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地域内で飼料用米の活用促進を
上伊那地域の畜産農家を対象とした飼料用米の活用を推進するための研修会が27日、伊那市のJA上伊那本所で開かれました。 研修会には、上伊那地域の畜産農家や行政関係者などおよそ70人が参加しました。 飼料用米は、牛や豚のエサとして生産されている米で、上伊那では今年度およそ9.7ヘクタール栽培されています。 研修会は、去年10月に発足した、行政団体やJAなどで組織する上伊那飼料用米推進研究会が主催したものです。 飼料用米の生産を安定させ畜産農家に使ってもらうことで地域内の飼料用米の流通を進めようと、今回研修会を開きました。 今日の研修会では、「牛への飼料用米の給与について」をテーマに、県畜産試験場の研究員2人が講演しました。 講師を務めた井出忠彦さんは、試験場での試験結果から「飼料用米は必ず均一に加工して利用すること。配合する飼料を変更するときは、4週間程度の馴致期間が必要である」と話しました。 研究会では今後、市町村に飼料用米の希望消費量の調査を実施するなどして、地域内での飼料用米の生産・消費に力を入れていきたいということです。
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地域桜守が作業見学会
冬の桜の手入れ方法などについて学ぶ地域桜守の作業見学会が26日、伊那市高遠町の高遠城址公園で開かれました。 市内各地の地域桜守から見学会を開いて欲しいとの要望を受け、伊那市が開いたもので、地域桜守や桜守講習生、18人が参加しました。 この日は、伊那市高遠町の高遠城址公園内の桜で、この時期の木の手入れや、管理方法について学びました。 指導にあたったのは高遠城址公園などの桜の管理をしている稲辺謙次郎さんです。 稲辺さんは「桜の管理は10年、20年先を見据え、その目標を複数の管理者で共有することが大切だ」と話していました。 こちらは、切り取った枝の断面が大きくなりましたが、新芽の成長を助けられるように考えられた、成功例です。 稲辺さんは、「木が元気なうちは、上へと成長させたほうが良い。弱ってくると自然に下から新芽が出てくるので、その変化を見逃さないように。」とアドバイスしていました。 参加者は、不要な桜の枝の選定の仕方や、防腐剤の使用方法などについても、話しを聞いていました。 地域桜守の作業見学会は28日と30日にも開かれることになっていて、去年の年末の大雪で折れた、公園内のおよそ20本の枝の手入れ方法も指導していくということです。
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再生可能エネルギー 学ぶ
バイオマスや太陽光、水力など再生可能エネルギーについて理解を深めようと、23日伊那市役所で農林水産省の職員を招いての研修会が開かれました。 伊那市出身で、農林水産省食料産業局の再生可能エネルギーグループ係長、御子柴北斗さんが、再生可能エネルギーをめぐる情勢や固定価格買取制度の運用見直し、再生可能エネルギーを地域活性化につなげた事例などを紹介しました。 再生可能エネルギーを発電するため、標準的なコストを賄える価格での買取りを一定期間保証する固定買取制度については、「太陽光がほとんどを占めていて、半分以上が地域外の企業。再エネ発電による利益を地域の活性化にいかに結びつけるかが課題」としました。 森林資源が豊富な伊那市では、木質バイオマスを活用する優位性をあげました。 御子柴さんは、「地域内にある資源の量を把握し、計画を作ることが大切だ」と話していました。 会場には、市や県の職員のほか、農業関係者など100人が訪れ、御子柴さんの話に耳を傾けました。
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「マーケットイン」テーマにJA上伊那の農業振興大会
