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塩漬け用の八重桜を摘み取り
伊那市商工会女性部高遠支部は26日、高遠町文化体育館横で塩漬け「桜志津久(しずく)」用の八重桜を摘み取った。28日も行う。
塩漬けは旧高遠町商工会から20年以上続く。昨年は八重桜95キロを使ったが、会員の負担軽減のため、今シーズンは少し減らす。
初日は部員15人が集まり、脚立を使いながら咲き始めた八重桜の花を一輪ずつ摘んだ。今年は花びらのピンク色が濃く、虫のつきも少なかったという。
花摘みのあと、高遠町商工会館でがくを取るなどせん別して水で洗い、仮漬けした。2、3日置いてから本漬けする。
桜志津久は年間を通し、地元の商店や地域のイベントなどで1袋(50グラム入り)500円で販売。観桜期には、高遠城址公園で手作りのさくら茶を振る舞った。
池上幸子部長は「桜茶の接待で、花見客に喜んでもらえるおもてなしができた。手間のかかることだが、続けていきたい」と話した。 -
長岡十沢地蔵例大祭
箕輪町長岡で24日、長岡十沢地蔵尊例大祭があった。地域住民や商工会関係者や町議員など約40人が参加した。
願い事をかなえるといわれる十沢地蔵は、古くから4月23日に宵祭を24日に本祭を開いている。長岡十沢地蔵尊保存会長の宮本定雄さんは「私が子どものころには、飯田線の臨時列車が2本出て、大勢の人でにぎわっていた」と振り返る。
地元住民だけでなく県外からもお参りに来る人もいる。
訪れる参拝者たちが地蔵に肌襦袢(はだじゅばん)を着せることもあり、保存会では毎年例大祭に合わせ、一年間に重ね着された肌襦袢を脱がし、新しい一枚を着せている。昨年度は54枚の肌襦袢が着せられていた。
例大祭に訪れた参拝者たちは地蔵の頭や腰を撫で、願い事をしていった。
「孫が高校に合格したのでそのお礼に」「毎年来ている。腰が治るようにお願いした」と参拝者たち。
長岡保育園の園児たちも参拝。一人ひとり地蔵を撫でていった。
保存会では毎月4、14、24日に、ふきながしを飾り、十沢地蔵周辺の清掃をしている。 -
おもしろかっぱ館特別企画展「河童戯画作品展」始まる
駒ケ根市下平にある「おもしろかっぱ館」で26日、08年度特別企画「河童戯画作品展」が始まった。ユーモラスなかっぱをテーマとした水墨画や絵画、ブロンズなど32作家の121点が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
同館では例年、各年度ごとテーマを決めて特別展を企画し、半期に一度、作品を入れ替えて来場者を楽しませている。本年度は日本最古の漫画で国宝にもなっている「鳥獣戯画」にならい、「かっぱ戯画」展を企画。人物にも動物にも見えるかっぱの不思議な世界観を存分に楽しんでもらおう竏窒ニ、かっぱをテーマとした作品の中でも特にユーモアに富んだ作品を集めた。
今回は酒造メーカー「菊桜」の初代CMのキャラクターとして起用されていた故・清水こんさんの原画掛け軸3点のほか、清水さんの後を継ぎ、2代目のCMキャラクターとして起用されている小島功さんの作品などをはじめ、駒ケ根市出身の水墨画家、故・石塚利徳さんが描いた絵巻「農耕の一年絵巻」の全貌(ぼう)を見ることができる。
小平容大館長は「喜劇的で風刺の利いた作品を楽しんでいただければ」と話していた。
入場料は小中学生100円、高校生以上200円。会館時間は午前9時縲恁゚後6時(受付は午後5時半、月曜日は休館)。上半期の作品展示は8月31日までとなる。 -
駒ケ根中沢の花桃の里見ごろ
駒ケ根市中沢中割の百々目木川沿いにある
「花桃の里」で、約700本のハナモモが見ごろを迎えている。紅白に咲き誇るハナモモが山里の春を彩り、訪れた人たちの目を楽しませている=写真。
この地で「すみよしや休み処」を経営する宮下秀春さん(74)が退職を機に、ハナモモを植え始めたのは15年ほど前。最初は買ってきた苗木を植えたが、土地に合わず育たなかったため、苗木を独自育て、毎年植え増やしてきた。
ハナモモの種類は1本で2色の花をつける咲き分け。近年では名古屋などからも情報を聞きつけ、見学に訪れる人もいるという。今年はここ数日の温かさの影響で花が一気に開花した。
宮下さんは「お客さんが『花を見て元気を与えられた』って言ってくれることが嬉しい。それが自分の励みになる」と話していた。
ハナモモは今月いっぱい楽しめる。
問い合わせはすみよしや休み処(TEL87・2840)へ。 -
南箕輪村老人クラブ連合会 08年度総会
南箕輪村の12区老人クラブでつくる連合会(宮脇米男会長)は25日、村公民館で2008年度総会を開いた=写真。各クラブ代表者ら約40人が出席し、本年度事業計画など2議案を承認した。
