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「伊那小学校は楽しいところ」
伊那市の伊那小学校(北原和俊校長、738人)で19日、同校体育館で1年生を迎える会を開いた。2縲・年生が合唱や寸劇などで持て成しに新入児童116人は元気な歌声で答えた。
学校行事や校内の遊び場などについて、上級生たちが劇などで1年生に紹介。同会を企画した児童会の田中智康児童会長は「皆の発表をよく聞いて、もっともっと伊那小のことを知って」と呼び掛けた。
1年生たちは、手厚い持て成しを笑顔で受け取った。「ふつつかな1年生ですがどうぞお願いします」などと先輩たちに呼び掛け、大きな声で感謝の気持ちを届けた。
北原校長は「入学してくるのを皆が待っていた。元気で立派な1年生たちばかりでうれしい。紹介があったことをこれから自分の体を通して体験し、遊び、勉強し、楽しい毎日を送って」と話した。
学校行事の運動会を紹介する3年生たち -
信州高遠生活学校が開始
学級、学年単位で伊那市高遠町の国立信州高遠青少年自然の家に泊り込み、普段とは違う環境の中で勉強から日常生活までを友人らとともにする「信州高遠生活学校」が16日、始まった。16日は伊那市の西春近北小学校6年生37人が同施設を訪れ、自然学習や野外炊飯などに挑戦した。
同施設が学校との連絡協力推進事業として取り組んでいるもので4年目。同施設で共同生活しながら、基本的な生活習慣や自主性などを身に付けてもらい、助け合いの精神や豊かな人間性を培うことを目的としている。
毎年地元小学校の高学年クラスへの参加呼びかけを行ってきたが、今年は例年よりも多い7校8組が参加を申し出た。
6年生は4泊5日の日程で同施設での生活に臨む西春近北小の6年生は、今回初めて同事業に参加。総合的学習の中で自然探索や暗闇体験、星の観察会など、ここでしかできない体験を多く盛り込んだ。
野外炊飯では、なたを使ってまき作りから挑戦=写真。初めて触れるなたに戸惑いつつも、けがをしないよう、仲間と協力し合いまき作りに励んでいた。 参加した学校関係者からは「普段と違う環境の中で学習に取り組むことで児童らの集中力が挙がった」「生徒一人ひとりの違う一面が見えてくるようになった」などといった声が聞かれるという。 -
グリーンファームに木曽生まれのコグマ届く
伊那市ますみヶ丘の農畜産物直売所「グリーンファーム産直市場」(小林史麿社長)にこのほど、木曽地域から生後2カ月ほどとなるツキノワグマのコグマが届けられた=写真。人形のような愛らしいコグマは、買い物客の間でちょっとした人気者となっている。
コグマは木曽地域の消費者が山の中で衰弱していたところを発見。周囲に親がいる場合は危険なため、その日はそのままにして帰宅したが、翌日もう一度確認に行ったところ、前日のままだったため、連れ帰って介抱した。その結果、コグマの健康状態は回復。現在ツキノワグマ1頭を飼っている同直売所のことを思い出し、育ててほしいと持ち込んだ。
小林社長は「育児放棄をしたのか、はぐれたのか、撃たれたのか、いずれにしても何らかの理由で親と離れてしまったのだと思う」と話す。
現在同直売所には3歳になる「太郎」がいるが、太郎もコグマから育て上げた。新しいコグマもオスのため、「次郎」と命名。現在はまだ小さいため、直売所の一角にあるストーブの横でミルクを与えながら飼育している。買い物客も「かわいい」「一緒に寝床に寝とりたい」などと話しながら次郎の様子をうかがっていた。 -
保育園で生活習慣の習得を目指すすくすくカード導入
伊那市は本年度から、子どもに基本的な生活習慣を習得してもらうことを目的とする「すくすくカード」を市内25園で導入する。「あいさつ」「歯磨き」などといったテーマと、それに沿った生活目標が各月ごと設定されており、保護者には自分の子どもが家でもそれを実践できているかをチェックし、できていた場合にカードへスタンプを押してもらう。子どもの生活習慣を見直すことを通じて、保護者にも子どもの生活生活リズムに対する意識を高めてもらうことをねらっている。