JA上伊那の農業振興大会が22日に開かれ、消費者の立場に立って買い手が必要としているものを提供する「マーケットイン」に力を入れていくことが確認されました。 JA上伊那本所で農業振興大会が開かれ、米や野菜、花きなどの生産者が出席しました。 今年の大会テーマは、買い手が欲しい物を提供する事業形態 「マーケットイン」です。 白鳥健一営農部長は、鮮度を保つため、花きを栄養剤に浸けた状態で出荷している事や、ブロッコリーを氷詰めして流通させている現在の取り組みを例にあげ、「消費者のニーズをキャッチして産地から提案していく取り組みを広げていく事が大事」と話していました。 御子柴茂樹組合長は「市場が求めるもの、オリジナルで品質の高い農産物を提 供する仕組みを作っていきたい」と話していました。 JA上伊那では、マーケットインへの事業転換を進めていくため、意識改革をしていきたいとしています。
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若手農業者が活動内容や意見を発表
上伊那の若手農業者が集い活動内容や意見を発表する「2015アグリフォーラム」が22日、伊那市のJA上伊那本所で開かれました。 フォーラムは、将来を担う若手農業者が意見交換を通して農業に対する意識や技術を高めてもらおうと毎年開かれています。 この日は、上伊那の果樹農家や花卉農家などおよそ70人が集まりました。 南箕輪村で両親と一緒にりんごとブルーベリーの農園を営んでいる菅家美果さんは、子どもから大人まで幅広い世代に楽しんでもらえる農園の運営に努めていると発表しました。 この日は、上伊那の10人が、農業で工夫している取り組みや今後の抱負などを発表しました。
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信大農学部 リンゴジュース販売
信州大学農学部の学生が栽培したりんごを使った、りんごジュースの販売が19日から始まりました。 ジュースは学生が栽培した「ふじ」を使ったもので、自然な甘さが特徴です。 信大農学部食料生産科学科の2年生は、教育実習の一環としてりんごの栽培を行っています。 収穫は去年11月に行われ、1.3トンをジュースに加工しました。 今年は去年よりおよそ250本多い900本が作られました。 販売初日の19日は、職員がラベルを貼る作業を行っていました。 りんごジュースは、信大農学部の生産品販売所で販売されています。 1本1,000ミリリットル入りで、450円となっています。
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ざんざ亭の長谷部晃さん 鹿の活用漫画で発信
鹿肉を使ったコース料理などを提供している伊那市長谷のざんざ亭の長谷部晃さんは、鹿の活用についてわかりやすく解説した漫画を作成しました。 元々猟師だった長谷部さんは、地元にあるものを有効活用しようと、7年前に鹿肉を使った料理を提供する飲食店を始め、2年前からは鹿一頭丸ごと活用する方法を研究しています。 漫画は4ページで、一般用と、ふり仮名を多くした子供用があります。 伊那市富県のイラストレーター伊藤真美さんがイラストを担当しました。 増えすぎた鹿による農林業被害の現状、日本では古くから食べられている歴史、高たんぱくで低カロリーな栄養面、革や骨の活用など、様々な面から鹿にまつわる情報を紹介しています。 長谷部さんは、鹿肉料理のワークショップなどでこの漫画を参加者に配布し活用していくという事です。
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山と生きる会 炭出し作業
伊那市高遠町の山と生きる会は、去年の年末に火入れした炭窯から8日、炭を出しました。 伊那市高遠町の山と生きる会は去年の年末に火入れを行った炭窯から8日炭出し作業を行いました。 山と生きる会は、自然に親しみながら、地域の伝統を受け継ごうと活動していて、山での作業ができなくなるこの時期に何かできないかと、炭作りに初めて挑戦しました。 炭作りは、40基以上の炭窯を作った経験がある、伊東修さんから指導を受け、去年12月24日に初めて火入れをしました。 火は2日間焚き続け、3日目からは窯の中の木が燃焼し終わるまで待ちました。 この日は、代表の盛太志さんが窯の中に入り、炭になったアカシヤなどを出しました。 アカシアの炭は、燃焼時間が長く、バーベキューやこたつの炭として最適だということです。 この日取り出した炭は、近所の人に分けるということです。
