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【権兵衛開通1年~その後の地域~(農産物交流)】
伊那地域の人にも木曽の赤カブを知ってもらおう竏秩B昨年11月、木曽の赤かぶの継承と特産品の開発に取り組む「木曽赤かぶネット」のメンバーは、「木曽の赤かぶフェアin伊那」を伊那市内で開いた。トンネルの開通に合わせた初の試みだった。PR販売で伊那地域の消費者と触れ合った赤かぶネット代表の西尾礼子さん(66)は「互いの地域にない農産品や特産品が行き来するようになればいいですね」と期待を込めた。
実際、権兵衛トンネルを通じた農産物交流はすでに始まっている。
トンネル開通以降、木曽から足を運ぶ消費者が増えた伊那市ますみヶ丘の農畜産物直売所「グリーンファーム産直市場」には、農産物を持ち込む木曽地域の生産者も増えている。現在、直売所の利用者登録をしている生産者は3人。しかし、キノコや山菜の時期には飛び込みで持ってくる人も多いという。
小林史麿代表は「今は農産物がない時期だが、カブの時期には、生産者が毎週カブを持って来ていた。『こんなものが売れるかと思って持ってきた農産物がみんな売れてしまった』と話す生産者もいる。今年はこういう人がもっと増えると思う」と語る。
店頭には、木曽の特産品である赤かぶの漬物やすんき漬けも置いているが、売れ行きは上々だという。
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一方、上伊那の生産者にとっても、木曽地域は地元農産物をPRする新天地となり得る。
基本的に農地の少ない木曽地域では、一人当たりの耕作規模も小さく、出荷のために農産物を生産している農家が少ない。主要品目はハクサイ、スイートコーン、インゲンなどに限られているが、地場消費に充てる程度の農産物を生産する地元農家が多く、こうした生産者が農産物を販売する手段として直売所活動が活発化。ウメ、ブルーベリー、リンゴ、花きなど、さまざまな農産物が直売所を通じて販売されている。しかし、こうした農産物は絶対量が少ないのが実情。
木曽農林振興事務所の職員は「果樹関係については、一部で生産している人もいるがほとんどが贈答用。昨年は三岳の直売所が下伊那の果樹生産者と提携して果物を販売した経緯もある。こちらの地域で弱い果樹関係や、生産されていない品種の花などは、上伊那から持ってきても販売の余地があるのでは」と語る。
しかし、木曽町の「道の駅三岳」の農産物直売所を利用する生産者の一人、田上勘一さんは、木曽地域の直売所事情を踏まえて次のように話す。「農産物交流についてはぜひやってみたいという思いもある。しかし、その場合は流通コストに見合うような売上が必要。時期にはわざわざ名古屋方面などから足を運んでくれるお客さんもいるが、時期外れが問題」
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そんな中、上伊那農業協同組合(JA上伊那)は、今年から本格的に農産物出荷を始めようとしている。
トンネル開通以降、JA上伊那は果樹や花などを木曽福島町にある「Aコープきそ店」などで試験的に販売してきた。木曽農業協同組合(JA木曽)が企画した地元イベントでは、上伊那の特産品として売り出している「すずらんのむヨーグルト」の試飲会を実施。あっという間に売り切れて好評だったという。
JAでも互いの地域にない農産物に関してはニーズがあると見込んでおり、地域間連携で農畜産物をやりとりしていこうとしている。
現在、Aコープきそ店は、別の地域で生産しているヨーグルトを販売しているが、今後はJA上伊那のヨーグルトに切り替える予定だという。 -
寒中トレーニングに熱気
伊那市体育協会ソフトボール部(伊藤易明部長)の冬季技術講習会が1日夜、同市中央区の伊那公園内屋内運動場で始まった。3月29日までの計9回の日程で市内の愛好者らがそれぞれのシーズン開幕に向け、寒中トレーニングに励んでいる。
本年で4年目を迎える同講習会は、技術の向上を図りながら、冬場に体力をつける目的。初日は、同部活に所属する中学女子生徒から60歳以上のシニアリーグでプレーする男性までの約40人が、寒さに負けず、熱気を発しながら練習に取り組んだ。
キャッチボール、ノック守備、ティーバッティングなどの基本技術を中心に、体協のメンバー約10人が指導した。伊那中1年の島貫咲雅さん(13)は「この期間中に覚えたい」と、左投手へ転向するため熱心に慣れないフォームでキャッチボールを続けていた。
参加費は無料(希望者は保険料一人千円)。毎週木曜日、午後7時縲・時。問い合わせは、唐沢稔さん(TEL78・1250)、沖村博さん(74・9572)、伊藤易明さん(72・5346)へ。
バッティングフォームを学ぶ参加者ら -
木曽観光連盟・スキー場への誘客キャンペーン
木曽観光連盟は3、4日、伊那市日影のベルシャイン伊那店1階広場で、冬季観光の柱である同地区のスキー場への誘客を目的としたインフォメーションコーナーを設置している。