本年度は会員の増強を図りながら老人ホームへの訪問交流やデイサービスなどボランティア活動の充実、マレットゴルフなどによる健康増進などに努めていくことを確認した。
会長、副会長、会計の3役は2年任期の2年目で、村老連婦人部の部長は唐沢セツさん=大泉=、同副部長は安積栄子さん=同=に決まった。 -
【記者室】平均寿命ランクで上伊那の市町村が上位に
全国市区町村別の平均寿命で箕輪町、宮田村、駒ケ根市、飯島町などが上位にランクインした。30位以内に入っているのはこれだけだが、上伊那の市町村はどこを見てもさほど大差はない。
日本は長寿国世界一の座を競っている。都道府県別でも長野県は男性1位、女性3位。しかも高齢者の医療費は全国一少ない。元気なお年寄りが多いということだ。一体何が違うのか。これだという要因があるならぜひ知りたいものだ。
生きたい竏窒ニいうのはあらゆる欲望の中で最も強いはずのものだが、お年寄りは時に「もう死にたい」などと口にする。長く生きることが必ずしも幸せとは限らないのは分かるが、できることなら気を取り直して、もっともっと長生きしてほしい。(白鳥文男) -
中沢区で発生した建物火災の消火に協力した4人に感謝状贈呈
先月29日に駒ケ根市中沢区で発生した建物火災の時、迅速な判断で、初期消火活動に協力した竹村秀子さん、竹村瞳さん(16)、野村隆さん(41)、西沢良典さん(53)の4人に25日、伊南行政組合消防本部北消防署の宮下孝署長から感謝状が贈呈された=写真。
火災が発生したのは29日の午後9時20分ころ。異変に最初に気付いたのは近所に住む竹村さん親子だった。
母親の秀子さんは通報した後、状況確認のため娘の瞳さんを現場に向かわせ、自宅にあったバケツなどに水を入れて現場へ。また、瞳さんも自宅にあった消火器2本を持って現場へ向かい、途中通りかかったタクシーを止め、乗っていた野村さん、西沢さんに協力を求めた。 野村さん、西沢さんは消防団に入っていた時の経験を生かし、煙の充満した室内で燃えていた畳を野外に搬出。火災の拡大を防止した。
結果、消防隊が到着した時にはすでに鎮圧状態だったという。
宮下署長は「このたびのみな様には早期発見、初期消火に努めていただいた。今後も地域の消防のため、さらに協力をいただければ」と語った。
最初に現場を確認した瞳さん(16)は「びっくりしたが、当時は消すことだけを考えていた」と当時の様子を語った。また、母親の秀子さんは「会社などで消火訓練をしたことはあったが、実際の火災は初めて。私たち二人では心配だったが、心強いタクシー運転手さんとお客さんが駆けつけてくれて良かった」と話していた。 -
【記者室】講演に学ぶ
写真家・新村洋子さんの講演を聞いた。写真展のために少数民族の撮影に訪れたベトナム。象がベトナムにいることを知らなかった新村さんは、カメラの向こうに偶然目撃した象との出会いをきっかけに、ベトナムで象と暮らす人々の写真を撮り続けるようになったという▼象や象使いの写真だけでなく野生の象を調教する貴重な映像、象の捕獲が禁止される以前に広い森の中で「象が獲れた」などの合図のため使われた角笛の音楽なども記録している▼情熱を傾け追い求めるものに出会えたことをうらやましく思うが、新村さんはただ手をこまねいていたわけではない。とにかく積極的。自らの力で出会いを引き寄せたのだろう。生き方を学ばせていただいた講演だった。(村上裕子)
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第18回伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委 - 候補地から六道原東、六道原西、三峰川・天竜川合流 点、下小出、与地、福島を除外 -
上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の建設場所を決定する伊那市の用地選定委員会(伊藤精晤委員長)が24日、市役所であった。前回の決定に基づき、点数評価項目のうち、環境保全項目で点数が低い六道原東、六道原西、三峰川・天竜川合流点、下小出、の4カ所と、建設関連項目の点数が低い与地、福島を候補地から除外(下小出は建設関連項目でも除外対象だった)。残った7カ所を視察し、建設地としての適正を再度確認した結果「総合点が1位だからという理由のみで最終候補地には決め兼ねる」とする伊藤委員長の意見に合意し、現在の7地点からさらに数カ所まで候補地を絞り込み、最終的には全委員の記名投票で1地点を決定することとなった。最終決定は5月9日となる見込み。