学校教育の現場で「イスにきちんと座っていられる新入児童が少なくなった」などの声が挙がる中、市では保育園の段階で何らかの対策が必要であることを認識。家庭との連携のもと、生活習慣の習得を目指すため、今回初めてカードを導入することとなった。
対象は年少園児縲恃N長園児親子。テーマは8項目あり、それぞれに「大きな声で元気よくあいさつする」「朝は7時までに起き、夜は9時までに寝る」などといった具体的な取り組みが記されている。保護者は1カ月の中で定められた5日間について、子どもがそれをきちんと実践できているか確認する。
担当者は「今の子どもたちは親の生活リズムに合わせて生活していることも多く、その結果早ね早起きが疎かになっている。子どものリズムに合わせた生活習慣を保護者が考える意識づけにつながれば」と話していた。 -
地域福祉推進セミナー
地域福祉活動計画のあり方について考える「地域福祉推進セミナー」が15日、伊那市の生涯学習センターであった。関係者約100人が参加し、住民主体の地域福祉のあり方について考えた。伊那市社会福祉協議会主催。
社会福祉法に基づく地域福祉計画を実施するため、市社協では住民一人ひとりの活動目標などを具体的に示した地域福祉活動計画の策定しようとしている。セミナーはそれに先駆けて開催しているもので、講師には住民流福祉総合研究所の木原孝久所長を迎えた。
木原さんは「災害時の逃げ遅れを一人も見逃さないためには近所同士の助け合いが最も大切」とし、こうした関係づくりは孤独死や空き巣被害防止にも有効であることを示した。しかし、介護保険法の導入により「福祉はプロのサービス」という概念が定着した結果、災害時に最も近隣住民の支援を必要とする要支援者ほど近隣住民との関係が希薄になっている現状を指摘。要支援者一人ひとりに対して何人の近隣住民が実際に支援してくれるかを示す「支援者マップ」は支援者を明らかにするだけでなく、支援者がいない要支援者を発見することにもつながることなどを語った。 -
日本棋院上伊那支部総会記念碁会
日本棋院上伊那支部(神田福治支部長)は15日、07年度定期総会記念囲碁大会を伊那市西春近のサンライフ伊那で開いた。小学生から80代まで約30人の棋士が集まり、クラス別変則リーグ戦やプロ棋士の大橋拓文さん(22)との指導碁に臨んだ。
同支部では例年、総会に合わせて記念碁会を企画。大人も子どもも一緒になって日ごろの鍛練の成果を競い合う場としている。
そんな中今年は、子どもたちにもプロの技を見てもらおうとの思いから4年ぶりにプロの指導碁を開催。東京都出身で若手ホープの大橋プロ4段を招いたところ、10人が対局を志願した。
大橋プロは一度に3人を相手に対局=写真。対局に臨んでいる人だけでなく、周囲に集まった人も大橋プロの一手一手に目を見張り、その技を学んでいた。 -
伊那ナイターソフト開幕式
伊那ナイターソフトボール連盟(秋山道夫会長)は16日夜、本年度リーグ戦の開会式を伊那市武道館で開いた。
本年度は昨年と同数の25チームが参戦。
秋山会長は「多くのチームやソフト好きな人の力添えがあり、昨年は30周年という節目の年を迎えることができた。体に気を付けて各リーグの頂点を目指してがんばってほしい」とあいさつ。また、昨年度の優勝チームによる優勝旗返還や選手宣誓があり、昨年度Bリーグで優勝した下県フェニックスの伊藤篤さんは「日ごろため込んだストレスを発散し、正々堂々と戦うことを誓います」と宣誓した=写真。
本年度はAリーグ13チーム、Bリーグ12チーム総当たりの勝率制で競い合い、それぞれに1位縲・位までを決める。リーグ戦の会期は10月下旬までだが、そのほかにも春季、秋季にトーナメント戦が行われる。 -
藤沢精機が新型有害鳥獣捕獲おりを開発
精密機器などを製造する藤沢精機(本社・伊那市、保科忠由社長)がこのほど、有害鳥獣対策に用いるシカ、イノシシ用の新型捕獲おりを開発した。新しいおりには仕掛けの作動部分に新型装置を搭載。また、各所で使う人の安全性を考えた工夫がほどこされており、装置部分については現在特許を申請している=写真。
同社では大手企業の下請けとして精密機器の製造を行っているが、受注量の変動に左右されない、自社商品を模索。関連会社の方で7年前から製造してきた有害鳥獣の捕獲おりに着目し、今回初めて藤沢精機としての捕獲おりを開発した。
