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秋葉街道を駆け抜ける
高遠町から下伊那郡南信濃村まで、日本最大の断層である中央構造線上に位置する秋葉街道約91キロを2日間かけて走破する「第15回中央構造線サイクリング大会」が30日、高遠町の高遠城址公園駐車場を出発点に開幕した。
5歳から79歳までの幅広い年齢層に加え、福岡県などの遠方を含め、県内外から両日で総勢230人余が出場。1日のみの参加も可能で、初日は約200人が力強くペダルをこいだ。
開会式のあいさつで伊東義人町長は「各地域の文化や歴史を味わってもらい、良い思いでになるように頑張ってほしい」と激励。街道沿線町村の今後の発展を願い、各町村代表がメッセージを携えて走る飛脚も同時にスタートした。
コースは文杭峠(標高1424メートル)と地蔵峠(1314メートル)を通過し、中央アルプスと南アルプスの山並みを楽しむことができる。初日は下伊那郡大鹿村、2日目は南信濃村までを駆け抜ける。
6歳と10歳の子どもと妻の家族4人で参加した浮洲和典さんは「家族で走るのは初めてで、楽しみ。1日のみだが、完走を目標に頑張りたい」と話していた。 -
森林整備と工作も楽しむ
小学校単位で植物の育成・自然保護などの活動を進める「みどりの少年団」の上伊那地区交流集会(上伊那地方事務所など主催)が29日、長谷村の鹿嶺高原キャンプ場であった。管内にある18少年団のうち、長谷小、高遠北小、南箕輪小など14団約200人が参加し、木工作りや森林整備作業を体験した。
団員は各団を混合した18班に分かれて活動。樹木あてゲームは、「木の皮が白で、樹液はジュースとしても売られている木」など3問が出題され、各班に渡された葉っぱの絵を頼りに、高原内から探し出した。
工作は、サクラや白樺の幹を使って、名札のペンダントを製作。のこぎりを使って1センチほどの厚さに切り、切り口に自分の名前や好みの絵を書いてオリジナルを作った。のこぎりの使い方に戸惑う仲間に、みんなで教え合う場面もあった。
初対面に互いに照れくさそうにしていた団員たちも、午後の森林整備のときには、協力し合って、作業に汗を流していた。 -
あの手この手の悪質訪問販売
ボランティアを装った新興宗教などの悪質訪問販売が後を絶たない。難民援助や被災地救援などを装うものは以前からあるが、このほど、市民レベルで交流が広がる南大東島の小学校への援助窶狽黷驍烽フまで現れていることが、伊那市の老人憩いの家・西箕輪荘のミニ・デイサービスに集まる高齢者の話でわかった。
ミニ・デイに集まる高齢者の中の6人以上がこの1縲・週間のうちに訪問販売に直面。家を訪ねてきて、「南大東島の小学校改修援助」と称して靴下3足3千円、ハンカチ2枚3千円などを押し売りしようとしたという。玄関先に居座り、「近所に警官が住んでいるからそこに言って話そう」というまで、1時間近くも粘った者もいるという。
高齢者たちの話を総合すると、販売者は女2人連れか男女ペア。午前中や昼食後など、他の家人がいない時間帯を狙うようにして訪ねてくるという。
1カ月ほど前は、アフリカの難民救済とかインドネシア・スマトラ沖地震で被害を受けた小学生の救援などを語っていたが、南大東島と伊那市民との交流の話題が広がって来るのに合わせるように、「南大東島の窶煤vと語る場合が多くなっているようだ。
この話を聞いた同島島民を招く実行委員の1人は「人の善意を踏みにじるまったくけしからん行為だ。みんなの力で化けの皮をはいでやろう」と話した。 -
みはらしファーム経ヶ岳の遊歩道の刈り払い
本格的な行楽シーズンを目前に28日、伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームの従業員が、経ヶ岳遊歩道の刈り払いをした。