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トマト農家は初出荷
青果市場が仕事始めとなった5日伊那市のトマト農家は初出荷のため収穫や選別作業に追われていました。 午前7時半。伊那市西春近にある城倉禾一さんのハウスでは早朝から出荷のための収穫作業が行われていました。 城倉さんのトマトは去年、伊那市が農産物のブランド化を図ろうと『あるぷすイーナちゃんトマト』と名付けました。 トマトは肉厚で甘味の強いのが特長で、高級フルーツを提供する新宿高野の担当者が視察に訪れたということです。 ハウスの広さはおよそ20アールで年間30トンから40トンを収穫します。 初出荷の5日は収穫したトマトを規格に分けたり袋詰めしたりしていました。 城倉さんは早速収穫したトマトを、青果市場に運びこんでいました。 トマトは地元を中心に出荷され収穫は6月いっぱいまで続くということです。
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平成27年米生産目標2万8千トン 2年連続減少
平成27年の上伊那で生産する米の目標数は2万8,686トンとなり、今年に比べて287トン少なく2年連続の減少となりました。 これは24日JA上伊那伊那支所で開かれた農業再生協議会上伊那地方部総会で決まったものです。 総会には、各市町村関係者やJA上伊那などおよそ40人が出席しました。 上伊那の平成27年の米の生産目標数は、今年より287トン少ない2万8686トンです。 市町村別では、伊那市が1万2,340トン、箕輪町が2,341トン、南箕輪村が1,565トンとなっています。 総会では、JA上伊那から米による転作の推進として、加工米や備蓄米、家畜の飼料米の需要見込みが来年は合わせて、およそ1700トンあると報告されました。 要望については、各市町村で話し合い、来年1月に目標値などを決める予定です。
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西天竜土地改良区に感謝状
長野県公営企業管理者は企業局電気事業の運営に協力したとして24日、上伊那郡西天竜土地改良区に感謝状を贈呈しました。 この日は長野県公営企業管理者の小林利弘管理者から、上伊那郡西天竜土地改良区の平井眞一理事長に感謝状が手渡されました。 これは、県公営企業管理者が管理する、伊那市小沢の西天竜発電所の運営に西天竜土地改良区が協力したものです。 上伊那郡西天竜土地改良区は昭和37年から農繁期を終えた冬の期間、発電のために水を供給しています。 平成24年からは、農繁期も、雨などで水を必要としない時には発電に協力してきました。 西天竜発電所は、西天竜の水を利用して、瞬間最大出力3,600kwを発電しています。 これは、年間でおよそ4,000世帯を賄う電力です。
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伊那谷の林業を考える研究会 シカ肉の活用について発表
諏訪や上下伊那の地方事務所、南信森林管理署などでつくる「伊那谷の林業を考える研究会」の研究発表会が16日、南箕輪村の信州大学農学部で開かれました。 会場には、林業関係者や一般などおよそ90人が訪れました。 近年、野生獣による森林被害の発生が多いことから今年は「捕獲したニホンジカの活用について」をテーマに、4団体が発表しました。 信州大学農学部森林科学科4年生の河野卓朗さんは、県内のジビエ生産施設と流通の現状について発表しました。 河野さんは県内9の食品生産施設で聞き取り調査を行いました。 猟師が解体を兼ねて行っている小規模生産の施設も多く、河野さんは「シカ肉の利用度を高める為には、施設数を増やす必要があり、販路の確保が課題」と話しました。 また、会場ではシカなどの動物の皮を使った製品の展示も開かれ、靴や小物などが並んでいました。
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伊那ワイン工房 第一号完成
