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土地明け渡し仮処分決定
飯島町田切の春日平地籍に設置された有害図書等自販機をめぐり、地権者が東京都の業者を相手に、土地明け渡し仮処分命令申請について6日、地裁伊那支部(藤井聖悟裁判官)は14日以内に土地を仮に明渡すように命令し、松村文夫弁護士を通じて、町など関係者に通知した。業者が決定送達の日から14日以内に自販機を撤去し、土地明け渡しに応じない場合は、裁判所の強制執行で撤去される。この画期的な決定は全国初。
決定通知を受け、急きょ開いた記者会見で、高坂町長は「8千人を超える署名など地権者を含めた町を挙げた反対運動の後押しで、早期に『仮処分決定』を得た。設置業者は図書の販売を主としているのではなく、撤去時の補償がねらい。土地を提供しないための住民合意や有害環境浄化の住民運動が大切。完全撤去されるように、最後まで全町的な取り組みを続けたい」と気を引き締めた。
代理人の松村弁護士は▽契約書の目的違反もしくは錯誤▽公序良俗違反▽住民の反対運動を視野に入れた解約にかかわる1項-など、判断理由を分析し「何よりも町ぐるみの反対運動が効を奏した。2カ月の苦労が実り、撤去の道を開いた」と喜んだ。
広域農道沿いの有害図書自販機設置問題は、昨年11月中旬、東京の業者から地権者に電話で「ジュースの自販機を置かせてほしい」から始まり、28日から12月末までに計5棟10台が設置された。町は生活安全対策会議や青少年問題協議会を開き、対応を協議、署名活動を展開するとともに、1月10日、地裁伊那支部に「土地明け渡し仮処分命令申請」を提出、23日、第1回審尋、2月3日、8100人(18歳以上人口の8割)の署名を裁判所に提出した。 -
天竜川流域委員会第3回会上流部会
天竜川流域委員会の第3回上流部会(鈴木徳行部会長、16人)が6日、飯島町文化館であった。治水や利水、自然環境・景観、河川利用などの各項目で課題に対する対応策を協議、河川整備のポイントをまとめた。
天竜川流域委員会は、学識経験者から長期的な河川整備について意見を聞く場として、03年2月設置。上流部会(長野県内)と下流部会(静岡、愛知県内)に分かれ、現地調査を行い、前回(昨年11月)までに現状を把握し、課題を抽出。今回は各項目ごと委員らの意見、提言をまとめた対応方針(案)について意見交換した。
洪水に対する対応方針では、流下能力の向上、堤防・護岸、点検整備のほか、「戸草ダムの建設は急務」「美和ダムだけでは洪水調節容量が少ない」などダム計画への積極的な意見が出された一方では「戸草ダムは流域住民が納得できる議論を」といった慎重論もあった。
また、過去の破堤カ所、浸水想定地域の住民への周知、合わせて土地利用制限の必要なども出された。
利水面では河川流量の確保が課題になり「ダム直下の無水区間を無くすことが利用の拡大につながる」「渇水期の対応も」などのほか、利水上の危機管理の必要性も挙げた。
ほかに▽外来植物の駆除▽れき河原の維持▽河川巡視の強化▽民間協働による安全で自然豊かな河川整備の維持など、さまざまな視点から対応策が話し合われた。
今後、出された意見をもとに、上流部の河川整備のポイントをまとめ、流域委員会に報告。流域全体で対応策を協議し、具体的に河川整備計画に反映させる。 -
戦争体験聞き、平和守る大切さ再確認
日本国憲法第2章「戦争の放棄」第9条を守る箕輪町の「9条の会みのわ」が結成1周年を記念し5日、「いま平和を考えよう竏柱尠@9条を語る会」を町産業会館で開いた。会員ら約50人が集まり、平和や戦争について語り合った。
会員ら4人が戦時中の様子などを紹介。下古田の男性(80)は「食料、衣服に恵まれた今の生活があるのは憲法9条を守ってきたからこそ。憲法が改正された場合にどんな状況になるのか肝に命じてもらい、みんなで輪を広げて憲法改正を阻止していかなければならない」と訴えた。
木下の女性(88)は「一面火の海」に染まった悲惨な戦争当時を振り返り、「再び戦争を起こしてはいけない。これは子にも孫にも語り継ぎたい。過去60年の歳月を大切にし、愛と平和の国を目指してほしい」と願った。