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この日事務局は、これまでに同委員会で決定した点数評価項目に基づき、各候補地の点数を提示。また、建設関連項目と環境保全項目を合わせた「総合点」の順位も示した=2面参照。
委員会では前回の決定に従い、環境保全項目で点数の低い4地点、建設関連項目で点数の低い3地点を候補地から除外。その後、今回除外されなかった7カ所が、本当に候補地として適当なのかを判断するため、再度視察した。
視察に参加した委員からは「残った7カ所はそれなりの適地だが、総合点が上位だった地点はやはり引っかかる点も少ない」として、総合点で順位が高かった桜井、上山田などを有力候補地として挙げる委員が多く、上山田については「候補地の中に遊休農地も含まれており、地元の熱意も感じる。その辺を評価できないかと考えている」とする意見もあった。
一方、候補地にすべきでないという意見が多かったのは青島。「絶滅危惧(ぐ)種の猛禽(もうきん)類が飛来する林が近くにあり、避けるべき」などといった声も多かった。
次回、28日の委員会で候補地の絞込みを行い、5月9日に委員投票を行う。 -
食生活改善推進協議会上伊那支部総会
県食生活改善推進協議会上伊那支部(六波羅弘美支部長)は23日、定期総会を伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。会員約150人が出席し、08年度事業計画・予算案などを承認した。08年度は県が示した食育推進計画、地産地消推進計画の内容を考慮しながら講習会、料理教室などを通じて健康的な食生活の普及を図っていくほか、牛乳や郷土料理の普及促進などにも取り組んでいく。
六波羅支部長は「今年設立40周年を迎える。ひたすらボランティアとして積み重ねてきたこれまでの努力に感謝する。これを機に活動の根元を見詰め直してみよう」と呼び掛けた=写真。
特別講演として山崎宗広伊那保健所長が「食の視点から生活習慣病を考える」と題して食と健康の関係について講演した。 -
宮田村戦没者慰霊祭
宮田村の戦没者慰霊祭は24日、村民会館で開いた。村社会福祉協議会が催行し、太平洋戦争で家族を失った遺族や関係者約100人が参列。平和と命の尊さをかみしめ、悲惨な歴史は風化させないと改めて英霊に誓った。
村遺族会の春日要会長はあいさつで「不戦を誓ったはずが、風化の一途をたどっている。若い世代には死をいとも簡単に考えるような事件などもおきている」と語った。
「悲惨な戦争の歴史を語り継いでいくことも我々遺族の使命。若い人たちに受け継がなければ」と訴えた。
清水靖夫村長、山浦正弘社協会長らも「恒久平和の実現が我々の責務」と慰霊の言葉を寄せ、参加者全員で献花した。 -
駒ケ根市の子育てサークル「おでかけママップ」がおでかけママップ完成
子どもを連れて、まちを歩いてもらおう竏窒ニ、駒ケ根市の子育てサークル「おでかけママップ」はこのほど、子連れでも気軽に訪れることのできる店や公共施設、遊び場、病院のほか、子育て支援情報などをまとめた「おでかけママップ」の第3版を作成した=写真。代表の横山昌美さん(34)は「かばんに入るサイズにこだわった。『子どもがいるから』と遠慮するのではなく、地域に出て、地域の人や同じ子ども連れのお母さんと出会うきっかけにしていただければ」と話す。
マップの更新は4年ぶり。子どもが生まれるとなかなか外へ出て行けなくなってしまうという実情があるということを受け、マップの作成を始めた。
今回は市内で活動する子育てサークルの協力を得て、1年間かけて編集。病院のコーナーでは、施設紹介のほか、「お医者さんからの一言」の欄を設け、子どもと病院にかかるときのポイントなどを掲載した。また、今回は各コーナーごと、地図を織り込むことで見やすくまとめた。
マップは今後、市の新生児訪問の時に各家庭に1冊ずつ届けるほか、希望者に1冊100円で提供する。
問い合わせは市教育委員会こども課(TEL83・2111)へ。 -
村遺族会が戦没者招魂碑を清掃
宮田村遺族会(春日要会長)は18日、武道館横の戦没者をまつった招魂碑周辺の清掃美化作業を行った。国のために命を落とした英霊をなぐさめ、不戦と平和の誓いを新たにした。
24日に行う戦没者慰霊祭を前に、会員約20人が参加して実施。雨が降るなか、周辺の草刈りや植木のせん定なども行った。
平和を実感しながら黙々と作業。悲惨な歴史を2度と繰り返さぬよう、祈りもこめた。 -
【警察功労で瑞宝単光章受章 内山寿さん】
危険性の高い警察業務に長年従事して多くの功労を重ねたとして今月、瑞宝単光章を受章する。
篠ノ井町(現長野市篠ノ井)で7人きょうだいの末っ子に生まれ、5歳で父を亡くした。
「苦労したせいもあって、世のため、人のために役に立つことをしたい竏窒ニ警察官を志した」
