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みのわ少年少女合唱団がみのわ園訪問
箕輪町子どもセンターの「みのわ少年少女合唱団」は18日、三日町にある特別養護老人ホームみのわ園を訪れ、1カ月早い敬老の祝いに歌を贈った。
昨年に続き2回目の訪問。団長の箕輪中学校1年の日野亮子さんが、「歌を通してご一緒に楽しく過ごさせていただくことをうれしく思う」とあいさつ。団員14人が「翼をください」「すてきな友達」「世界が一つになるまで」の3曲を熱唱した。30人余の入所者は、澄んだ歌声に耳を傾け、拍手を送った。
団員が入所者の間に立って一緒に「七つの子」「うみ」を歌ったり、指遊びをしながら「かたつむり」を歌うなど交流もはかり、最後は皆で「ふるさと」を歌い、和やかに過ごした。 -
ガールスカウト長野第26団が和歌山県支部第10団と交流
伊那市、南箕輪村の小学生から高校生まででつくるガールスカウト長野第26団(木部則子団委員長)が18日、伊那市の国立信州高遠青少年自然の家を訪れている和歌山県支部第10団(平井侑子団委員長)と交流をした=写真。
和歌山県支部第10団が高遠青少年自然の家を訪れるのは2回目。前回訪れたのは冬だったため、夏の訪問は初めて。保育園の年長園児から高校生まで30人が16日から泊まり同施設に込んでいる。
今回は、地元のガールスカウトとの交流を通してこの地域に対する理解を更に深めよう竏窒ニ、長野第26団に話を持ちかけ、交流会が実現した。
双方のスカウトらは、初めに自己紹介や簡単なゲームをした後、「お国自慢」と題してそれぞれの地域のことを紹介。伊那まつりのドラゴン踊りを披露した26団に対し、10団は江戸時代に世界で初めて麻酔を使った乳がん手術を行った和歌山県を代表する外科医、華岡青洲をペープサートで紹介し、交流を深めるとともにそれぞれの地域への思いをはせていた。 -
三峰川釣り天国開催
昔の姿を取り戻した三峰川に親しんでもらおう竏窒ニ18日、小中学生を対象とした「第2回三峰川釣り天国」が伊那市の三峰川青島河原であった。約100人の小中学生が集まり、ニジマス300匹を放流した川で釣りに挑戦。夏の暑さを忘れて川に親しんだ。
市民団体の三峰川みらい会議(織井秀夫代表)が昨年から始めた小中学生を対象とした釣り教室。昨年12月から県営高遠ダムの維持放流が始まり、水の減少していた三峰川も本来の姿を取り戻しつつあるということで、子どもたちにも昔のようにもっと川と親しんでもらうおうと水生生物調査と同時開催した。 開始の合図とともに子どもたちはえさのついた針を一斉に川の中へ投入。しかし、午後になり水温が上がった影響で魚がえさを食べなくなっており、なかなか魚は釣れず、周囲の大人も「もっと竿をあげなきゃ」などとアドバイスしていた。
その後、連れ残った魚を使ってつかみ取り体験も行われた。
織井代表は「子どもたちにはこうした取り組みを通じて自然というものに対して敏感になってほしい」と話していた。
釣り天国は26日もある。 -
まほら伊那地球元気村が10周年
伊那市の鳩吹公園で18日、10周年を迎えた野外イベント「まほら伊那地球元気村」(実行委員会主催)が始まった。県内外から120人が参加し、MTBツーリング、そば打ちなど18の野外教室メニューをそれぞれ楽しんだ。19日まで。
地球元気村は1泊2日のキャンプを基本に、自然の中で思い切り遊び、自然の大切さや人とのかかわりなどを感じてもらうねらい。地元をはじめ、静岡県、大阪府、九州などから家族連れを中心に集まった。
初めての和太鼓教室では、保育士でつくる太鼓グループ「美舞打」が太鼓の基本やオリジナル曲「濁中花(だっちゅうか)」を参加者5人に指導。曲の流れを口伝えで教え、子どもらはばちを握り、振りもまねしながら夢中になって太鼓をたたいた。
木工教室は子供用のベンチ作り。
