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豚コレラ 経口ワクチン緊急散布
長野県は、上伊那での野生イノシシの豚コレラの感染拡大を受け、3日、経口ワクチンの緊急散布を実施しました。
トウモロコシと米ぬかを混ぜた餌と一緒に山地にまきます。
緊急散布を行ったのは、伊那市西春近、西箕輪、横山と、宮田村の20か所で、合計400個の経口ワクチンを散布しました。
上伊那でのワクチン散布に7月29日に続き2回目で、県や伊那市、宮田村の職員や、猟友会の会員などが行いました。
伊那合同庁舎の正面入り口では、参加者がワクチン散布の注意事項の確認を行いました。
長野県によると、3日に、松本市で初めて豚コレラに感染した野生のイノシシが確認され、新たに6つの養豚場が監視対象となりました。
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ブドウの房の軸からがん細胞抑制を発見
南箕輪村の信州大学農学部の藤井博教授と真壁秀文教授らの研究グループは、がん細胞の増殖と浸潤を抑制する化合物をブドウの房の軸から抽出し特定したと発表しました。
今回、がん細胞を抑制する新規化合物を特定した分子生物学専門の藤井教授と、生物有機化学専門の真壁教授です。
二人は、飯綱町のワイナリーとともに、がん抑制物質の共同研究を進めています。
藤井教授は40種類以上の野菜や果物の残りかすを調べ、その中からブドウに着目しました。
白ワイン用のブドウの房の軸です。この軸から抽出した成分にがん細胞の増殖や転移を抑制する物質があることを見出しました。
研究グループが開発した手法で成分を精製し、がんを抑制する化合物はエピカテキンのユニットを8つ持つポリフェノールの一種であることを突き止めました。
そしてその物質を精製しました。
食品の残りかすからがんの予防法へ発展する可能性を持つ研究として、今後の取り組みに期待がかかります。
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上農高校 アツモリソウで全国大会へ
南箕輪村の上伊那農業高校の植物科学コースとバイテク班の生徒が、美ケ原のアツモリソウの保護活動で、日本学校農業クラブの北信越大会で最優秀賞を受賞し全国大会出場を決めました。
上農高校の植物科学コースとバイテク班の生徒8人は、美ケ原に自生するアツモリソウをバイオテクノロジーの技術を使って無菌培養し増殖させる研究に取り組んでいます。
今月23日に開かれた日本学校農業クラブ北信越大会に出場し、活動について発表したところ、最優秀賞を受賞し、全国大会への出場を決めました。
上農高校では12年前からアツモリソウの培養に取り組んでいて、美ケ原高原のアツモリソウの保護・回復は、2016年に県の認定を受け行っています。
寒天培地に移植し、細胞の塊が、芽や根に分化させたました。 培養室から外の環境に適応できるよう順化させることが必要で、今年は、生徒たちが順化装置を考案し作りました。
美ケ原は霧の状態が多く、その気候を再現するため、ミスト状にして水やりを行う方式です。
これにより、これまで90%だった枯死率が20%まで下がったということです。
日本学校農業クラブ全国大会は、10月22日から24日まで東北地方で開かれ、上農高校は23日に宮城県で発表する予定です。
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監視対象の養豚場 豚コレラ陰性
長野県は豚コレラの監視対象に指定した伊那市と宮田村の養豚場の立入検査を行った結果を
29日、発表しました。
どちらの養豚場からも豚コレラは検出されませんでした。
長野県は28日までに立入検査を行い、死亡した豚の有無や、豚コレラ特定の症状があるかを
確認しましたが、異常はありませんでした。
また、飼育されている一部の豚から血液を採取し、検査した結果、豚コレラは陰性でした。
伊那市と宮田村の養豚場では、当面の間、豚の様子を毎日、家畜保健衛生所に報告することが義務付けられています。
また、出荷や他の農場に移動させる時にも、体調不良の確認や検温をおこなうということです。 -
スマート農業実証試験中間報告
最新の情報技術を使って伊那市で進められているスマート農業の実証試験の中間報告会が28日市内で開かれ、概ね評価するとの回答があった一方、コストやデータ入力方法などで課題も報告されました。