20歳で警察官となり、松本署を振り出しに県内各地で勤務。主に刑事畑を歩んだ。
若い時は暴力団員に短刀を突きつけられたことなどもあったが、経験を重ねるにつれ、だんだんと度胸がついてきた。
「昔は今と違って刑事にはなりたくてもなかなかなれなかったもんだ。普通は10年以上の経験が必要だったし、上司が適性を認めてくれなければ駄目だった。それだけに、仕事は大変だったな」
賭博の現場に踏み込んで修羅場になったこと、日米安保闘争の警備に駆り出され、国会議事堂の地下室でごろ寝したこと、温泉街ではけんかや泥棒が絶えず、土、日曜日も祭日もなく捜査に駆けずり回ったこと竏秩B
「今思えば懐かしいような気もするが、当時は死に物狂いでただ懸命にやっていた」
岡谷署勤務だった時のこと。走って来る1台のバイクを見て、特に何が不審というわけではなかったが何となく気になり、その場で止めて職務質問した。
「荷台にあったバッグを調べると、中にはひもで縛った5、6本の瓶があった。これが何と火炎瓶だったんだ。時刻は午後2時30分ごろ。閉店間際の銀行に押し入るつもりで店を狙っていたんだよ。どうして止めたか自分でもよく分からんが、とにかく未然に防ぐことができて本当によかった」
戦後の食糧難から食料統制が続いていたころにはこんなことも。停止を命じた2台のトラックが止まらずに走り去ってしまった。駅前のタクシーをつかまえ、勘で行方を探したが姿は見えず。あきらめかけたころ、塩尻峠の登り坂でようやく発見。タクシーで追い越し、細い道をふさいで停車させた。
「積荷を調べたら、30キロ入りの米袋が荷台にぎっしり。数えたら200袋以上もあった。闇米だよ」
◇ ◇
39年務めて60歳で定年退職。その間の所属長、本部長表彰は84回を数える。退職後は中南信運転免許センターで11年間法規の講師。現在は伊那市交通安全指導員会長を務めている。7期目。
「長年苦労してきたが、少しは人のためになったという自負もある。どんな道でもそうだろうが情熱、勇気、辛抱が大事だ。せっかく得た経験だから、世のために生かしていきたいね」
(白鳥文男) -
高遠でチューリップ3千株が見ごろ
伊那市高遠町下山田の高遠浄化センター近くで、チューリップ3千株が見ごろを迎えた。赤、白、黄の3種が色鮮やかに咲き、西に望む残雪の中央アルプスに映える。30日ごろまで楽しめる。
チューリップの栽培は旧高遠町から続き、10年以上。伊那市振興公社職員が昨年11月、面積4縲・アールの畑にチューリップの球根を植えた。春先の天候が暖かく、昨年より1週間ほど早く開花したという。
色ごとに配色し、大きな花びらが風にゆらゆらと揺れる。
自動車を止め、写真を撮るドライバーの姿も見られる。 -
日韓女性団体がそば打ちで交流
文化交流と観光で伊那市を訪れている韓国ソウル市の女性団体の10人が23日、今月末から来月にかけて訪韓する伊那市の女性団体とそば打ち体験をするなどして交流を楽しんだ。伊那市の女性団体は、韓国の南原(ナムウォン)市を舞台に展開する古典的純愛物語にちなんだ「春香祭」(5月1縲・日)を見学に韓国を訪れる民間の使節団(竹中則子団長、16人)など約30人。両国の参加者は伊那市西箕輪のみはらしファーム内「名人亭」で対面し、和やかな雰囲気の中でそば打ちに取り組んだ。指南役を務めた伊那市そば打ち名人の会・小林史麿会長は「そばは伊那が発祥の地。おいしいそばを打って味わってほしい」と話し、身振り手振りを交えて丁寧に指導。韓国の女性らは初めて体験するそば打ちを珍しがり、笑顔を見せながら楽しそうにそばと格闘していた=写真。
韓国の女性団体はそば打ちに先立って伊那市役所を訪れ、小坂樫男市長にあいさつしたほか、そば打ち後には高遠まで足を伸ばして高遠公園や勝間のシダレザクラを堪能した。 -
結いと絆、協働で拓く「担い手育成塾」、開塾へ
「結いと絆(きずな)、協働と自立」をモットーに、新しい形のふる里づくりを進めるNPО「信州養命の里」(松村俊彦理事長)は、伊那谷の豊かな山林、農地を守り、持続可能な地域づくりに必要な人材、仲間づくりを目的に「担い手育成塾」を5月開講する。
都会の団塊世代にも呼びかけ、ともに支え合い、共鳴し合える塾生を募り、交流を深めながら楽しく学ぶ。元信州大学農学部教授の島崎洋路さん(島崎山林研修所長)を塾長に、信大教授、KОA森林塾といった企業、NPО、行政などの分野で活躍する講師を迎える。
塾は3年間を予定。初年度は5月10日、中川村文化センターで開講し、09年3月まで全9回。講演や講習会、現地体験視察を組み込み、最終の第9回は学習のまとめ、シンポジウムをする。会場は村文化センター、信大、KОA森林塾や、第8回は東京・中央区役所を計画する。
松村理事長は「地域づくりは人づくり。3年から5年かけて、農山村活性化と新しいまちづくりのリーダーが育てば」と期待する。