市内美篶の橋爪健太郎君(12)は「のこぎりで板を切るときに線からずれたけど、まぁまぁうまくいった。家で使いたい」と親子で協力し合いながら、電動ドリルや金づちなどを使って仕上げた。
夜には、ウクレレのミニコンサートがあった。
有賀嗣宣実行委員長(33)は「イベントは人と人とのつながりが魅力。リピーターも多く、これからも続けていきたい」と話した。
19日は、初回から続いているすがれ追いをはじめ、ウクレレ教室、トウモロコシ収穫体験などがある。定員いっぱいの教室を除き、当日参加を受け付ける。入村料は大人3千円、小学生以下1500円、3歳以下無料。 -
旧井沢家住宅で七絵会のちぎり絵展
伊那市伊那部の旧井沢家住宅で20日まで、
県老人大学の修了生らでつくる七絵会(中村早恵子代表)のちぎり絵展が開かれている。風景画や花、人物などをモチーフとした和紙のちぎり絵約30点が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
中村さんの教室による作品展は3年目。3つの教室が交代で作品発表をしており、今回はその一つ、七絵会がこれまでに作りためた作品を出展。中村さんの手掛けた大作「駒ヶ根高原の夜」も並んでいる。
同教室では、花びらの微妙な色の違いや木々の葉っぱの重なりなどを裂く紙の厚さで表現しており、いずれの作品も1枚の紙から作られる微妙なグラデーションが、それぞれの作品に表情と奥行きを作り出している。
出展者の一人、小田原志ず江さん(76)は「一枚の紙の濃淡でつくる表現を見ていただければ」と話していた。
入場無料。午前9時縲恁゚後5時。 -
フェスティバルin与田切,07」にぎわう
飯島町観光協会主催の「フェスティバルin与田切,07」は18日、残暑厳しい与田切公園でにぎやかに開かれた。
会場には小鳥の巣箱を作る木工教室、竹串パン、竹とんばやトンボ玉づくり、紙ヒコーキ大会など昔の遊びやゲーム、各種体験などが目白押し。
与田切川をせき止めて作った池には、20センチから50センチ以上のニジマスが700匹放流され、子どもは夢中になって、大物を狙ってつかみ取りをした。捕まえたニジマスはその場で焼き、熱々をほおばった。
高所作業車の搭乗体験では、子どもたちは12メートルの上空から公園を見下ろし、遊覧車気分を味わった。
飲食コーナーでは五平もちやカレー、馬ロッケちゃん、かき氷などが販売され、来場者の食欲を満たした。
野外ステージではフルートのさわやかな音色を赤松林に響かせた。 -
駒ケ根市民チャンピオン「大きなワラビ」
駒ケ根市の何でもナンバーワンを決める市民チャンピオンの「大きなワラビ」部門で、上赤須の自営業遠藤正治さん(52)方に自生するワラビの1本が、昨年遠藤さん方で認定された57センチの記録を大きく上回る120センチで認定された。遠藤さんは「元はアルストロメリアやニラを栽培していた畑だが、3年前ほどからワラビが自然に増えてきた。以前の肥料が利いているのかもしれない」と話している=写真。
遠藤さんは「背の高いプルーン」などで合計6つの市民チャンピオンを保持している。 -
小林剛追悼展 写真仲間たちがしのんで企画
身近な花を題材としたマクロ写真で見る人を魅了した、伊那市西箕輪の農業小林剛さんが本年1月、56歳で亡くなったのをしのび、小林さんが所属した写真愛好者グループ「なんじゃもんじゃ」が17日、同市立伊那図書館1階の広域情報コーナーで追悼展を始めた。温厚だった小林さんの人柄が表れた作品20点が並んだ。入場無料。26日まで。
サックスやドラム、フルートなどを演奏し、仲間とともにバンド活動を続けていた小林さんは15年ほど前、新しい表現方法を求めて写真を学び始めたという。被写体の多くは、アジサイ、アカツメクサ、ゲンノショウコなどの草花。肺ガンで体が不自由だった晩年は、自宅周辺で撮影した写真を自分でデジタル加工し、プリントしていたという。
