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天竜川水系健康診断 あす午前10時から
「取り戻そう泳げる天竜川、築こう循環型社会」をスローガンに掲げた天竜川水系健康診断が、9月1日午前10時から2日午前10時までの24時間をかけて展開される。
循環保全を重視する企業などでつくるリサイクルシステム研究会(向山孝一会長)などが主催し、今年で9回目。民間を中心に52企業・団体、計349人が、諏訪湖流入9河川13カ所・釜口水門から静岡県河口までの天竜川本流13カ所・支流21河川23カ所の、合計49カ所で調査する。
各調査地点で、COD(化学的酸素消費量)、NO3(硝酸態窒素)、PO4(リン酸態リン)、pH(水素イオン濃度)の4項目を2時間おきに連続13回計測。調査は水系全体の汚染の種類と広がりを把握できるだけでなく、工業・農業排水や生活排水が時間的にどのような影響を及ぼすかも確認できる。
過去の調査では、諏訪湖の汚染の影響は伊那市付近までと考えられ、この間に川自体の自浄作用により水質が改善されていること。また、それより下流は、沿線などの排水などによって再び汚染が確認されているが、最近3年間のデータからは諏訪湖、天竜川とも水質は改善傾向にあることが分かる。 -
南箕輪村基本構想など答申期限延長
南箕輪村むらづくり委員会(唐沢俊男会長)は30日、住民懇談会の答申前の開催と答申期限の延長願いを唐木一直村長に提出した。唐木村長は願い出を承諾し、計画の答申期限を11月22日とする回答書を手渡した。
昨年11月の村長諮問では、南箕輪村基本構想など4計画の答申期限は9月。住民説明と意見聴取については、当初村事務局は委員会に答申後開催の日程案を示していた。
委員会は、素案のまとめに村民意見を反映するため住民懇談会の答申前の開催を決定。これに伴い、答申時期を迎えた4計画について再検討の期間が必要となるため、答申期限延長を願い出た。 -
老人ホームオードリー 地域住民迎えて納涼祭
5月にオープンした伊那市東春近の民間有料老人ホーム「オードリー」(白鳥晴計施設長)でこのほど、地域住民を迎えて納涼祭があった。焼き肉、焼きそば、ジュース、ビールなどが用意された会場は、多くの人々でにぎわった。
地域に開放した施設を目指し、住民によろこんでもらおう窶狽ニ、初めて企画。利用者によるカラオケや、職員の踊り、手持ち花火などをして楽しんだ。
白鳥施設長も殿様の格好にふんし、職員と一緒に「マツケンサンバ」のダンスを披露。おもしろ、おかしい衣装とダンスに、手をたたいて喜ぶ人もいた。
オードリーは建築会社「タウンハウス」(駒ヶ根市)が母体。ベット数は、長期利用18床、短期利用6床。現在、上伊那を中心に10人が利用する。
今後も施設内で週1回の喫茶店を開くなど、地域住民との交流イベントを予定している。 -
保科家発祥の地・長野市若穂保科の住民有志来町
高遠町が進める高遠藩主・保科正之公のNHK大河ドラマ化実現に向けた署名活動に協力している、保科家の発祥の地とされる長野市若穂保科地区の住民有志でつくる長野会議(雪入 司代表)のメンバー7人が30日、町を訪れ、正之らのゆかりの場所を巡った。
会議の一員で、上伊那郷土研究会会員の堀越肇さん=飯島町出身=が研究調査のため、正之の6代前で、保科城主の正利が建立した広徳寺を訪問。その際、宮澤孝典住職や檀家の雪入代表らと出会ったのを縁に、町の活動を紹介し、賛同した約40人で3月に同会議を結成した。
保科の姓の由来は平安時代以前にさかのぼり、保科地区一帯を統治した武将が地名を性にあてたことがはじまり。戦国時代まで保科家が保科地区を占めていたとされている。
同会議は保科生誕の地として町に協力したいと、若穂を中心に署名活動を展開。6月には集まった2200人余の署名簿を町側に渡した。
今回はドラマ化実現に向けて町との交流を兼ねて訪れた。高遠城址公園を散策したり、建福寺で正之を養子とした正直と、その父である正光の墓参をした。
また、1120人分の署名簿を伊東義人町長に手渡し、「市民運動に過ぎないが、これを機会にできる限りの努力をしていきたい」と実現に向けた熱意を伝えた。
伊東町長は「発祥の地で会を設立してもらい力強く思う。献身的な努力で活動を進めていただき、本当にありがたい」と感謝した。
同会議は、長野市全域をはじめ、周辺市町村を含めた5万人以上の署名活動を推進していきたいとしている。 -