中間報告会には実証試験を行っている農家や農機具・ソフトメーカー、伊那市の担当者などおよそ70人が出席しました。
水田の水管理システムを導入している農事組合法人からは「水位や温度の管理などの手間は大幅に省けたが、コストが導入の妨げとなっている」と話していました。
別の農家からは「毎日のデータ入力が手間だ」「停電時のシステム復旧方法を見直してほしい」などの意見が出されていました。
スマート農業はIOTやICTを活用し、農作業の省力化や効率化、生産性の向上を図ろうと伊那市が中心となり進めています
実証試験は今年度と来年度の2年間行われます。
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伊那と南箕輪の野生イノシシから豚コレラ
長野県は伊那市と南箕輪村で捕獲した野生イノシシから豚コレラの陽性反応が出たとの結果を27日発表しました。
これにより上伊那地域の養豚農場2か所が新たに監視対象に指定されました。
長野県の発表によりますと19日に伊那市で、22日に南箕輪村で捕獲した野生イノシシを検査したところ、豚コレラの陽性反応が出たという事です。
今回、豚コレラの陽性反応が出た野生イノシシが発見された場所から半径10キロ以内にある、伊那市と宮田村の養豚農場2か所が、新たに監視対象農場に指定されました。
長野県では、防疫対策として監視対象となった農場への立入検査や聞き取り調査、農場近くで捕獲された野生イノシシの検査を実施していくという事です。
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JA担い手経営体就農者セミナー
地域農業の担い手となる経営体と新規就農者を対象とした合同セミナーが、きょう、伊那市のJA上伊那本所で開かれ、参加者がスマート農業について学びました。
Nセミナーでは、農業経営者の報告やスマート農業についての講演などが行われました。
そのうち、長野県農業試験場の酒井長雄さんは、伊那市を中心に県内で行われている水田でのスマート農業の実証実験について話をしました。
精度が高く直進して植え付けができるアシスト機能付き田植え機や、遠隔地からスマートフォンで水田の水の給水・排水をできる技術などを紹介していました。
酒井さんは、「スマート農業を取り入れると熟練した人でなくても作業ができるようになり経営が続けられるほか、データ管理で収量・品質のばらつきを是正し収益増につながる」と話していました。
これは、JA上伊那が、認定農業者や集落営農組織などの担い手経営体や新規就農者を対象に開いているもので150人ほどが参加しました。
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極早生の夏あかり選果
極早生のりんご「夏あかり」の選果作業が、箕輪町のJA上伊那果実選果場で行われています。
夏あかりは、お盆のニーズにあわせてJA上伊那で最も早く出荷されるりんごです。
人の目でキズのチェックを行い、大きさや熟度などを測定する光センサーを通して箱詰めされていきました。
選果は7日から始まり、盆明けの18日頃まで行われます。
夏あかりは、JA上伊那 伊那中央店で主に取り扱われる他、徳島県や中京方面に出荷されるということです。
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県が豚コレラの経口ワクチン散布
長野県は、豚コレラの感染防止のため、伊那市西箕輪から西春近の山林でイノシシ経口ワクチンを29日散布しました。
今月塩尻市や木祖村などで死んだイノシシから豚コレラが確認されたことから、上伊那地域振興局では、29日伊那市西春近から西箕輪の15か所でイノシシ経口ワクチンの散布を行いました。
上伊那では伊那市の他に辰野町の10か所でもワクチンの散布が行われました。
上伊那地域振興局によりますと、経口ワクチンは人体に安全で、また豚コレラは人に感染することはなく、感染した豚の肉が市場に出回ることはないとしています。
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豚コレラ調査捕獲地域に追加
伊那市、箕輪町、南箕輪村の10キロ圏内で見つかったイノシシから豚コレラの陽性反応が出たことを受け長野県は22日、3市町村を野生イノシシの調査捕獲地域に追加しました。