「あまり自分のことを多く語らない人だったが一本、芯が通った人だった」竏窒ニいう小林さん。自分に妥協しない性格でメキメキと写真の腕を上達させた。カメラ雑誌に投稿した写真は、数多く上位入賞を果した。小林さんは生前、「接写をやると、普段とは違った見方で花を見ることが出来ておもしろい」と話していたという。
昨年9月下旬に市駅前ビルいなっせであったグループ展が地元で最後の作品展となった。「あれが最後になるとは思わなかった」「どの写真も小林さんの心の優しさが表われていた」などと、故人との別れを惜しむ声は多い。
音楽活動でも活躍した小林さん。本年2月には、約40人の音楽仲間が集まり、追悼ライブを開いた。小林さんの等身大の遺影を囲み、生演奏は5時間にも及んだという。小林さんと同じバンドでベースを担当した西尾宏人さん(37)=同市西箕輪=は「一緒に同じステージに立っている不思議な感覚だった。気さくで、みんなに慕われていた人だった」と振り返る。
追悼展に並んだデジタル加工の写真「マリーゴールド」は、小林さんのお気に入りの一つだった。中学生時代から知り合いで、同追悼展を企画した一人のアンクルさん=箕輪町=は「私も好きな写真で、彼の病室にも飾られていた」。「作品を通じて小林君の・ス心・スを見てほしい」と来場を呼び掛けている。
20日は休館日。午前10時縲恁゚後7時。
小林さんが好きだったデジタル加工写真の「マリーゴールド」 -
猛暑に涼を求めて、宮田村でも連日35度以上に
猛暑で宮田村役場に設置してある温度計も連日35度以上を記録。村内では涼を求める光景が各所でみられた。
15日は最高気温が37・2度に。16日に続いて17日も午後3時半に36・2度まで上昇し、熱中症も気にかかる・ス酷暑・スが続いている。
町二区の仲なかふれあいセンターの駐車場には、7月末から簡易プールが設置してあるが、この厳しい暑さに親子づれに人気。
若い母親らは「家にいても暑いだけ。ここに来れば、みんなとふれあえるし」と、水遊びする我が子の姿に目を細めた。 -
成人式で宮田中吹奏楽部が演奏
宮田村の成人式は15日に宮田中学校で開いたが、アトラクションで新成人の後輩にあたる同校吹奏楽部の生徒たちが演奏を披露した。
校歌やサザンオールスターズの「TSUNAMI」など多彩な5曲。
映画「パイレーツオブカリビアン」のテーマ曲も盛り込んだが、勇ましく迫力ある演奏で新成人の・ス船出・スを祝った。
後輩の心温まるステージに、新成人は大きな拍手で応えていた。 -
榛原県道花の会が信州ふるさとの道ふれあい事業にかかる協定を締結
伊那市東春近の榛原県道花の会(伊藤忠朗代表、会員103人)と、伊那市、伊那建設事務所はこのほど、「信州ふるさとの道ふれあい事業(アダプトシステム)」にかかる協定を締結した。
アダプトシステムは道路環境の向上や住民同士の交流促進を目的とする制度。美化活動などにボランティアで取り組む団体に対して県が清掃用具や材料などを支給し、市町村が清掃活動などで生じたごみを処分することで団体の活動を支援する。
今回協定を結んだ榛原県道花の会は本年度発足したボランティア団体。96年から榛原バス停の前後約800メートルの花壇の維持管理や歩道の美化活動に努めてきた組織が母体となっているおり、99年には伊那市の花づくり大賞の最優秀賞を受賞している。
これで伊那建設事務所管内では13団体が同協定を締結していることになった。 -
長谷浦の「山の家」で東京の子どもたちが1週間泊まり込みで自然を学ぶ
伊那市長谷の浦にある「山の家」で16日から、東京少年少女センター(神代洋一会長)の中学生約15人が、1週間の泊まり込みでじかの自然に触れながらの体験学習に取り組んでいる。
東京少年少女センターは、東京に住む子どもたちの仲間づくりや異年齢間でのつながりづくりなどを促すための活動を展開しているNPOで、青空教室の開催、雪祭りなどさまざまなイベントを企画している。