おりの大きさは約1メートル四方で奥行きが2メートル20センチで鉄製。備え付けの仕掛けとして2パターンを装備しているが、使用者が考えたオリジナルの仕掛けを扉と連動させることもできるようになっている。
特許を申請中の新装置では、複数の仕掛けが反応しなければ扉が閉まらないように設定することや、作業中に罠が誤作動しないよう、扉が閉まらない設定にすることもできる。
また、一端持ち上げた扉が勝手に下がらないようにするためストッパーが自動的に働く仕組み。そのほかにもオプションで捕獲おりや獲物が入ったことを感知して情報を送る発信機の取り付けスペースなどもついている。
価格は約10万円(税込み)。
問い合わせは藤沢精機(TEL73・9870)へ。 -
かんてんぱぱで匠の技、「木の美」展
木曽の木を使った伝統工芸品などが並ぶ「匠の技、木の美」展が22日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。職人の技が光るヘギ板や家具、建具など約130点が並び、訪れた人を楽しませている=写真。
作品を出展しているのは屋根葺き、ヘギ板、建具、おけ、木工家具、製材に携わる5人の職人。いずれもその分野の一線で活躍している。
国内随一の良質な木の産地とも言われる木曽地域には、優れた伝統工芸品を手掛ける職人も多い。しかし、その技をPRする場が少ないため、伊那食品工業の塚越寛会長が今回の伊那側での作品展を提案した。
木の種類は異なるが、いずれも木曽の上質な木材を使用。昔ながらの手仕事で仕上げた美しいヘギ板を出展している小林鶴三さんは「目の詰まった良さ、色つやは木曽の天然木が一番良い」と語る。
また、今回の作品展に合わせて木曽の写真家・横井剛さんが赤沢を撮影した作品45点を同時展示。
横井さんは「伊那にはない木の良さを知ってほしい」と話していた。
入場無料。午前9時縲恁゚後5時。
日曜日は小木工品の展示即売もしている。 -
ドラゴンの踊りインストラクター養成講座
伊那まつりおどり振興会は14、15日、ドラゴン踊りインストラクター養成講座を伊那市役所で開いた。13人の受講者が集まり、昨年度のインストラクターからの手ほどきを受けた=写真。
踊りインストラクターは講習会指導だけでなく、県外を訪れるキャラバン隊の一員としても活躍しているが、新市となり、これまで以上に活躍する場が増えると見込み、今回初めてインストラクターの養成講座を企画した。基本的な動作が踊れる18歳以上を対象として受講者を募ったところ、南箕輪村などからの参加もあった。
15日は6人が参加。一通りの流れを把握している参加者たちも、細かい動きの違いなどには悪戦苦闘しながら指導者としての技を学んでいた。
振興会が5月に開く認定会の中で認められた人が、正式なインストラクターとして活動していくことになる。
また、踊りのオープンレッスンはまつりの約1週間前から始まるが、要望があれば高遠、長谷地区でも企画したいとしている。 -
山寺で奇祭「やきもち踊り」
伊那市山寺区上村の八幡社白山社で15日、県無形文化財に指定される「やきもち踊り」があった。酒盛りと踊りを繰り返し、踊り終わると鳥居から一目散に走り出す奇祭。
羽織はかま姿の保存会員ら36人は境内で輪になり、足を挙げてユーモラスに踊った。前踊り・中踊り・後踊りの3段で、合間に刻みたばこをふかし、どぶろくや串焼きのアユで酒盛り。踊り手の顔が徐々に赤らんだ。
境内にある満開は見ごろで、詰めかけた見物人にも酒盛りの酒や魚が振る舞われた。
踊りの終了と同時に、踊り手はげたもはかず、鳥居の外へ。逃げ遅れると、厄病にかかわると伝えられ、歌の終わりに近づくと、踊り手はすぐ逃げ出せるように鳥居付近から離れようとせず、観客の笑いを誘った。
やきもち踊りは江戸時代、伊勢参りに行った人たちが習い、例祭で奉納されたが始まりといわれる。歌詞に「大津の浦はヤレコリヤ焼きもちがはらんで…」とあることから、その名がついた。 -
桜満開の伊那公園でイベント