参加者は体験談を通して戦争について語り合い、憲法の疑問点を出し合うなどして意見を交わし、「平和を守ることの大切さ」を確認した。
同会の会員は現在約160人。年間通して展開した第9条を守る署名活動で約200人分を集めた。 -
葛岡一枝さん(74)飯島町赤坂
「生花の美しさが半永久的に色あせず、姿形もそのままに」-。現在、飯島町文化館エントランスで「早春」をテーマに「原色ドライフラワー&プリザーブドフラワー展」を開いている。15日まで。
完全乾燥させ、湿気を嫌う原色ドライフラーはガラスケース入り。ケースの中で、シンビジウムやカトレア、バラ、クリスマスローズなどが艶やかに咲き誇る。
花の色を薬剤で脱色し、好みの色に染め上げるプリザーブドフラワーは、自然界には存在しない濃茶や濃緑色、くすんだ黄色などミステリアスな花色が魅力。
1931年東京生まれ、小学校卒業と同じに縁故疎開で埼玉県新座に。機銃掃射の中をかいくぐり、防空ごうに生き埋めになるなど、命がけで府立女学校に通い、両親が教職で「これからの女性は手を職を」の言葉に従い、学芸大学に進学、卒業後は小学校教諭に。30年間勤め、定年を待たず退職。「教え子が同級会に招待してくれるのが、1番うれしい。りっぱになった教え子を見ると感無量」。退職後、カルチャースクールで原色ドライフラワーに出会い「自然乾燥のドライフラワーは色もあせ、形もクシャクシャだが、まるで生花のようだ。自由にアレンジでき、創造性豊かな作品ができる」とすっかり、のめりこんだ。
日本ドライフラワー研究会東京支部の今田赫子さんに師事、94年師範になり、前後して、永住の地を飯島町に求め、同町で教室を開いた。
原色ドライフラワーは生花をシリカゲルに2週間埋設し、ドライアップした花を取り出し、花器に見合うようにアレンジし、グラスの中に密閉する。「花が開きかけた1番良い状態の時に切り取り、すぐ加工することがボイント。1番好きなのはカトレア、作りやすいのはバラ」とか。
原色ドライフラワーは黄色と緑が退色してしまうことが最大の欠点。5年前「黄色のヒマワリ、緑の葉をドライフラワーにしたい」がきっかけで、プリザーブドフラワーを学んだ。
プリザーブドとは「保存された」という意味。特殊な溶液で、脱水、脱色させ、着色料、オーガニックなどを混ぜた薬剤を花の力によって吸い上げ特殊加工したもの。瑞々しくしなやか、花びらはソフトで、見た目はほとんど生花と変わらない。
花の里、飯島町にはバラやラン、アルストロメリアと花の生産者は多く、必要な花材には事欠かない。「Iターンで10年前から飯島町民になった。景色と空気はいい、人情厚く、花いっぱい。本当に飯島に来て良かった」と笑顔。二女と2人暮らし(大口国江) -
おはなしこんにちは
腹話術楽しむ箕輪町図書館で4日、2月の「おはなしこんにちは」があった。親子35人が集まり、絵本の読み聞かせや腹話術、手品など盛りだくさんのお話会を楽しんだ。
みのわ腹話術研究会が担当。小人が登場して子どもたちとジャンケンをしたり、腹話術お人形の話では「てんぐとはうちわ」の話を聞きながら人形のケンちゃんが「すごいね」などと相づちを打ったり。ケンちゃんの声まねをする子もいて、子どもたちは笑いながら腹話術に熱中していた。
絵本「パンツぱんくろう」「ぼくそらをさわってみたいんだ」の読み聞かせ、エプロンシアター、紙袋にハンカチを入れると花が出てくる不思議な手品も楽しんだ。 -
児童の日ごろの授業から学ぶ
伊那市の伊那小学校で4日、公開学習指導研究会があり、全国から集まった教員や学生ら約600人が、総合学習の授業を参観した。
伊那小は「内から育つ竏宙齔lひとりの子どもが自らを高めていく学びの道すじ竏秩vをテーマに、学習指導の研究を進めている。研究会は、子どもの姿や学習指導の実際を見て、教育のあり方を探ろうと、本年度で27回目。動物の飼育、育てた野菜を使った調理など、全クラスの授業を公開した。
生後9カ月と2歳9カ月のヒツジを飼育している1年山組は、2匹の体重測定の様子を公開。子ヒツジの成長が見られなかったため、エサの種類や量を考えて飼育してきた成果を発表した。