調査捕獲地域に指定されたことから、エリア内でイノシシが捕獲・発見された場合、松本市の衛生保健所で検体の遺伝子検査を行うことになっています。
県では感染拡大を防ぐため、山林に入ったあとは、靴底などの泥をよく落とし、下山後1時間程度は養豚農場に近づかないよう呼びかけています。 -
スマート農業 2度目の実証実験
農業の負担軽減や効率化を目指して伊那市東春近田原の圃場を会場にした、スマート農業の2回目の実証実験が16日に行われました。
デモンストレーションが行われた自動運転トラクターはGPSを搭載しているほか、人や障害物を検知すると自動走行を停止するなど、最先端技術を装備しています。
実証実験には、市内の農家などおよそ150人が訪れ、デモンストレーションを見学しました。
この日は自動運転のトラクターや、遠隔操作で傾斜地の草を刈ることができる草刈り機などの実演が行われました。
また、雨で実演はありませんでしたが、上空から農作物の生育状況を確認するドローンの説明も行われました。
実証実験は、長野県や伊那市、農事組合法人田原、信州大学、農機具メーカーなど12の機関が連携して、IT技術を活用したスマート農業を進めようと行われているもので、今回が2回目になります。
農事組合法人田原の中村博組合長は「こういった機器が農業でも活用されるようになり、製造業のように若い人がやりたいと思うような仕事に少しずつなっていけばうれしい」と話していました。
今年度から2年間かけて効果を検証し、最新の農業技術の普及を図るほか、農業の省力化に取り組んでいくということです。 -
地域の森林業について座談会
南箕輪村の信州大学農学部の学生と伊那市の白鳥孝市長らの談話会が9日、構内の食と緑の科学資料館「ゆりの木」で行われ、地域の農林業について意見を交わしました
談話会には学生13人が出席しました。
白鳥市長は始めに、「食・水・エネルギーを市自体でまかなう未来を目指したい。情報通信技術ICTを農業や生活などに取り入れ、獣による森林の被害や買物弱者が抱える問題を解決していきたい」と話していました。
また、各研究室の代表の学生が、研究内容を発表しました。
市内の気温や標高の高さをいかして、赤い果肉のリンゴをつくっている研究室の学生、三野敦大さんは、「ブランドのリンゴとして売りだし、地域の発展に貢献したい」と話していました。
談話会は、伊那市が地域の魅力の再発見を若者と共に行うことが目的で、今年で6回目になります。 -
ブルーベリー収獲最盛期
南箕輪村神子柴の田中農園では、ブルーベリーの収獲が最盛期を迎えています。
広さおよそ30アールの田中農園には、8種類800本のブルーベリーがあります。
かための果肉で甘みの強い「ブルーレイ」や、大粒で柔らかくしっかりとした甘さが特徴の「スパータン」などです。
11日も、従業員6人が収獲作業をしていました。
100円玉程の大きさになる3Lサイズ以上のものもあり、スーパーなどで販売されている一般的なものと比べると粒の大きさが分かります。
ブルーベリーはJA上伊那に出荷しているほか、現在東京の新宿高野で開かれている「信州伊那フェア」の店頭にも並んでいます。
田中農園では、南箕輪村観光農園としてブルーベリー狩りの受け入れも行っています。
ブルーベリーを栽培している菅家美果さんによりますと、今年は7月になって雨の日が多く気温も低めに推移していることから、実の生長がゆっくりで長く楽しめるということです。
中学生以上は1人1,000円、3歳から小学生までは500円、2歳以下は無料で1時間食べ放題です。
予約は、大芝高原味工房で受け付けています。
【ブルーベリー狩り予約】
大芝高原味工房 電話76‐0054
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伊那市横山で酒米の栽培
伊那市横山の住民有志グループ横山維者舎は地区内の酒米の田んぼで30日雑草取りをしました。
横山の田んぼにはメンバー10人が集まりました。
横山維者舎は伊那市荒井の蔵元、宮島酒店とともに地区内の田んぼで酒米の栽培に取り組んでいます。
横山の環境の豊かさを酒造りに生かそうと始めたもので減農薬栽培を行っています。
酒米は秋に収穫し宮島酒店で醸造されます。
横山維者舎では横山のブランド酒として銘柄についても考えていくということです。