桜の名所の一つ、伊那市の伊那公園で15日、「健康歩道を歩き・太鼓演奏を聴き・カラオケを楽しみながら食事をする会」(伊那公園愛護会主催)があった。ソメイヨシノを中心とする300本余は満開。花見を高遠城址公園から伊那公園に切り替えた人もいたようで、多くの人でにぎわった。
公園内芝生広場の特設ステージでは、地元の小出太鼓、伊那太鼓が威勢よく演奏を披露したほか、飛び入り参加のカラオケなどが繰り広げられ、盛り上がりを見せた。
06年7月、公園内に足裏のつぼを刺激する健康歩道が完成したことから、地元の保健委員らが訪れた人に正しい歩き方を指導した。
暖かな1日で、ステージ前に用意した座席では市内外の家族連れなどが昼食を食べたり、酒をくみ交わしたりとのんびり過ごしていた。 -
伊那市誕生一周年記念式典
新伊那市の誕生1周年を記念する式典が14日、伊那市の生涯学習センターであった。関係者など約300人が集まり、この1年を振り返るとともに新市のさらなる発展を願った。 小坂樫男市長はまちの基礎固めに取り組んできたこの1年に触れ「これから伊那市が発展するためには旧市町村の壁を取り払ったまちづくりが必要。合併効果を最大限に生かし、財政の建て直し、健全化に努めて、市民と行政の信頼に基づいた協働のまちづくりを目指したい」と語った。
式典では旧市の市歌を作曲した故・高木東六さんをはじめとする名誉市民3人に名誉市民賞を授与したほか、ふるさと大使13人に委嘱状を授与。オープニングセレモニーではふるさと大使の一人でシンセサイザー・ギター演奏者・天山さん(高遠町出身)が地元をイメージして作曲した5曲と、伊那養護学校の第二校歌とも言われている「どんぐりの行進」を高遠小学校合唱団19人とともに披露し、会場を楽しませた。 -
木のある暮らし展
木に携わる職人などでつくる「NPO南信州木の会」は14、15日、「木のある暮らし展」を伊那市美篶の南信州木の情報館で開いている。5人の職人が手掛けた地域材で作ったダイニングテーブルやイス、テーブルなど約20点が、訪れた人を楽しませている。
木の関するさまざまな情報を消費者のもとへダイレクトに発信することを目的として開館した同館で行う初の作品展。今回は「木で和む、キッチン&ダイニング」をテーマに、ダイニング家具やキッチン小物を並べたほか、持ち込みが困難なオリジナル木製キッチンなどは、写真展示している。
家具作りを本業としている職人のほか、大工、建具職人などもそれぞれが携わってきた分野で培った技術を生かしながらオリジナルの作品を出品しているのが特徴。それぞれが地域材の魅力を最大限にアピールするように工夫している。
また、外ではクラフト市も開催。会員の一人が手掛けたオリジナルの木製笛「ユカイナ」など、珍しいクラフト作品も並び、来場者を楽しませていた。
今後同会では、月1回のペースで「住まいのと木の相談室」という無料相談会を実施するほか、さまざまなイベントを通して、木の情報を発信していきたいとしている。
木のある暮らし展は午前10時縲恁゚後5時。
相談会は毎月第2土曜の午前10時縲恁゚後4時。 -
津軽三味線コンサート
津軽三味線の兄弟ユニット・岡野将之さん(19)、哲也さん(17)によるコンサートが14日、伊那商工会議所大ホールで開かれた。約250人が集まり、息が合った張りのある三味線演奏に聞き入った=写真。
同コンサートはアルプス中央信用金庫経営者の会竜東支部(宮下光一支部長)が地域貢献の一環として企画。昨年8月にも同様のコンサートを開催したところ、約170人が集まる盛況を得たため、再度岡野兄弟を招いた。
今回は京都府舞鶴市で活動している和太鼓グループ「かわら屋」がオープニングで威勢のよい太鼓演奏を披露。その後、岡野兄弟が登場し、津軽三味線の代表曲の一つ「津軽じょんから節」などを演奏し、聴衆を魅了した。また、兄・将之さんの兄弟弟子に当たる手踊り・民謡の中野みち子さん(34)も友情出演。三味線の伴奏で「あいや節」などを歌い、会場を楽しませていた。 -
「新山っ子応援団」始動
伊那市の新山小学校の存続を願う有志の集まり「新山保育園・小学校を考える会」(若林敏明会長)は14日、同会の活動に関連し、住民ボランティアで結成する「新山っ子応援団」の取り組みを始めた。この日、同応援団は、保育園の保護者と一緒に園庭作業に汗を流した。