権兵衛トンネル開通1周年記念企画で、伊那谷側では開通後初めてとなるスキー場のキャンペーン。木曽谷の5スキー場の共通一日リフト券や特産物を景品とした抽選会を主に、各スキー場のパンフレット配布などでPRしている。
同連盟の原隆事務局長は「開通後、1年間通して観光施設への入り込みは増えたが、一過性で終わらせないようにしたい。そのためにこういったPRを一つの方法として、木曽谷、伊那谷の人々が互いの土地のことをもっと知る必要がある」と話している。
景品抽選会などで木曽谷のスキー場への誘客を図る -
宮田小スキー教室
宮田村宮田小学校高学年のスキー教室は2日、駒ケ根高原スキー場で開いた。初心者から上級者まで、レベルにあわせて受講。上達しようと繰り返し滑り、シュプールを描いた。
4縲・年の324人が参加。10人前後で班をつくり、インストラクターの指導でレベルアップを図った。
初心者の班は歩き方、方向転換から徐々に雪に慣れ、ボーゲンで速度の緩急をつけられるまでに上達。午後にはリフトに乗って、スキーの醍醐味を満喫した。 -
うぶ声講座、母子と交流
妊娠中の夫婦が出産や子育てに備え一緒に学ぶ宮田村の「うぶ声講座」は30日、7カ月の育児相談に参加していた母子と交流。赤ちゃんと接し、先輩の母親たちから育児などのアドバイスを受けた。
抱かせてもらったり、あやしたり。生まれてくる我が子の姿を重ねながら交流を深めた。
育児について熱心に話しを聞く姿も。母親としての自覚も高めていた。 -
宮田村の保育園でも節分・ス鬼退治
宮田村の3保育園は2日、節分行事を楽しんだ。突然の鬼の登場に、園児たちは力あわせて豆まき。「鬼は外、福は内」と見事に退治した。
中央保育園には「おこりんぼう鬼」「泣き虫鬼」「好き嫌い鬼」が現れ、子どもたちの心をチクリ。「仲間にならないか」と呼びかけた。
しかし、そんな甘い誘いには乗らず、新聞紙を丸めてつくった・ス豆・スで鬼退治。鬼たちは「たまらん、たまらん」と去っていった。 -
箕輪町警部交番連絡協議会報告会
箕輪町警部交番連絡協議会(小林紀玄会長)はこのほど、交番近況報告会を町内で開き、倉田千明交番所長から06年の箕輪町の治安情勢を聞いた。
犯罪発生状況は、刑法犯の届出件数202件。05年と比べ80件減少した。器物損壊、万引き、詐欺、自販機荒らしなどは減少し、車上狙い、自転車盗、空き巣・忍び込み、部品狙いは増加した。地域別発生状況は、松島83件、沢39件、木下30件など中心部は多いが、昨年よりは減少。中心部から少し離れた地域でわずかだが増加した。「車上狙いや車の部品狙いが多いので、特に注意してほしい」と話した。
交通事故発生状況は、人身事故が126件で05年と同数。死者は05年は0だったが06年は3人。負傷者は9人増えて167人。物損事故は573件で1件増加した。
伊那署管内は人身事故が88件、物損事故が123件それぞれ減少したが、町は減少率が低かった。「交差点の出合い頭の事故が多い。広域農道や春日街道に出るときはしっかり停止し、安全確認してほしい」と注意を呼びかけた。 -
【日本語講師 唐澤隆子さん】
日本に住む外国人に日本語を教える講師として伊那市と駒ケ根市の教室で教えている。
子育てが一段落した10年ほど前に友人に誘われ、当時住んでいた茨城県日立市のボランティア・グループに参加。外国人に日本語を教える活動を始めた。
「ずっと専業主婦で人にものを教えた経験など全然なかったが、普段話している日本語を教えるんだから簡単竏窒ニ軽く考えていた。私たちも外国に行く前に日常会話を少し勉強するから、そんなことを教えればいいのだと思っていたが、始めてみたらそうじゃなかった」
集まった外国人らの国籍はフィリピン、インドネシアのほか欧米などだったが、彼らは最低限の日常会話の能力を求めていたのではなく、日本語を理解した上できちんと話せるようになりたいと考えていた。そのため、当時できたばかりで体系的な日本語の教え方を知らず、手探りで活動していたグループのメンバーは数回の講座でたちまち教えることがなくなってしまった。言葉を単に羅列するだけの講座は方向性を失い、行き詰まった。
「これではいけない。せっかく熱意を持って来てくれている外国人に対しても失礼だ」と考え、日本語教師養成のために文化庁が支援する日本語教育能力検定試験の合格を目指して通信教育を受け始めた。試験は文法はもちろん、言語学や、子音や母音の分類をする音声学などから幅広く出題されるため、かなりの知識がなければ合格はおぼつかない。合格率は約20%の狭き門だったが、努力が実を結び、96年に一発合格を果たした。
日本語教師の人材不足から「試験に受かったらすぐに来てくれ」と言われていた日立市の日本語学校「茨城国際学院」に職を得て、本格的な日本語教師としての生活が始まった。ボランティアの講座と違い、学校に通う学生は日本の大学入試や日本語能力試験1級などの目標を持って勉強しようとしている高校卒や大学生などの留学生が中心だった。