参加者たちは熱心に取り組む児童の様子を、ビデオカメラに収めたり、メモを取ったりしていた。 -
固定資産評価委員会
宮田村固定資産評価審査委員会(加藤瞳委員長)は3日、役場で開いた。村は固定資産税の最近数年間の状況を説明し、ほぼ横ばいで推移していると示した。
同委員会は固定資産の評価に関する住民からの苦情を審査するが、本年度も苦情などは1件もなかった。
村の固定資産税調定額は、5億6千万円から5億8千万円台の間で推移している。 -
1年生が全校くまなく豆まき
宮田村宮田小学校は3日、節分行事を行った。1年生が校内全教室をくまなくまわり、豆まきするのが同校の伝統。元気なかけ声で福を呼び込んだ。
5人で1組程度に分かれて各教室を巡回。他の学年は授業中だったが、突然現れて鬼退治をした。
「鬼は外、福は内」と威勢良く豆を投げる姿に、上級生も楽しげ。みんなで伝統の行事に親しんでいた。 -
手切れ金要求した暴力団員に中止命令
伊那署は3日、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反で、辰野町伊那富在住の指定暴力団住吉会住吉一家向後睦会組員(28)へ不当贈与要求行為に対する中止命令を出した。
調べによると同組員は2日、以前に交際していた上伊那郡の会社員女性(21)に対し、「30万円で手を切るヤクザがどこにいる」などと、手切れ金名目で金品の贈与を要求したもの。 -
大芝の湯にAED導入
南箕輪村開発公社が救急講習南箕輪村開発公社は、温泉や運動施設の利用者に安心・安全・快適に楽しんでいただきたい-との理念に基づき、AED(自動体外式除細動器)を購入し、大芝の湯フロントに配備した。2日、社員全員が扱えるように、フォレスト大芝で救急講習を受けた。
大芝の湯では、月平均2回以上、湯あたりなどで救急車を呼んでいる。マレットゴルフ場など運動施設でも年1、2回ある。これまでAEDが必要なほどのケースはないが、万一に備えて導入した。
大芝荘、大芝の湯の社員、村役場の保健師ら28人が参加した。伊那消防署員6人の指導で普通救命講習IIを受講。AEDの扱い方、心肺そ生法など署員の手本に続いて一人ひとりが実際に人形で練習した。
今回業務で受講できなかった社員らの救急講習も近々開く予定。
公社では昨年秋から、休館日を利用して避難訓練、接遇研修など社員全員を対象にした講習会を開いている。今後、AEDの扱い方などを忘れないように定期的な講習も検討したい-という。 -
中央アルプス千畳敷で「純白の結婚式」
中央アルプス駒ケ岳の千畳敷で4日「純白の結婚式」が行われた。氷点下24度の寒さの中、2組のカップルが親族らに見守られながら真紅のバージンロードを進み、手作りの雪のチャペル前で指輪を交換して永遠の愛を誓った=写真。
挙式したのは光井紳裕さん(30)和佳子さん(30)=大阪府茨木市=と安齋雄一さん(27)久実さん(27)=東京都羽村市=の2組のカップル。式を終えた新郎新婦は「一生の記念になった。幸せです」「寒かったが、大自然の中での挙式という念願がかなって大満足」とそれぞれ笑顔で話した。
標高2610メートルの千畳敷は一面雪に覆われた白銀の世界。東には遠く富士山が望めるほどの素晴らしい好天に恵まれたものの、気温はこの冬一番という氷点下24度。2人の新婦はウエディングドレスからのぞく肩や腕にワセリンを塗ったり、服の下に使い捨てカイロをいくつもしのばせるなどの防寒対策をとった。出席した親族らは「新婦は大丈夫かな」などと気遣いながら「こんな寒さは初めての経験だ」などと震えながら話し合っていた。
千畳敷での結婚式は4年目。駒ケ根市観光協会が毎年4月縲・0月に一般から希望者を募集して行っている。 -
公民館スキー教室
宮田村公民館のスキー教室は4日、伊那市の伊那スキーリゾートで開いた。小学生を中心に約60人が参加。村スキークラブ(唐木好昭会長)の会員13人が、レベルにあわせて懇切丁寧に指導した。