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イーナちゃん応援隊 葉摘み体験
地元の農産物を知りふるさとに愛着を持ってもらおうと、桜の葉摘み体験が29日、伊那市高遠町下山田の畑で行われました。
体験には上伊那の8組19人が参加し、塩漬けして桜餅に使う桜の葉を摘みました。
摘んだのは「大島桜」という品種の葉です。
高遠・長谷地区では、農産物として桜の特産化に取り組んでいて、平成24年から千本の大島桜の栽培を始めました。
参加者は、桜餅用に12センチから14センチほどの大きさの葉を選んで摘んでいました。
この体験は、伊那市とJA上伊那、伊那商工会議所でつくるイーナちゃん応援隊が行いました。
地元の食材を使ったスイーツづくりを体験し絵日記を書く「思い出絵日記コンテスト」の一環で行われました。
参加者はこの後、摘んだ葉を使って桜餅づくりを楽しんだということです。
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50年先の伊那へ ミズナラ植樹
伊那市50年の森林づくり2019植樹祭が伊那市長谷の鹿嶺高原で5日に行われ、長谷小学校の児童や林業関係者など150人がミズナラの苗を植えました。
5日は鹿嶺高原にある伊那市保有の広さ2,500平方メートルの場所にミズナラの苗およそ600本を植えました。
参加した児童は、教わりながら苗を植えていきました。
今回用意した苗のうち、半数以上の360本余りは、西春近諏訪形区の住民有志が鹿嶺高原で拾ったミズナラの実を1年かけて育てたものです。
苗は、真下に伸びる根を残してあります。
成長するとこの根が地中深くまで伸びて土砂崩れを起きにくくするという事です。
伊那市では山林の木を活用し森の循環を図っていこうと「ソーシャル・フォレストリー都市宣言」を平成28年度に行いました。
5日の植樹はその一環で行われたもので、伊那市ではこの一帯を整備し山林と人とを結ぶシンボル的な場所にしたいと計画しています。
今回植樹を行った場所は、以前はカラマツ林でしたが伊那市では保水力があるミズナラを植え災害に強い山林にしていきたい考えです。
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パセリの出荷ピーク迎える
上伊那で最も多くパセリを栽培している南箕輪村久保の池田政幸さんのハウスでは、今月に入って収獲作業がピークを迎えています。
池田さんは7棟のハウスでパセリを栽培していて、7月に入って収獲のピークを迎えています。
JA上伊那によりますと、上伊那でパセリを栽培している農家は12軒あり、このうち最も多い量を栽培しているのが池田さんだということです。
15年前に務めていた会社を退職し、妻の友子さんとパセリ農家を始めました。
収獲は、よく生長した外側の茎から折って250gずつ束にします。
友子さんは手際よく作業を進めていました。
池田さんのパセリは、静岡県や愛知県、京都府、大阪府などに出荷されます。
作業は10月末まで続きます。
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森林づくり県民税 事業を検証
森林づくり県民税を元に、上伊那地域で行われた事業について検証する「みんなで支える森林づくり上伊那地域会議」が2日、伊那市の伊那合同庁舎で開かれました。
会議には委員10人が出席しました。
この日は、県から上伊那地域の昨年度の森林づくり県民税活用事業について報告がありました。
それによると、上伊那地域全体では昨年度、1億500万円が配分されていて、このうち里山の利活用に向けた間伐作業に1100万円、防災・減災に向けた間伐作業に700万円となっています。
また、各市町村が森林づくり県民税の支援を受けて行った事業として、伊那市は松くい虫枯損木処理事業に306万円、箕輪町は景観形成を目的とした森林整備に114万円、南箕輪村は松くい虫枯損木処理事業に72万円となっています。
委員からは「どんな取り組みが行われているのかPRが足りない」「若者の目に触れるフリーペーパーに掲載するのはどうか」など説明不足を指摘する意見が上がっていました。
またきょうは、新年度の事業計画が報告されました。
新たな事業として、上伊那地域の小中高校の児童・生徒を対象にした「自然教育・野外教育推進事業」に116万円などが計画されています。 -