「彼らは日本人と同等以上の語学能力を求めていた。文法に従って教えなければ上達は望めない。例えば『私の本』などという場合の『の』には『所有』『所属』『縲恊サの』など、たくさんの意味がある。私たちは母国語だから無意識に話しているが、外国人にとってはまず意味を理解することが重要。言葉を教えるというのは、日本語が話せれば誰でもできるというほど簡単なことではない」
東大をはじめとする国立大や難関私立大に合格者を多数送り出した。要請を受けて中国の大学に半年間外籍教師として派遣されるなど活躍したが、夫の定年退職を機に夫のふるさと駒ケ根市に移り住んだ。
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「懸命に教えてもうまく分かってもらえない時もある。そんな時は、もっと良い教え方があるんじゃないか竏窒ニ悩むこともあるが、教えることはとても面白いし、やりがいがある。教えたことを理解し、話せるようになってくれるとすごくうれしい。どの生徒もみんな本当にかわいい教え子です」
(白鳥文男) -
箕輪町議選
現職の唐沢荘介氏出馬表明任期満了(4月29日)に伴う箕輪町議会議員選挙で、現職で無所属の唐沢荘介氏(65)=会社役員、上古田=が1日、3選を目指し出馬を表明した。
唐沢氏は、「2期の実績、経験を生かしたい。8年間で勉強させてもらったので、行政にしっかり携わっていきたい」とする。区の総会、区内の各常会、地区の拡大委員会などを通じて立候補の承認を得たという。
「行財政改革の推進」を掲げ、公約に▼官民協働で福祉のまちづくり▼ずくとアイデアで協働のまちづくり▼安全、安心のまちづくり(防災強化)▼子育て支援と高齢者対策-を挙げている。 -
伊那谷炭々隊が炭材づくり
地域の森の健康を願い、森林整備や間伐材の有効利用などに取り組む特定非営利活動法人森の座はこのほど、間伐材の有効利用の一環「伊那谷炭々隊(いなだにすみずみたい)」活動で、南箕輪村内の森で間伐をして炭材づくりをした。
森の座は05年11月発足。会員は県内外の13人。
長野県コモンズ支援金事業として「伊那谷炭々隊」活動を始めた。伊那谷の森林整備で出た間伐材の有効利用を目的に、山の手入れが進むことを目指している。
支援金で炭材を割ることができる薪割り機を購入。地域で間伐材の有効利用を目的に炭窯を作って活動する仲間とネットワークを組み、その炭窯に森の座が間伐材を持ち込み、炭に焼いてもらっている。
作業には会員、一般合わせて6人が参加。炭窯に詰める一回分の炭材を作った。
森の座では、「炭を非常時の燃料や床下の除湿剤など日常的に使うことで地域の森を感じることができる」とし、今後、地域産の炭を地域産の間伐剤を利用した箱に入れて販売するという。 -
赤穂南小社会見学
駒ケ根市の赤穂南小学校3年生約90人は1日、社会見学で市内の駒ケ根警察署と伊南行政組合消防本部北消防署を訪れた。警察署でパトカーの前に案内された児童らは「すごい」「かっこいい」と口々に言いながら、目を輝かせて運転席をのぞきこんだり「スピードはどれくらい出るんですか」などと警察官に質問したりしていた=写真。
総務課の土橋豊係長は警察官の仕事について「駒ケ根警察署の警察官は交番や駐在所も含めて全部で60人。事件があれば夜中でも出動します」などと説明。児童らは持参したノートにメモしながら真剣な表情で聞いていた。不審者対策を扱った防犯ビデオも視聴し、知らない人から声を掛けられた時の対応方法などを学んだ。
警察署見学に先立って児童らは北消防署を訪れ、消防車や救急車の役割などについて署員の説明を受けて人命を守る仕事の大切さについて理解を深めた。 -
プロ棋士誕生へ
日本棋院が認定する囲碁のプロ棋士に駒ケ根市梨の木出身の大沢健朗さん(20)=名古屋市東区=が内定した。同院の07年度入段者(4月1日付)は全国でわずか6人。超難関の突破に関係者は喜びにわいている。
大沢さんは所属する日本棋院中部総本部でプロを目指す院生の成績上位者同士が昨年8月から今年1月22日にかけて戦った総当りリーグ戦で25勝3敗の1位を獲得し、プロ棋士の座を勝ち取った。両親への報告に郷里を訪れた大沢さんは「プロとしての戦いがこれから始まる。これまでにも増して厳しい世界だから喜んでばかりはいられない。取りあえずは1勝が目標だが、勝つためにさらに実力をつけていきたい」と4月のプロデビュー戦に向けて意欲を燃やしている。
大沢さんは小学4年生の時に囲碁を始めた。現中川村教育長の北村俊郎さんらに指導を受けるうち、駒ケ根市中沢出身のプロ棋士下島陽平さんにあこがれてプロになろうと固く決意。日本棋院中部総本部の院生試験に合格し、小学校卒業と同時に名古屋市に移り住んで囲碁一筋に精進を重ねてきた。 -
駒ケ根市経営講座第4回
駒ケ根商工会議所、テクノネット駒ケ根、駒ケ根市は2日、第4回経営講座を一般にも公開して駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。会員ら約60人が集まり、日本銀行松本支店長の松永哲也さんの講演「日本経済、長野県経済の現状と展望」を聴いた=写真。