毎年この時期みはらしファームは、施設の一斉清掃をしている。この日も約50人の従業員が草取りやツバメのふんの処理、施設清掃に取り組んだ。 経ヶ岳の遊歩道整備を一緒にするようになったのは昨年から。経ヶ岳に訪れる人が、その足でみはらしファームを来園することもあるため「みはらしとしてできることなら自分たちで取り組もう」と、市でなかなか手が回らない遊歩道整備を、ボランティアでしている。
約20人の従業員が1時間半かけて、入り口から順に草刈りをした結果、軽トラック3台分の草や小枝が刈り払われ、一部歩くのが困難なほど草木が覆っていた場所も、本来の遊歩道が姿を見せた。 -
県道の夜間パトロール
交通量が増加するお盆や本格的な行楽シーズンを前に伊那建設事務所は、事故防止や安全対策の一環として27日、管内の国道や主要地方道など29の路線で、照明設備や路面状況などを点検する夜間特別パトロールを実施した。
街灯が点灯するのを待ち、職員15人が5班に分かれて調査。結果、国道45、地方道44、県道5の97カ所で照明が点灯しておらず、中には10メートルごとに街灯が消えている所もあった。
工事施工中の現場も何カ所か点検。そのうち1つで、夜間時点滅するチューブライトを使用してない現場を確認した。
路面状況についても、事故時などに車が歩道内の歩行者に突撃するのを防止する「車止め」が破損している現場が見つかった。
今回不備があった各場所は、それぞれの市町村に報告し、速やかな修繕を促す。 -
ゴトー電機が伊那公園の遊具修理
伊那市上ノ原のゴトー電機(後藤博明社長)はこのほど、自社製品の回転式塗膜等剥離機ロータリーブラスターのプロモーションビデオ作成をかねて、伊那公園のさび付いていたブランコの修理をボランティアで行った。
25日からさびや古い塗装をはがす「ケレン」作業。雨の日を避けてさび止めを塗り、仕上げ塗装をした。
同社のロータリーブラスターは高性能のブラシを縦方向に回転させ、各種シーリングや古い塗装をかきとる機械。自動車整備工場など多く使用されている。
グラインダーと違い、「ケレン」する面が平面でなく球面や凹凸面であっても使い勝手が良いことから、同社ではこの機械の用途を建設産業などにも広げようとしている。
そのためのプロモーションビデオ作成を考えていたところ、小学校や公園にある遊具が素材として最適であることに気付き、市の商工観光課や建設課を通じて、伊那公園のブランコを修理することになった。
後藤社長は「丸パイプ状のもののケレンが容易にできることを示す実例が映像で欲しかった。プロモーションビデオ作りが、市民や子供のためになるならば一石二鳥。でも、実際に自分たちでやってみて、ケレン作業をする人の大変さが良くわかった」と話した。 -
あす(31日)アレチウリ駆除統一行動
水辺を中心に大繁殖する外来種アレチウリを駆除する統一行動が、31日に行われる。諏訪・上伊那・下伊那の天竜川は天竜川ゆめ会議が、三峰川と伊那市内の天竜川は三峰川みらい会議が主催し、多くの市民の参加を呼びかけている。
アレチウリやハリエンジュ(ニセアカシア)など外来種の繁茂は在来の植生を破壊し、日本の川の・ス原風景・スを変貌させるものとして問題視されている。
繁殖力が強く、駆除にあたっては根こそぎ引き抜くことや広範囲にわたって一斉に行うことが重要。
上伊那では三峰川みらい会議が中心になり行政・住民・企業などの協働での駆除作戦が行われてきたが、05年度からは7月31日が全権統一行動日に指定され県内各所で一斉に取り組まれることになった。
当日は伊那地区は、三峰川の三峰川橋上流左岸に集合(そこから4カ所に移動する)午前8時半から12時まで。。駒ヶ根地区は天竜川・新宮川合流地点。午前7時から10時まで。