現在、第1期生を募集している。受講無料。詳細は「養命の里プロジェクト」(TEL88・2452)へ。 -
北から南から、山野草の花だより
「ショウジョウバカマの珍しい花が咲いた」「色も形も多彩に、30種類のイカリソウがきれい」と北から、南から続々と山野草の花便りが届いた。春は山野草の季節、上伊那で最も早く春が来る中川村葛島の知久清子さん宅の庭では種から育てたトガクシショウマ、薄紫のシラネアオイ、ツバメオモト、ヒゴスミレなどが彩る。飯島町親町の亀山ちず子さん宅では、30種類余の色も形も多彩なイカリソウが咲き、イチリンソウ、ニリンソウ、カナダゲシも白い花を付けた。
標高900メートル伊那スキーリゾート西南に位置するヒノキオ山野草園(飯島隼人園主)にも遅い春が訪れ、自生のショウジョウバカマ、カタクリも咲きはじめた。同じ郡内でも季節の進み方に2週間の差が出る3カ所の山野草の庭を見せていただいた。(大口国江)
◇水琴窟がある風雅な庭園に育つ百数10種類の山野草たち、中川村葛島、知久清子さん
温暖な気候で雪の少ない葛島でも、寒さで凍みあがらないように、カラマツの落葉で地表をおおい、保護している。夏の西陽は山野草の大敵、竹の垣根を巡らし日除けもした。肥料は堆肥とシバを混ぜて、寝かせて、完熟させて使っているとか。
「土いじりが好き、けなげで一生懸命咲く姿に魅了される」と知久さん。
◇数百種類の山野草が早春から晩秋まで彩る。飯島町親町、亀山ちず子さん
約50種類のイカリソウ、10数種類のカラマツソウ、7種類のハッカクレン、赤、白の山シャクヤクなど種類の多さに驚く。
早春の節分草、福寿草から、秋のホトトギス、シュウメイギクと、丹精込めた庭ではほぼ1年中、山野草の花が見られる。
」
◇雑木林に囲まれた1500坪の山野草園、伊那市西春近ヒノキオ山野草園、飯島隼人園主
県内自生種を中心に150種を栽培する。遅い春を待ちかねたように、ユキワリソウ、ショウジョウバカマ、イワウチワ、白と紫のキクザキイチゲ、カタクリなどが次々と咲き始めた。まもなく、幻の山野草といわれるトガクシショウマ、シラネアオイ、クロユリも咲き出す。
「今年はショウジョウバカマの珍種が1株だけ咲いた。白花でオシベが長く、上品な花、ぜひ見に来て」と飯島さん。
なお、飯島さんが会長を務める信州伊那野草会の山野草展は、5月17、18日伊那スキーリゾートで行う。多くの来場を呼び掛けている。 -
【叙勲】旭単・土地改良事業功労 有賀正さん(75)
80年前から上伊那北部の農地を潤してきた西天竜用水は「命の水」竏秩B同用水を維持管理する上伊那郡西天竜土地改良区の職員として40年以上携わってきた功績が評価された。昨年秋、20年余務めた理事長を勇退。「肩の荷も下りたが、これからは先人が築いた水路をわが子たちに伝えていかねば」
自然のありがたみを大切にしなければと1961(昭和36)年、西天竜土地改良区の職員に就いた。71年からは3期連続で村議会議員、86年には村消防団長を務めるなど2足のわらじを履きながら地元に貢献。87年からは同土地改良区理事長として、各種事業に尽力してきた。
78年には岡谷市内の取水口から伊那市に至る西天竜地区幹線導水路設置の全面改修に着手し、18年間で総事業費40億円の大事業の推進に努力。2001年には老朽化が進んでいた宮所サイホン(辰野町)の改修に取り組むなど、独自の発想、リーダーシップ力で事業を展開してきた。
天竜川から取水した水を岡谷市川岸から伊那市小沢までの26キロにわたり運び、伊那市、辰野・箕輪町、南箕輪村の計1180ヘクタールの水田を潤す同用水。「これからは命の水の大切さを再確認し、農業を守り育て、自然と共存しながら郷土を守ることが求められている」
趣味は野球、釣り、「自然の土を踏むこと」など。上伊那農業高校卒。妻、長男夫婦と孫2人の6人で暮らす。南箕輪村南殿。 -
あっぷる豚ラーメンが登場
駒ケ根市上穂南にあるラーメン店「麺匠・がむしゃら」(斎藤敬一店主)で23日、駒ケ根市の新ブラント豚「あっぷる豚」を使ったあっぷる豚ラーメン」の発売を開始した=写真。ラーメンを考案した斎藤店主は「味も若い方からお年寄りの方まで、男女問わず食べていただけると思う。価格的には厳しいが、なるべく多くの人に食べてもらえるようぎりぎりまで抑えた。この味を知ってもらいたい」と語る。
「あっぷる豚」は地元に根付いたおいしい食材を提供しよう竏窒ニ、「駒ケ根高原リゾートリンクス」を経営するフジケン(本社・愛知県岡崎市、牧甫社長)が昨年から開発を進めてきた豚で、肉質に定評のある「幻豚」を生産するハヤシファーム(飯田市)に生産を依頼。穀物類を中心として育てた豚に、生後4カ月ころからリンゴを混ぜたえさを与えることで、臭みのないフルーティーな甘味を持った豚肉を開発した。