松永さんは日本経済の先行きについて、息の長い成長が続く可能性が高く、物価もプラス基調を続けていく竏窒ニ予想。長野県経済の今後の課題と解決の方向性について、外国人観光客の誘致強化や観光資源のブランド化などを挙げた。
参加者は時折メモを取りながら真剣な表情で松永さんの話に耳を傾けていた。 -
いなっせで商店街の情報を発信
伊那市は駅前ビル「いなっせ」に電光掲示板2基を設置し、2日から運用を開始した。利用者に商店街情報を発信し、商店街のにぎわいに結びつけるねらい。
いなっせの立体駐車場は28万台(05年度)の利用があるものの、周辺商店街では来客が増えた実感がわかない状況。そのため、まず商店街を知ってもらおうと掲示板で情報を提供する。
情報は、いなっせから立ち寄ることができる山寺縲恊シ町・中央区の商店街を優先する。すでにバレンタインデーのチョコレート、築地直送のネタがそろうすし、ひな人形の展示会、冬物衣料割引…と個店PRなど13件(行政情報含む)が入っている。
電光掲示板は、2・5階にある施設案内のディスプレイの下部に取り付け、チラシやポスターなどをはる掲示板も4竏・階の階段踊り場など3カ所に設置。事業費は92万円で、うち40%は国のまちづくり交付金を充てる。
電光掲示板(縦10センチ、横1メートル)はLED(発光ダイオード)を使い、オレンジ、緑、赤の3色で表示。右側から左側へ文字が流れる。掲載料金は1件(64文字以内)100円。期間は最大2週間。市商工観光課で随時、受け付け、週2回更新する。
担当課は「商店街に魅力を感じ、人の流れができて、まちが元気になれば」と話す。
水曜日休館。 -
【権兵衛トンネル開通1年~その後の地域~労働力】
「市では06年度施策の一つに企業誘致を掲げ、取り組んできた結果、昨年は7つ、今年3月には新たに5つの誘致が締結される予定となっている。みなさんの中には求人難になるのではないかという懸念もあると思う。木曽の方から来てもらったり、地元に帰ってきてもらうような政策をとっていかなければならないと考えている」 今年1月、伊那商工会議所議員の新年の集いに招かれた小坂樫男伊那市長は述べた。
地方ではいまだ景気回復の実感が薄いと言われている中、上伊那地域の昨年の労働市場は、主要産業の製造業が引っぱる形で毎月4千人前後の有効求人数を記録。昨年10月には月間有効求人倍率が1・6倍となるなど、県内他地域と比較しても高水準で推移している。
こうした中、トンネルの向こう側から労働力を呼び込もうと動く上伊那企業も増えてきている。
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木曽福島町の職業安定所「ハローワークきそふくしま」では、トンネル開通から昨年12月までに伊那地域にある企業166社の261件、679人分の求人情報を公開し、実際に14人が伊那地域で就職した。職安の担当者は「こうした動きが出てきたのはトンネル開通後といっていい。互いの地域で、通勤圏内としての認識が広まっている。逆に、伊那まで求人情報を見に行った方が早いという人もいるようです」と話す。
その伊那の職安には、木曽地域から48人が登録し、9人が就職を決めている。
職安関係者の間では「案外少なかった」という印象もあるようだが、地域間交流が深まるのに連れ、こうした動きも活発化するのではないかとの見方もある。いずれにせよ、権兵衛トンネルの開通が独特な産業事情を抱える木曽住民の職業の選択の幅を広めたことには間違いない。
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求人の絶対数で見ると、伊那地域の5分の1縲・0分の1程度しかない木曽地域だが、有効求人数を有効求職者数で割った有効求人倍率でみると、月によっては県平均を大きく上回る月もある。
しかし、求職者がきちんと職を得ているかというと実情は異なる。月間有効求人倍率1・55倍を記録した昨年10月には、求職者340人に対し527件の求人があったが、実際に就職したのは36人。需要と供給が合致していない。
こうしたミスマッチが生じる背景には、木曽地域特有の産業形態と労働者事情が大きく関係している。
製造業が弱い木曽地域では、労働時間が不規則で土日・祝日休みがとれないサービス業やシーズンに合わせて働く季節雇用が約6割を占めている。一方、職安を通じて仕事を探す人の中心は家庭を持つ中高年世代。こうした求職者の場合、週末に休みを取れたり、時間的な融通の利く職場を希望する人が多く、サービス業を望まない傾向にあるという。
木曽福島職安の担当者は「一般的に、有効求人倍率は産業の活発な地域で高くなったりするが、木曽は季節に合わせて変化する特種な地域。賃金的レベルが高く、週末休みがとれる製造業を希望する人もいるが、こちらでは紹介も限られてしまうのが現状。ちょっと遠くても製造業の求人が多い伊那地域も含めて就職を考える人が増えているのは事実だと思います」と語る。
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木曽地域から伊那地域に出店した人もいる。