当日参加大歓迎だが、作業用軍手と長袖・ズボンの服装、熱中症予防に充分の水を持参して欲しいと主催者は呼びかけている。 -
宮田村から5人が全国へ
宮田村から全国高校総体(インターハイ)と全国中学校体育大会(全中)に出場する5人が28日、村役場を訪れ、清水靖夫村長に健闘を誓った。村の子どもたちの活躍に関係者は沸いているが、村長は「健康に気をつけ、ベストを尽くして」とエールを送った。
上伊那農業3年の中塚陵太君=町3区=が陸上1500メートル走、新体操団体で伊那西1年の大沢ひとみさん=南割区=、弓道個人で赤穂3年の細田将弘君、赤穂1年の三澤杏奈さん=大原区=はフェンシング個人で、それぞれインターハイに出場。宮田中3年の那須野諭君は全中の水泳200メートル自由型に出る。
5人の競技歴はまちまち。幼い頃から続けている人もいれば、高校に入ってから始めて力を伸ばしたケースも。しかし、誰もが厳しい練習を続け、全国出場を勝ち取った。
村長を前に、中塚君は「悔いのないように走り、決勝に残りたい」と力強く抱負。三澤さんも「練習の成果を発揮したい」と話すなど、それぞれが力強く目標を誓った。
村内でこれだけ多くの子どもたちが、全国出場を決める年は少なく、教育委員会は「本当に頑張っている」と手放しで活躍を喜ぶ。
インターハイは8月1日千葉県で開幕、三重県で開かれる全中で那須野君は8月22日に登場する。 -
評価シートをもとに審議
宮田村の来年度から5年間の施策方針を示す「第4次総合計画後期基本計画」を検討する村総合計画審議会は29日開き、本年度までの計画実績を示した「評価シート」をもとに議論した。改築が先延ばしになっている中央保育園の取り扱い明確化などが意見として挙がるなど、各分野ごと具体的に話し合った。
評価シートは本年度まで5年間の「前期基本計画」を項目別に列挙し、村の担当部署が自己分析。現状と課題を示し、後期計画でどのように取り扱うか4段階で評価した。
「維持」と評価した保育の充実や子育て支援について、ある委員は「漠然としており、もっと力を入れるべき」と意見。
別の委員は中央保育園の改築が財政的に困難と指摘し「保育を強化、充実するために具体的な施策を示すことが必要」とした。
そのほか産業振興策について、「村がどのように関わっていくか具体的にして、財政支出のあり方なども明確にしたほうが良い」といった意見もあった。
村は8月末に地区懇談会を開き、後期基本計画策定に向けて幅広く住民の声を聞く。次回8月24日の審議会からは、村が後期計画の具体的な施策を示し、議論を深める。 -
箕輪と飯田、無線LANでつながった
県経営者協会上伊那支部や伊那商工会議所など地元経済4団体が共催するブロードバンド活用研究会(無線編)の第2回が29日、箕輪町のKOAハローウイングであり、箕輪町の同所から中川村の陣馬形山頂上の中継所を介して、KOA飯田工場までの合計52キロを無線LANでつなぎ、高速大容量の情報通信を行う実証実験に成功した。
実験は11Mbps規模(bpsはデータ転送の速度を示す。11Mbpsは毎秒1100万ビットを通信できる)で行われ、飯田市のパラボラアンテナから発信された電波を陣馬形山頂上で受信、さらにそこから箕輪町まで送信した。飯田市で実況撮影されている映像データを送受信したが、画像は鮮明で、KOAが専用回線を通じてつないでいる社内LANよりも優れていた。
この実験は、ブロードバンド環境が整備されていない地点で高速大容量の情報通信が可能になる方法を探ったもので、県工業技術総合センターが協力。専用回線を使うと11Mbpsを確保するためには最低でも月額80万円ほどかかるところが、実験した方法だとパラボラアンテナと無線機のセットで費用は35万円程度で済むことから、今後の利用に期待が広がった。