みのわ健康アカデミーレクリエーション講座
熟年者の健康づくりに取り組む箕輪町の「みのわ健康アカデミー」のレクリエーション講座が26日、町民体育館であった。学生32人は頭を使い、体を動かして楽しんだ。
学生は毎週、個々のカリキュラムでトレーニングをしている。毎月1回は集団講座があり、今回は3回目。上田女子短大の犬飼己紀子教授が指導した。
「目から入る情報に誘われることなく自分の頭で考えて運動する。これが人間の前頭葉を使う」とし、「台所に立たないお父さんがキュウリを刻むなど、今まで比較的手を染めてないところに一歩踏み出し、トレーニングを日常的にやるといい」とアドバイスした。
右手をグーにして上に上げ左手はパーで胸に当てる、次は右手が胸で左手が上というように交互にリズミカルに腕を動かす、ペアになって握手をするときに個々が1回握る、2回握ると考えて同時に握って相手と同じ回数になるかを試すなど、楽しいレクリエーションに挑戦。グーとパーの手を間違えては笑いが起き、握手で握る回数が違うと笑い、常に明るい笑い声を響かせながら楽しく体を動かした。
教授は、「楽しいことを楽しいと伝えられる。自分以外の相手にすごい影響を与えていることを考えると、空気を和やかにするために私の役目は何だろうと考えて」とも話した。 -
西箕輪で安全ひまわり隊結成 地域の子どもを地域で守れ
地域の子どもを地域の力で守ることをめざして、伊那市西箕輪地区で安全ひまわり隊が結成された。28日、西箕輪小学校で隊の出発点にあたる全体説明会があった。
西箕輪教育環境推進協議会(原易雄会長)が呼びかけ。説明会までに地区住民200人が参加を表明している。
各地で子どもを狙った犯罪が多発し、西箕輪地区でも子どもが見知らぬ人から声をかけられることなども発生したため、学校・保護者だけでなく、地域住民ができることからはじめようという趣旨。06年3月には地区をとおる権兵衛トンネル道路も開通し、交通量も増加が予想されることから、治安・交通安全両面から警戒を強めた。
活動は、「西箕輪 ひまわり隊」のオレンジの腕章をつけ、子どもの登下校時にウォーキングや犬の散歩をして通学路を見守るほか、交通安全指導を含めて街頭に立つなど、「できる時に、できる範囲で、できること」を行う。こどもが身に危険を感じた時の逃げ込み先としても自宅を提供する。
説明会で原会長は「地域の子どもを守るのは地域だという自覚に燃えて、オレンジの腕章をつけ、街角に立ちましょう」と呼びかけた。
活動マニュアルの中には、隊員も「私と一緒に行こう」「送っていくから車に乗りなさい」という趣旨のことを言わない。学校では腕章をつけていても同行を誘われたら断われと教える窶狽ネどの記述があり、児童・生徒を対象にした犯罪にたいする警戒の難しさも垣間見られた。 -
西箕輪マレット大会
優勝は鈴木重信さん西箕輪公民館の第17回マレットゴルフ大会が28日、西箕輪マレットゴルフ場であり、約30人が参加した。27ホール・パー108のコースで熱戦の結果、鈴木重信さんが優勝した。
前年度優勝の有賀健一さんは開会式でのトロフィー返還後、「今年は練習不足で調子がいま1つ」と語っていたが、鈴木さんらの巧みな試合運びに涙を飲んだ。
大会結果は次の通り。
【男子】(1)鈴木重信(90)(2)若林光慶(90)(3)鹿野弘人(95)【女子】(1)桐野ハル子(98)(2)伊藤俊子(99)(3)清水ちゑ子(104)【ホールインワン】有賀健一、伊藤俊子 -
高齢者学級8月定例会
駒ケ根市の赤穂公民館(北澤吉三館長)は26日、高齢者学級の8月定例会を同館で開いた。約30人が出席し、昭和伊南病院の薬剤部主任薬剤師の伊藤芳明さんによる「健康に老いる-健康診断の必要性とがん、高血圧、脳卒中について」と題した講演を聞いた。
伊藤さんは生活習慣病について「定期的に人間ドックを受診すれば病気の早期発見に役立つほか、健康状態の把握と健康増進対策も立てられる」とその必要性を訴えた。
痛みのコントロールに使われるモルヒネについて「体に悪いとか、使いすぎると廃人になるとか、使い出すとやめられなくなるとかいった認識があるが、がんの治療に使う上ではそのようなことは一切なく、安心して使える」と話した。
出席者らは感心したような表情で「ふーん」と時折うなずいたりしながら、話にじっと耳を傾けていた。 -
水泳記録会
駒ケ根市の赤穂南小学校(白鳥彰政校長)は29日、3・4・5年生の水泳記録会を行った。まぶしい日差しの下、児童らは水しぶきを上げ、ゴールを目指してそれぞれ懸命の力泳を見せていた。
