐ有効な方法は今のところ見つかっていないが、拡大を防止する手段として地方事務所は、被害の恐れのある区域の森林をアカマツ以外の樹種に転換することや、早期発見、早期対策などを勧めている。 -
県女性農業委員の会上伊那支部が駒ケ根市で女性農業委員の登用を要請
農業委員の改選を控えた市町村で女性農業委員の登用要請をしてきた県女性農業委員会上伊那支部(宮崎美和子支部長)の8人が22日、駒ケ根市の杉本幸治市長らのもとを訪れ、今後も女性農業委員を登用し、女性が立候補しやすい環境づくりなどを進めることなどを求める要望書を提出した。
これまでに同支部では、今年農業委員の改選がある宮田村、南箕輪村で要望書を提出してきており、駒ケ根市は今回要望書を提出する市町村としては最後の市になる。
宮崎支部長(53)=中川村=は「もちろん、農業委員なので、土地を受け持って活動している女性委員もいるが、学校給食における地産地消への取り組み、子どもたちへの食育活動など、女性ならではの活動を展開している委員もいる。そういう形で今後も頑張っていきたい」と語った。
要望に対し、杉本市長は「女性がこういう場に出て行くことは必要だと考えており、要望のご趣旨は受け止めさせていただく。ただ、農業委員の選出も選挙で行われるものなので、みなさま方に頑張っていただければと思う」と語った。
同支部はこの日、市議会の竹内正博議長、市農業委員の清水千博会長にも要望書を提出した。
駒ケ根市では現在、市議会の推薦枠で2人の女性が農業委員として活動している。上伊那全体では、168人中16人が女性農業委員だが、ほとんどが推薦枠で選出されており、公選での選出はなかなか進まないのが現状のようだ。 -
酪農家の苦労感じて、宮田小、中支援学級が見学学習
宮田村宮田小、中学校特別支援学級の14人は19日、同村内や伊那市の酪農家などをたずね、牛乳が生産される仕組みを学習した。飼料の高騰などで厳しい現状に立たされながらも、朝から晩まで時間を惜しんで働いている農家の現状にふれた。
酪農離れにより、村内で唯一の乳牛飼育農家となった原田博安さん=中越区=の牛舎を見学。飼っている18頭を間近に見ながら、話しを聞いた。
「うちだっていつまで酪農を続けられるか分からない」と原田さん。
しぼりたてのホットミルクが振る舞われ、子どもたちは「心もあったまる」と喜びながら熱心に目と耳を傾けた。
続いて伊那市ますみケ丘のつつじケ丘牧場へ。経営する高嶋昇さん、和磨さん親子から説明を受け、子牛とふれあう場面もあった。
170頭ほどを飼育し、上伊那最大規模の同牧場。ここでも飼料の高騰などにより先が見えない経営が続いているが、高嶋さんは「現状を知ってもらうことが大切に思う」と、子どもたちの学ぶ姿に目を細めた。
一行は各地区の牧場から運ばれた牛乳が集まる南箕輪村のミルクステーションも見学。
いつもなにげなく飲んでいる牛乳にも、多くの人たちの苦労が折り重なっていることを感じていた。 -
駒ケ根市のごまプロジェクトが本格始動
駒ケ根市営農センターが転作田対策の一環として取り組む「ごまプロジェクト」が本格始動することを受け、駒ケ根市ごま研究会(伊藤孝男会長、会員23人)は19日、今年ゴマ栽培に取り組む農家を対象としたは種講習会を駒ケ根市東伊那のほ場で開いた。米価の下落が続く中、同市では新たな転作作物としてごま栽培を普及させようとしており、地元企業との契約栽培で進めるため、販路も確保されている。転作奨励金などの対象にもなっており、販路の少ない麦や大豆などよりはメリットが大きい。本年度は約1・5ヘクタールの作付けを予定しており、1トンの収穫を目指す。