応援団は、少人数が問題となっている保育園と小学校の存続に向けた実践活動の一つ。小規模であることを逆手に取り、この地域でしかできない魅力ある教育現場をつくりあげることが目的。住民がそれぞれの特技などを生かし、子供たちに技術や知識など提供していく。
この日は、3月から募集したメンバー約50人のうち約10人が参加し、園内の畳の取り替えや窓拭き、庭木の剪定などを約3時間かけて作業。保護者と職員だけで行っていたこれまでの作業と比べはかどりをみせた。
若林会長は「地域の触れ合いの和も広がりをみせている。少人数であることをチャンスに代えて住民が結束し、実践活動を繰り広げて訴えていきたい」と話した。
さび付いた遊具の色の塗り替えをするボランティアら -
三峰川の桜並木を歩いて満喫
市民団体・三峰川みらい会議(織井秀夫代表)は14日、伊那市の三峰川右岸沿いにある桜並木を見ながら歩く「三峰川の桜めぐりツアー」を企画した。中学生や主婦などの一般住民約30人が参加し、春の風景に包まれた三峰川を身近に感じながらツアーを楽しんだ。
初企画となった同ツアーは、雪解けが進むアルプスや満開の桜並木などがある三峰川の景観のよさを再認識する目的。参加者らは、同市役所から高遠町の「山田河原臨時駐車場」までの約8キロを歩き、健康づくりにも役立てた。
ツアーのメーンとなる美篶青島の堤防沿いにあるソメイヨシノの並木に着いた一同は、春の陽気に包まれながら持参の弁当に舌鼓を打った。南箕輪村から参加の主婦3人は「改めて三峰川のよさを知った。きれいな桜も見れたし、健康にも役だった」と満悦顔で話した。
ソメイヨシノの並木を見ながら三峰川の右岸堤防道路沿いを歩く参加者ら -
井上井月の新句見つかる
漂泊の俳人、井上井月(1822縲・7年)の新句「里みちは 馬も足高 大根曳(だいこひき)」が、伊那市内で見つかった。
井月研究会の矢島太郎代表によると、大根の豊作を喜ぶ句で「地面から大根が青首を出す。野を歩く農耕馬も足を高く上げて見える」と解釈し、自然との取り合わせを詠んだ。大きさは縦28センチ、横15センチ。「井月」の書体から見て、晩年の作品ではないかという。
所有していたのは、かな書道「竹葉会」を主宰する向山修さん。「井月がいろり端でお茶を飲んだと聞いたことがある」そうで、30年ほど前、手良にある実家の蔵で見つけた。書の観点から井月の研究を始めたばかりで、井月の俳句を題材にした書展を開いたことをきっかけに「井月全集」(高津才次郎編)に載っていない新句であることを知った。
矢島代表は「これまでに1800句余が見つかっている。注意すれば、個人宅で発見される可能性はある」と話す。
井月は江戸で和学や漢学などを学び、俳人・松尾芭蕉を慕って諸国を行脚。58年から30年間ほど伊那谷に住み、美篶で死去した。 -
坂本勇さん絵手紙展
伊那市美篶下川手の洋画家坂本勇さん(62)の絵手紙展は21日まで、同市境東のギャラリーカフェ「カレッタ」で開いている。春の季節を意識した近作を中心に33点を出品。心温まる絵と一言が見る人を和ませている=写真。
同市西町の公園の桜や黄金色の鮮やかな花が咲くサンシュユなどの花をテーマに「春日公園も満開だ。良い木になってきたね」、「春をつげる黄色は元気のでる色」などと言葉を添える。作品には、日ごろの生活で感じた思いが込められている。
油絵を中心に創作活動に取り組む坂本さんが絵手紙を描き始めたの約10年前のこと。文章を考えて描くことにより、物事の見方や感じ方が以前より豊になったという。現在は、上伊那を中心に、油絵や絵手紙などの絵画教室も開いている。
坂本さんは「最近は言葉を考えるのがおもしろくなってきた。普段気になることを文にしてみるのが楽しい。素直な気持ちで描いた作品を見てほしい」と来場を呼び掛けている。
定休日は15、16日。午前11時縲恁゚後6時。 -
オールドノリタケ名陶展 ベル伊那・17日まで
明治中期から大正初期にかけ、日本から米国向けに輸出された磁器の展示販売会「オールドノリタケ名陶展」は17日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