訪れた保護者や同級生らはプールサイドから「頑張れ!」「立つなよー」「あと5メートル」などと励ましの声援を送り、見事にゴールまで泳ぎ切った児童らに大きな拍手を送っていた。
中にはゴールしたものの、疲れ切って自力で水から上がることができず、教師に引き上げられる児童の姿もあったが、泳ぎ切った達成感で顔には満足と安どの笑顔が浮かんでいた。 -
宮下一郎、森喜朗と語る会
「1回生で首相と渡り合い立派」
森総理、宮下氏を評価衆院選長野第5区からの出馬を表明している自民党公認・前職の宮下一郎氏(47)の後援会は28日、森喜朗元総理を招いた「語る会」を伊那市民会館で開いた。支持者ら約1400人が参加。森氏が「一郎君は郵政民営化の問題で堂々と小泉首相と渡り合った。1回生であそこまでやったのは立派」などと宮下氏を評価すると、会場は拍手と歓声で包まれた。
森氏は地元の石川県根上町の例を出しながら「市町村合併はふるさとがなくなるのだからつらい。だが子や孫のため良い国を残すために不可欠。郵政・税制・財政など構造改革の本質はここにある」と話し、「経費削減・外国資本の投入・海外からの人材登用もして企業再建した自動車産業などを見習うべき」と強調した。
宮下氏が郵政民営化法案に衆院裁決の直前まで反対したことについても「政策論争は大いにやれ、しかし政治判断を誤るな」と忠告したと紹介。「首相と渡り合い自説を政府案に反映させたのは立派」と賞賛する一方、「最後まで反対して美しい刺客を送り込まれた城内君(城内実氏・静岡7区)のようにならなくて良かったねぇ」と、党内対立を抱えて苦しい胸の内をうかがわせる発言もあった。
宮下氏は冒頭、郵政民営化法案への姿勢に言及。当初の政府案には反対だったが、党内の討論の末(1)郵便ネットワーク、特に過疎地の郵便局を残すことが明確になった(2)郵便局での銀行・保険の窓口業務の代行も明記された窶狽アとを前進と評価、小泉構造改革を前に進めるために衆院裁決では賛成したと経緯を説明した。
構造改革の柱は「小さな政府」とともに「国から地方へ」もあるとして、「三位一体改革を進め、地域の元気で日本を変えよう」と訴えた。 -
加藤学氏、連絡事務所開設
北沢俊美氏「公示後は5区張り付き」衆院長野5区から出馬を表明している民主党公認・新人の加藤学氏(36)の後援会は28日、南箕輪村塩ノ井に上伊那連絡事務所を開設した。連合の組合員など50人が参加した。
開設式には、選対委員長を務める元衆院議員の中島衛氏のほか、民主党の参院議員北沢俊美氏も駆けつけ、「使い減りのない若さ、貴重な海外経験、世襲候補に対して公募という民主的制度で選ばれた公開性窶狽ナ他候補より優れる」と強調。加藤氏は「郵政民営化だけでなく、年金や増税などまじめに働くものが酷い目を見、大金持ちが良い目を見るような社会を作り変えなければ」と訴えた。
中島氏は「郵政民営化法案が参院で否決されてことを持って衆院解散・総選挙に打って出るのは誤りだが、政権交代の絶好のチャンスが回ってきた」と述べ、「候補者選定で遅れをとったが、前回の5区の民主党の票は自民党を上回った。一挙に小選挙区勝利へ」と気合を入れた。
北沢氏も「世襲候補でなく、加藤さんのように街の建具屋の息子でも志しがあれば国政に打って出られるのが民主党。庶民の声の代弁者を当選させよう」と訴えた。公示後は北沢氏本人が5区に張り付く予定という。
加藤氏は「93年、NHKに入社しサラリーマンを始めた時に、民党政権に代わって細川政権が誕生した。時代が変る感じもしたし社会にパワーがみなぎっていたが、再び自民窶伯セ連立政権になり、『勝組』だけが良い目を見る政治は変わらず、社会は沈滞している」として、「自分はまだひよ子だが、5区の庶民の声を国会に反映させていくためには、世襲の方ではなく、自分のような人間が議員になる必要がある」と、身振り手振りを交えて訴えた。
加藤氏後援会は、27日に駒ヶ根市にも連絡事務所を開設している。 -
05衆院選 衆院選きょう公示
小泉式構造改革に上伊那の審判は?第44回衆院選は30日公示される。長野5区は県伊那合同庁舎で午前8時30分から立候補届けの受け付けが始まり、11日の投票日に向け熱戦の火ぶたが切って落とされる。
長野5区では、加藤学(36)=民主・新人、三沢好夫(61)=共産・新人、宮下一郎(47)=自民・前職窶狽フ3氏(50音順)が立候補を予定している。