初心者から上級者まで、5人1組程度に分かれてマンツーマン指導。初めてスキー板を履く子どもたちも多かったが、メキメキ上達し、雪の感触を楽しんでいた。
同クラブは3月12日に蓼科にあるエコーバレースキー場へ日帰りスキーツアーを企画。参加者を募集している。問い合わせは同公民館85・2314まで。 -
米村でんじろう先生の科学塾
全国で年間120回の科学実験教室を開いたりテレビ番組に多数出演するなど、科学の楽しさを広める活動をしている米村でんじろうさんによる科学塾が4日、駒ケ根市文化会館で開かれた。伊南こども劇場主催。上伊那各地から40組・約100人の小学生親子が参加し、科学の楽しさと不思議さを体験した。
テーマは「静電気の不思議」。米村さんは風船を布でこすって起こした静電気で空中のシャボン玉を自在に操り「遊んで体験した知識は忘れないよ」と子どもたちに呼び掛けた。参加者はグループごとにプラスチック製コップにアルミ箔を巻いたコンデンサ「電気コップ」を米村さんの指導で製作し、静電気を体感する実験に挑戦。電気コップに静電気をため、全員が手をつないで一つの輪になり、電気を通した瞬間、あちこちから「ギャー」と大きな悲鳴が上がった。「これで大体2万ボルトぐらいかな」との米村先生の言葉に参加者は「もう1回やりたい」「もうやだよ」などと興奮した表情で話し合っていた。
科学塾は5日にも2回開かれるが、各回ともすでに定員に達したため申し込みを締め切っている。 -
明日葉の会が交流
箕輪町社会福祉協議会は3日、一人暮らしの高齢者の集い「明日葉の会」をながた荘で開いた。コンサートや歌謡ショーを楽しみ、会食や温泉でくつろいで1日ゆっくりと過ごした。
町内の111人が参加。笛師九兵衛さんによる「おもしろ楽器コンサート」があり、オカリナで「たき火」「春の小川」などを演奏。打楽器を演奏する弟子のサル8匹との競演は、九兵衛さんの笛のテクニックと人形のサルの動きが笑いを誘い、皆拍手をして楽しんでいた。
歌謡ショーや民生委員による催し、おひな様作りなどお楽しみ企画が次々とあり、皆で笑い、歌い、大勢での食事を満喫していた。 -
新春いぐち呉服展示会「初つぼみ市」
南箕輪村民センターで6日まで高遠町多町「きものいぐち」の新春いぐち呉服展示会「初つぼみ市」が4日、南箕輪村村民センターで始まった。6日までの初春の売り出しで、初日からにぎわいを見せている。
あでやかな新作振袖のフルセット、夏冬正絹喪服フルセットはお仕立て上がり各29万8千円、高級特選市は2点セット「訪問着と袋帯」「留袖と袋帯」が定価35縲・5万円を25万円(お仕立て別)など特価で提供。洗える着物(反物)2006円、おしゃれ街着こもん市10万5千円、草履バックセット全品1割引などもある。
「振袖は新柄が出そろい、訪問着や留袖も豊富に取りそろえていますので、お気軽にお出かけ下さい。お手持ちの着物も、お直しやクリーニングなどご相談に乗ります」と話している。
11縲・3日は高遠町きものいぐち特設会場で開く。問い合わせは同店(TEL94・2074)へ。 -
権兵衛開通
式典・祝賀会にぎやかに権兵衛峠道路・姥神峠道路の開通を祝う式典は4日正午から伊那市民体育館であった。トンネル内現地セレモニー出席者を乗せたバスが次々と乗り付け、合計500人の参集があった。
主催は国土交通省中部地方整備局飯田国道事務所、長野県、伊那建設事務所・木曽建設事務所。
国土交通省の大村哲夫中部地方整備局長は、1993年権限代行による事業化以降を振り返り、開通にこぎつけた喜びをこめて式辞。主催者あいさつとして、後藤茂之国土交通大臣政務官が「地元住民と関係各位の努力で、中央道と国道19号が一体となって機能する道路ができた」、田中康夫長野県知事が「古畑権兵衛の志を現代に引継ぎ、単なる通過道路としてでなく、特色ある地域の個性を発展させる道にしよう」竏窒ネどとそれぞれあいさつした。
大型プロジェクターの画像を使った若尾豊信飯田国道事務所長、北沢陽二郎木曽建設事務所長の工事報告では、権兵衛トンネルの軟弱な地質での苦労や、姥神峠道路の崩壊しやすい山肌にたいする苦労などが説明され、参加者は静かに聞き入った。
