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埋め立て処分場問題「完全勝利」で環境を守る会が解散
民間業者が宮田村内で計画した産業廃棄物埋め立て処分場問題で、村民挙げて反対運動を展開した「宮田の環境を守る会」(小田切敏明会長)は1日、計画のあった南割区の山林を昨年11月に村が公売で取得したことを受けて解散した。法廷闘争に発展し、この日を迎えるまで10年の歳月。「本当に長かったが村民が一致団結し、完全勝利を果たせた」と喜びを分かちあった。
村内全区長、農協、消防団、そして村職員ら約40人が集まった役員会で、小田切会長は「既に埋められていたヘドロを見た時、さらに捨てらなくて良かったと実感した。2度とこんなことがあってはならない」と喜びをかみしめ口にした。
1996年9月に、民間業者が処分場を建設していることが判明。水道水源に近いことから、村あげての運動に発展し、村内ほぼ全ての組織が参画するなかで「環境を守る会」は発足した。
村は97年に建設差し止めの仮処分を地裁伊那支部に申請。13回に及ぶ審尋を繰り返し、2001年3月に仮処分が決まり、事実上計画は中止になった。
その後業者は税金滞納により、長野市に山林を差し押さえられ、同市が昨年11月に公売を実施。宮田村は300万円で取得した。
「行政の条例整備も進み、今では里山に処分場をつくることは困難。当時に比べて、住民のゴミに関する意識も高まっており、所期の目的は達成した」と小田切会長は解散の理由を説明し、全会一致で承認した。 -
村職員給与の労使交渉
宮田村職員の給与について1日、村理事者と同職員労働組合による労使交渉があった。人事院勧告の給与体系が大幅に見直されていることもあり、労組側は将来的な見通し、考え方も含めて提示するよう要求。村長が導入を示唆している人事評価制度については、不合理にならないよう求めた。再交渉するが日程は未定。
交渉は村長、助役と同労組執行部の間で行なわれた。
同労組の小林敏雄委員長は本紙取材に対し「給与を削るとしたら、その効果が見えなければ底無しになる。村民の皆さんも納得する行財政運営を示してほしい」と指摘し、給与に限らず将来を見通した計画の確立が必要との認識を示した。
評価制度導入については「国も制度の効果が十分ではないと示しており、検討を要する。不合理にならないよう、組合との協議などフォローできる体制が必要」と話した。 -
宮田小で半日入学
宮田村の宮田小学校は2日、新年度入学児を対象に半日入学を行なった。春から同校に通う園児たちが1年生と交流。絆を深めながら、学校生活に対する期待や夢を一層ふくらませた。
村内3つの保育園のほか、村外の幼稚園に通っている年長園児も参加。1年の各学級に分かれて、歌や遊びなどを楽しんだ。
1年4組は西保育園の園児を迎え、手作りしたカルタや福笑いなどでおもてなし。
お兄さん、お姉さんらしく、リードしながら、楽しい学校生活の様子を伝えた。
他の各クラスも、歌ったり、手をつないでゲームを楽しんだりと多彩。別れの時が近づくと、児童たちは「あたたかくなった4月には元気に入学してください」と園児に言葉をかけていた。 -
箕輪町特別職報酬
現報酬額の減額幅縮小の答申箕輪町特別職報酬等審議会の北沢喜恵治会長と原幸喜職務代理は2日、平沢豊満町長が諮問した06年度の特別職等の報酬について、05年度減額率を一律2%緩和する答申をした。町長は「答申を尊重したい」と答えた。
答申は、給料月額に対し町長23%(前年度25%)、助役13%(15%)、教育長13%(15%)、町議会議員3%(5%)相当額の減額。改正時期は06年4月1日。
審議会は、平沢町政3年間の徹底した行財政改革で歳出削減の努力による歳出を抑制していること、町の税収が回復のきざしを見せていること、県内同規模の町に比べ町の特別職の減額幅が突出していること-を挙げ、「町長の意志を尊重しつつ、現報酬額の減額幅を若干縮小することが現実的」との視点で答申内容を決めた。