加藤氏は、午前9時から飯田市JR飯田駅前のアイパークで第一声。30日は飯田・下伊那を中心に遊説し、上伊那に入るのは31日以降になる。
三沢氏は午前8時50分から伊那市の駅前ビル「いなっせ」北側のコミュニティー広場で第一声。伊那市、南箕輪村、箕輪町、辰野町を回った後、夕方には宮田方面へ。
宮下氏は午前8時10分から、伊那市上牧の選対本部事務所で出陣式。伊那市を遊説した後、南箕輪村、箕輪町、辰野町を回り、午後3時頃から宮田村、駒ヶ根市、飯島町、中川村に足を向ける。
郵政民営化法案の参院での否決から解散・総選挙に突入した第44回衆院選。「政府の郵政民営化案を地域の視点から修正させた」(宮下氏)1年生議員としての実績を押し出しながら、「小さな政府を目指す小泉式構造改革を止めさせるな」とする前職宮下氏に対して、「政権交代なくして真の改革なし。世襲ではない公募の候補を代表に」と訴える加藤氏、「自民も民主も庶民泣かせの政治の根本は同じ。増税・医療年金改悪・憲法改悪にストップを」とする三沢氏がどれだけ票を伸ばすかが注目される。
宮下氏は初当選した前回選挙では、実父の元厚生大臣宮下創平氏の後援会組織をそのまま引き継ぐ形で勝利したが、今回はそこから脱皮し、青壮年層を中心に自らの選挙地盤をどのように固め、拡大するかが課題。
加藤氏は、民主党の候補者選定が遅れたため、序盤の知名度不足が課題。前回03年では、5区の比例区の票では、民主党が自民党を5300票以上上回っていたこともあり、連合の全面的協力を得て、「顔と名前をどこまで知ってもらえるか」がカギを握る。
三沢氏は、自民対民主の二大政党制ムードが作られていることに疑問を投げかけ、米国に追随する大企業優先の政治ではなく、生活者の暮らしと福祉を守る政治のためには、共産党が「確かな野党」として飛躍することが重要と訴えている。
5区の有権者は6月2日現在で29万4380人。12日間の選挙戦の後に、小泉式構造改革にどのような審判が下るかが注目される。 -
第6回高校改革プラン推進委員会
第3通学区の高校改革プラン推進委員会(池上昭雄委員長)が29日、伊那市の生涯学習センターであった。“魅力ある高校づくり”の議論を深めようと臨んだ6回目だったが、たたき台設置の経緯や、総合学科や多部制・単位制の基本的説明に終わり、具体的方向性は見出せなかった。
県教委は前回意見を受けて、たたき台設置の具体的経過を説明。統廃合対象校が最も多い上伊那は、諏訪・下伊那に比べ、他地域に多くの生徒が流出していることを05年度状況で示し「通学圏域が広い」とした。また、多部制・単位制高校は「広域から生徒が集まる」と想定し、第3通学区のほぼ中央にある箕輪工業高校への設置を決めた。
しかし、箕工を学区の中央と位置付けていることや、流出入を固定的に考えていることを疑問視する委員も多く「県教委案は財政問題や人件費のみに着目した案」との批判もあった一方で、「前回諏訪地区も統廃合の対象としていくことを決定しており、今更県教委の案にこだわる必要もない」との発言もあった。
総合学科や多部制・単位制については「実現には、結局少人数学級は避けて通れず、その分教員数も多く必要なのでは」との質問もでた。 -
「高遠石工」の魅力を再発見
高遠町総合福祉センター「やますそ」で28日、第1回「高遠石工を考えるつどい」があった。地域住民や県内外から約180人が参加。美濃と上州での活躍に関する講演を通じて、江戸時代から現在まで受け継がれてきた高遠石工の魅力を再発見した。町文化財保護委員などでつくる実行委員会の主催。
高遠町片倉出身で、現在は岐阜県歴史資料保存協会副会長の桃井勝さんと、群馬県出身の郷土史研究家の川原嘉久治さんが講演した。
川原さんは「高遠石工の上州進出窶矧・ニその裏側」と題し、840件余の上州における高遠石工の延足跡の中から江戸時代前期の石造物を紹介。社寺関係者、在地有力者とのつながりの事例についても文献を通じて説明した。
群馬県内の高遠石工は11月に完成したものが多く、「上州では米の取り込み、養蚕が終わり収入が潤っている時期と一致する」と説明。また、正月までに出稼ぎを終えたいという石工衆の思いから「作品に出稼ぎの苦労がにじみ出ている」と話した。 -
シルバー人材センターで襖・障子張り
伊那市荒井区 高橋達雄さん(71)伊那広域シルバー人材センター伊那地区の事務所にある作業場で、襖や障子の張り替えに精を出す。なんとも鮮やかな手付きで、あっという間に障子紙をしわ一つなくピンと張っていく。