ブロッコリー出荷最盛期
上伊那の主力野菜の1つ、ブロッコリーの出荷作業が最盛期を迎えています。
南箕輪村のJA上伊那広域集出荷場には、今朝収獲したばかりのブロッコリーが次々と運ばれてきました。
ブロッコリーは、白ネギ・アスパラガスと並ぶ上伊那の野菜の主力品目の1つです。
大きさと品質で6つの規格に分けて箱詰めされます。
1番多いのは、かさの部分が13cm~14cm、全体の高さが14cmのLサイズのものです。
ここでは、1日におよそ3,500ケース1万4,000kgを出荷しています。
新鮮なまま送るため、箱詰めされたブロッコリーには氷が入れられます。
主に東京や愛知、大阪方面に出荷されるということです。
上伊那のブロッコリーの栽培面積は95ヘクタールで、去年は20万ケースを出荷したということです。
JA上伊那によりますと、今年は4月から5月にかけて発生した霜や、雨量が少なかった影響で、若干収穫量は減ったということです。
作業は5月下旬から始まり、例年より2週間ほど遅い今がピークで、6月いっぱい行われます。 -
村有害鳥獣 農業被害88万円
南箕輪村の昨年度の有害鳥獣による農業被害額は88万円でした。
14日は、南箕輪村役場で村鳥獣被害対策協議会が開かれ、昨年度の有害鳥獣の捕獲頭数などが報告されました。
昨年度、捕獲された有害鳥獣は、ニホンジカが16頭、イノシシが8頭、カラスが21羽となっていて農業被害額は88万円でした。
唐木一直村長は「ここ数年クマの目撃情報が増えているので、猟友会を中心に万全な体制を築いていきたい」と話していました。
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JA上伊那 農業機械初心者講習会
JA上伊那は13日、農業機械を安全に使うための初心者講習会を伊那市西箕輪のJA菜園で開きました。
この日は、午前と午後の2回に分けて講習会が開かれ、合わせて41人が参加しました。
午前の部には23人が参加し、トラクターや自走式草刈り機などの使い方を学びました。
講習会は、JA上伊那が新規就農者を増やす目的で毎年開いていて、今年で5回目です。
参加者は、JA上伊那の職員に指導を受けながら、農業機械を操作していました。
JA上伊那は、「農業機械は農作業の時間短縮など効率化が見込めるが、使い方を間違えると事故が起きる。正しい使い方を学んでほしい」と話していました。
JA上伊那では、8月にも同様の講習会を予定しているということです。
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入笠牧場で牛の放牧
夏の間、牛に涼しい環境の中で足腰を鍛えてもらおうと伊那市高遠町の入笠牧場で牛の放牧が12日、行われました。
12日は、上下伊那と諏訪地域の畜産農家から39頭が放牧されました。
去年は、初日10頭でしたが今年は3倍近くとなっています。
放牧は、初めての出産を迎える雌牛の足腰を鍛えるとともに、畜産農家の夏場の労働軽減などを目的に毎年6月上旬に行われています。
今年は全部で50頭ほどを放牧する予定で牛たちは10月中旬まで入笠牧場で過ごします。
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地域野菜の魅力 学内販売でPR
南箕輪村の信州大学農学部の学生有志は、地元の農産物の魅力を発信する取り組みの事業化を目指しています。
その第一歩となる生野菜サラダの販売が、農学部キャンパス内にある生協の購買と食堂で始まっています。
生協の購買ではおしゃれな箱に入った生野菜が売られています。
「伊那谷サラダの十二ヵ月」と名付けられたこちらは、ひと箱321円で、毎週10箱出荷しています。
レタスや五寸人参など旬の野菜10種類が入っています。
この取り組みは地域の農家・飲食店のシェフなどでつくる会社「結屋(ゆいや)」の運営に参加している学生や大学院生など7人のチームが企画しました。
11日は、チームに参加する学生のうち4人が、学内で記者会見を開き、概要を説明しました。
会見で信大農学部博士課程の岩本啓己さんは「学生、大学がもっと地域の食とか農業とかと近い距離になる。学内で勉強しているだけでなくて、地域の食とか農業とかとつながっていくことが理想」と話していました。