当時の日本の職人たちが海外からの受注で丹精込めてつくった磁器「オールドノリタケ」。花瓶、ティーセット、飾り皿など、すべての作品に24金が使用された、あでやかな約100点を並べる。
絵柄はバラ、ポピーなどの花柄や風車がある風景、貴婦人などさまざま。西洋磁器のスタイルを取り入れながら日本人の細やかな装飾技術が光る名陶が集まっている。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
かんてんぱぱで手染めの衣展
安曇野市の宮沢千夏さん(37)による「手染めの衣」展が12日から、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。天然染料などで染めた綿のブラウスやバッグなど40点が、訪れた人の目を楽しませている。
白い布を染め上げ、その布を使って洋服や小物を製作している宮沢さん。南信地域での作品展は3年ぶり。今回はこれからのシーズンに羽織れるような綿のブラウスなどを多くそろえた。
染色は柿渋や墨などの天然染料を用いることが多く、アクセントとして化学染料を使うこともあるが、全体的にはほかの洋服と合わせやすい色調に仕上げている。また、服の形についても体のラインが美しく見えるようなデザインを心がけているという。
宮沢さんは「手染めの深い味わいと手触りを楽しんでもらえれば」と話していた。
入場無料。午前10時半縲恁゚後5時(最終日は午後3時まで)。16日まで。 -
エネルギー有効利用事例発表会
上伊那電気主任技術者協会(壬生善夫会長)は12日、第19回やさしいエネルギー有効利用事例発表会を伊那市西箕輪の伊那技術形成センターで開いた。各企業が取り組むエネルギーの有効利用に関する事例発表を通して、具体的な成果と今後の課題について話し合った=写真。
コスト提言や品質向上、CO2の排出削減などを目的としてエネルギーの利用効率向上などを研究している同協会は、年に1回ずつ事例発表会を開き、情報交換や新しい技術の習得に努めている。
今回は14人の担当者がエネルギーの有効利用に関するさまざまな事例を発表。
エプソンファシリティ・エンジニアリング松島グループの廣田誠一さんは、老朽化していたコンデンサー(圧縮機)の更新に伴い、効率的なコンデンサーを導入、供給系統全体の見直しを行い、年間で19万7千キロワットの電力量と71トンのCO2削減に成功した事例を紹介。金額にすると250万円の削減につながった一方、もろもろを含めた工事費は3200万円になったことも示した。
そのほかにも、太陽光システムの導入の成果や凍り豆腐の乾燥にマイクロ派加熱を併用した試行などが紹介され、お互いに関心を深めた。 -
【記者室】展示会場に音楽
あっ、音がある-。県伊那文化会館美術展示ホールで現在開催中の「信州から宇宙を見よう!-県内の宇宙スポットと天体写真展-」。訪れた方は、いつもの展覧会との違いに気づいただろうか。そう、会場内に音楽が流れているのだ▼プラネタリウム担当職員と学芸員に音響担当職員が協力し、展示会場に音楽を流す“ささやかな提案”だという。本格的な機材を入れ、決して邪魔にならないように音量は極控えめ。心地よい音楽を感じながら、天体写真を見る。プラネタリウムのCDコンサートに少し似た感覚だろうか▼通常の展覧会で音楽を流すことはない。しーんと静まり返った会場で鑑賞に浸る。しかし、音のある空間で鑑賞する“提案”を体験するのも面白い。(村上裕子)
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手良小学校の学童クラブ開所
伊那市内で12番目となる学童クラブが開所した手良小学校で11日夜、同クラブの入所式が開かれた。入所した1年生を中心とした児童17人とその保護者ら計約40人が集まり、開所を祝った。
手良地区の住民からの要望で学童クラブを開所。留守家庭児童の保護と健全育成のため放課後の同児童たちの居場所づくりを目的に設けた。同小学校体育館のミーティングルームを改修し、クラブの教室を設置している。