「人生の最後にこんなにウキウキ楽しく仕事ができるなんて想像できなかった。明日から仕事だと思うと、ああして、こうして…と考える。バカみたいだけど楽しくって、楽しくって…」
オリンパス伊那工場に40数年勤め、顕微鏡や内視鏡のレンズ加工一筋に生きてきた。定年後は、何か一つ変わったことをしたいな-と思いながら、2年ぐらいはしっかり遊ぼうと考えていた。
当時、妻はまだ働いていたため、単身で台湾旅行に参加。同室になったのが、シルバーで襖や障子張りの仕事をしていた田中義人さんだった。
「1年に1、2回は仕事の分配金で海外旅行ができる。教えてやる」と言われ即入会。定年から約2年後のことだった。
「田中さんは本当に立派な方。足手まといの右も左も分からない私に教えながら、分配金はフィフティー・フィフティーで、本当に頭の下がる思い。それを1年間やってくれた。今楽しく仕事ができているのはこの人のおかげ。今だに感謝、感謝です」
見るもの聞くもの全てが新しい世界。「出会いがあっても、自分が張り合って意見を通そうとだけしたら駄目。ある程度、自分の高まる気持ちを沈めていくことがいい」。自分自身が真っ白の状態になって教わり、技術を吸収した。
「しわがないように張る。これに尽きる」。ふすまは、裁断した紙の周囲約3-5センチに濃いのり、真ん中はミルク状の薄いのりをまんべんなく塗り、そのまま少し置いて紙が伸びた状態になったところで張る。「大きくてびっしょり塗れている紙を張るので結構大変」。紙を汚さないように気も使う。
1年以上が経ち、独立したが、当時はそれほど仕事がなく、粗大ごみの片付け、お年寄りの家の中の整理、選挙の出口調査などなど、提供される仕事は全てやった。
次第に襖や障子を張る人が減り、この仕事1本に。技術の8割は自分で考え、努力して身に付けた。今は仕事が平均して週3日ぐらい。年数回の襖張り講習会の講師も務める。
これまでには、失敗もある。張った障子を軽トラックに乗せるときにぶつけて破ってしまったり、襖を逆さに張ったり…。失敗したときの紙代は当然自分持ち。「今なら笑えるけど、その時は真っ青。納期は来てるし、ご飯も食べないで飛んで歩いて」。そんな経験があって、今がある。
「精密さにかけては妥協を許さない。会社時代に培ったものが今に生きていると思う」。将来、シルバーがずっとこの仕事の受注を受け、ますます盛んになっていくために大事なのは「信用」。決して仕事の手を抜くことはない。
音楽も、映画や絵画の鑑賞も好き。映像が好きでビデオカメラの撮影もする。襖や障子張りは全く異なる世界のようだが、「私にぴったりの仕事。本当にいい仕事に出合った」という。
「張り直しにくる襖は相当に汚れてえらいもの。それがきれいになるのもうれしいけど、1枚1枚張るごとにとにかく楽しいね」と笑みを浮かべた。 -
ふれあい広場
箕輪町の福祉の集い「第16回ふれあい広場」が28日、町民体育館と武道館であった。町民ら大勢が訪れ、福祉体験や手作り品販売コーナーなど各種イベントを楽しみながら回り、誰もが暮らしやすい福祉の町づくりについて考えた。
福祉ボランティア団体や学校などの63団体でつくる実行委員会と町社会福祉協議会の主催。人と人とのふれあいや交流を目的に、毎年の恒例。
ステージ発表は、箕輪中学校吹奏楽クラブや日本舞踊、バルーンアート、伊那養護学校の舎子太鼓などが次々と繰り広げられ、展示や遊び、福祉体験コーナーや、ポニーの乗馬体験などは多くの人でにぎわった。
福祉コーナーは、手話、朗読、高齢者擬似体験などがあり、車いすの体験では、実際に体育館に設置したスロープの上などを乗って不自由さを実感した=写真。
体験した女子小学生3人は「坂を登るときに力が必要で手が疲れた」「思い通りに運転できず大変だった」「すぐ下が見えなくて不安だった」など、障害者の気持ちになって考えていた。 -
権兵衛トンネル開通は来年2月ごろ
小坂市長は29日、定例記者会見で木曽と伊那を結ぶ権兵衛トンネルの開通は来年2月ごろの予定であることを明らかにした。
工事は最終的な仕上げの段階で、上部舗装工事、電気機械設備の各種試験などを残している。
現場への立ち入りは制限されているが、10月15・16日、開通プレイベントとして開く「権兵衛トンネル体験ツアー」(権兵衛街道活性化協議会主催)で見学することができる。伊那市のみはらしファームと、木曽郡日義村の木曽文化公園である物産展を発着点に、シャトルバスを運行する。詳細は煮詰めている。
権兵衛トンネルの開通で、伊那窶薄リ曽間が90分から30分に短縮される。 -