宮下一郎衆院議員、羽田雄一郎参院国土交通委員長、若林正俊参院議員、北澤俊美参院議員、県議会議長代理として向山公人県議会土木住宅委員長、国道361号改修促進期成同盟会会長の土野守高山市長が祝辞を述べた。
式典終了後は隣接する伊那勤労福祉センターに会場を移し、権兵衛峠・姥神峠トンネル開削促進期成同盟会と国道361号改修促進期成同盟会の主催による祝賀会があった。
伊那と木曽の樽酒4つを一斉に割る鏡割りや、伊那節・木曽節の披露など、2つの谷がつながったことを印象づけるアトラクションが用意された。 -
権兵衛トンネル開通記念イベント各地で
権兵衛トンネルが開通した4日、伊那市内の各地で記念イベントがあり、多くの人たちでにぎわった。
伊那市駅前ビル「いなっせ」では、伊那中学校吹奏楽部のコンサートや宝投げがあった。
伊那市境区の食品製造・販売店「シャトレ」(黒河内明夫社長)が開通記念で開発した「ローメンまん」の無料サービスには、多くの人が行列をつくった。当初は、配り始めを午後2時10分からにしていたが、正午ころから並び始めたため、急きょ整理券を配布。午後1時半ころには、限定数100枚を配り終えた。
整理券を一番に手にした親子は「テレビや広告で見て一度食べてみようと思った」と話していた。また、別の親子は「思ったより美味しい。癖がないから子どもでも食べられる」とアツアツのローメンまんを仲良く味わっていた。 -
開通を祝い、紅白もちなど配る
伊那・木曽の権兵衛トンネル出入り口付近で4日、ドライバーに先着各30人にナンバー入りの通行証明証を手渡した。また、観光パンフレットなども配り、まちをPRした。
木曽側は、開通を祝う紅白のもち菓子「すあま」のほか、観光パンフレットやスキー場割引券など500人分を用意。
横断幕「ようこそ日本のふるさと木曽町へ」を掲げ、役場職員や商工会員15人が沿道に立った。気温マイナス6度で冷たい風が吹いていたものの、職員らは伊那から木曽に入ったドライバーを笑顔で出迎えた。
木曽町PRに当たった職員は、トンネル開通で▽伊那との新たな交流が生まれる▽国道19号で事故が発生したとき、う回することができる▽東京から高速で来た場合、伊那のインターから降りれば、これまでより30分短縮できる竏窒ネどのメリットを挙げ、誘客に期待。女性職員は「早速、イチゴ狩りに行きたい」と楽しみにしていた。
そのほか、町内でも振る舞い酒などがあり、祝いムードが漂った。
伊那側でも、通行者に市のイメージキャラクター「イーナちゃん」グッズなどの記念品を手渡した。 -
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネル開通
中央アルプスを貫き、伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルが4日、開通した。通行不能区間を解消したことで、時間と距離の短縮、救急医療体制の充実、国道や高速道路の代替、通勤・通学のエリア拡大などが期待される。
現地でのセレモニーは、権兵衛トンネル内のほぼ中央地点であり、地権者、国・県・市町村関係者、施工業者ら約500人が出席。
オープニングで、伊那の小出太鼓、木曽の日義巴(ともえ)太鼓の演奏が響き、開通に花を添えた。
出席者は伊那側、木曽側が向き合う形で並び、国や県、国道361号権兵衛峠・姥神峠トンネル開削促進規制同盟会の関係者19人がテープカット。合わせて、出席者代表33人が二手に分かれてくす玉を割った。
そのあと、太鼓の音が響く中、伊那側から25台、木曽側から16台の乗用車・大型バスが式典会場の伊那市民体育館までパレードした。
国道361号は、岐阜県高山市を起点に、高遠町に至る延長152キロで、今回の供用開始区間は塩尻市竏宙ノ那市与地の延長9・9キロ。事業費は約605億円。権兵衛トンネルは延長4・4キロで、幅員9・5メートルの2車線。着工から7年の歳月をかけた。
開通前には、自動車の長い列ができるほどで、開通を待ちわびた地域住民らの関心の高さをうかがわせた。 -
トンネル開通に寄せる思い
〈伊那側〉