木曽郡上松町などに美容室2店舗を構える久保竹志さん(39)は昨年10月、南箕輪村の春日街道沿いに美容室「EX Turban」をオープンした。
オープンから約3カ月。現在は辰野方面から駒ヶ根方面まで、幅広い地域から利用者が来店しているという。「時々『新しくオープンしたから来てみた』っていう木曽のお客さんもいますね」とスタッフの一人は話す。
トンネルの開通を見込み、4、5年前から準備を進めてきた。スタッフは伊那地域で新たに雇用したが、美容の基本となる「技術」を移転するにも、互いに行き来できる最も近い地であると認識している。久保さんは「人口もあり、人の流れもある伊那での出店を考えていた。トンネルが開通したことで遠かった伊那が身近な地域となった」と話す。
“地域になくてはならないお店”を方針に掲げる同店では、伊那地域でも地域密着型の事業展開を図り、この地に根付いていこうとしている。 -
宮田小でバイキング給食
宮田村の宮田小学校3年生は2日、バイキング形式で給食を満喫。栄養バランスや量などを自分自身で考えながら、メニューを選んで美味しく食べた。
パンやおにぎりの主食、ハンバーグ、エビフライなどの主菜、サラダ、デザートと、計21種類ものメニューがテーブルに勢揃い。
児童は「みんなおいしいそう」と目移りしながらも、一人づつトレーに盛った。
同小は4年ほど前から3年生を対象に、年1回バイキング給食を実施。調理室の小林恵子栄養士は「みんなで分け合って食べることで、バランス良く食べることの大切さも感じるはず」と話した。
いつもとは違う雰囲気の給食だったが、子どもたちはモリモリ食べて、おかわりする姿もあった。 -
禁煙友愛会が社協に介護用品寄贈
禁煙友愛会宮田支部(小田切康一支部長、430人)は1日、宮田村社会福祉協議会に15万円相当の介護用品を寄贈した。同社協は「利用者も増えており、欲しかったものばかり。本当にありがたい」と喜んでいる。
同支部は会費から毎年、社協などへ善意を寄せている。
今年も「必要なものを」と、介護ベッドにつけるサイドテーブル、床ずれ防止などに効果があるエアマット各2台、さらに歩行器1台を寄贈した。
この日は小田切支部長ら役員が村役場を訪問。「会員の皆さんの協力で今年も寄付ができる」と引き渡し、社協会長の清水靖夫村長は「大切に使わせて頂く」と感謝した。 -
ボランティア講座
飯島町中央公民館のボランティア講座は31日開講、16人が参加し、3月13日まで全4回開く。
初回は町社協の福祉活動専門員の中村やよいさんを講師に、ボランティア活動の基本について理解を深めた。 中村さんは「ボランティアってなあに」と題した講話で、「ボランティアとは誰でも安心して暮らせるまちづくりを目指す活動」と定義し「ボランティアはやってあげるだけのものでなく、もらうものもある。相互の自然の思いやりのやりとり」とした。
また、ボランティアの原則に、自主性、主体性、無償性、非営利性、社会性などを挙げた。
ボランティア活動の領域について、福祉だけでなく、保健・医療、社会教育、まちづくりなどあらゆる場面での活動が始まっていると話した。
社協のボランティアセンターの役割や、具体的な活動を紹介し「まず『ボランティアは楽しいぞ』というイメージを持ち、積極的に参加を」と呼び掛けた。 -
おやじ塾健康長寿講座
中・高年男性を対象にした宮田村公民館(白鳥剛館長)のおやじ塾は31日、健康長寿講座を村民会館で開いた。塾生ら15人が参加し、村老人福祉センターの保健師伊藤美奈さんによる「ますます元気! 健康長寿の秘訣」を聴いた=写真。
伊藤さんはメタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)が心筋梗塞(こうそく)や脳卒中の発症率を高めることについて説明した上で健康長寿の秘訣について、食べすぎない▽運動習慣▽ぐっすり眠る▽笑う竏窒ネどを挙げ「皆さんが先頭に立って宮田村をますます元気な村にしていってほしい」と呼び掛けた。 -
駒ケ根高原源泉4号井の測定結果発表
駒ケ根市と宮田村の旅館など14施設に温泉を供給する駒ケ根高原温泉開発(社長・中原正純駒ケ根市長)は1日、開発中の温泉4号源泉の測定を県薬剤師会が伊那保健所立ち会いのもとに30日に行ったところ、温度32度、湯量毎分83・2リットル、pH(水素イオン濃度)9・4縲・・5でアルカリ性を示していることなどの測定結果を同市赤穂の古城公園近くの現地で発表した。泉質についても現在稼動中の1縲・号源泉と同じアルカリ単純温泉と見ているという。詳しい結果は2月中旬に出る見通し。
同観光開発は県温泉審議会の許可が下り次第ポンプを設置し、夏の観光シーズン前の6月か遅くとも7月には本格稼動させたい考え。中原正純市長は「掘削が成功したことにより、早太郎温泉が将来にわたって維持できる環境ができた。温泉の増量や新規配湯にも十分対応していける」と安堵の表情を見せた=写真。