アルプスのもとビーチバレーで熱戦
ビーチバレーボールの市民大会「ビーチバレーinアルプス」が28日、駒ケ根市森と水のアウトドア体験広場専用コートで開かれた。初心者も楽しめるようにと設けた4人制には、周辺各地から22チームが参加。本格的な2人制は全国クラスの選手も参戦し、世代、レベルを超えて競技を楽しんだ。
駒ケ根市バレーボール協会が、愛好者を増やそうと昨年から開催。幅広い年代層が集まり、同じコートで汗を流した。
上伊那の60歳以上でつくるソフトバレーボールチーム「似たかよったか」も4人制に初参戦。孫のような若者との対戦を楽しんでいた。
2人制は福井や神奈川からの遠征組もあり熱戦。ペアの選手を試合ごとに交代し、個人順位を争った。
開会式では、同協会所属で国体ビーチバレー(9月)に初出場する小澤光良さんの壮行会もあり、参加者全員でエールを送った。
結果は次の通り。
【2人制】(1)奥田敬祐(2)平林康裕(3)三島英徳
【4人制】(1)ピロティーズ(2)ウスタスチャーシュー(3)ウスタスタマゴ、小松組 -
中川でどろんこバレー
中川村片桐の水田で28日、どろんこバレーボール大会が開かれた。5年前に地域の若者らが仲間うちで始めたものだが、今年も6チームが参加。年齢も性別も関係なく、泥まみれになってボールを追った。
足をとられ悪戦苦闘。一方で、果敢に泥の中に頭から突っ込む光景も。
目に泥が入ってもご愛嬌。女性も全身真っ黒になり、泥の中のプレーを満喫していた。
辰野町のどろんこバレー大会に参加した人が、中川村でもやってみたいと始めたのがきっかけ。口づてに広がり、多くの人がこの日を心待ちにしている。
参加した男性のひとりは「誰でも楽しめるのが良いところ」と全身泥まみれになりながら、笑顔で話した。 -
もっと美味しいワインにしたいと視察
宮田村の特産品・山ぶどうワインの生産に携わる「中央アルプス山ぶどうの里づくり推進会議」は28日、国内ワイン発祥の地とされる新潟県上越市の岩の原ぶどう園などを視察。園地や施設などを見学したが、「宮田村の取り組みや意識は、決して先進地にもひけをとっていない」と改めて自信を深めた。
山ぶどうを栽培する村内農家のほか、醸造元の本坊酒造、農協や村の担当者約20人が参加。
岩の原ぶどう園では、丘陵地帯に広がる園地や隣接する醸造施設を見て回った。
なかでも醸造したワインを適度な温度で管理する施設「岩室(いわむろ)」は全員が興味深げ。宮田村にも導入計画が挙がっており、熱心に見ていた。
また、宮田村よりもひと足早く山ぶどうワインの生産を始めた下高井郡木島平村の園地も見学した。
宮田村の山ぶどうワインは生産開始から7年目を迎え、県の原産地呼称管理制度の認定を受けるなど、高い評価を得ている。
一方で「もっと美味しいワインをつくりたい」と、各関係者が連携。先進地視察を毎年実施するなど、技術向上に取り組んでいる。 -
30周年記念し30チーム対戦大会
発足30周年を迎えた伊那市の「手良早起きソフトボール連盟」(今井良岱会長)は、「記念30チーム対戦ソフトボール大会」を27日夜から翌日の午前にかけ、手良総合グラウンドで開いた。
連盟チームのほか、住民でつくるナイターチームなど30チーム、延べ約300人が参加し、1試合60分の15試合が組をした。会場では、焼きそばや豚汁の食事も振る舞われ、参加者は交流試合を一晩中楽しんだ。
女子チームと60歳以上の男性でつくるチームの対戦もあった=写真。女子チームは力およばず大敗したものの、ファインプレーには多くの歓声が送られた。「お母さん、女の意地を見せてやれ」と、我が子からの熱い応援もあった。
今井会長は「地域を上げての協力がうれしい。今後もみんなで力を合わせて、40、50年と記念大会を続けていきたい」と話す。
手良早起きソフトボール連盟は、地域の活性と親ぼくを図るため1976年に発足。現在は6チームが加盟し、9月末まで毎週土・日曜日、リーグ戦を展開している。 -
長谷村ひよっ子祭り
子どもたちの健全育成や村の活性化に協力しようと、長谷村商工会青年部(馬場正道部長)は27日、「ひよっ子祭り」を長谷小学校校庭で開いた。保育園児や小学生約100人が参加し、青空の下でゲームや体験教室などを元気良く楽しんだ。
木工教室やスライム作り、輪投げやバスケットボールフリースローゲームなどの多彩なイベントが用意されたほか、部員たちによるポップコーンの屋台が出た。