◆商店街として、木曽側と交流する計画もしている。地域同士の交流が活性化することに大いに期待する(商店街活性化イベント委員会・石川潔委員長)
◆待望のトンネルが開通した。木曽側から来た人たちにも「よかったな」と感じてもらえるよう、とれたて市場を利用してもらい、より良い交流をしていきたい(みはらしファームとれたて市場生産者組合・原伊一組合長)
◆前々から色んな面で期待しており、開通を機に、優良な交流が進むことを期待している。これまでとは違い「隣町だからすぐ行ける」という感覚が強くなると思う(みはらしの湯・唐澤壽男支配人)
◆わずか30分で木曽まで行けるようになったので、土日を利用して若い人に連れて行ってもらいたい。行くのはもう少し混雑が収まってからになると思うが(伊那市富県・女性)
◆木曽の人たちが伊那を通るときに、きたっせや山寺の商店街のことを知ってもらい買い物をしてほしい。そのための魅力ある商売をするために商店が協力し合っていきたい
(伊那商工会議所伊那北駅周辺推進委員長・矢野昌志さん63歳)
◆伊那と木曽の商店街がお互いに協力し合って商店の活性化を進めたい。八幡町に素晴らしい商店街があることも知ってほしい
(八幡町実業団協同組合理事長・尾崎晃一さん)
◆木曽との流通が盛んになったら、観光の面で集客力が上がることを期待する。木曽の人たちには、伊那の素朴で暖かい人柄を知ってほしい
(伊那市山寺・酒販売店長・宮澤智恵さん41歳)
◆木曽には何があるのか分からない。一回も行ったことがないので観光に行ってみたい
(伊那市西箕輪・菓子屋店員・本島揚子さん20歳)
◆古い街並みなど観光名所がある木曽が近くなっても、乗用車のない人にとっては不便となる。伊那から巡回バスを通してもらいたい。今まで山があって行けなかった人もいるので
(伊那市山寺・城倉広夫さん79歳)
◆温泉やスキー場など家族で日帰り旅行に行ってみたい
(伊那市御園・小椋令子さん31歳)
◆木曽の阿寺渓谷が近くなることが嬉しい。今までは年一回だったが、河原がきれいな夏場は月に一回は行きたい。伊那からは木曽へ観光に行く人が多いと思うが、伊那には観光地がないことが心配される
(伊那市在住・自営業女性53歳)
◆ローメンまんをきっかけに木曽の人にも食べてもらい、伊那のローメンを多くの人に知ってもらいたい。木曽から高遠のお花見客が多く来られると思うので、集客もにぎやかになりそう
(シャトレ・黒河内直明さん30歳)
◆トンネルが開通し交通量が増えれば、山道なので冬のスリップ事故、スピードの出しすぎなどが増えることが心配。大きな垣根がとっぱわれたので近くて遠かった木曽との人間の交流が期待される
(伊那市西箕輪・市交通安全協会連合会長・原義一さん70歳)
〈木曽側〉
◆開通の記念にトンネルを通ってきた。雪があるかと思っていたが、なかったのでびっくりしている。みはらしの湯に入っていく予定(木曽町・中野倍穂さん)
◆開通に10年かかったというのはすごい。トンネルと通ってきたが、立派な道だった。いとんな人との交流を期待したい(木曽町・中野義秋さん)
◆来る時は飯田から回って来たが、帰りはトンネルを通って帰る。木曽側を多くの人が訪れ、伊那地域との交流が深まればよい(塩尻市・磯尾雅子)
◆塩尻市からお風呂に入りにきた。開通記念に木曽から抜けてきたが、塩尻から伊那に来るなら、トンネルを通過しないルートを通っても、距離的には同じくらい。トンネルの通り心地は良かった(塩尻市・小笠原豊) -
トンネル開通 木曽側一番乗りは金原俊雄さん
権兵衛トンネルの木曽側一番乗りは会社員金原俊雄さん(56)=岡谷市。北海道、九州を除いて全国各地の高速道路などの開通1番乗りに挑戦しており、権兵衛トンネルが25度目の達成となった。
3日午後11時半ごろに到着。寝袋を持参して一晩を自動車の中で過ごした。
開通までの時間を利用し「一台目は華やかがいいでしょう」と自動車に「開通・おめでとう」の文字とトンネルをデザインした看板を取り付け。日の丸の旗や電飾などでにぎやかに飾った。
周囲からあおられたそうだが、1日に下見へ来るほどの徹底ぶり。景色が広がる伊那へ抜けるため、木曽側に並んだ。