地元産のブドウでワインを作る、伊那市美篶の伊那ワイン工房で、第一号となるオリジナルワインが完成しました。 ワインは、箕輪町の雅秋園で栽培されたブドウ、「ナイアガラ」1トンが使われ、10月末に仕込みが行われました。 ワインは全部で1,500本作り、スッキリとした辛口の白ワインに仕上がったということです。 1,500本のワインの瓶詰め作業は終了していて、今日はボトル内に異物が混入していないかなど検査しながら、ラベルを貼っていました。 ラベルにはワイン工房のマークと、アルファベットでナイアガラと名前が入っています。 伊那ワイン工房には、早速ワインを購入する人が訪れていました。 ブドウの生産者、雅秋園の浦野崇さんも出来たばかりのワインを購入していました。 このワインは、伊那市美篶の伊那ワイン工房で購入できる他、上伊那の酒屋で注文することができます。 価格は、375ml入り、1,080円となっています。
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沢尻農地保全会 南箕輪村と多面的機能支払交付金締結
南箕輪村の沢尻農地保全会と南箕輪村は、多面的機能支払交付金の協定を、16日結びました。 この日は役場で調印式が行われ、沢尻農地保全会の有賀晴彦代表と唐木一直村長が協定書を取りかわしました。 多面的機能支払交付金は、農用地や水路、農道等を地域住民が守っていくための活動を支援するものです。 協定の対象となる用地の広さは14.8ヘクタールで、1年間で43万5,900円の交付金が支払われます。 活動期間は平成31年3月31日までで、遊休農地の発生状況の点検やあぜ道の草刈、水路の整備などを行うということです。 唐木村長は、「農業の担い手不足や農地の維持管理が大きな問題となっている中、美しい自然環境を守っていく思いは強い。住みよい村をつくっていきたい」と話しました。 南箕輪村で、交付金の協定を結んだのは、沢尻で6地区目です。
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稲作農家の経営安定に関する陳情を採択
伊那市議会経済建設委員会が15日、伊那市役所で開かれ稲作農家の経営安定と政府による緊急の過剰米処理を求める陳情を全会一致で採択しました。 陳情では米の供給過剰により価格が下落傾向にあることから生産者が意欲を持って営農が継続できる政府備蓄米制度の柔軟な運用や仕組みの改善のほか緊急に過剰米処理を行うよう求めています。 JA上伊那によりますと、米の価格下落により上伊那全体の生産者の収入減少は10億円にのぼると予測していて地域経済にも大きいな影響を与えるとしています。 委員会ではこの陳情を全会一致で採択しました。
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JALPS 3大学が中部山岳研究の成果を報告
信州大学、筑波大学、岐阜大学の3つの大学で中部山岳について研究する中部山岳地域大学間連携事業・JALPS(ジャルプス)の今年度の報告会が13日、伊那市の信州INAセミナーハウスで開かれました。 報告会には、3大学の教員や学生などおよそ80人が参加しました。 JALPSは中部山岳地域の環境の変化が生態系と人にどのような影響を与えるか解明・予測しその緩和策を探るもので、信州大学・筑波大学・岐阜大学の3つの大学が連携して研究しています。 研究は2010年度から始まり、今年度で5年目です。 報告会では、5つの研究グループが5年間の成果を報告しました。 このうち水循環・物質循環の研究グループでは、南アルプスでの研究結果も報告していました。 JALPSは、信大など6つの大学の大学院に、中部山岳共同学位プログラムとして山岳科学を研究する修士課程の平成28年度の新設を目指しています。 JALPS機構長で信州大学山岳科学研究所長の加藤正人(まさと)教授は、「各大学が連携し研究を継続していきたい」と話しました。 信州大学の山沢清人学長は、「中部山岳は日本の気候変動や環境変化に対して大きな要素を持っている。これらの研究は地域にも必要な知識だと確信している」と話しました。
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集落営農組織代表者が意見交換