そんな中、もともと幻豚に関心を持っていた斎藤さんとフジケンが、今回共通の知人を通じて出会い、今回のあっぷる豚ラーメンが実現。試作には約2カ月を費やした。
チャーシューはもちろん、豚骨のだしにもあっぷる豚の骨を使用。臭みのないとんこつラーメンに仕上がった。また、一番こだわったのはコクを出しつつもさっぱり感を出すこと。チャーシューは肉質の良さをそのまま生かしてしょうゆベース煮込み、トッピングにはねぎ、卵、クラゲ、アクセントの黒こしょうを添えている。
この日、あっぷる豚ラーメンを食べた客は「あれだけ油が浮いていたわりに、さっぱりしていて食べやすかった」と話していた。
価格は1500円で1日限定20食。
問い合わせは麺匠がむしゃら(TEL83・1301)へ。 -
夏日…伊那の最高気温25・1度
高気圧に覆われ、青空が広がった22日、伊那市の最高気温は25・1度と夏日を記録した。暑い1日で、半そで姿で歩く人が目についた。
4月中に夏日になることは、それほど珍しいことではないそうだが、「こんなに暑くなるとは思わなかった」と長そでをまくり上げたり、「あなたは、日焼け防止対策はしなくていいの?」と日傘を差し、長そでを着込む女性も。
長野気象台によると、23日も高気圧に覆われて晴れるが、日本海に低気圧が進むため、夕方から雲が広がる。 -
昭和伊南総合病院の充実を求める会が要望書提出
伊南地区の住民でつくる「昭和伊南総合病院の充実を求める会」(林奉文代表)が22日、杉本幸治駒ケ根市長のもとを訪れ、昭和伊南病院の救命救急センター存続、院内助産院の早期実施などを求める8事項を示した要望書を提出し、一つひとつの事項についての市長の見解、今後の方針について懇談した=写真。
救命救急センター機能の存続については「救命救急がなくなることで医師のモチベーションが下がり、患者も昭和伊南への信頼を寄せなくなること」と指摘。
これに対し杉本市長は「市としても、昭和伊南の救命救急センターの位置付けを守っていきたい。しかし、整形の常勤医師がいない現状にあり、いかにして医師確保が課題。この病院のよさを伝える中で医師確保につなげていきたい」とした。
また、院内助産所に関しては、「出産の7割は正常分娩。ぜひ伊那中央病院と連携する中で、昭和伊南では助産師が正常分娩を扱うという風にできないか」との意見も出たが、「病院で助産所を設置する場合、万が一のケースに備えるためにもやはり常勤の医師がいないとできない。常勤医師がいない現状では、院内助産所は無理」と説明し、医師確保が最重要課題であることを改めて示した。
懇談を終え、林代表は「努力の姿勢は見えるが、簡単に進められる問題でないだけになかなか難しい。なるべく情報提供してもらい、病院、行政、住民が連携して対応していかなければならないと感じている」と話していた。 -
琴伝流大正琴全国普及会がギネス記録を報告
今月13日に静岡県のグランシップの大ホールで開催した第23回琴伝流全国大会で、2864人による大正琴の一斉演奏に挑戦し、見事ギネス記録を更新した駒ケ根市福岡の琴伝流大正琴全国普及会の北林篤副会長が21日、杉本幸治市長のもとを訪れ、英国から送られてきたばかりの認定書を披露した=写真。
琴伝流は大正琴の世界で全国2大流派の一つとなっている。今回は日本一の高さを誇る富士山のある静岡県で全国大会を開くことになり、何か記録に挑戦しよう竏窒ニ、大正琴の一斉演奏のギネス更新企画。当初は富士山の高さ3776メートルにちなみ、この人数で演奏ができないかと画策したが、会場の都合から、3千人以内で記録更新を目指すことになり、各地で活動する琴伝流の教室に呼びかけたほか、一般からの参加も公募。結果、これまでの1034人を1830人上回る人員が集まった。
ギネス認定を受けるには▽5分以上演奏すること▽必ず指揮者をつけること竏窒ネどが条件とだったため、スクリーンに映した指揮者を写し、「茶摘」「さくらさくら」など童謡4曲のメドレーを6分12秒にわたって演奏。その場でギネス認定を受けることができた。
北林副会長は「当日はベテランから初心者まで、顔も知らない人とともに音楽を奏で、達成感を共有した。それは舞台の上で演奏する普段とは異なり、参加した方にも大変良い経験になったと思います」と話していた。 -
飯島町慈福院の第27回北街道延命地蔵尊祭り開催
飯島町七久保地区北街道区(67戸、野原正明総代)は20日、「第27回北街道延命地蔵尊祭り」を集会所「ハーモナイス」で開いた。家族連れなど、多くの住民が集まり、祭りを祝うとともに多彩な催しを楽しんだ。
祭りはこれまで延命地蔵尊が安置されている慈福院の境内で行われてきた。しかし、天候を気にせず多くの住民に参加してもらえるようにと、04年から室内で行うようになり、地元の保育園児や小学生、趣味のクラブなどがそれぞれに催しを披露するようになった。