実証実験後の質疑応答でも、風・雨・霧など天候の影響や、パラボラアンテナの常設の方法など、突っ込んだ質問が出され、IT時代にふさわしい情報通信システムの確立を目指す地元企業の関心の高さがうかがわれた。
同研究会の次回の実験は9月2日、飯田市の多摩川精機で、10キロ程度の距離で行われる。 -
唐木さち 涼をいざなう掛け花
野の花の自然な美しさを表現する伊那市在住の花人、唐木さちさん(57)の掛け花展「涼をいざなう掛け花」が30、31日、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。"涼"を感じさせる作品約20点が、人々を魅了している。
「形づくるのではなく、それぞれの個性を生かして活ける」という唐木さんは、地元などを中心に、野山で摘んだ草花の"ありのままの美しさ"を最大限生かした作品作りに取り組んでいる。
使用する植物は普段何気なく目にするものばかりだが、作品に姿を変えた草花は、立体的な絵画のような空間を演出している。唐木さんは「厳しい自然の中で力強く生きてきた草花だからこそ、1本でも絵になる」と話す。
16年前から日本を代表する花人の一人、川瀬敏郎氏の下で学び、現在県下でいくつかの教室を指導している。「伊那谷は県内でも野の花が美しい。展示を通して、地元の人に野の花の素晴らしさをより深く知ってほしい」と唐木さんは話す。
入場無料。 -
聴覚障害者の防災危機管理マニュアル策定へ
箕輪町の「みのわ手話サークル」(31人、尾曽共春会長)は、地域で暮らす聴覚障害者のための防災危機管理マニュアルを作る。策定に向け、町内の実態調査などを始めた。
マニュアルは、約1年かけて町内の取り組みなどを調査し、サークルとしてできる対応を考えて作る。
学習・調査の第1弾で25日、箕輪消防署を訪れ、町が提供している火災や事故など緊急を要する情報を配信する「緊急メール配信サービス」のシステムや、防災のための日ごろの備えなどを学んだ。
福島署長は、「隣近所の方との連絡を密にしておいてほしい。それが最善の策だと思う。区長とも話して自主防災組織を作ってほしい。その中で互いが助け合う精神を養ってもらえたらありがたい」と話した。
日ごろの備えとして、▽通報メモや緊急時メッセージカードを用意する▽筆談用メモ用紙と筆記具を携帯する▽ファックスや電子メールを活用した緊急通報システムの利用を話し合っておく-。万一火災が起きた場合は、笛を吹いたり、鐘や鍋をたたくなど大きな音を出して近所の人に知らせる手段をアドバイスした。
サークルは今後、警察署などでの学習を計画している。 -
第1回ゆとり荘見直し検討委員会
箕輪町社会福祉協議会は28日夜、第1回ゆとり荘見直し検討委員会を町社会福祉総合センターで開いた。委員を委嘱し、事務局が介護保険制度改正の概要とゆとり荘事業を説明した。次回から、具体的な検討に入る。
05年の介護保険制度の見直し、町内における民間企業の参入などによる影響を考え、ゆとり荘の事業を根本的に見直し、今後の事業展開を検討するため委員会を設置。町社協理事や評議員、一般公募の11人を委員に委嘱した。委員長は星野和美さん、副委員長は原きの江さん。
ゆとり荘は92年4月、高齢者福祉施設として開所。00年から、介護保険制度施行に伴い通所介護(デイサービス)事業と短期生活介護(ショートステイ)事業をしている。
検討委員会では、デイサービス事業とショートステイ事業、新事業の企画と実施について検討し、年度内に報告書をまとめ町社協の平沢豊満会長に報告する予定。
現在、デイサービスをする施設は町内にグレイスフル箕輪(上古田)がある。宅老所は「菜の花」「しばみや」「きのした」の3施設。新たに南小河内に平成会、木下一の宮に宮坂組、木下に上伊那医療生協が建設を進めている。