中学生を対象とする「夏の学校」は、大学生や夏の学校の卒業生らが教師となり、自然をふんだんに取り入れた集団学習を行うもので、もともと浦の分校があったあと地を活用して毎年開催している。今年は「水」をテーマに、川遊びなどを行う予定で、期間中の食事は基本的に子どもたちが自炊して用意する。こうした取り組みを通じて、子どもたちは学ぶことの喜びを知り、本当の仲間を作って帰って行くという。
目的地に到着した中学生たちは、互いに自己紹介をしながら、これから始まる生活への期待を語っていた。 -
「いなっせ」で中高生が勉強の追い込み
夏休み終盤を迎えた中学・高校生らが、伊那市駅前ビルいなっせで、勉強の追い込みに入っている=写真。臨時の学習コーナーを含めて全約70席が連日いっぱいの状態で、生徒たちが熱心に励む。
下校後も利用できるように36席の学習室が常設されているものの、学校が夏休みに入ってからは満席が続き、5階の臨時コーナーも開放された。利用しているのは伊那中学校や伊那弥生ケ丘高校、伊那北高校などの地元の中高生が中心。空調の効いた環境の良さなどに人気があり、午前8時半の開場前から廊下に列をつくる。
「家にいると、ついテレビとか見ちゃうけど、ここなら大丈夫」「静かなので、はかどります」と生徒たち。休み明けのテストに向けて参考書や教科書を開き、根気良く問題に取り組む。 -
早乙女勝元講演会
第19回平和のための信州・戦争展が開かれている駒ケ根市の総合文化センターで最終日の16日、作家で東京大空襲・戦災資料センター初代館長の早乙女勝元さんの講演会「いのちと平和の尊さを」が開かれた。早乙女さんは「10万人が死んだといわれる東京大空襲の夜を生き延びたが、終戦を実感したのは、灯火管制がなくなって明るい電灯の下で家族で食卓を囲んだ時だ。平和って明るいんだ、と思った」と話した上で平和憲法について「今の日本にはえたいの知れぬ胸騒ぎを感じる。戦後62年で最大の分かれ道に差しかかっているが、道を誤らないために憲法改正を許してはならない」と強く訴えかけた=写真。
聴衆は真剣な表情で早乙女さんをじっと見詰め、時折深くうなずいたりしながら話に耳を傾けていた。 -
大人の一歩に母校で給食を、宮田村成人式は中学校で
宮田村の成人式は15日開き、・ス母校・スで人生の節目を祝おうと今年も宮田中学校を会場にした。昼食会は給食を再現。旧友や恩師と語らい、大人の一歩を踏み出した。
新成人114人のうち76人が出席。式典終了後にランチルームに集まり、全員で協力して配膳するなど、給食の時間を再現した。
村内で採れた野菜を使ったサラダなど、地元味覚ふんだんのメニュー。
人気の高かったソフト麺、牛乳に入れる粉末のミルメークも用意され、新成人は懐かしの味に舌鼓を打った。
中学校時代の写真もスライドで上映。会食しながら、思い出話にも花も咲かせた。
中学校での成人式は4年目で、式典で清水靖夫村長は「社会の一員として自覚を持ち力強く歩んで」と激励。
新成人代表の清水郁應さん=町二区=は「宮田の地で仲間とともに学んだことを思い出し、夢に向っていきたい」とあいさつした。 -
【記者室】新成人の態度
上伊那のいくつかの市町村で成人式があった。駒ケ根市の式を取材した折、新成人の態度はどうだろうかと意地悪い目でじっくりと観察してみたが、式典中、大声でしゃべる人も携帯電話を操作する人もなく、立派な態度だった。祝辞の途中に居眠りする人が数人いたのはご愛きょうだ▼数年前、全国のあちこちで新成人が会場で騒ぐなどのトラブルが起きて社会問題化したことがあったが、幸いにして最近はあまり聞かない。出席者が・ス大人・スになったのだろうか▼式本来の目的を忘れて同窓会と化しているのだからもうやめたら竏窒ネどの批判もあるが、成人の節目を意識するこれほどの機会はほかにない。内容にひと工夫欲しい気もするが、続けていく意義は十分ある。(白鳥文男)
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駒ケ根市内各地で盆踊り