4号源泉は調査と工事を請け負う地熱(東京都、浜田眞之社長)が06年4月縲・月にかけて電磁波を利用した地下温泉源探査で温泉湧出の可能性がある場所を特定。7月から造成にかかり、高さ約35メートルのロータリー掘削機を組み立るなどして9月に掘削工事を始め、11月には深度1500メートルまで到達した。 -
中沢小でジャンボかるた取り大会
駒ケ根市の中沢小学校(北原三千生校長)で31日、全校かるた取り大会が開かれた。使われたかるたは約30×20センチのジャンボサイズ。児童らは歓声を上げながら目的の札を探して体育館中を駆け回った=写真。
かるたは日本の民話や世界の昔話などを題材にした一組50枚の物を5組用意。体育館の床いっぱいに絵札250枚がまかれ、2人か3人ずつの組に分かれた児童らはそれぞれ手をつないで体育館の壁際でじっと待機した。読み札が読み上げられるのを聞き終わると開始の合図とともに絵札に向けて猛ダッシュ。見つけると「あった」と叫んで飛び込んだりスライディングしたりと元気いっぱいに走り回った。同じ札を同時に取り、じゃんけんで勝負を決める児童の姿も見られた。 -
東伊那小児童会冬まつり
駒ケ根市の東伊那小学校(小川清美校長)で31日、児童会冬まつりが開かれた。体育館に集まった全校児童約110人が(1)じゃんけん列車(2)鬼ごっこ(3)王様ゲーム(4)壁つき鬼竏窒sい、10の縦割り班ごとに得点を競った。児童らは歓声を上げながら入り乱れてゲームを仲良く楽しんだ。
王様ゲームは、1人ずつ進み出た児童らが途中の関門に立つ児童とじゃんけんをし、4人勝ち抜くとゴールできるゲーム。得点になるのは先着10人とあって、児童らは真剣な表情で対戦=写真。一つの関門でじゃんけんに勝つと喜び勇んで次の関門に向かっていた。 -
「議員報酬上げるな」申し入れ
市民のくらしを守る駒ケ根みんなの会(林高文代表代行)は1日、駒ケ根市役所を訪れ、市議会議員の報酬を引き上げないよう中原正純市長宛てに申し入れた=写真。林代表代行は「特別職報酬等審議会が引き上げを答申したが、この時期に議員の報酬だけを引き上げるのは市政の厳しい現状や社会情勢などからも到底納得できず、市民の理解も得られるものではない。引き上げないよう強く要望する」として申し入れ書を原寛恒助役に手渡した。原助役は「基本的に審議会の答申は尊重する方向だが、総合的に判断することになる。要望は市長に伝える」と述べた。
昨年12月に白紙諮問を受けた市特別職報酬等審議会(渋谷敦士会長)が1月23日に中原市長に手渡した答申では、議員定数を現行の21から6減の15と決定したことなどによりこの機会に見直しを行うことが必要だとして、議員の報酬を▽議長40万5千円▽副議長33万9千円▽議員31万4千円竏窒ノ増額することが妥当としている。条例による現行額(カッコ内は増額率)は▽議長=38万3千円(5・7%)▽副議長=32万6千円(4・0%)▽議員=29万8千円(5・4%)竏秩B市議会議員の報酬は06年度の答申では据え置きだったが、厳しい財政状況を踏まえて1%自主削減している。 -
箕輪町特別職報酬等審議会答申
議員本則月額3%増額
町長10%、助役5%、教育長5%減額箕輪町特別職報酬等審議会(中村昭吾会長)は1日、平沢豊満町長から白紙諮問を受けた07年度の特別職報酬等の額の改正について、現行の減額率を緩和し給料月額で町長10%、助役5%、教育長5%の減額、議員報酬額は本年4月の町議会議員選挙から定数18を15に削減することなどから本則の報酬月額を約3%増額し抑制措置は行わないとする答申をした。改正した場合の町財源は、06年度比で約564万円の歳出削減となる。平沢町長は、「答申を重く受け止め、内容を尊重しながら最終確定したい」と述べた。
審議会は、抑制措置の方法を町民に分かりやすくするため、現行の月額に対する給料の減額分を期末手当から減額する方法を、他市町村と同じく給料月額自体を減額し期末手当にも反映させる方法に変更することを示した。
本年度は、給料月額に対し町長23%、助役・教育長13%相当分を減額しているが、年間支給額で算出すると減額率は町長16・7%、助役9・3%、教育長9・8%となっている。答申通り町長10%、助役・教育長5%の改正がされた場合、減額率の緩和は町長6・7%、助役4・3%、教育長4・8%となる。
改正後の年収は、町長1241万5140円(現行1149万3840円)、助役1057万8630円(1009万6230円)、教育長843万2950円(800万5128円)。
議員報酬は、4月の町議選から定数が3削減され、「一層住民の付託に答えられる人材を確保する必要がある」とし、近隣市町村の議員報酬額を考慮した結果、本則の月額を増額する。本則の月額改正は97年10月1日以来となる。現在している月額に対する3%相当額の削減措置は行わない。実施は4月30日から。
改正後の月額は議長31万7千円(現行30万8千円)、副議長25万3千円(24万6千円)、委員長24万3千円(23万6千円)、議員22万7千円(22万円)。議員の報酬を辰野町の議員報酬額と同額にした場合の改定率約3%を議長、副議長、委員長にも適用し算出した。 -