桑沢昭一社協常務理事は、「町内に民間の同様の施設ができ、ゆとり荘をこのまま続けるのがいいのか、方向転換がいいのか、社協の中からも意見がある。委員会で話し、いい方向に持っていきたい」とあいさつした。 -
ダチョウの人工ふ化に成功
上伊那農業高校生物工学科3年の橋本哲平君(17)=伊那市=が28日、ダチョウの人工ふ化に成功し、2羽のヒナが生まれた。「本当にうれしい。かわいい」と喜ぶ橋本君。「これからが大変だけど成鳥にまで育てたい」と、生まれたばかりのヒナを見守っている。
同校は01年度から生徒がダチョウのふ化に挑戦。03年秋に成功して以来2度目。県内の農業高校ではまだ成功例がないという。
卒業生がふ化に成功した03年は、ふ化から10日でヒナが死んでしまった。橋本君は、課題研究でヒナを育てることをテーマにダチョウのふ化に挑戦。4月末から取り組んだ1回目は、卵の1個が未受精卵、残り1個は42日間のふ化期間を過ぎても生まれず失敗に終わった。
2回目の挑戦で6月14日に「みはらしダチョウ牧場」から受精卵2個をもらい、15日に学校飼育室内のふ卵器で卵を温め始めた。
湿度を30%まで下げるため毎日吸湿剤を交換し、卵の重さと温度を測定して記録。4時間ごとに90度ずつ卵を回転させる作業もしてきた。
ヒナの誕生は、1羽目が28日午前0時50分。2羽目は同日午後6時13分。体重は1羽目935グラム、2羽目1130グラム。
橋本君は27日から学校に泊り込み、2羽とも自力で殻から出ることが出来なかったため殻を割る補助をした。「割るタイミング、割り方が大事。慎重な作業だった」という。
誕生から1日経ったヒナを手にして「温かい。42日間が報われた」と笑顔を見せた。「卵を扱う以上にヒナの扱いは気を使う。まだ安心できる段階ではない」と慎重に観察を続ける。
今後の課題は餌付け。ダチョウは豆科の牧草を食べるが、同校にはふ化後の資料がないため手探りで取り組むことになるという。 -
大澤美己さん(25) 伊那市東春近
初めて手がけた絵本「うそ、ついちゃった。」が第9回新風舎えほんコンテストで優秀賞を受賞。全国の書店で25日から、発売されている。
どきどきしながら、自分の絵本が並ぶ書店を端のほうから見た。「うれしいけど、恥ずかしいですね」。
絵本は、主人公の女の子がだいきらいなさんすうのテストで30点を取ったが、おかあさんに80点とうそをつく。うそをついたことに心を痛めながら、素直に打ち明けるまでを書いたお話。A4判、12ページ。
主人公の女の子にあえて名前を付けず、読み手が主人公の気持ちに入り込めるように気を配った。文字の大きさも変え、主人公の気持ちをわかりやすく表現。また「どきどきどき… そわそわそわ…」と文章をリズミカルに仕上げた。
「お父さん、お母さんにも小っちゃいころの気持ちを思い出して読んでもらえたら」と話す。
昨年、雑誌で偶然、えほんコンテストの応募を知り、1カ月強で仕上げた。全く同じ経験はないが、小さいころにこういう思いをしたんだろうなと思いながら「自然に思いついた」。それまで小説ばかりを書いていたが「試しに出してみよう」と中学校以来、描いたことのない絵(パステル画)にも挑戦した。細かい描写を書く小説と違い、文章と絵のバランスの難しさがあったという。
絵本は伊那市内の小学校に寄贈。早速、図書委員長を務める児童から手紙が届いた。一緒にどきどきしながら読んだ様子や「同じような悩みを解決してくれた本です」と感想が記されていた。思わぬプレゼントに「一生の宝物です」と喜ぶ。
子どものころから、本を読むのが大好きで、小学校2年生から童話を書き始めた。本屋に行っては、おもしろそうな本を手に取り、ジャンルにこだわらず読みあさった。