答申に基づき減額した場合、06年度の特別職報酬の年額(期末・寒冷手当含む)と月額は町長1155万4800円(月額63万9100円)、助役1014万3500円(58万2900円)、教育長805万3千円(48万8940円)、議長500万8千円(29万8760円)、副議長399万9千円(23万8620円)、委員長383万7千円(22万8920円)、議員357万7千円(21万3400円)。
審議会委員は、北沢喜恵治会長、原幸喜職務代理、桑沢文雄さん、小川ゆかりさん、金井竹重さん、宮崎幸男さん、福田英治さん、斉藤喜久子さん、竹腰佐保さん、吉崎治郎さんの10人。 -
山岳愛好団体ら12団体が風力発電事業計画中止を求める
上伊那や諏訪市、茅野市などの山岳、野鳥、環境などの12団体は2日、入笠山周辺に計画されている2つの風力発電事業計画に対し、上伊那地方事務所長らに中止要望書を提出した。
要望書に「先人たちが守り、愛してきた自然環境、広く人々に親しまれている山域を著しく壊す。未来世代へ負の遺産を残してしまうことは明らか」と記す。伊那谷での計画が認められれば、他地域でも追随すると懸念し、事業計画主体者に計画中止を指導するよう求めている。
上伊那地方事務所には、団体代表者ら5人が訪問。
「伊那山仲間」の北原功副会長が要望書を読み上げ、山岳地帯に大規模な風力発電が建設された場合、水源汚染や森林伐採、道路造成による土砂崩落など自然環境への影響が予想されるとした。
牛越徹所長は「県の関係部局に伝え、総合的に検討したい」と述べた。
要望したのは、山岳団体、日本野鳥の会伊那支部、県自然保護連盟など12団体。上伊那地方事務所のほか、伊那市、高遠町にも出向いた。近く、諏訪地方事務所にも同様の中止要望書を提出する。
団体の入手した資料によると、三峰川電力の入笠山縲恷ュ嶺高原の尾根上延長約11キロと、青木あすなろ建設=東京都=の入笠山縲恷ナ平峠縲恚熨サの尾根上延長約15キロに、高さ100メートルほどの風車を取り付ける計画。 -
4日に権兵衛トンネル開通イベント
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルが4日午後2時、開通する。現地でのセレモニーのほか、伊那市内では開通記念イベントが繰り広げられる。
各商店街や実業団の役員でつくる商店街活性化イベント実行委員会は、商店街の活性化に結びつけようと「まちじゅう福豆・宝投げ大会」を企画。駅前再開発ビル「いなっせ」、伊那北地域活性化センター「きたっせ」を中心に開く。
福豆・宝投げ大会には福豆1500個、お宝券2108枚を用意。宝の中身は小売、飲食など175店舗から提供されたもので、18万円相当の人形をはじめ、パソコン講座の受講料割引、ラーメン無料券、1千・2千・3千円の商品券などが入っている。
木曽側からもスキー場リフト券などが寄せられる。
また、SBCラジオ「ラジオの王様」(午後零時8分縲・時49分)の中継があり、トンネル開通やみはらしファームのイベントなどを紹介する。
主な内容は次の通り。
【みはらしファーム】▽午前11時=豚汁・甘酒無料サービス、野菜・おからドーナツ・太巻き販売▽午後2時=福豆まき
【いなっせ】▽1時20分=豚汁無料サービス(先着200食)伊那中学校吹奏楽部コンサート▽2時10分=シャトレのローメンまん無料サービス(先着100人)▽3時=福豆・宝投げ大会
【きたっせ】▽午前10時=八幡町市(伊那と木曽の地酒の利き酒、豚汁無料サービス、和洋菓子・花・野菜などの販売)▽11時=子どももちつき大会▽午後1時15分=福豆・宝投げ大会▽1時半=なつかしシネマ上映会「銀座の恋の物語」 -
明るい選挙推進県大会
05年度明るい選挙推進県大会が1日、伊那市の県伊那文化会館でをあった。活動の推進状況などを確認したほか、啓発ポスターコンクールの入選者を表彰した。県選挙管理委員会など主催。
昨年9月にあった衆議院議員選挙の長野県の投票率は71・7%。前回を5・71ポイント上回り、全国7位だった。期日前投票は約25%におよび、県選挙管理委員会の松葉邦男委員長は「投票しやすい環境づくりのための諸制度が定着してきている」と振り返った。しかし、依然として投票率が低い若年層に対し、積極的な投票参加を促す必要がある竏窒ニした。