文化財防火デーパトロール
文化財を火災、震災などの災害から守るため全国的に文化財防火運動に取り組む「文化財防火デー」(1月26日)の一環で、箕輪町文化財保護審議会などは1月31日、町内の文化財5カ所をパトロールし文化財や文化財保管施設の防火対策などを確認した。
毎年、町の文化財を数カ所ずつ巡回し、建物、電気配線や電気機器の漏電点検、火災報知器や消火器の点検などをすると同時に、文化財の確認もする。
今年は旧三日町公民館、長松寺の地蔵尊、長岡神社本殿、長岡神社本殿造営記録文書、普済寺文書が対象で、審議会委員、箕輪消防署員、町教育委員会生涯学習課文化財係職員の計10人が見回った。
長松寺では、審議会委員が地蔵尊の作者などを説明し、地蔵尊や周囲の状況を確認した。防火対策は管理されていて問題なかった。旧三日町公民館では、消防署から、消火器をだれもが取り出せる場所に置くなどの口頭指導があった。 -
権兵衛トンネル開通後1年~交通~
国道361号伊那木曽連絡道路(権兵衛トンネル)の交通量は昨年12月末で、109万台を超えた。伊那インターチェンジ(IC)の利用台数が10%増加するなど高速道路と一体になった広域的な活用がみられる。木曽の国道19号を通過する大型車両の流入による混乱が心配されたが、伊那建設事務所では「渋滞も、暴走車もなく順調に推移している」と話す。
木曽建設事務所の交通量データ(開通翌日縲・2月末)によると、伊那から木曽が54万1663台、木曽から伊那が54万9142台。一番多かった日は、ゴールデンウィーク中の5月4日で1万台を突破した。1日当たりの平均は、両方向合わせて、平日が2745台、休日が4418台。通行車両の45%が県外車の利用となっている。
観光バスを含む大型車の混入率は累計で13・7%。2月当初と比べ、3倍以上に増えた。
木曽からの流入車両に対応し、南箕輪村沢尻に沢尻バイパスを建設、伊那市街地へう回させている。
昨年6月、伊那建設事務所の交通調査(12時間)で、361号から左折して沢尻バイパスを通った車が11・6%(515台)増、そのまま直進して川北信号機を下った車が9・3%(378台)増だったことがわかった。春日街道西側に位置する広域農道で一部拡幅、歩道設置が進められたが、大萱信号機の通過は3・8%(164台)増にとどまった。伊那インター線は10・3%増。
伊那建設事務所は、周辺道路整備の必要性について、大型車の通行に対応できる道路だが、交通実態を踏まえ、今後、検討するとしている。春には、車の流れを把握するため、範囲を広めて交通量を調査する。
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市町村合併や権兵衛トンネル開通に伴い、伊那市は「伊那地域における新たな交通ネットワークシステム構築のための検討会」を設け、新市の総合的な交通体系を検討している。
観光客の誘致や地域振興などの観点から▽新市発足に伴う旧市町村の生活交通のあり方▽権兵衛トンネルを利用した広域的な交通ネットワーク▽地域の観光資源を生かすための公共交通のあり方竏窒ネど木曽地域を含め、具体的な運行計画を練る。
地域住民アンケートで、伊那竏猪リ曽間の連絡バス利用を尋ねた。
その結果、伊那は「ぜひ利用してみたい」「条件次第で利用してみたい」が24・6%で、「全く利用しない」は34・3%だった。
利用ニーズの目的地は温泉、中山道宿場、開田高原、JR木曽福島駅などが上位を占めた。
検討会の座長を務める信州大学教育学部教授の石沢孝さんは「名古屋への直通バスがあるのに、JR木曽福島駅を利用する人がいる。ビジネス的な利用は十分にある」とみる。
一方、木曽は「利用してみたい」というニーズが48・2%で、「全く利用しない」の9・3%を大きく上回った。買い物、観光・保養、娯楽、通院などの利用ニーズが多かった。
料金設定は、いずれも500円縲恊迚~程度に集中している。
また、伊那・木曽を訪れた観光客の伊那竏猪リ曽間の連絡バス利用のニーズは約3割だった。利用する条件に▽運行本数が多ければ▽時間帯が合えば▽料金が安ければ竏窒ネどが挙がった。
今後、公共交通、観光交通、利用者らの現状や問題点をヒアリング調査し、新市の総合的な交通体系の基本方針をまとめる。
タクシー業界では、開通前に全くなかった木曽行きの利用が目立つ。
伊那市街地からJR木曽福島駅までのタクシー所要時間は約40分で、料金は9千円ほど。岡谷市まで行ける距離という。
伊那タクシーは月に数十件、木曽方面へ出向いている。JR木曽福島駅の送り迎えをはじめ、仕事や飲み会(週末)の帰りなどに利用する人が目立つという。夏場には観光を目的とした利用もあり「恩恵を受けている」という。
白川タクシーは月に数件で、JR木曽福島駅の活用がほとんど。地域住民が「近くなった木曽に行ってみるか」と奈良井宿や開田高原を観光で回るケースもあった。
今後の見通しについて「劇的に増えることはないだろう」と予測するが、花見の時期、高遠城址公園を訪れた観光客が立ち寄る一つの選択肢になると期待する。