JA上伊那は地域農業振興を目的に集落営農組織ネットワーク代表者会議を11月26日伊那市のJA上伊那本所で開催しました。 代表者会議は、集落営農組織の法人化や地域農業の中心的な担い手づくりなど、持続可能な農業組織を作っていこうと開かれました。 会場には、上伊那の42ある組織の代表者や県の職員などおよそ100人が出席しました。 参加者からは、「何を作れば所得に繋がるかなど経営感覚を持つことは大切だが、経理や会計といった事務に不安がある」といった声や、「後継者不足により、貸出農地が年々増加してきている上に、若い世代になるほど農業の関心が薄れてきている」などの課題が出されていました。 JA上伊那では、今後集落営農組織を中心として地域の農業基盤を築き次世代の担い手作りをする環境を作っていきたいとしています。
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松くい虫対策に里山整備併用で効果的な展開へ
上伊那地方松くい虫防除対策協議会は、来年度からマツクイ虫被害対策と里山整備を組み合わせた取り組みをスタートさせます。 5日伊那合同庁舎で開かれた上伊那地方松くい虫防除対策協議会の会議で計画の素案が示されました。 上伊那地域では、被害の進行スピードが速く、これまでの伐倒駆除を中心とした対策では、抑止できなくなっているということです。 マツクイ虫被害は、標高900メートル以下で発生していて、上伊那地域では、里山と重なることから被害対策と森林整備を組み合わせ里山を再生させる効果的な展開をはかるとしています。 これまで点だった対策を面としてとらえ、被害にあう前に赤松を3割から5割伐採し、雇用も生み出しながら、ゆるやかに樹種転換もはかっていきます。 これから市町村や森林組合と調整を進め、今年度中に計画を策定し、来年度から取り組みをスタートさせたい考えです。 平成25年度の上伊那の被害は、4,582立方メートルで、前年度比119%でした。 26年度も被害量は、さらに増える見通しです。 箕輪町の三日町で被害が拡大していて、伊那市高遠町では、被害区域が東の方へ進んでいます。 県全体では、平成25年度は過去最多を更新し、鹿児島県に次いで全国2番目の被害量となっています。
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大芝営農太陽光3回目審議も「不許可」
南箕輪村農業委員会は、大芝に計画されている営農型太陽光発電施設計画について、3回目の審議を行い、営農の継続性に不安があるなどとして今回も「不許可」としました。 事業を計画している神奈川の業者は、「不許可」の理由に納得できなければ損害賠償訴訟を起こすことも検討したいとしています。 4日は、南箕輪村農業委員会の総会が、村役場で開かれ、大芝高原で計画されている営農型太陽光発電施設計画について3回目の審議を行いました。 委員会には地権者であり、営農する3人と設置事業者も参加しました。 前回の計画から大きく変更した点は、作物として「朝鮮人参」を栽培するというものです。 計画全体面積は1万9千平方メートル余りで、9千平方メートルほどを活用して挑戦人参の栽培を行いたいとしています。 委員からは、「朝鮮人参は栽培が難しく、これまでに経験のない人ができるかどうか疑問。責任が伴うので許可は難しい」といった意見が出る一方、「農業をやりたいという3人を支援したい」との意見も出ていました。 採決の結果、反対12、賛成2で、「不許可」となりました。 これを受けて、事業を計画している業者では、「不許可」の理由が納得できなければ、許可をされていたら得られていただろう利益について、村農業委員会に損害賠償を求めることも視野に入れ、今後を検討するとしています。
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アルストロメリア出荷本格化