9月の衆院選で、選挙違反に伴う検挙はなかったが、警告は49件あり、個人の政治用ポスターを裏打ちしたり、法廷外宣伝物を管理者の許可なしで展示するなどしたものが多かった。全体としては、検挙・警告ともに低下した。
伊那市の唐木恵枝さんが、若い有権者を代表して大会宣言決議を読み上げ、積極的選挙参加と公平・公正な選挙の実現を訴えた。 -
かんてんぱぱ・青野恭典写真展「信州の高嶺」
伊那市西春近のかんてんぱぱホールにある青野恭典さん(67)のフォトアートギャラリーで2日、「信州の高嶺」が始まった。厳しくも美しい冬山などを写した作品を中心とした約50点が、訪れた人の目を楽しませている。
これまでは、四季を彩る花や田園風景などをとらえた作品を数多く展示してきたが、今回は八ヶ岳連峰や穂高連峰など、信州の山々を中心としている。
現在は、雪山の作品を中心に展示。雪の白さ、空の青さなどは、雪山の厳しさや緊張感をじかに伝える反面、美しさが見る人を魅了する。
モノクロ写真も数多く展示し、白と黒の世界がつくる微妙なグラデーションが、山々の鋭さ、雄大さを際立たせている。
青野さんは「モノクロの面白さを感じてほしい」と話していた。
今後は季節に合わせて一部入れ替えなどもある。
4日は午後2時から、青野さんによるギャラリートークもあり、写真解説に加え撮影技術などを聞くことができる。
入場無料。6月30日まで。 -
就職基礎能力速成講座
県は1日、就職を希望する若い世代を対象とした就職基礎能力速成講座を伊那市の伊那勤労者福祉センターで開いた。
有効求人倍率は緩やかな回復を見せつつあるものの、依然、若年層を取り巻く雇用環境は厳しく、就職できないまま学校を卒業する人も少なくない。また、「職」に対する認識不足などから、早期に離職してしまう人もおり、安定しない無職、フリーターとなる若者もいる。
そのため県は、コミュニケーション能力など就職能力を習得する講座を開講。国からの委託を受けた05年度事業で、今回は県内3カ所で開いた。
伊那地域は、8人の受講生が参加。6日間の受講を通してビジネスマナーなどの基礎的スキルを学べるようになっている。講座を終了すると、新入社員研修を受けたのと同等の能力を習得したものとして厚生労働省から証明書が発行される。
最終日には、希望者に個別カウンセリングも開かれる。 -
登下校時、不審者に声をかけられたら
高遠町の高遠小学校(宮下廣規校長)で1日、児童の登下校時における不審者の声かけを想定した防犯訓練があった。
防犯ビデオを鑑賞した後、伊那署高遠町交番の署員が不審者を装って、声かけや連れ去りの場面を実演。▽不審者の話にのらない▽防犯ベルを鳴らす▽大声で助けを求める▽近くの家に逃げ込む竏窒ネど、児童たちは真剣に不審者に遭遇した場合の対応を学んだ。
岩井智明交番所長は、「車から声を掛けられたら、車体の後部に逃げて」「すぐ防犯ベルのひもを引っ張れるように、ランドセルの横など、手に近い場所に取りつけて」などと指導した。
不審者が校内に進入した際の教職員の対応訓練もあり、さすまたを使った対処法を実践。防犯指導員や警察との連携、安全マップの作成、教職員とPTAなどで昨年結成した「高遠っ子みまもり隊」の活動内容についても意見を交わした。 -
集合型町営住宅ハイツ小原F棟が完成
高遠町が定住対策で小原地区に建設を進めていた集合型町営住宅ハイツ小原南F棟が完成し2日、関係者約20人が出席して、しゅん工式があった。
集合型は95縲・9年度、瀬戸にA、B棟、小原南にC、D、E棟を建設。6棟目のF棟(9世帯)は、鉄筋コンクリート造の三階建て。延床面積は約600平方メートル(1戸あたり62平方メートル・2LDK)。
湿気対策、遮音対策を考慮した構造で、プライバシーの確保、日当たりにも配慮し、C棟北側に隣接して建設した。建設費は1億円余。
伊東義人町長あいさつで「入居者が地域になじんで、地元住民と仲良く生活していってほしい。(伊那市・長谷村との)合併後も、高遠地域の定住対策、活性化対策として引き続き住宅建設に積極的に取り組んでいきたい」と述べた。 -
水道水を考える 環境セミナー