お盆中の14日夜、駒ケ根市内のそれぞれの地区では各区分館主催の盆踊り大会がにぎやかに催された。
北割二区の盆踊り大会は宮澤印刷の駐車場にやぐらやテントを設置した特設会場で開かれた。景気づけに勇壮な和太鼓が演奏されてにぎやかに踊りがスタート=写真。集まった区民らはやぐらの周りで輪になって踊ったりじゃんけん大会や花火に歓声を上げたりして、夜のふけるのも忘れて夏の一夜を楽しんだ。
会場では焼きそば、かき氷、スイカ、焼きトウモロコシ、わたあめなどが無料で振る舞われ、訪れた親子連れが何度もお代わりを繰り返していた。 -
駒ケ根市成人式
駒ケ根市の成人式が15日、市文化会館で開かれた。今年度新たに成人を迎えた466人(男性222、女性244)のうち273人が出席し、人生の節目を祝った。新成人代表の宮脇惇さん=町三=は「成人になって飲酒、喫煙が可能になるが、飲酒運転は絶対にせず、たばこは周りの迷惑にならないようマナーを守りたい。社会人としての自覚を持ち、ルールを守って生活していきたい」と謝辞を述べた。中原正純市長は「人生を築く上で成人は大きな節目。変化の激しい時代だからこそ『温故知新』を大切にしてほしい。若い感性を生かして大きな志を抱き、学びの心と向上心をもって研さん、精進することを期待する」と力強く激励した。
式典後には中学校の恩師らによるビデオメッセージが上映され、新成人は久しぶりに見る懐かしい顔と楽しい語り掛けに歓声を上げていた。
アトラクションとして、式に先立ち駒ケ根太鼓が、式典後に市民吹奏楽団がそれぞれ演奏を披露。新成人は素晴らしい演奏に大きな拍手を送っていた。 -
【伝える】東伊那の登戸研究所跡
子どもたちの無邪気な歓声が明るく響く駒ケ根市の東伊那小学校グラウンド。その西側に接する急斜面を少し下った木立ちの中に高さ2メートル、幅1・5メートルほどの横穴がぽっかりと暗い口を開けている。
太平洋戦争末期に、旧陸軍の登戸研究所が薬品などの貯蔵庫として使ったとみられる壕(ごう)の跡だ。
入口は2つ。穴は5メートルほどの間隔で隣り合っているが、水平に延びる2本のトンネルは土の中で結ばれておらず、それぞれ独立している。内部の総延長は20メートルほどらしいが、天井や壁がくずれかかって危険なため正確に確認はできない。土地所有者の湯沢梅次郎さん(71)=東伊那栗林=は当時小学校1年生だった。
「子どものころ穴に入ってみたことがあったが、内部も入口とほぼ同じ大きさのトンネルでけっこう広かった。中には薬品を置くための棚が並んでいたと思う。入口は今は土がむき出しだが、当時はしっかりした材木で囲ってあったな」
登戸研究所は毒薬、細菌、風船爆弾などの特殊兵器の研究、開発、製造を行っていた陸軍の一部門。米軍による爆撃を避けるため、1945(昭和20年)3月に神奈川県川崎市の登戸から中沢村(現駒ケ根市中沢)や伊那村(同東伊那)など上伊那南部に疎開してきた。研究部門の本部は中沢国民学校(現中沢小学校)に置かれたらしい。湯沢さん宅も接収され、上級将校の宿舎に充てられた。研究員だった伴繁雄技術少佐も滞在していたという(伴少佐は戦後『陸軍登戸研究所の真実』を出版し、軍極秘事項として多くの謎に包まれたままだった研究所の内幕を公表して話題を呼んだ)。湯沢さん方の敷地内には壕のほか工場棟も建設されたが、本格稼動の前に終戦を迎え、直ちに撤去された。
湯沢さんは「跡には何も残らなかった。だがその後すぐ、東伊那の小学生がどこかの倉庫に忍び込み、中にあったチョコレートを食べて体の具合を悪くしたという話を聞いた。どうも研究所の試作品だったということだ。幸い死ぬようなことはなかったらしいがね」と話す。
壕(ごう)は戦後長くそのままの状態で残っていた。しかし、小学校グラウンドのすぐ下ということもあり、子どもたちが度々探検と称して入り込んだ。湯沢さんは周囲の土が粘土質で軟らかいことから崩落の危険を感じ、立ち入り禁止の札を立てたり、入口にバリケードを作って入れないようにしたが、相手は子ども。あまり効果はなかった。最近になっていよいよ横穴の天井部分が陥没を始め、いつ全体が崩れ落ちるか分からない状態となったため、遂に埋め戻しを決意。現在工事に入っている。