学生チームが所属する「結屋」では、飲食店からリクエストのあった新鮮な野菜を農家から集め、配送を行っています。
今回、同じキャンパスで学ぶ仲間たちに伊那谷の魅力をもっと知ってもらおうと、生協での販売を企画しました。
大学院生の坂田章太郎さんは「『農学部は何もない』とみんな言うが、自分たちで活動してみて、伊那には良いところがいっぱいあると気付いた。それをみんなに知ってもらいたい。地域の美味しいものを生協に置いてもらい、食の感動を知ってもらって、地域に目を向けるきっかけにしてもらえればうれしい」と話していました。
岩本さんは「もっと大学と地域、食と農業の距離が近くなって一緒に何か地域を盛り上げていく、一緒に問題を解決していく、そういう関係がつくっていけたらいいな、と思う」と話していました。
今後は地域の他の大学や短大にも営業をかけるなどして、この取り組みを採算ベースに乗せていきたいとしています。 -
ラジコン草刈機 実演会
スマート農業技術を推進している伊那市は、ラジコンで動く草刈機のデモンストレーションを11日、富県上新山で行いました。
この日は、㈱クボタのラジコン草刈機の実演が行われました。
この機械は、重量が124kgと比較的軽量で、軽トラックの荷台に載せられるということです。
草刈機は傾斜40度まで対応でき、ラジコンを操作する人から100メートル以内の範囲まで電波が届くようになっています。
価格は、99万7千円です。
この日のデモンストレーションには、農家や集落営農法人などおよそ70人が参加しました。
伊那市ではこれまでに8機種の実演を行ってきました。
農林水産省は、今年度から全国69か所でスマート農業の効果を検証する実証実験を行っています。
そのうちの1つ、東春近の農事組合法人田原では、同じ型の草刈機を7月から本格的に導入する予定です。
伊那市では「農業者のニーズに合った機種があれば、随時紹介していきたい」と話していました。 -
JA農政対策委員会総会 「TAG毅然たる交渉を」
JA上伊那の関係者でつくる農政対策委員会の総会が、きょう伊那市内で開かれ、日本政府に対し、日米貿易交渉で毅然とした交渉をするよう求めることなどが決議されました。
この日は、JA上伊那の生産部会や生活部会、青壮年部などで作る農政対策委員会の総会がJA上伊那本所で開かれました。
総会では「TAG=日米物品貿易協定は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定を超える市場開放につながる恐れがあるとして、日本政府に対しアメリカと毅然とした交渉をするよう強く求めていく」ことなどを決議しました。
総会では、ガンバロー三唱をして出席者が士気を高めました。
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松くい虫被害 130㎥減少
上伊那地区の松くい虫被害の昨年度の状況は4,722㎥と、前の年度と比べ130㎥減少しました。
5月22日は伊那市の伊那合同庁舎で上伊那地区松くい虫防除対策協議会が開かれ、平成30年度の被害状況が報告されました。
上伊那全体の昨年度の被害量は4,722㎥でした。
市町村別では伊那市が最も多く2,342㎥でした。
協議会では松くい虫被害が箕輪町と辰野町の境まで北上してきている事から、アカマツ林での林業に関する指針を今年度変更しました。
辰野町は、被害の拡大の恐れがある箕輪町に接している事からこれまでの予防未被害被害地域から危険未被害地域に変更されました。
材木用としてのアカマツの搬出時期はこれまで制限はありませんでしたが、今後はマツマダラカミキリの活動期間外の10月から翌年5月までとなります。
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「ついで見回り」林野庁長官から感謝状
伊那市長谷の浦国有林のニホンジカ捕獲に成果があったとして、上伊那猟友会と、宮下建設株式会社に、林野庁長官から感謝状が贈られました。
4日は、伊那市山寺の南信森林管理署で贈呈式が行われ、小林辰男署長から感謝状が手渡されました。
面積の広い浦国有林で効率的にニホンジカを捕獲するため、南信森林管理署と上伊那猟友会、宮下建設は、平成30年8月に協定を結びました。
管理署の事業を請け負う宮下建設が現場に行く途中に、猟友会が道路沿いに仕掛けたワナを見回るというもので、平成30年8月30日から11月3日までの66日間で158頭を捕獲しました。