箕輪町の松島コミュニティーセンターで29日、環境セミナーがあった。信州大学の出前講座として、繊維学部の中本信忠教授が「安全でおいしい水道水の再確認」と題して講演。町内の環境団体員や一般町民など約70人が集まり、耳を傾けた。松島分館(有賀正信分館長)主催。
中本教授は、安全といわれる水道水でもペットボトルの水を買う人が多い。塩素臭い水道水は信用されていない竏窒ニし、薬品処理をする「急速ろ過」と生物浄化する「緩速ろ過」処理の違いについて語り、「生でおいしい水道水を飲みたいなら緩速ろ過処理にしたほうがよい」と訴えた。
中本教授によると、急速ろ過は細菌を完全に取り除けないため、塩素殺菌を必要とするが、発ガン性物質の生成が危険視される。対して緩速ろ過は、自然界で水が浄化される仕組みを人工的に再現しているため、安全な水作ることができるという。 -
【記者室】「いな」を売り出す
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルが、いよいよ4日に迫った。開通をきっかけに、伊那市内ではローメンまんや和菓子、パン、のれんなど新商品が次々と登場。他地域に向け「伊那」を売り出している▼権兵衛峠は「米の道」といわれる。トンネルで両地域を「結ぶ」ことから「おむすび」を連想し、新たなキャラクターを考えている人もいる。おもしろい発想だなと感心してしまうが、考えればいくらでも広がるという▼トンネル開通や高遠町・長谷村との合併を機に「何かできることはないか」と考えることは、改めて地域資源を見直すきっかけにもなっているようだ。「こういう取り組みが各店に伝わることで、元気なまちづくりにもつながるのではないか」と話す。(湯沢記者)
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JA上伊那地産地消地域支援事業で給食を一緒に食べる
南箕輪村小学校を3日、上伊那農業協同組合(JA上伊那)の征矢福二組合長などが訪れ、同JAが提供した上伊那産農産物を使った給食を児童らと一緒に味わった。
JA上伊那は本年度、農業や地元農産物への理解・関心を深めてもらおう竏窒ニ地産地消支援事業に取り組んでいる。小中学校への農産物の提供もその一環。今回は希望のあった管内50の小中学校に、シメジ、ネギ、卵など、上伊那として力を入れている地元農産物を提供。酪農地帯の箕輪町には、駒ヶ根高原の「すずらん牛乳」も提供する。
各学校には、JA上伊那の理事者や農業者が訪れ、給食を一緒に食べる。それにより、農産物がどのように使われているか知る意味もあるという。
この日は、シメジを使った和え物が出され、児童らは「おいしい」と味わっていた。 -
伊那市西春近北小学校6年すぎ組
伊那市の西春近北小学校6年すぎ組は昨年7月から、市内にあるデイサービスセンター「春富ふくじゅ園」の利用者と交流を深めている。
この活動は、昨年3月に卒業した6年生から引き継いだもの。
学校から施設が離れているため、訪問は1学期に1回程度だが、ふくじゅ園の壁がさみしいからと模造紙1縲・枚に季節や学校行事の絵を書いてプレゼントしている。
訪問する際は、児童たちが計画を立てる。修学旅行や音楽会など学校行事を劇にしたり、紙に書いたりして発表。また、利用者と一緒に七夕やクリスマスなどの飾りづくり、あや取りを楽しむこともある。1対1の会話では、利用者から生活の様子や昔の遊びなども聞く。校歌や唱歌「ふるさと」などを歌ったら、涙を流して喜んだ利用者もいたそうだ。
デイサービスには耳が遠かったり、体が不自由だったりする利用者もいる。児童たちは、職員から接し方やどんな話をしたらいいのかを勉強。高齢者擬似体験にも取り組み、耳せんや特殊めがねをかけて「人の声が聞き取りにくかった」「周りがよく見えなかった」などを実感した。利用者と接するときは、相手の気持ちを考え、大きい声で話すことを心がける。
「最初はどんなことをしたら喜んでくれるのか分からなくて、うまく話せなかった。今は、学校のことを話すと喜んでくれる」「おじいさん、おばあさんが喜んでくれると、こっちもうれしくなるし、やさしい気持ちになる」と児童たち。地域の人にも声をかけられるようになったという。
小川教諭は「自分から踏み出せない子もいたが、回数を重ねるうちに、自分たちで考えるようになった。交流を通し、感謝の気持ちを持つようになった」と話す。