最初のステージでは、七久保保育園の野原聖太君、倉家将君、那須野歩香ちゃんが、この日のために練習してきた「どうぶつ体操」を披露=写真。かわいらしい踊りに大人も子どもも笑顔を見せ、会場からはおひねりが投げられた。
野原総代(63)は「地区としては一番大きな行事。普段はあまり接点がない小さい子どもとお年寄りもこういう機会には交流できると思うので、多くの人に来て、気楽に楽しんでいってほしい」と話していた。 -
伊那中央病院防災訓練
万一の火災発生に備えて伊那市の伊那中央病院(小川秋実院長)は21日、08年度前期防災訓練を行った。病棟の3階にある屋外テラスのごみ箱から出火した竏窒ニの想定で訓練開始。消火班の職員が消火器を持って駆け付け、初期消火に当たるが消火できず…。本部長を務める芝伸彦副院長の指示で防火扉を閉める一方、自力で動けない入院患者を病室の窓から数人がかりで抱えて運び出したり、逃げる途中に転倒し、頭を打って意識不明となった職員を臨時救護所に搬送して救急処置をする訓練などが行われた=写真。
いざという時に臨機応変に対応するため、多くの職員には訓練スケジュールなどが示されなかったこともあり「どうすればいいの」と戸惑う職員の姿も見られた。
終了後の講評で小川院長は「今回は本部長を副院長に任せて現場を見させてもらった。反省点を参考にして、よりよい防災体制に生かしていきたい」と述べた。訓練を見守っていた伊那消防署員は「あたふたしていた。全員が防災マニュアルを知っていないと自分が何をすればいいのか分からず、指示を待っていることになる。次回に生かしてほしい」と述べた。
後期訓練は11月実施の予定。 -
行者にんにくを使って料理実習 村研究会など
南箕輪村の「行者にんにく研究会」(小林幸雄会長)と、農と食の大切さを考え活動する「輪の会」(木村歌子会長)は23日、村公民館調理室で行者にんにくを使った料理実習を開いた。両会員計10人に加え地元住民4人が参加し、調理を通じて同食材について学んだ。
料理実習は、行者にんにくに注目してもらうため、村内の生産者でつくる同研究会が「輪の会」に協力を呼び掛け、初めて計画。今が旬となる葉っぱの部分を使い、餃子(ぎょうざ)作りを体験した。
このほか、葉は豚肉炒めや、酢味噌和えにしたり、根はてんぷらにしたりして食べることができると紹介。食材に興味があって参加したという主婦(50)=神子柴=は「ニラの代用で料理ができそう。この機会にどういう食べ方ができるか学びたい」と話した。
研究会によると、ユリ課ネギ属の多年草の山菜である行者にんにくは、山で修行する行者がスタミナ源として食したのが名前の由来。繁殖力は弱く、発芽から生育するまで7、8年を要する。食べると血行をよくする働きがあるという。
調理するため行者にんにくの葉を刻む参加者(右) -
第1回みのわ祭り実行委員会
箕輪町のみのわ祭り実行委員会が21日夜、町役場であり、08年みのわ祭りについて話し合った。会長は、みのわ祭り検討委員会の会長を務めた唐沢修一さんが就任。検討委員会で提言された会場や日程を承認した。
みのわ祭りについては、07年の反省会であった「20年の節目を迎え、祭りを検討する時期にきている」「祭りは仕事のようで負担。上から言われて役員がやる祭りがこれ以上続くなら、やめたほうがよい」などの意見から、検討委員会(各種団体の代表や中学生含む公募委員ら32人)を立ち上げ、昨年11月から2月にかけて、運営方法などを検討。運営を担う実行員会は、行政主体から民間主体への移行を目指し「行政、民間の半々で構成し、会長は民間とする」ことを提言した。
08年みのわ祭り実行委員会は検討委員会の提言に基づき、公募による委員の募集や検討委員会メンバーから参加者を募り、構成。町の行政や民間団体、サークルなどに所属する26人が現在名を連ねている。今後、さらに実行委員会参加を呼び掛け拡充を図る方針。
第1回の実行委員会で承認した日時は、例年通り7月の最終土曜日で、7月26日。会場は国道153号バイパス(十沢交差点縲恂・輪町交番入口交差点)とバイパスから天竜公園へと続く道、バイパスの隣りを平行して走る工専道路。
ポスター図案などの募集方法は、昨年一般公募し、集まった点数が少なかったことを考慮し、「デザインを委託し、数点の候補から選ぶようにしてはどうか」「作品1点に絞らず、小学生などに書いてもらった作品をすべて張るのはどうか」などの意見が出た。
今回は、小学生から一般まで公募することに決定。賞金の代わりに図書券などの賞品に変更となった。唐沢会長は「小学校などに足を運び、協力を呼びかけたい」とした。