上伊那猟友会の竹入正一会長は「宮下建設さんの協力もありほぼ毎日のペースで捕獲でき、効果があった」と話していました。
宮下建設の宮下金俊社長は「従業員にも協力を呼びかけている。続けられる限り協力していきたい」と話していました。
小林署長は「協力がなければ成果をあげられなかった先駆的な取り組み。これをモデルにほかの地域にも広げていきたい」と話していました。 -
元協力隊員が村の野菜をPR
宮崎県出身で、昨年度まで南箕輪村の地域おこし協力隊として活動していた内山祐輔さんは、村内の野菜を県外に売り込む会社を起業しました。
28日は、南箕輪村北殿の空き家をリフォームした事務所で、野菜の梱包作業などを行っていました。
「株式会社ベジかける」と名付けた会社では、村内の農産物を、生産者と一緒に県外に出向いて販売し、野菜を通じた地域間交流を図ります。
事務所の入口では、地元の旬の農産物や、内山さんの出身地宮崎県のフルーツも販売しています。
内山さんは、地域おこし協力隊員として味工房の直売所で働いた経験から、多くの人に村で獲れた野菜を味わってもらおうと、起業しました。
内山さんは「うまくアピールできていない部分があることを感じていた。売り込みに行って、生産者と消費者の精神的な距離を縮めることができればと思います」と話していました。
利用している建物は3階建てで、今後、2階部分では異業種の人たちが情報交換をしながらインターネットを使って仕事ができる「コワーキングスペース」にする計画です。
内山さんは「村内には集まって話ができるようなコミュニティスペースがないとも感じていたので、そういう場所を自分で作っていこうと思い計画した」と話していました。
コワーキングスペースは、7月頃の完成を目指しているということです。
なお、ベジかけるの農産物の販売はすでに始まっています。 -
スマート農業実証実験 田原で始まる
長野県と伊那市、農家などが連携してスマート農業技術を導入し作業の効率化を図る実証実験が、東春近田原の水田で行われました。
27日は、農事組合法人田原が管理する水田で初めての実証実験が行われました。
今回紹介されたのは、ドローンによる農薬と肥料の散布を行う産業用マルチローター、GPSによる直進アシスト機能を搭載した田植え機、スマートフォンを使い遠隔操作で水田の管理ができる自動給水栓の3機種です。
実証実験は、農家や信州大学の学生などおよそ160人が参加し、メーカーの説明を受けました。
産業用マルチローターは、これまでの除草剤などを背負って撒く作業と比べ2分の1以下の時間で行うことができるということです。
価格はドローン本体に免許取得費用などを合わせておよそ300万円です。
直進アシスト機能付き田植え機は、ハンドルの自動制御により機械操作が不慣れな人でも簡単にまっすぐ苗を植えることができるということです。
価格はおよそ480万円です。
他に自動給水栓は、遠隔地からスマホ操作で入水・止水をコントロールできます。
本体とセンサーは1基合わせておよそ14万円です。
田原では、すでに11基を導入していて、今年度新たに22基を設置する計画です。
実証実験は、長野県や伊那市、農事組合法人田原、信州大学、農機具メーカーなど12の機関が連携してIT技術を活用したスマート農業を進めようと行われたものです。
今年度から2年間かけて効果を検証し、最新の農業技術の普及を図る他、農業の省力化に取り組みます。
次回は7月を予定していて、草刈機の実演などを行います。 -
JA上伊那 支所再編案承認
JA上伊那総代会がきょう開かれ支所の再編や広域営農センター導入など今年度から2021年度までの3か年の事業計画案が承認されました。
24日はJA上伊那本所で第23回総代会が開かれ組合員200人ほどが出席しました。
JA上伊那では、農協法の改正により10年後を見据えた長期構想と共に今年度から実施する具体的な3か年計画を設定しました。
3か年計画では農業生産の基盤強化を重点項目にしていて、来年度までに12の小規模支所の廃止や上伊那を3つのエリアに分け農業指導員を重点的に配置する広域営農センター制を導入するとしています
御子柴茂樹組合長は「国際貿易交渉など課題は山積しているが、10年後に向けて地域に必要な組織を目指していきたい」と挨拶しました。
JA上伊那の今年度の農畜産物の販売目標は141億円です。