卒業を控え、3月には最後の訪問に出向く。6年間の思い出発表や歌などを用意。児童一人ひとりがカードを作り、感謝の気持ちを込める。
利用者との交流はもう少しで終わるが、下級生に引き継ぎたいと考えている。 -
パートナーシップ南みのわ料理講習
南箕輪村の「パートナーシップ南みのわ」は28日、冬を元気に乗り越えよう-と、「正月後のカラダにやさしい料理講習」を村公民館で開いた。そばを中心にした献立で、会員皆でそば打ちに挑戦し、楽しく調理して味わった。
昨年度、会員同士の交流を兼ねた料理講習が好評で、第2弾として今年も計画した。
そば打ち講師に、この道10年という村議の清水松雄さんを迎え、3班に分かれて二八そばを打った。参加者には経験者が少なく、水回し、こねる、伸ばすなど教わり、皆で少しずつ交代しながら打った。
料理は村の栄養士、太田篤子さんが指導。おやつ感覚で味わう「そばだんご」、野菜を食べるようにユズ風味の「野菜のさっぱり漬け」を作った。 -
駒ケ根市
録音グループ目の不自由な市民のために市報、市議会だより、市民生活だより、保健だよりなどを朗読してカセットテープに録音し、市障害者センター高砂園を通じて彼らの手元に届けている。現在の会員は40縲・0歳代の女性17人。
1983年、市の広報係が市報などの情報を目の不自由な人にも知らせたい竏窒ニ朗読と録音を始めた。当初数人で始めたが人手が足りず、作業に協力してくれるボランティアを一般市民から募集した。集まったメンバーで活動を続け、2年後には「録音グループ」を結成。以来20年以上にわたって休むことなく広報の朗読を続けている。
駒ケ根市の市報は毎月2回発行。1日と15日に、新聞折り込みにより市内の家庭に届けられるが、その数日前、グループのメンバーは市の担当課に出向いて、印刷が仕上がったばかりの市報を手にする。すべての人名の読み方などを確認した上で市報を高砂園に持ち込み、その場で早速朗読・録音作業を始める。市報は通常12ページ構成。60分から90分のカセットテープに納まるが、録音にかかる時間は平均3時間だ。数人のメンバーが交代でマイクに向かって朗読し、当日中に急ぎ作業を終了。出来上がったカセットテープを人数分ダビングして発送する竏窒ニいうあわただしい流れだが、急ぐのには訳がある。一般の家庭に届くのと同じ日に障害者の手元にも届けたい竏窒ニの思いがあるからだ。「本当は時間をかけて読み込みたい。そうすればしっかり内容が理解でき、もっと聞きやすいものになるかもしれない。でも障害があるからといって普通の人より情報が遅れるということがどうしても嫌なんです」とメンバーは口をそろえる。
朗読といっても、ただ活字を読むだけではない。最近の広報はビジュアル化が進み、図表やグラフ、写真などが多くて見やすいのだが、目の見えない人にはこの説明が難しい。「決まった方法はない。読み手がそれぞれ表現を工夫して分かりやすく伝えるよう努力しています」
マッサージ師の視覚障害者が「仕事をしながら楽しく聞いています」と声をかけてくれた。メンバーにとって彼らの「ありがとう」の声が何よりの励みになるという。
「入会のきっかけはメンバーによってそれぞれ違う。でも社会の役に立ちたい、困っている人たちに奉仕したい、という気持ちが心のどこかにあったからこそ、こうして続いているんだと思います」
(白鳥文男) -
法話を聞く会
駒ケ根市のケアハウス・エーデルこまがね(福澤亘施設長)は30日、安楽寺の飯田実雄住職を招いて法話を聞く会を催した。ケアハウスとデイサービスの利用者ら約60人が集まり、浄土宗の開祖である法然上人の生い立ちや教えなどの話に耳を傾けた。
飯田住職は掲げた絵を示しながら「法然上人は父親の遺言で出家することになったが、比叡山をはじめとして修行の先々で、わずか数年で教わることがなくなってしまうほどのすばらしく頭脳明晰な人だった」などとその生涯について分かりやすく説明した=写真。お年寄りらは時折うなずいたり「ほおー」と感心した声を上げたりしながら住職の話を聞いていた。
同施設での法話は今後も定期的に行われる予定。 -
東伊那小一日入学