「せっかくだから、みはらしファームに寄っていこうか」と話していた。
2番手は木曽町の無職男性(71)。4日午前6時前に並び「たまたま2番だった」。伊那方面に親せきがいることから、権兵衛峠を通って年5回ほど出向いていた。「これからは近くなって便利。買い物は塩尻に行っていたが、伊那にも行ける」と喜んだ。 -
小学生が安全運転呼びかけ
権兵衛トンネルが開通した4日、伊那市交通安全協会連合会(原義一会長)は、トンネル伊那側出口チェーンベースで交通指導所を設置した。通学路の交通量が増えるのを懸念した近くの西箕輪小学校6年生など約80人が参加し、事故防止を呼びかけた。
6年生は国道361号とつながる通学路の県道・与地辰野線について注意を促すメッセージレターと「しおり」を300枚づつ配布。児童たちは「私たちの通る通学路は細くて狭いので、できるだけ迂回してほしい」などとドライバーに話しかけていた。
交通指導所では先着30人に通行証明所を配布。そのほか、伊那・木曽の観光パンフレット、伊那市産のコシヒカリ「伊那華の米」など300セットを配った。
伊那署交通課の下里幸巳課長は「木曽と伊那の連絡道路として人や文化の交流が深まることを期待するが、交通の流れについては予想がつかない。そのためにも初日から交通事故防止を呼びかけることが必要」と話していた。 -
赤羽栄子さんが個展
押花教室のふしぎな花倶楽部インストラクター・赤羽栄子さん(50)=伊那市美篶笠原=の個展・押花絵作品展「自然に魅せられて」が2日、同市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで始まった。7日まで。
同店では昨年に続いて2回目の個展で、1年間の新作30点を含む、115点を出品する。高遠や蓼科、八千穂などの渓流、滝、湖などの風景画や水引や「のし」を使った和風のコラージュなどを展示販売。四季折々の自然を表現した風情ある押し花の絵が来場者の足を止めている。
赤羽さんは「本年は風景画を中心に取り組んだ。遠近感などを表現するのが難しかったが、自分の味わった現場の感動を見てくださる方におっそわけできれば」と、来場を呼びかけている。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
ざくばらんに町長と職員の職場懇談会
飯島町は初の町長と職員の職場懇談会を7日まで各課、係など職場単位で開いている。自立し持続可能なまちづくりを進めるに当り、日ごろ意見交換する機会の少ない職員と町長が直接懇談する。
2日は文化館会議室で、社会教育係、文化係8人を前に、高坂町長は「智恵と汗で意識改革を進めなくてはならない。職員と理事者は常に一枚板で連携、協力し、町政を進展させよう」と呼びかけた。
職員からは「町長は日頃『サービス低下させない』と言っているが、できるだけ、自分のことは自分でするように町民に訴え、住民サービスはばらまきでなく、メリハリをつけて」「高齢者に対しても『今まで頑張っていただいたのだから、ごゆっくり』でなく、もうひと頑張りしてという働き掛けも大事では」など、協働のまちづくりを意識した厳しい注文が出された。
このほか、「町長の考えを折りに触れ、職員にメールで配信を」「庁舎案内表示の徹底を」「職員間や、上司と部下の間で情報の共有を徹底しよう」など、有意義で建設的な意見が多く出された。
出された意見はできることから実行に移したり、検討するなど町政進展に役立てる。懇談会は今後も定期的に実施する考え。 -
きょう立春
4日は二十四節気の一つ「立春」。冬と春の分かれ目に当たり、立春から平均気温が上昇し始める。
伊那市役所には、職員が持ち込んだ高さ70センチほどのソメイヨシノが満開。昨年末に枝を切り、家の中に置いていたという。室内の暖かさに花が大きく開き、春を漂わせる。
飯田測候所によると、伊那の3日の最高気温は4・5度、最低気温はマイナス1・1度。
3月3日までの長期予報は、平年同様で晴れの日が多い。気温は平年並みだが、変動が大きいという。 -
読書感想画コンクール入選