入所式で北原明教育長は「上級生が先頭になって楽しいクラブをつくって」とあいさつ。植木行雄校長は「クラブが充実するよう地域、市、学校が連携を取っていきたい」と話した。
クラブ指導員の女性は「上級生が小さな子の面倒をよくしてくれる」と感想。クラブの教室で宿題をこなし、学校の体育館や校庭で野球やドッジボールなどをして遊んでいるという。
児童クラブは、1983(昭和58)年に伊那小学校で初めて開所。現在、高遠町、長谷を含む全15小学校のうち、伊那西、新山、高遠北小学校を除いた12校に同クラブがある。
体育館に表札を設置する北原教育長と植木校長ら -
さくら功労者 伊那市役所訪問
桜の保護、植栽などの活動に対し全国表彰する、日本さくらの会の「さくら功労者」に選ばれた伊那市内3団体の代表者が11日、市役所を訪れ、小坂樫男市長に受賞を報告した。昨年より1団体多い3団体の受賞に、小坂市長も「伊那市からこれほど選ばれるのはすごい」と喜び、それぞれの活動を称えた。
受賞したのは、自分たちの学校や美和湖周辺などの木の治療に2年半の間従事した「伊那小学校6年勇組」と高遠の花の丘公園で約15年間、桜の保護育成活動に取り組む「高遠地区区会」「JA上伊那東部支所」の計3団体。4日、東京都であった第42回さくら祭り中央大会に参加し、表彰状や桜の絵柄の入った湯のみのを受け取ってきた。
勇組の34人は、本年度中学校へ進学したが自分たちで育て、三峰川沿いに植樹した桜の苗を管理するためサークルを結成した。この日は、サークル正副長や元担任教師4人が訪問。サークル長の宮島優哉君(12)は「これまでの活動が評価されたのでこれからも活動を続けたい」と感想を述べた。
高遠地区区長会の飯島明会長は「先輩たちのやってきた功績が認められてうれしい」。JA上伊那東部支所の伊藤昭人支所長は「今まで以上に活動に取り組みたい」と話した。
「さくら功労者」を受賞した3団体の皆さん -
おひさまクラブ・春の油彩画展
伊那市を中心とした上伊那の油絵愛好者でつくる「おひさまクラブ」(有賀恵治会長、16人)の油絵展は6日、同市中央区の中部電力伊那営業所ギャラリーで始まった=写真。メンバー12人が一人1縲・点の計24点の新作を出品している。27日まで。入場無料。
会社員、主婦、定年退職者など20縲・0歳代の幅広い年代の会員が集まり、身近な山や田園風景、ユリの花などの静物を描いた力作を出品。各メンバーが題材に対して感じた思いをキャンバスに向かって表現している。
「おひさまクラブ」は、市駅前ビルいなっせであった油絵教室の卒業生らで04年に発足。月2回の教室で、造形画家碓井伍一さん(71)=同市山寺=の指導を受けながらメンバーらの交流も深めている。同ギャラリーでの展示は、今回で5回目となる。
碓井さんは「初めて筆を握った人もいたが、次第にそれぞれが自分の絵を描けるよう成長している」と評価。有賀会長(67)=同市西春近=は「展示会の回を追うごとに作品が充実してきた。見てもらうことで励みになる」と来場を呼び掛けている。
土・日曜日は休館。午前8時30分縲恁゚後5時10分。 -
英語で観光ガイドクラブが高遠城址公園でお花見研修会
上伊那在住の有志でつくる英語で観光ガイドクラブ(会員20人、倉田嘉明代表)は10日夜、高遠城址公園で現場研修を開いた。高遠町のボランティアガイドに取り組む「高遠ふきのとうの会」の北村勝彦会長を迎え、タカトオコヒガンザクラのゆえんや高遠城址の歴史について学んだ。
同会は外国人旅行者などに地元の名所や歴史を英語で案内できる人材を育てる目的で今年1月に発足。自分たちが知らない地元の歴史を学んだり観光案内用の英文翻訳などに取り組みながら英語で観光案内するノウハウを学んでいる。
現場研修は今回が初めて。高遠城址は日本有数のサクラの名所として知られる地元観光名所の一つだが、歴史などについては会員たち自身が知らないことも多いため、改めて歴史的背景などを学ぶ研修を企画した。
北村さんは、公園内に約1500本近いサクラが植樹されていることや、エドヒガンザクラの交配種で、この地の固有の種類であることから「タカトオコヒガンザクラ」と名付けられたことを説明。