駒ケ根市の東伊那小学校(小川清美校長)は31日、06年度入学児の一日入学を同小で行った。保護者らが担当教諭から入学についての説明を受けている間、来入児らは1年生の教室で「先輩」たちとの交流を楽しんだ。
1年生の児童らはいすに座った来入児らと向かい合い、入学の日に教室に飾るための似顔絵を画用紙に描いた。1年生がクレヨンで懸命に顔を描いている間、手持ち無沙汰の来入児は絵をのぞきこんだり、隣りの友達と楽しそうに笑い合ったりしていた=写真。
1年生は袋に入った手作りのプレゼントを一人一人に手渡し「手紙と飛行機が入っています。入学を待っています」と呼び掛けた。来入児はこの後体育館に移動し、入学式での入場や整列などの練習をした。
06年度の同小への入学予定者は24人。 -
厄年の卒業生が東中に寄付
今年厄年を迎える駒ケ根市立東中学校の1980(昭和55)年度卒業生らでつくる「2006巳午会」(村上未来人実行委員長・78人)が同校に演台製作費として5万円を寄付した。30日、村上さんら4人が母校を訪れ、完成した演台の前で向山健一校長に目録を手渡した=写真。向山校長は「演台はどうしても欲しかった物。早速今年の卒業式で使います」と礼を述べた。
演台は同校の用務員で元大工という小松守さんが年末年始休業中に製作した。楽に移動できるようキャスターも付いている。 -
梅公園で花見イベント開催へ
宮田村民が手作りで整備し、昨年開園した同村新田区の梅公園で、4月9日に初の花見イベントが実施される運びとなった。31日に開いた村商工会村おこし事業実行委員会が計画案をまとめ、12日に正式決定する。
露店を並べ、とん汁などの提供も予定。チラシなどで村民らに幅広く参加を呼びかける考え。
梅にまつわる言い伝えが村内にあることから、同委員会主導で梅公園の整備を立案。住民ボランティアも募って作業を進め、梅の成木約30本などを植樹した。
1期工事が終わった昨年4月に「開園祭」を開いたが、イベントはそれ以来となる。 -
宮田村が福祉有償運送運営協議会を設置
黙認されてきた非営利目的による移動困難者の移送サービスが新年度から国の許可が必要になることを受け、宮田村は31日、「福祉有償運送運営協議会」を設置した。運輸局へ本申請する前に、サービス提供希望団体を事前審査する。この日は、既に移送サービスを行っている村社会福祉協議会を審査し、適正であると認めた。
実費程度の利用料をとる非営利の移送サービスは全国各地にあり、国土交通省は黙認。しかし、道路運送法の自家用車有償運送禁止条項いわゆる「白タク営業の禁止」に抵触するおそれがあった。
そのため同省は新年度から、一定の条件を満たした場合は合法的に有償運送を認めるよう変更。各自治体に運営協議会を設け、申請の前段階で協議することも認定要件のひとつに盛り込んだ。
宮田村の運営協議会は、村長を会長に、ボランティア協議会、身障者福祉協議会、住民の各代表、タクシー事業者で構成。
国の指針にあわせて判断基準などを設け、運送主体については社協やNPOなど非営利団体に限定し、昇降機、ストレッチャーいずれかを備えた福祉車両の使用を義務付けた。
運送対象については介護保険に基づく「要介護者」「要支援者」、障害者、付き添い人に限定し、運行範囲は宮田村内発着とした。
村社協の移送サービスは現在19人が登録。月平均で25回ほどの利用があるが、現状はすべて通院が目的。 -
観光開発サポーター会が始動
観光ホテルなどを経営し、長期債務や施設老朽化が問題化する宮田村の第3セクター・宮田観光開発の社外モニター機関「サポーター会」が発足し、31日から実質的な話し合いに入った。多くの村民が同社経営に厳しい目を注ぐが「建設的な議論にしてきたい」と、同社再生を村の活性化にも結び付けつつ提言していく方針だ。
第三者の目で意見を寄せてほしいと、同社が村民5人をサポーターに指名。村議、役場職員、農業女性、企業経営者の顔ぶれとなった。
この日は自由に意見交換したが、同社サービスの地元密着度が希薄な点に意見が集中。
「村民の多くが観光ホテルに行ったこともなく、誤解があるかも。まずは地元に知ってもらうことが重要」と指摘が挙がった。
遠方の宿泊者に目を向けるだけでなく、村や近隣住民が気軽に利用できるサービス提供を提案。