出荷量全国一を誇る上伊那の冬の花アルストロメリアの出荷が本格化しています。 伊那市東春近の花卉農家・酒井弘道さん宅ではこの時期連日アルストロメリアの出荷作業に追われています。 アルストロメリアは南米原産で、上伊那では夏場が涼しく、冬場に晴天の日が多い事から1年間を通して栽培がおこなわれています。 国や県の調べによると全国一の出荷量を誇る上伊那は、全国で3割近いシェアを持ち、品質の良さからブランドとしても定着しているという事です。 上伊那ブランドの品質を守るひとつが出荷に使用する箱に隠されています。 長距離の移動後でも、鮮度を落とさず、すぐに店頭で販売できるよう肥料や消毒を溶かした液体に漬けて出荷します。 この液体が漏れないよう箱をたてた状態で出荷する事から「立て箱上伊那」システムと呼ばれ、略して「TKシステム」として10年前から定着しています。 また箱には、タヌキの絵が描かれていて「他の生産地を抜く」という思いが込められているという事です。 冬のこの時期は最盛期となり、一日あたり、およそ10万本が関東や関西、中京方面へと出荷されているということです。 アルストロメリアは、晴天が多くなるこれからがさらに花の色もよくなってくると言う事です
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あぐりスクール 育てた米の一部を支援米として贈る
小学生が農業体験をする教室「あぐりスクール」は、育てた米の一部を支援米としてマリ共和国に贈ります。 24日は贈呈式がJA上伊那本所で行われ、代表の児童らが30キロ入りの米袋を御子柴茂樹組合長に手渡しました。 あぐりスクールは、JA上伊那が管内の小学3年生から6年生までを対象に開いている農業体験教室です。 4月から月に1回活動していて、今回送る米も9月に収穫したものの一部です。 児童を代表して安藤雅陽くんは「世界中の人たちが食料に困ることがなくなればうれしいです」と話していました。 JA上伊那では、12月10日に発送式を行い、マリ共和国には来年1月ごろ届けられるということです。
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上伊那農政対策委員会集会 米価下落やTPP交渉の特別決議
JAや農業関係団体などでつくる上伊那農政対策委員会の集会が、25日伊那市のJA上伊那本所で開かれ、米価下落やTPP交渉などの課題について一丸となって取り組むとした特別決議が行われました。 集会には、JAや農業関係者などおよそ110人が出席しました。 決議文は、「今年の大幅な米価下落について、国は将来に渡ってわが国の主食である米の安定需給に責任をもって取り組むべきである。 また、TPP交渉は、わが国の「食」と「いのち」と「暮らし」に大きな影響を及ぼす問題で、地域一丸となって要求実現に向け力の限り声を上げていく」としています。 JA上伊那の御子柴茂樹組合長は、「上伊那から県や国に向けて農家の声を届けるための輪を広げたい」と話しました。 特別決議は、満場一致の拍手で承認されました。
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農産物直売所にこりこで野沢菜祭
野沢菜漬けのシーズンを迎え、箕輪町の農産物直売所にこりこでは、野沢菜祭を22日と23日の2日間行っています。 特設テントの中には、町内の農家が生産した野沢菜が並んでいます。 1束5キロで、通常420円のところ、祭り期間中は400円で販売します。 野沢菜祭は、旬となるこの時期ににこりこが行っています。 去年は不作のため2年ぶりの開催です。 今年は豊作で出来も良いということです。 祭りではにこりこの職員による浅漬け講習会も開かれました。 容器の中に野沢菜やニンジン、ショウガを入れ、調味料を加えます。 職員は、「調味料を煮立させて、熱いうちに野菜に振りかけるのがコツ」と説明していました。 野沢菜祭は、22日も朝8時30分から農産物直売所にこりこで行われます。
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伊那税務署長表彰
税の申告と納税に関して功績が顕著だった人を顕彰する税務署長納税表彰が13日にあり、受彰した5人に賞状が手渡されました。 今回受彰したのは、伊那地区納税貯蓄組合連合会の会計監事北村十九一さん、上伊那青色申告会連合会理事の小松康佐さん、伊那小売酒販組合の元副理事長、河野武さんら5人です。 また、租税教育推進校として上伊那農業高校に感謝状がおくられました。 中学生の税についての作文で春富中3年の若林李沙さんと東部中1年の伊東凌雅くんが伊那税務署長賞を受賞しました。 税に関する高校生の作文では、伊那西高校2年の上嶋紗彩さんと小林華歩さんが伊那税務署長賞を受賞しました。 三浦哲雄伊那税務署長は、「税務行政に対する理解と信頼を得ていくために今後とも協力をお願いします」と式辞を述べました。