湯沢さんは言う。「貴重な歴史の遺産としての価値を考えると残念な気もするが、子どもたちの安全には代えられない」
工事は9月中にも完了する予定だ。穴は跡形もなくなり、ここに登戸研究所の施設があった証拠は完全に失われる。研究所で使われていた備品なども終戦直後にすべて処分されたため、手がかりとなる物はほかに何もない。ただ一つだけ、倉庫で使われていた木製の薬品棚が湯沢さん宅の物置に残っているだけだ。 -
箕輪町成人式
07年度箕輪町成人式は15日、町文化センターであった。新成人約200人が出席し、大人としての自覚を胸に新たな人生の節目を祝い、懐かしい友や恩師との再会を喜んだ。
新成人の有志で組織する成人式実行委員会による式で、対象は339人(男性176人、女性163人)。みのわ太鼓の祝太鼓演奏で開幕した。
実行委員長の中林秀二さんは、「成人式を区切りに自分自身はもちろん地域を守る立場に変わる。さまざまな権利を与えられるようになり、義務、責任も負わないといけない。義務をまっとうし、権利の意味をはき違えないように、強さと誇りをもって歩いていく」とあいさつした。
新成人を代表して唐沢真義さん、有賀多恵さんが意見発表した。
平沢豊満町長は、「成人として出発する今、積極的、建設的姿勢で悔いのない人生を送ってほしい。社会人としての義務と責務をしっかりかみ締め、世界に通用する日本人として活躍されることを願う」と祝いの言葉を送った。
式後は記念撮影し、町民体育館で立食パーティーがあった。 -
飲酒運転撲滅へ
交通少年団が新成人に呼びかけ箕輪町内の小学5、6年生有志で組織する町交通少年団(団長・小林交石町交通安全協会長)は15日、成人式があった町文化センターで、新成人に「飲酒運転をしないでください」と呼びかけた。
飲酒運転撲滅を願い、毎年恒例の活動。団員11人が参加した。
式を終え、立食パーティーに向かう新成人に、啓発グッズとしてクーラーバッグを手渡し、交通マナーを守るよう大きな声で呼びかけた。新成人は「ありがとう」と笑顔で受け取っていた。 -
上伊那で成人式
上伊那の伊那市、駒ケ根市、辰野町、箕輪町、飯島町、宮田村で15日、それぞれ成人式があった。首長らが新成人にエールを送ったほか、市町村ごとに学校給食の再現、恩師からのビデオメッセージ、吹奏楽や太鼓演奏などが盛り込まれ、20歳の節目を祝った。
会場には開始時刻前から、和服や浴衣、スーツ、ジーパンなどの姿で新成人が続々と集まり、友人と再会を喜び、近況を話したり、写真を撮ったりする光景が目立った。
◇ ◇
伊那市成人式は、伊那地域の新成人817人(男390人、女427人)のうち、6割の520人が出席した。
式辞に立った小坂市長は「若さと希望に満ちた皆さん。世界に目を向け、生きがいを見いだしてほしい」と未来に向かって羽ばたくことを期待。62回目の終戦記念日に当たり「被爆国として戦争の悲惨さを自覚し、平和を望む」と述べた。
新成人代表の大学生小池真人さん(21)=上の原出身・愛知県在住=は「家族や地域などに支えられてきたが、これからは社会を創造する役割を担っていく。逆境を乗り越え、一歩一歩自分の道を歩んでいきたい」と決意を述べた。
そのほか、小出太鼓の迫力ある祝太鼓や万歳三唱、新成人が自由に歓談できるトーキング・タイムなどもあり、今回初めて新成人が司会を務めた。
記念品には音楽ギフト券を贈った。
◇ ◇
伊那市は、伊那地域の成人者を対象に、成人式に関するアンケートを取った。アンケート結果を参考に、08年度中に時期や開催方法などを方向づける。
成人式は、合併協議で合併後3年間、旧市町村単位(伊那8月15日、高遠町1月2日、長谷1月1日)で開かれるが、その後、どうするかは検討課題になっている。