「地元に認めてもらえれば、宣伝効果は広がるはず。村民に営業マンになってもらう気持ちで」などの意見もあった。
宴会や食事、館内施設、客室提供など、より柔軟で独自色を持ったサービス設定を求める声もあり、活発に意見を交わした。
「村が自立を進めるうえで、観光開発は重要な位置づけ。一人でも多く利用してもらえるよう協力したい」とサポート会の赤羽正リーダー。
今後は内部検討と同社職員との懇談を交互に繰り返し、観光開発側に具体的な提言をぶつけていく考え。 -
プリムラ、春を告げる報春花
ポツポツ::、やがてわっと咲く-。飯島町本郷に白く光るフレームの一群がある。その1棟千平方メートルで下平治さん(40)は春を告げる報春花、プリムラを栽培、出荷の時期を迎えている。
下平さんは早生系のプリムラ・ジュリアン1万ポット、プリムラ・ポリアンサス2万2千ポットを栽培。ジュリアンは出荷は終了し、現在、ポリアンサスの出荷が始まった。名古屋や大阪市場への出荷が中心で、七久保の道の駅「花の里いいじま」でも直売している。
作業は花が数輪開いたポットを選び、枯れ葉などを取り除き、1ケースに赤、白、青、黄色、ピンク、オレンジと24個、色をそろえて並べる。「花は見た目が大事、色の配色や草丈を考えながら、並べ方に1番気を使う。朝夕の寒暖の大きい飯島町のプリムラは色が冴え、市場評価も高い」と話していた。 -
飯島中1年の堀内舞さんが日本郵政公社総裁賞第15回国際ボランティア作文コンクールで
飯島町の飯島中学校1年生、堀内舞さん(13)=田切中平=の作文「本当の国際理解を目指して」が、第15回国際ボランティア作文コンクールで最高賞の日本郵政公社総裁賞を受賞した。全国で10人、県内では唯1人の栄誉。
同公社が国際協力に対する理解と関心を深めることを目的に募集、全国から1万2904編(県内571編)の応募があり、同校からは16点を応募、総裁賞のほか、熊谷雅子さん(1年、13)=飯島南仲町=の「物を送るには」と、下平あゆみさん(3年、15)=七久保新田=の「国際ボランティアについて」がそれぞれ郵便局長賞に選ばれた。
受賞した堀内さんは「まさか(総裁賞が)いただけるとは思ってもいなかった」と驚き「飯島小5、6年の国際理解学習で、パキスタン・ムルフン村の小学生と交流し、その体験を通して、感じたことを書いた。国際理解とは、むやみに物資を送ることでなく、相手を理解し、相手と仲良くすることと、伝えたかった」と話している。
作文では、パキスタン派遣の青年海外協力隊員の紹介で、ムルフン村の小学生と交流を深める中で「物質的には恵まれていないが、私たちよりも心は豊か。私たちが忘れかけている大切なことを守っている」と気付き「よく知りもせず、むやみに物資を送ることは、相手のことを考えての行為とはいえない」と指摘「相手の生活環境、暮らし方などが自然に分かってくると、なすべきことが自ずと見えてくるような気がします」と結んだ。 -
みなかた保育園児が養命酒第1工場を見学
中川村大草のみなかた保育園年長児12人は30日、大草北組の養命酒発祥の地、養命酒第1工場の資料館を見学した。
園児らは酒蔵を昭和50年代に改造した資料館内で、400年前、塩沢宗閑翁が旅人から製法を伝授され、養命酒を醸造するなど絵物語で歴史を学んだ。また、創業から岡谷市に移転にする51年まで醸造に使われていた桶や殺菌装置、仕込みがめ、瓶詰め機など道具や備品、看板、ポスター、パッケージなどを見て回った。
園児らは「大きいかめ、何に使うの」「なんて書いてあるの」と質問するなど、興味津々の様子だった。
中川村の産業遺産である同工場は、慶長7年、塩沢家が家業として薬酒、養命酒を醸造、1923年、法人化し、以来岡谷市に移転にするまで養命酒を製造し、その後、99年まで漬物を製造していた。現在は閉鎖し、工場も資料館も一般公開していない。 -
葛島山村広場の指定管理者募集
中川村は民間団体の能力を活用し、住民サービスの向上と経費節減を目的に、指定管理者制度を導入し、葛島山村広場の指定管理者を募集している。