第17回県読書感想画コンクールで、宮田村宮田小学校1年2組の飯島依茉里さん(7)の絵版画「犬と仲良し」が入選した。
「絵を描くのは好き」という飯島さん。担任の先生に読んでもらった本の感想をデザインし、紙をちぎって版画に。コツコツと力作を完成させた。
コンクールは県図書館協会などが主催し、各地の小中学校から250点の応募があった。上伊那からは飯島さんが唯一入選した。 -
女子サッカー全国大会出場
駒ケ根市町二区の竹村瑠偉さん(12)=赤穂東小学校6年生=が所属する女子サッカーチーム「茅野ビエントレオナ」が北信越大会に優勝し、全国ガールズ8サッカーフェスティバル・第12回Jビレッジなでしこカップ(10縲・2日、福島県)への出場を決めた。2日、竹村さんが駒ケ根市役所を訪れ、中原稲雄教育長の激励を受けた。フォワードの竹村さんは「みんなと協力して優勝したい。私は1試合に1点取りたい」と決意を述べた。
竹村さんはサッカー好きの両親の影響で小学1年から男子に交じってスポーツ少年団でサッカーを始めた。05年からは監督に誘われて現在の所属チームに入団。週2回、放課後に茅野市まで電車などで通って練習や試合をこなしている。自宅に戻るのは11寺過ぎになるが「嫌になったことはない」と断言するサッカー大好き少女。名前の文字も、ブラジルから帰化して日本代表になったラモス瑠偉選手にあやかって両親が名付けたという。
大会は12歳以下の女子による8人制サッカーでコートは通常の約半分。15縲・0分ハーフで争われる。同チームは今回が初の出場。 -
海外協力隊が小学生と交流
駒ケ根青年海外協力隊訓練所の候補生らは2日、市内の5小学校を訪れて児童らとの交流を楽しんだ。
中沢小学校には渡邊潮見さん、金子由紀子さん、小泉敦司さん、熊野剛さんの4人が訪れ、4年生児童らにそれぞれの派遣国の文化や習慣などを写真やスライドで説明した=写真。児童らの興味はミクロネシアの石のお金に集中。「どうやってつくるんですか」「重さはどれくらいですか」などの質問が飛び交っていた。候補生らが「もうすぐこの国に派遣されるんだよ」と話すと児童らは「いいなあ」「ぼくも行ってみたいな」などとうらやましそうに話し合っていた。
全員が輪になってフルーツバスケット(いす取りゲーム)を楽しんだ後、訪問のお礼に竏窒ニ児童らはYOSAKOIソーランを披露。候補生らは、はっぴを着て勇壮に踊る姿に「かっこいい」「すごい」と感嘆の声を上げていた。 -
木曽谷交流物産展
権兵衛トンネル開通を記念して木曽の伝統工芸品などを紹介する木曽谷・伊那谷交流観光物産展が駒ケ根駅前ビル・アルパで始まった。駒ケ根市観光協会、駒ケ根商工会議所など主催。木曽の老舗が出店し、わん、盆などの漆器やろくろ細工、曲物などの工芸品を多数展示即売中。訪れた市民らは珍しそうに品物を手に取って「こっちにはあんまりない物だね」などと話しながら買い求めている。伊那谷からは伊那紬が出展されている。
実演コーナーでは信州の名工に認定された篠原武さん(63)が、3代にわたって使えるという伝統のお六櫛(ぐし)の製作と即売を行っている=写真。4代目の篠原さんは「トンネルが開いて行き来が活発になり、お六櫛(ぐし)の良さをたくさんの人に分かってもらえたらうれしいね」と話す。お六櫛(ぐし)を作れる職人は木曽でも今や数人しかいないという。
7日まで開催。午前10時縲恁゚後7時。 -
節分厄除け
節分の3日、駒ケ根市赤穂北割一区の大法寺(藤塚義誠住職)で厄除けの法要と豆まきが行われた。檀家や一般の男女約200人が本堂に集まり、住職らが「南無妙法蓮華経竏秩vと唱える中、手を合わせて家内安全や健康長寿、交通安全、学業成就などを祈願した。
法要後、豆まきが行われた。住職は紙に書いた『魔滅』(まめ)の字を示しながら「節分の豆まきは悪いものを払う意味でこう書く」と説明。箱を手にした年男、年女らが中央に進み出て「福は内」と威勢よく掛け声をかけながら豆やみかんなどを投げた=写真。集まった人たちはご利益にあずかろうと、夢中になって手を伸ばしたり身を乗り出したりして投げられる豆を拾っていた。