設問は選択方式で▽開催方法は市全体か、分散か▽時期は正月、成人の日、成人の日前日の日曜日、8月15日▽式の内容は式典のみ、式典と記念撮影、式典とアトラクション竏窒ネど6項目。
出席者にアンケート用紙を配り、式典終了後、回収箱に入れてもらった。
来年1月、高遠町・長谷の成人式でも同様のアンケートを取る。 -
かんてんぱぱでとちの木オープン
伊那市西春近にあるかんてんぱぱガーデン山野草園内にこのほど、そば処「栃の木」がオープンし、訪れる観光客らに憩いの時間を提供している。
もともとアジサイ小屋として開放していた建物に、客席と調理室を設置し、4月下旬から営業を開始した「栃の木」。趣味が講じて、本格的にそばを打つようになった有賀利夫さん(59)が朝早くからそばを打っている。そば粉はすべて地粉を使っており、香りを十分に引き出すために石うすで粗挽きにしているほか、二八より若干そば粉の割合が多い「外そば」とすることで、香りとコシの両方を楽しめるようになっている。
盛りそばのほか、カモ肉の入った「きのこつけそば」などの人気も高く、訪れた観光客らはアカマツ林の涼しさとともに、打ちたてそばの触感と香りを楽しんでいる。
有賀さんは「『おいしいそばになりますように』と思いを込めて打っている。ぜひ一度足を運んでいただければ」と話していた。
営業時間は午前11時縲恁゚後3時(そばが無くなり次第終了)。水曜日が定休となる。 -
食の安全・安心モニターの勉強会
長野県食の安全・安心モニターの勉強会が10日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。上伊那地区でモニターに選ばれた主婦や栄養士会関係者などに委嘱状が手渡され、同制度の概要や食品に関する法律のポイントなどを学んだ=写真。
同制度は食の安全・安心に関心の高い人に食品衛生監視などを体験してもらう中で、安全・安心に関する意見を募ったり情報交換をすることを目的とするもの。
この日は公募によって選ばれたモニター12人が集まり、モニター活動での注意点や食の安全に関する主な法規などを学習。
参加者らは「今は農薬に関する規制が厳しくなってはいるが、中には出荷直前に使っても良いと表記されているものもある。そういう消毒はどうなっているのか」などといった日ごろから感じていた疑問を投げかけ、理解を深めていた。 -
大芝高原に祭りムード盛り上げる提灯
南箕輪村で25日にある第22回大芝高原まつりに向け、祭り会場となる大芝高原内の大芝湖周辺に、祭りを盛り上げる提灯が飾り付けられた。
大芝湖西側の通路沿いと、おまつりステージの会場になる湖や愛の鐘周辺を取り囲むように、赤、青、緑、黄色などカラフルな提灯が並んでいる。
祭りは午前10時に湖上ステージで開会式。今年は新たに「縁台将棋」を加えた19イベントを計画している。 -
第2回三峰川自然再生地区観察会
三峰川みらい会議(織井秀夫代表)は11日、国土交通省が実施した「自然再生事業」の現場、伊那市美篶青島の三峰川河川敷で、06年4月の事業完了後の河川の変化を観察する集まりを開いた。観察は2回目。会員や一般住民ら約15人が集まり、以前に種をまいた在来植物の成育状態などを見た。
在来植物を増やそう竏窒ニ、昨年10月に地域住民らで、同河川の在来種カワラニガナ、カワラサイコ、カワラヨモギの3種類の種をまいた場所を観察。カワラヨモギの成育状態は順調だったが、繁殖力の弱い残りの2種は「これから根を伸ばしていけば大きくなる」とし、成長を見守ることにした。
そのほか、河川内に繁茂する木の伐採や河床整備などの同事業について、国土交通省の委託で施行後の追跡調査をしているコンサルタント会社の関係者が説明。参加者とともに河川敷を歩き、外来植物が多く進出している現状なども一緒に確認した。
在来植物の種をまいた場所で成育状態を観察する参加者 -
駒ケ根市民チャンピオン「背の高いユリ」