木曽の情報は、観光パンフレット程度しかなく、ドライバーは実際に回って見た情報を交換している。
現状では、定期便の運行には至らないようだ。
昨年2月の開通後から、伊那バスは権兵衛トンネル開通記念としてバスツアーを企画。「トンネルを経由したコース設定は需要がある」といい、人気は高い。
これまで木曽の各所を見学する「木曽馬の里縲恁茆ヤ明神温泉」、トンネルを経由する「美しい上高地紅葉ツアー」など4コースが終了。地元を中心に、約1500人が利用し、関心の高さをうかがわせた。
7日からは「昼神温泉ツアー」がスタート。また、木曽見学として御嶽山周辺を組み入れている。 -
南箕輪村輪の会研修会
農と食の大切さを考え活動する南箕輪村輪の会は31日、研修会を村公民館で開き、おはぎなどの調理実習をした。
地元の郷土食を学ぼうと、おはぎと、上伊那地域で一般的な米粉を使うおやきを作った。会員と一般2人の計10人が参加。会員の植田さち子さん、酒井八重子さん、原敏子さんが講師を務め、材料はおやきを作っている大芝高原の味工房から地元食材を購入した。
おやきは、米粉に熱湯を加えてこね、沸騰した湯の中に入れて煮た後、もう一度、砂糖を少量加えてよくこねる。参加者は仕上がりの硬さを手で触って確認し、原さんから「こねていてボールに付かなくなってきたのが目安」とアドバイスを受けた。
生地を平らにつぶしてから小豆あんを入れて包む方法を教わり、「皮の厚さを均等にするのが難しい」と話しながら作っていた。
試食と一緒に漬物の食べ比べもし、参加者が持ち寄った各家庭の味自慢をしながら食べた。 -
【記者室】邦楽は面白い
邦楽SALADの第17回演奏会があった。県伊那文化会館で開く名物として定着。伊那谷で活躍する地元の邦楽家とゲストが、古典から現代までの音楽をさまざまな味付けで演奏した▼響きは紛れもなく邦楽なのだが、邦楽のようではない。そんな不思議な感覚を味わい、新しい音楽に触れた気がした。「ゲストとの交流や皆で一緒に舞台を作り上げる楽しさが魅力」と出演者の一人。確かな演奏技術に加えて、出演者自身が楽しんでいることが、音楽をより魅力的にしていた▼邦楽SALADは今後、演奏会を見直し新しい形を検討するという。17回の開催は少なからずマンネリ化の問題もあるという。今度は邦楽をどう料理して味あわせてくれるのか。楽しみにしたい。(村上裕子)
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宮田村国保税率改定、介護納付金分30%の引き上げへ
宮田村国民健康保険(国保)運営協議会は1日、40歳から64歳までの国保被保険者が納付の対象となる「介護納付金分」の国保税率について平均30・6%の引き上げを行ないたいとする村の諮問を審議、了承した。3月議会で条例改正案を提出する見通しとなり、認められれば4月から該当者は平均で年額約6300円多く国保税を納めることになる。
村の国保税率(あん分率)の改定は、医療給付分20%、介護納付金分40%をそれぞれ引き上げた2005年度以来2年ぶりとなる。
国保会計は厳しい状況だが、本年度予定した4300万円の基金繰り入れをせず、前年度からの繰越金で対応できたことなどから、医療給付分については「据え置き」とした。
ただ、介護納付金分については02年度から単年度赤字の状態。本年度も340万円、新年度も420万円の赤字を見込み、6年間の累積は1200万円に達する見通し。
そのため過去最大の上げ幅となった05年度に続き、大幅な引き上げ改定に踏みきる運びとなった。
村内の国保被保険者は昨年12月現在3064人で、そのうち今回の改定の対象となる介護納付金の納付者は857人。
村は現況を協議会に説明。税率に関して「やむなし」の意見で了承したが、大幅な改定になるため被保険者への説明を求めた。 -
第12回ウインター2007信州フラワーショー開催
県内の花き生産者が手塩にかけた秋冬期の切り花や花木が並ぶ「第12回ウインター2007信州フラワーショー」が1、2日、伊那市狐島のJA南信会館で開かれている。アルストロメリア、アネモネなど、今の季節に栽培されている代表的な花々356点が、来場者の目を楽しませている=写真。JA全農長野など主催。
花き生産物の技術改善と品質向上、花の消費拡大などを目的とする品評会。冬期に開催する花のイベントの中では県下最大の規模を誇る。
出展数は昨年より30点ほど多く、約8割が上伊那の生産者。県生産の90%を上伊那が占めるアルストロメリアの出展数が最も多く、花木ではサクラやレンギョウなどが並んでいる。また、今年はダリアの出展も多いという。
審査には、関東、中京方面の花き卸売業者や県の技術指導員などが参加し、一つひとつ品質や生育状況などを見比べた。
担当者は「今年も高品質のものが集まってきている。アルストロメリアは透明感のあるピンクや薄紫色、エンジ色などといった新品種も増えている」と話していた。
2日の一般公開は午前9時縲恁゚後1時。展示予約販売品の引き渡しは午後1時縲恁゚後2時。