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同プロジェクトは市内にあるゴマの加工販売会社「豊年屋」からの打診を受け、昨年度から試験的に取り組んできた。こうした経過を経て、今年は栽培規模を拡大。ごまを振興作物に位置付け、本格的に栽培普及を積極的に進めていく。
講習会では、種まきの方法や注意点などを伊藤会長や上伊那農業改良普及センターの職員らが指導。ごま栽培は機械化されていない分、手間がかかるという課題もあるが、今後、水に溶けるテープの中へ等間隔に種を埋め込んだ「シーダーテープ」などの試験栽培を行う中で、省力化を模索していく。
今年初めて同プロジェクトに参加する大沼与志雄さん(69)=東伊那=は「転作田でごまを作っている所を見てきた。作るのは大変そうだが、今年作ってみて様子を見たい」と話していた。
また、伊藤会長(64)=東伊那=は「そこそこの収益はあるが、手間がかかるのが今後の課題」と話していた。 -
KOA森林塾開講
山の手入れをする楽しさを知ってもらおうとKOA(向山孝一社長)が1994年から開いているKOA森林塾の08年度通年コースが17日、伊那市の鳩吹公園で開講した。上伊那や県内のほか、東京都、神奈川県、愛知県などから男女14人が参加。講師の林業技能作業士早川清志さんの指導で樹木の分類方法について学んだ。
早川さんは「まず木の種類を知ることが大切」と話し、数種類の葉のサンプルを示しながら単葉・複葉、裂ける・裂けない、縁の形などの特徴を説明=写真。参加者は微妙な違いを見極めようと、図鑑と首っ引きで懸命に葉を裏返したり日に透かしたりしていた。
03年から6年連続で受講しているという松本市の園田充子さんは「山を持っているというわけではないが、自然が好きでずっと参加し続けている。自然に触れる気持ち良さは格別だし、毎回新しい発見がある。最初ちょっと怖かったチェーンソーも今では自由に使えるようになった」と話した。
午後は鳩吹山に会場を移し、山林内を散策して自然の樹木を観察しながら実践的な学習をした。
塾では12月まで13回にわたり、植林、測量、間伐、枝打ち、炭焼きなど林業全般の知識と技術を学んでいく。 -
韓国のイチゴ輸出営農法人がみはらしいちご園で交流・視察
ジャム作り学ぶ伊那市のみはらしいちご園と昨年夏から交流している韓国の晋州市水谷地区のイチゴ輸出営農法人は16日、いちごジャム作りを学びたい-と、みはらしファームを訪れて交流・視察した。
昨年7月、同営農法人が日本に視察に訪れた際、みはらしいちご園の話を聞き来伊。組織づくりを学びたい-との話を受け、みはらしいちご園前組合長の有賀正喜さんが11月に韓国を訪問し、組合の組織や加工品を説明、紹介した。
同営農法人は約17ヘクタールの畑で東南アジアに輸出するイチゴを栽培している。今回、いちごジャム作りに関心を持ち、イ・ビョンホ会長や貿易商事の社員ら3人が、栽培しているイチゴ「メイハン」30キロを持参して来日した。
みはらしファーム内の加工場で、組合員が「メイハン」を使ってジャムを作った。蒸気釜でイチゴと砂糖を煮て、瓶詰めし煮沸するという作業行程を写真を撮ったり、質問しながら見学した。
韓国では家庭でジャムを作る場合5時間近くかかるといい、作り方の違いや時間の早さに驚き、「この作り方のほうがよさそうだ」と話した。みはらしいちごジャムは通常の市販品と比べ仕上がりが緩いのが特徴で、その緩さにも関心を示していた。
イ・ビョンホ会長らは、「視察すると驚くことがお互いにあるので、勉強会を何回かやったら互いに役立つと思う。もっと縁を結んで交流したい」と話した。今回作ったジャムは韓国に持ち帰り、営農法人で勉強会を開くという。
案内をした前組合長の有賀さんは、「同じイチゴを作る仲間。技術的交流は深めたほうがいい」と歓迎していた。