地元の高校を卒業後、日本大学芸術学部へ進学。400字詰め原稿用紙300枚の長編小説を書いてばかりだったが「至福の喜びでしたね」。
卒業してからも作家への夢は変わらず「人の心」を大事にした小説を書き続ける。「応募しても端からダメ」で、今も応募した小説と絵本の結果待ちの状態。「難しい世界とわかっている。それでも書き続けたい」と夢を追う。
とりあえずの目標は「2冊目を出版すること」。
最近、天体望遠鏡を購入し、星空を眺める。料理づくりや運転することも好きな時間。 -
合併後のまちづくり メリット、不安は…
高遠町と町議会は28日夜、「合併後のまちづくりに関する町民懇談会」を町総合福祉センターやますそで開いた。伊那市、長谷村との合併を控え、地域住民の不安を解消し、今後のまちづくりを考える機会として計画。地域住民200人余が参加し、合併に関する疑問や、合併後のまちづくりについて意見を交わした。
合併のメリットを問う意見に対し、伊東町長は「弱者にしわよせがくるといったことはない。合併しない場合の方が住民負担が高くなる。一方で、合併して現状より良くなる部分がある」と強調し、「地域協議会が置かれ、市長に意見を伝えられることになっているため、協議会を充分活用していく必要がある。住民の声を施策に反映させ、よりよい新市を築いていくことが重要」とした。
また、新市に向けた準備や取り組み、地域協議会の構成、婦人会や老人会などの組織のあり方などについての質問のほか、「住民の直接判断が示せなかったことは遺憾。今後、次世代を担う若者や子どもたちへの影響が心配」との意見も出た。
伊東町長は「地域住民の理念を尊重し、地域の特性を生かした合併にしたい」と述べた。 -
高遠小で大戦・日中戦争の出征者76人分の遺書など見つかる
高遠町の高遠小学校資料庫からこのほど、日中戦争、太平洋戦争に召集されたと思われる76人分の遺書や遺髪などが見つかった。出撃する前などに、妻や両親宛てに残したもので、当時の町役場に集められたとみられる。2、3通を残している例もある。
町教育委員会の調べでは、76人中従軍看護婦が1人。70人は生還しているが、残りの6人については戦死または、戦地で戦病死しているという。6人分の遺書が届けられていないことに対して、町教委は「遺書を残した戦争と、戦死した戦争が違うことで、届けられなかったことも考えられる。しかし、あくまでも推測にすぎない」としている。
町教委が、同校資料庫の古文書などを整理調査したところ、棚の上の段ボール箱の中に、ひとまとめにされていたという。なぜ小学校の資料庫に置かれたのか、その経過は明らかになっていない。
町教委は、本人や遺族に連絡をとって、返していきたいという。 -
みこしもワッショイ
長谷村の長谷村保育園(北原洋子園長)で28日夜、夏祭りがあった。1年おきの一大イベントに、園児をはじめ、保護者や昨年度の卒園者ら100人余が、夏のひとときを楽しんだ。
オープニングでは、法被やジンベエ、浴衣など、かわいらしい格好をした園児たちが、保育園の名称である「空飛ぶクジラ」をイメージしたみこしを担ぎ、「わっしょい、わっしょい」と元気よく園庭を練り歩いた。
たのしみ広場では、園児たちが製作したお面や風鈴などの作品が並び、普段の給食では食べられない、かき氷やフランクフルトの出店には園児たちも大喜び。参加者でなかよし音頭やフォークダンスも踊り、花火大会でフィナーレを飾った。 -
上伊那企業、経営者50歳台以上が85・7%
アルプス中央信用金庫調べ上伊那の企業では60歳台の経営者が最も多く36・9%を占め、50歳台以上では85・7%に及ぶことがアルプス中央信用金庫のアンケート調査で分かった。後継者に関しては、「決まっている」「候補者がいる」と答えたのが合わせて64・8%。「見当たらない」と答えたのは7・7%だった。