木工教室では、小さなイス作りに挑戦。子どもたちは、慣れない手つきながら、かなづちで釘を打って完成させ、「できた、できた」と友達と見せ合って大喜びだった。
祭りは小学生以下を対象に、2年に1度開催。「子どもたちに、地元の良さを味わってもらい、将来も村に残ってもらいたい」(馬場部長)との願いも込められている。
村商工会の橋爪将司会長はあいさつで「悪い大人ではなく、良い大人になってほしいとの思いで開催されている。村のすばらしさや祭りを思い出に残してほしい」と述べた。 -
飯島氏顕彰会が設立
##(見出し(1))
再飯島町の飯島氏顕彰会の発会式と総会が27日、飯島町成人大学センターで開かれた。名称を「飯島氏顕彰会」とし、会の趣旨、目的を盛り込んだ会則を確認、役員選出を行い、会長に北原甲子三さんを、同副に大島三嗣さん、小林章吾さんを選んだ。
同会準備委員会長の北原甲子三さんは、3年前から、飯島氏の分かれ、島根県奥出雲町三沢と相互交流が始まり、7月の飯島紘さんの歴史講演会を機に、顕彰会発足の気運が高まった-と経過に触れ「広く、町内外に会員を募ったところ、現在、町内39人、町外18人、出雲21人の計78人の賛同を得た」と報告した。
飯島家29代目当主、飯島紘さんは「準備会のみなさんの骨折りで発足の運びとなった。飯島姓発祥の地として、顕彰会が町の発展に寄与できるように」とあいさつした。
同会は▽会員相互の親ぼくを図る▽飯島町の歴史を顕彰し、飯島姓発祥の地として、飯島町を全国にアピールする▽飯島氏の歴史の顕彰と関係地域との交流、史跡探訪や研究を行い、歴史の正しい継承を図る-などを目的とした。
会場には飯島家所蔵の系図や家訓、飯島城の模型のほか、軍扇、毘沙門天像、刀のつばなど伝来の家宝が展示され、会員の目を引いた。
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二本松市の市民訪問団
共に市内に青年海外協力隊の訓練所があることなどから駒ケ根市と友好都市協定を結んでいる福島県二本松市の市民訪問団が26日、協定締結5周年を記念して駒ケ根市役所を訪れ、中原正純市長らの歓迎を受けた。三保恵一市長をはじめとする約30人の訪問団は懇談の席で「これからもよろしく」などと笑顔で話していた。
中原市長は歓迎の式で「協定締結以来、親ぼくの輪を広げてきた。友好のきずなが今後ますます深まることを期待する」と歓迎のあいさつを述べ、三保市長は「親善をさらに深めるため訪問した。二本松市は12月に近隣の3市町村と合併するが、新・二本松市となっても一層交流を活発にしていきたい」と述べた。
訪問団は27日に駒ケ岳ロープウェイで高山の世界を体験、午後には天竜ふるさとまつりを見物し、28日に帰郷する予定。 -
駒ケ根工業高校SPP授業
文部科学省が理数系教育の充実を目的に行っているサイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)の一環として駒ケ根工業高校(本間秀明校長)は26日、情報技術化の2年生31人を対象に大学教授による講義を同校で行った。
諏訪東京理科大学(茅野市)システム工学部電子システム工学科の宮澤悟教授が同校を訪れ「コンピュータ・シミュレーション解析で理解する制御システムの安定性検証」について講義した。宮澤教授が「大学3年程度で扱うレベルかな」という高度な内容の授業。この講義に基づいて9月8日に諏訪東京理科大で実習、12日に駒ケ根工でまとめ講義を行う。終了後にはレポートを提出しなければならないとあって、生徒らは一言も聞きもらさないよう真剣な表情で講義に耳を傾けていた=写真。
駒工は3年前から諏訪東京理科大と科学技術教育連携協定を結び、高校で学ぶ内容が先端技術とどうつながり、どう広がっていくのかなどについて講義や実験を通じて指導する活動に取り組んでいる。 -
9月定例会日程
駒ケ根市議会は9月定例会を2日窶・7日(26日間)の会期で行う。議案は「公の施設の指定管理者の指定手続きに関する条例の一部を改正する条例」など条例案件8件、04年度一般会計をはじめとする各会計決算案件13件、05年度一般会計など補正予算案件2件など計29件が上程される。
議会は議会改革の一環として、従来会期半ばに行っていた議案に対する質疑を初日に行うことを決め、今議会から取り入れる。
日程は次の通り。
▽2日=本会議(提案説明、質疑、委員会付託)▽13・14日=本会議(一般質問)▽15・16日=総務文教委員会▽16・20日=建設経済委員会▽20・21日=厚生委員会▽27日=本会議(採決) -