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鳥インフル想定し演習
高病原性鳥インフルエンザのまん延防止策を早期に講じるため、上伊那地方事務所と伊那家畜保健衛生所は、防疫演習を14日行いました。 雨水を利用した車両の消毒の実演です。 塩素系消毒薬をしみこませたマットの上を車両が通過することでタイヤの消毒をします。 さらに消毒時間を長くするのと拡散させるため、発砲補助剤を消毒薬に混ぜて車両を消毒します。 この方法により、より確実な殺菌効果が得られるということです。 上伊那地域家畜伝染病防疫演習は、鳥インフルエンザの発生を想定し、関係機関が対応を確認する訓練で、獣医師やJA、市町村担当者など40人が参加しました。 飯島町のあいがも農場で鳥インフルエンザが発生したとの想定で、影響がある下伊那地域とも連携しました。 演習では、防護服を装着し、鶏の採血をする訓練や、炭酸ガスで殺処分する実技演習も行われました。 上伊那地方事務所農政課では、初動3日間で1,500羽を殺処分する場合、260人の人員が必要と試算しています。 上伊那地域では、採卵用の鶏を中心に100戸で20万羽が飼育されています。 国内では、島根県で3日に採取したコハクチョウの糞便から鳥インフルエンザウイルスが検出されています。
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GABA米でおいしく健康に
JA上伊那は、米に含まれるアミノ酸の一種ギャバを生かすように加工したGABA米と呼ばれる白米の販売を、今日から、Aコープなどで始めました。 1つのJAが単独で販売するのは、全国でも初となります。 NGABA米の販売は、JA上伊那まつりに合わせて始まりました。 JA上伊那では、農作物の6次産業化の一環として、県内でも有数の収穫量を誇る上伊那産のコシヒカリの付加価値を高めようと今年度、加工施設を持つ会社と提携しGABA米の製造に取り組んできました。 GABA米は、米に含まれるアミノ酸の一種ギャバを生かすように加工したものです。 ギャバは、血圧の抑制やストレス緩和などの効能があるとされています。 味は白米とほぼ同じですが、含まれるギャバは5倍ほどになるということです。 GABA米は、上伊那管内のA・コープや直売所などで1袋1.8キロ入り1,380円で販売されています。 JA上伊那では、今後の動向を見極め将来的には農協として会社を設立し、加工・販売を行っていきたいとしています。
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伝統野菜羽広菜カブの収穫
7日は立冬。 漬物シーズンもこれからが本番です。 伊那市西箕輪羽広地区では、古くから栽培されている羽広菜の収穫が始まっています。 西村勇一さんの畑でも羽広菜の収穫が始まっています。 3・4年前から本格的に出荷を始めました。 主にJA上伊那のファーマーズあじーなやみはらしファームのとれたて市場に出しています。 羽広菜は、羽広地区で古くから栽培されている漬け菜です。 30年ほど前は、羽広地区のほとんどの家で栽培されていて、各家庭の味として親しまれていたということです。 カブの肉質がやわらかく、かす漬けや浅漬けにして食べます。 2007年には、県が信州の伝統野菜に認定しています。 西村さんによりますと、カブはもちろんのこと、葉の部分も野沢菜よりもやわらかく味も良いということです。 羽広菜は、他の地域で栽培しても本来の味にならないということで、西村さんは、羽広の気候が影響していると話します。 さらに面白いのは、栽培する家ごとにカブの形が違う点です。 長い年月の間に大根などの他の野菜と交配が進んだためとみられています。 そんな羽広菜を見直す機会にしようと、羽広区は、30日に初めての羽広菜カブサミットを羽広公民館で開きます。 地域ではあたり前となっている羽広カブの良さを再認識して、品質の向上につなげようというもので、羽広の畑で収穫されたカブを集めてその形を楽しみます。 羽広菜は9月初旬に種をまき、11月に入ってから収穫が始まり、12月初旬まで続きます。