駒ケ根市の何でもナンバー1を決める市民チャンピオンに13日、背の高いユリが初めて認定された。ユリは中沢のデイサービスセンター竜東やまびこ園(吉沢みはる園長)の庭に育った物で、高さは2メートル70センチ。96年の記録を10センチ上回った。同園の庭に咲く花々の手入れをしている職員の塩沢正己さんは「場所が建物の西側で、一日中日が当たらないのが良いのかもしれない。特別な肥料を与えるなどの手入れは何もしていないが、土がユリに合っているのかな」と話している=写真。
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信州戦争展
第19回平和のための信州戦争展が16日まで駒ケ根市の文化センターで開かれている。太平洋戦争の現実を伝えるパネルや写真、当時の軍服や戦死者の遺書など、多くの資料を展示している=写真。写真家高橋邦典さんの作品展も併せて開かれているほか、イラク戦争の展示などもある。
14日の証言コーナーでは体験者3人が戦争の悲惨さを来場者に語り掛けた。1945(昭和20)年3月の東京大空襲を経験した松崎岩夫さんは「B29の焼夷弾爆撃で東京の東半分が火の海。道路や川に裸の死体がごろごろしていた。体の焼けるにおいが充満してしいたが、気がおかしくなっていたのか、悲惨さはそれほど感じなかった」と当時の体験を生々しく語った。
実行委員長の清水久志さんは、特に戦争を知らない世代に来てもらい、日本と世界のために何ができるか考える機会にしてほしい竏窒ニしている。
15、16日にも戦争体験者3人による証言が行われるほか、16日午前10時からは作家で東京大空襲・戦災資料センター初代館長の早乙女勝元さんによる講演「いのちの平和の尊さを」が大ホールで開かれる。
午前10時縲恁゚後5時。入場料は大人300円、高校生以下無料。 -
伊那部町で骨董市
伊那市西町区の伊那部町納涼祭に合わせ、骨董市が14、15日、地区内の旧井澤家住宅で開いている。古陶器、古民具、古銭、掛軸など約1500点が並ぶ。15日は、伊那部集会所周辺で納涼祭がある。同納涼祭実行委員会の主催。
骨董市は、同地区の納涼祭と秋の文化祭に合わせ年2回あり、今回で15回目。上伊那を中心とした5社が出品し、多く人が雰囲気のある日本家屋内で買い物を楽しんでいる=写真。関係者によると、瀬戸物やガラス食器など、手ごろな品の売れ行きがよいという。
納涼祭のカラオケ大会では、プロ演歌歌手の条かおりさんの出演を予定している。そのほか、伊那弥生ヶ丘高校の吹奏楽部による演奏、輪投げやヨーヨー釣りなどのゲームなどの催しを企画。豚汁、ビール、ジュースなどの無料コーナーもある。
15日の骨董市は午前9時縲恁゚後6時。納涼祭は午後3時縲恁゚後8時。雨天決行。 -
小沢区の子どもたちが五十数年ぶりに振り万灯で先祖の霊を迎える
伊那市小沢区で13日夜、お盆の伝統行事「振り万灯」があった。地域の小学生など約20人と保護者、地域のお年寄りなどが下小沢橋の上に集まり、子どもたちが振り万灯に挑戦=写真。大きな火の玉の迫力に戸惑いながらも果敢に縄を回し、先祖の霊を迎えた。
同地区では今年、地区の伝統文化を子どもたちに引き継いでいくことなどを目的として、五十数年ぶりに振り万灯を復活。13日の夜に「迎え火」として振ることとなった。
始めに万灯を振ったことのあるお年寄りたちが万灯の振り方を説明。子どもたちは最初、大きな円を描いて回る火の玉に驚き、尻込みしていたが、「大丈夫」「やってみな」などいう声に誘われて恐る恐る挑戦。麦が弾ける「パチパチ」という音とともに幻想的な火の輪が浮かび上がり、ギャラリーからは「すごい」と声が挙がった。
上手に回せて一安心した子どもたちは親のもとに駆け寄り、「恐かったけど面白かった」と話していた。
地元のお年寄りたちは「昔はもっとたくさん並んでやっていたから、麦の音もすごくて迫力があった」「まあ1年目だからこんなもの。段々とやって、続けていくってもんだら」と笑顔を見せた。