語りつぐ天竜川第59巻発刊
地元の人に天竜川についての理解を深めてもらおう窶狽ニ、天竜川上流河川事務所が1986年度から発刊している書籍「語りつぐ天竜川」の第59巻「水位観測45年間の思い出窶箔V竜川と生きて窶煤v(下平長治著)が出来た。
1955年から沢渡水位観測所観測員を42年間勤めた伊那市東春近の下平長治さん(75)が、観測員として向かい合ってきた天竜川の様子などを記している。
多くの被害をもたらした1962(昭和36)年の「三六災害」の様子も書かれており、当時の天竜川のすざましさや、観測員として必死に記録した水位変化の様子が、当時も苦労と共に記録されている。
著書の中で下平さんは「多くの災害を教訓に、徐々に防災整備がされ、安心して暮らせるようになってきた。環境の時代を迎えた今、河川整備や治水事業にも、労りや優しさが求められているように思う」と語りつつ、水害が発生しやすい伊那谷にあって、過信や油断をしないことが重要と訴える。
書籍は同事務所の出張所などで無料配布するほか、郵送配布も受け付けている(送料は実費負担)。
問い合わせは天竜川上流河川事務所(TEL0265・81・6415)へ。 -
企業人権教育研修会
企業内の人権問題に対する意識を高めてもらおう窶狽ニ26日、上伊那地方事務所は、事業主や企業の人事担当者などを対象とした企業人権教育研修会を伊那市役所で開いた。労働ジャーナリストの金子雅臣さんを講師に迎え、近年相談が増加しつつあるパワーハラスメントなどについて学んだ。
リストラなどを目的に、いじめに近い嫌がらせが行われる“パワーハラスメント”の相談件数は、年々増加しており、南信労政事務所管内でも、昨年は約790件の相談があった。
金子さんは、バブルがはじけて以降目立つようになってきた問題で、職場不満が人間関係にシフトしたことや、競争主義・成果主義が重視されるようになったことが背景にあると指摘。「この問題を企業は、個人的なものと考えるのでなく、企業責任が問われるものと認識し、予防に努めていく必要がある」と訴えた。 -
宮田村が防災マップを全戸に配布
災害について住民の意識を高めてもらおうと、宮田村は防災マップを新たに作成。9月1日の防災の日にあわせて全戸配布する。村内各地区の拡大地図をふんだんに盛り込み、自宅周辺の避難経路、消火栓、危険個所などを分かりやすく明示。災害発生時の行動マニュアルなども掲載している。
今までも地震防災の冊子や土砂災害の危険マップは全戸に配布してきたが、各災害を網羅した本格的なものは始めて。
「事前に避難所や危ない場所など家族で話し合い、確認してもらえれば」と村生活環境係は期待する。
宮田村内の各地区は昨年あたりから、自主防災組織の見直し強化を推進。
多くの区が消防団OBを組織の指導者にすえるなど、災害が発生した時に動ける体制づくりを進めている。
9月1日は村内一斉に防災訓練を展開するが、今年は現役の消防団に頼らず、自主防が主体になって各地区の訓練を行う。
「災害が発生すれば、誰に頼むのでもなく、地区や住民ひとりひとりの力が必要になる。訓練もそうだが、マップも活用して意識を高めてもらえれば」と同係は話している。 -
議論だけで終わらせたくないと芽ぶきの会発足
住民参加で自立のむらづくりを考え、5月に解散した宮田村「むらづくり協議会」の教育文化ワーキンググループ(WG)がこのほど、新たな組織「芽ぶきの会」を立ち上げた。机上で議論してきたことを実際の活動に移したいと、11人の全メンバーが自主的に参加。青少年健全育成の願いを記した看板を村内全地区に設置しようと、取り組んでいる。
会の正式名称は「うちの子 よその子 宮田の子『芽吹きの会』」。WGのスローガンを継承して名付けた。
「宮田の子どもたちを見守り、育てていきたい。そんな想いを村内にもっと広げていきたいねって、気軽に活動しています」と会長の細田悦子さん。
現在作成を進めている看板にも、「うちの子・・・」のスローガンを刻む。26日夜もメンバーが集まり、作業を進めた。
最初は村民会館に設置し、徐々に各地区の集落センターにも広げていく考え。子どもや親たちに幅広く呼びかけ、一緒に作業することも計画している。
むらづくり協議会は村長の諮問機関で、住民と役場職員が同じ目線で村政のあり方を1年間にわたり議論。
答申をもって解散したが、協議会メンバーにより「むらづくりネット宮田」が発足するなど、新たな住民活動が芽生え始めている。