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福島の佐藤さん あんぽ柿の加工場を建設
東日本大震災の影響で、福島県から伊那市に移住した、果樹農家佐藤浩信さんは、福島で手がけていた干し柿・あんぽ柿を、伊那でも生産しようと工場を建設しています。 工場は、伊那市西箕輪の佐藤さんの自宅の横に建設されています。今年9月から建設をはじめ、12月に完成予定です。 今回の工場建設には、被災地復興予算を財源とする国の融資制度を活用しています。 佐藤さんによると、福島県外の事業で、融資制度を利用したのは今回が初めてだということです。 建物の1階で柿の皮をむき、2階で干します。2階には、4方向にブラインドを取り付けていて、風を調節しながら柿を乾燥させるということです。 加工の工程で硫黄を使うため、建築には鉄筋が使えず、木造となっています。 多い時には10トンの柿を干す重量に耐えられるよう、梁や柱は太くしてあります。柿を運ぶためのエレベーターも設置される予定です。 佐藤さんが福島県伊達市で営んできた伊達水蜜園では、あんぽ柿を主力商品のひとつとしていて、震災前までは、ギフト用の最高級品として、8個5千円で販売していました。 伊那に移り住んでから、冬場は干し柿の試作を重ね、納得のいく商品ができる可能性を感じ、工場建設に踏み出しました。 あんぽ柿づくりは、来年の秋から始める予定で、再来年には市場に流通させたいとしています。
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松くい虫被害防止へ 炭で土壌改良
南箕輪村は、松くい虫対策の新たな取り組みとして炭を活用した土壌改良の実験を行います。 5日は神子柴区の区有林で区民や村の職員13人が作業を行いました。 樹木医の吉見次郎さんの指導のもと、参加した人達は根を掘り起しそこに炭と赤土をかけ再び土をかけていました。 最近は、山に手が入らず落ち葉などが放置され土が肥えてしまい、マツ自体が弱って松くい虫被害にあいやすくなっているという事です。 土壌改良により、マツの周辺の土を痩せさせ生育に好ましい本来の環境に戻す事を目的にしています。 マツ自体の生命力が高くなれば、松くい虫被害の原因となるマツノザイセンチュウが樹木に入りこんでも樹液で防御できるという事です。 作業したこの周辺でも、松くい虫被害が発生していて、被害にあったアカマツには黄色のテープがつけられています。 村では、今回10本のアカマツに土壌改良を行いました。 今後は、その10本と対策を行わなかった物とを比較しながら有効性を検証していく考えです。
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幻のりんご 「あいかの香り」収穫
長野県の農家が開発した、幻のりんごと呼ばれる、「あいかの香り」の収穫作業が5日、行われました。 この日は、箕輪町木下にある信州のりんご与古美(よこみ)代表の伊藤剛史さんの30アールの畑で収穫が行われました。 伊藤さんは伊那市高遠町と箕輪町でりんごを栽培しています。 りんごは15年前に、父親の伊藤三明さんが植えたもので、3年後に実を付けました。 「あいかの香り」は、長野県内でも、栽培している農家が少ないことから、市場になかなか出回ることがなく「幻のりんご」と呼ばれています。 このりんごはフジと違う品種をかけあわせたものですが、それが何かわからず、苗木の確保が難しいということです。 蜜が霜降り状に入り甘味が強く、大玉で、日持ちも良いのが特徴です。 「あいかの香り」は、フジやツガルに比べ、育てやすく商品化率も高いということです。 伊藤さんは、市場に出回るシナノスイートとフジの切り替え時期で商品が薄くなる時に収穫できることから、今後増やしていきたいと話していました。 幻のりんご「あいかの香り」は、贈答用が主ですが、一部ファーマーズあじ~なでも販売しています。 収穫作業は、11月下旬まで続くということです。