山村広場はかつらの丘マレットゴルフ場、駐車場、炭焼き小屋。 募集期間は2月6日まで。指定期間は4月1日縲・9年3月31日の3年間。申請資格は必ず団体、個人は不可。任意の団体でも良い。
指定管理者は施設の利用料金を収入とし、自ら企画、事業を実施することで収入が得られる。施設の管理運営に関わる経費は指定管理者と村が協議し決める。
詳細は村振興課商工観光係(TEL88・3001) -
減農薬・減化学肥料水稲栽培試験結果報告会
南箕輪村内の有志でつくる減農薬・減化学肥料水稲栽培の研究グループは1日、05年産米の試験結果検討会を村役場で開いた。結果や食味を検討し、安心・安全を絶対条件に栽培に前向きに取り組む方向を決めた。
2年前から、特殊有機鶏ふんを使った試験栽培に取り組み、村のブランド米としての栽培も検討している。
栽培試験は、特殊有機鶏ふんの現地適応性を検証する目的で、村内の農家2人が、特殊有機鶏ふん使用の試験区、全農指定の発酵鶏ふん使用の対照区、慣行区で水稲を栽培。伊那米総合試験地運営委員会の報告では、3区とも品質的に問題はない、土壌分析はほぼ同等-などだった。
食味検討は、参加者27人が試験区、対照区、慣行区の3種類の米を試食し評価。慣行区を基準に試験区が0・59点、対照区が0・56点で「おいしい」との結果になった。
会では、「安心・安全を確認しながら試験も含めて今年も取り組みたい」とし、村内の各集落に役員1人ずつを置く組織づくりにも合意した。 -
3月下旬、産直・直売サミット開催へ
長野県内の産直市場・農産物直売所の関係者が一堂に会する、初めての「産直・直売サミット」開催の動きが進んでいる。3日午後1時30分から県伊那合同庁舎で実行委員会の設立総会を開く。
産直・直売運動の直面する問題とその果たすべき役割を考え、経験と情報を交換してネットワークを作り出すことが目的。
伊那市ますみヶ丘のグリーンファーム(小林史麿代表)を中心に南信の産直・直売関係者が呼びかけ、農業団体や加工品を製造する団体をはじめ、信州大学農学部、JA上伊那、上伊那農業改良普及センター、上伊那地方事務所農政課、県農政部、伊那市、南箕輪村も協力する。
詳細は、3日に決まるが、開催期日は農作業が始まる前の3月25竏・6日を予定。趣旨に賛同する信大農学部が会場を提供するという。交流会・宿泊は、近くの南箕輪村大芝荘。県内各地から関係者の参加を募る。
農産物直売所の運動は約20年前から始まったが、消費者の食の安全への関心の高まりの影響もあり、近年、社会的注目が集まっている。各地の直売所が売上げを延ばす一方、直売所間の競争が激しくなり、「品質保持」の名目で生産者を少数に限定する動きも始まっているという。
呼びかけた一人、グリーンファームの小林さんは「先進地ともいえる上伊那から、現在の産直・直売運動のあり方を考える流れを作り出したい」と話す。
詳しくは上伊那農業改良普及センター(電話76竏・841)まで。 -
4月 ファミリー・サポート・センター設立へ
伊那市は4月、ファミリー・サポート・センターを立ち上げる。地域で子育ての助け合いをする組織で、育児の援助をする協力会員を募集している。
サポート・センターは、子どもの一時預かりや送り迎えなどのサービスを有償で提供することで、安心して子育てができる環境を整えるもの。上伊那で初めての取り組み。市役所内にセンター事務局を設け、子どもを預ける依頼会員から申し込みを受け、協力会員に依頼する。
利用の対象は、市内に在住する生後3カ月縲・2歳の子どもを持つ人。一時預かりは、小学校の放課後に設ける学童クラブとは別に、曜日や時間帯に関係なく、必要なときに活用できる。宿泊はしない。利用料金は月縲恣y曜日午前7時縲恁゚後7時が700円、それ以外の時間帯・日曜日・祝日・年末年始が800円。きょうだいの場合、2人目から半額となる。
協力会員は、原則として自宅で保育できる心身健康な20歳以上。特別な資格は必要ないが、市が20日から開く相互援助活動事前講習会を受講することが条件。
受講希望者は15日までに、事務局の市役所福祉課児童係へ申し込む。
事故などに備え、会員になると同時に補償保険へ加入する。
問い合わせは、児童係(TEL78・4111内線141)へ。受け付けは月縲恚燉j日午前8時半縲恁゚後5時15分。