また、納涼花火大会の協賛金についても協議。協賛金は商工会役員を中心に事業者を回り集金してきたが、集金の負担が大きく、協賛金のあり方について検討委員会から実行委員会での検討が提言された。1戸500円で全戸から集めている市町村もある竏窒フ意見も検討会では出ていた。
実行委員会は他市町村の協賛金の集め方などを参考に、今後検討していく。
第2回の実行委員会は5月12日、午後7時から町役場で予定。 -
上伊那郡民生児童委員総会
辰野町、箕輪町、南箕輪村、宮田村、中川村、飯島町の民生・児童委員による上伊那郡民生児童委員協議会は22日、上伊那郡民生児童委員総会を箕輪町文化センターで開いた。
加藤寿一郎会長は「最近は高齢化が進み、一人暮しの高齢者や高齢者家庭からの相談も増えてきている。また住民のニーズも多様化してきている。私たちの基本的な姿勢は社会的奉仕の精神、基本的人権の尊重、職務場の地位の政治的中立、この三つをしっかり踏まえ活動していきたい」とあいさつ。
式典では9年勤続表彰があり、上伊那地方事務所の宮坂正巳所長から受賞者に表彰状が渡された。
受賞者代表の辰野町の三浦薫子さんは「これからも民生委員信条の隣人愛を持って社会福祉の増進に努めるという気持ちを持ち、日々過ごしていきたい」とあいさつした。
式典後には、長野県看護大学の北山秋雄教授が「児童・高齢者への虐待について 現状と課題」と題して講演した。 -
南箕輪村交通安全協会定期総会
2008年度南箕輪村交通安全協会定期総会は23日夜、村役場講堂であり、会員ら約80人が出席し、本年度の事業計画など5議案を承認した。役員改選では会長に飯島英之さん、副会長に清水貴男さん、会計に増沢宮雄さんを再任するなどした。
本年度は「交差点と交差点付近及び生活道路の事故防止」を村の重点事項とし、事故防止のための啓もう活動や環境整備に取り組むことを確認。飯島会長は再任のあいさつで、「1つでも村内の交通事故がなくなるよう誠心誠意、努力したい」と決意を述べた。
交通安全運動の重点としては、▽高齢者の交通事故防止▽飲酒運転の根絶▽シートベルト・チャイルドシート着用の徹底▽夕暮れ時と夜間の交通事故防止▽自転車安全利用の推進竏窒フ5つを上げた。
07年、村の交通事故発生状況は物損事故376件(前年比32件減)、人身事故100件(同20件増)、死者0人(同2人減)、けが人118人(同20人増)だった。
役員改選で自己紹介する新役員のみなさん -
南箕輪村消防団長 松沢武夫さん(53)
「今まで宮島団長の下で副団長を4年間やってきた。今まで学んできたことを自分が団長としてやっていかねばという自覚がある。団員の命を預かる身として、災害現場の中で事故を起こさないよう、幹部の人たちや行政と一緒になってやっていきたい」
村消防団に入団したのは20代前半で、地元田畑の第3分団1部の団員としてスタート。その後は中学時代に取り組んだブラスバンドの経験を生かそうと、先輩に誘われて本部ラッパ隊に所属し、ラッパ長まで務めた。35歳で一時退団し、4年前、49歳で副団長として復帰。そして、本年度4月、団長の職を任された。
一家の二男だったため、本来なら消防団に入団することはできなかったかもしれない竏秩B当時は団員確保がそれほど困難ではなかったため、1家族から1人が入団すればよかった。しかし、21歳の年、入団を予定していた人がキャンセルしたため自分に声が掛かり、入団することを決めたという。
「もともと消防団には、地域との密着力という魅力を感じていたので、入団するきっかけができてうれしかった。密着力は現代社会の方がよりいっそう消防団には大切なことだと思う。人とのつながりの中で、みんなが住んでいることを忘れてはいけない」
同時多発の大規模災害が起きたときなど、消防団は地域住民の生命、財産を守る、身近で頼れる存在であってほしいと願う。
「全国的に消防団の人員確保が課題となっている。『お酒を飲む人たちの集まり』『早朝の訓練が大変だ』など、新入団員の勧誘のときに断られてしまうことがあるが、大切なのは、自分たちの地域は自分たちで守りたいという気持ち」
昨年度からは、地域にある信州大学農学部の学生が入団し始めるなど、個人の防災意識の高まりを感じている。「在学中の短い期間だけだが、消防団の役割を理解し、一緒に活動できることがうれしい。団での経験を地元に帰ってから生かしてくれれば」
「各分団で定数割れしてしまっている状態。消防団の考えをもっと地域に浸透させていかねば。災害が起きてからではなく、いざというときは自分たちで守っていかねばという意識を持ってほしい」
田畑で鉄工所を経営する。趣味はスキー。23歳くらいから本格的に取り組み、現在は指導員の資格を持つ。南箕輪村スキークラブ会長として、スキーの魅力を地域に広めている。
(布袋宏之)