参加者から「伝説でタカトオコヒガンザクラの色が赤いのは血を吸った色だと言われるが」といった質問がでると、「ここは織田勢と仁科五郎盛信の激戦となった場所で、たくさんの人が自沈している。そういう血がサクラの色になっていると小さい時から聞かされた」と応えていた。
同クラブは現在会員を募集している。
申し込み・問い合わせは伊那国際交流協会(TEL72・7706)へ。 -
かんてんぱぱガーデンのカタクリ見ごろ
伊那市西春近のかんてんぱぱガーデンでは、カタクリをはじめとする春の山野草が見ごろを迎えている=写真。
春から夏にかけて80種類以上の山野草が代わる代わる咲き、観光客の目を楽しませている同ガーデン。現在、ショウジョウバカマ、ミズバショウ、イワウチワなどが続々と見ごろを迎えており、約200株が群生するカタクリとともに訪れた観光客の目を楽しませている。
カタクリについてはその花の形から「かたかご」(傾いたかご)という呼び名が「かたこゆり」となりそれが転じて「カタクリ」と呼ばれるようになったとする説がある。昔は鱗(りん)茎からでん粉が採れ、それを「カタクリ粉」といって食べていたが、現在の一般的なカタクリ粉にはジャガイモのでん粉が用いられている。 -
満開の桜の下で伊那節まつり
伊那市中央区にある伊那公園の「伊那節発祥之地」石碑前で11日、伊那節まつりがあった。48回目を数え、伊那節保存会員9人が保存会独自の伊那節「伊那の華」を披露した。
まつりには伊那商工会議所議員、市関係者、伊那公園桜愛護会員ら約50人が参加。
あいさつに立った向山公人会頭は、地域住民らに喜ばれる公園づくりや、伊那節が歌い継がれることを祈った。
そのあと、雨がぱらつく中、保存会員は太鼓や三味線、歌に合わせ、扇を使った振り付けで伊那節を踊った。
石碑は60(昭和35)年4月、伊那節発祥の地を広く知ってもらおうと市・伊那商工会議所が建立。伊那節を後世に伝えようと例年、桜の開花時期に合わせてまつりを開いている。
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伊那公園桜愛護会(伊藤一男会長)は15日午前11時縲恁゚後4時、伊那公園で「健康歩道を歩き・太鼓演奏を聴き・カラオケを楽しみながら食事をする会」を開く。
午前11時からの太鼓演奏には、地元の小出太鼓、伊那太鼓が出演。また、足裏のつぼを刺激する健康歩道で、正しい歩き方を指導する。午後1時から、カラオケを楽しむ会を開く。参加は自由。
公園内にはソメイヨシノを中心に、13品種302本が植えられ、ほぼ満開を迎えている。 -
美篶小卒業の同級生展 美篶郵便局で
伊那市の美篶小学校を1957(昭和32)年に卒業した主婦、太田光子さん(62)=南箕輪神子柴=が同級生の伊東悦子さん(同)=埼玉県越谷市=へ送った絵手紙の展示「光ちゃんから悦ちゃんへ絵手紙365日展」は27日まで、2人の地元である美篶郵便局で開いている。
卒業以来変ることのない交流を続ける2人は、伊東さんが地元を離れてからも手紙や電子メールなどで気持ちを伝え合う間柄。絵手紙を送り始めたのは、10年ほど前からで、2年前からはほぼ毎日続いている。
絵手紙展は、心安らぐ絵手紙が毎回届くのを楽しみにしている伊東さんから「皆さんに見てもらえば」との呼び掛けがあり企画した。太田さんは「これから絵手紙を始めたいと思っている人に興味を持ってほしい」と、これまで送った絵手紙を送り返してもらい展示することになった。
作品は、風景や植物、動物などを題材に描き、文章はその時の思いを日記として添えた100枚以上を出品。庭先に集まるスズメの愛らしさや、冬眠を終えたカエルを見て春の到来を感じたことなど、日常にある一つひとつの出来事を報告している。
太田さんは「絵手紙は、自分の思いを手紙にして相手に伝え続けることに意味がある。悦ちゃんというよいキャッチャーがいてくれたから続けてこれた」と話している。
土・日曜日、祝祭日は休み。午前9時縲恁゚後5時。
心温まる絵に日々の出来事を文章でつづった「光ちゃんから悦ちゃんへ絵手紙365日展」(美篶郵便局)