アルプス中央信用金庫が4半期に1回、取引業者を対象にして行っているアンケート調査。7月20日付発表の調査では、「後継者問題」を特別に盛り込んだ。経営者の年齢構成では総合では50歳台以上が85・7%だったが、特に製造業では90・0%、建設業が88・2%、不動産業では60歳代以上で100%を占めるなど、経営者の高齢化の傾向が目立った。
社長の代では2代目が49・4%、次いで創業者が31・3%、3代目が13・9%だった。
後継者については、総合で、「既に決まっている」が44・0%、「候補者はいるが決まってはいない」が20・8%で、約6割5分がメドをつけているが、サービス業や不動産業で「候補者が見当たらない」としたのはそれぞれ18・2%と20・0%で、後継者不足の傾向を示した。この2業種は、廃業予定や事業譲渡希望などで「後継者は必要ない」としたところも、それぞれ9・1%、20・0%と高い数値を示した。 -
第2回 輝く!経営者賞 受賞者決まる
受賞者 歓びの声(下)上伊那の元気な企業の秘密を探ることを目的に03年4月から2年間にわたって進められた「上伊那 輝く!経営者キャンペーン」。その第2回目の表彰式が26日、伊那毎日新聞創刊50周年記念祝賀会の第1部として開催され、伊那市の唐木屋石材工芸、駒ヶ根市の上伊那貨物自動車、伊那市の菓匠しみず、伊那市の南信美装伊那窶狽フ4社の経営者が「輝く!経営者」賞を受賞した。
表彰にあたっての同キャンペーン推進委員長の三井貞明さん(元養命酒工場長)のあいさつと、受賞後、推進委員の一人であるニュースキャスターの武田徹さんのインタビュアーを受けて、受賞者が語った歓びの声を紹介する(要旨)。その2回目。 -
ローメンのうしお 50年目に「ちょっと挑戦」
伊那市通り町のローメン店「うしお」が、新しい味を売り出す。従来の「うしお流ローメン」にカレー粉をトッピングするものと、からしマヨネーズを添えるものの2種類。
カレー味は、今までのローメンとはかなり印象が変り、一口目のインパクトが強い。夏場に向く感じ。からしマヨネーズ味は、ウスターソースと混ざり合って渾然一体とした深みのある味だ。
どちらもバイトの学生などとともに「まかない食」として楽しんできた味だという。トッピングだけなので、声をかければ無料でサービスしてくれる。
うしおは1956年6月1日、現在の地で開店。以来、ウスターソースベースの味を守り続けてきた。焼きそば風の作り方は「うしお流」と呼ばれ、地域の人々に愛され続けてきた。
同店3代目の潮田秋博さん(33)は「うしおの味は当然守り続けますが、少し目先の変った新しい味を提供してローメン愛好家の層を広げられればと思います。50年目のちょっとした挑戦ですかね」と語る。創業者で現役の哲人さんに水を向けると「俺は、そんなものは知らん」と一言。
「新しい味で面白い」という声もあれば、「それをローメンと呼ぶのか」という昔ながらのファンもいる。 -
カナダ語学研修出発あいさつ
中学生海外語学研修で31日にカナダに出発する箕輪町立箕輪中学校の生徒10人が28日、町役場を訪れ、平沢豊満町長に「カナダの文化、生活を学んできたい」と抱負を語った。
カナダ語学研修に参加するのは2年生10人。約半数がホームステイや旅行などで海外に行った経験がある。「ホストファミリーとカナダの文化をしっかり学び、英語で交流したい」「カナダの食文化、郷土食を学び、メモしてきて、日本で作って家族と食べたりしたい」「日本との文化の違いを学びたい」などそれぞれ意欲的に語った。
平沢町長は、「カナダの良さと、外から見た日本の良さを感じてほしい。自分の目標を定め、新しい何かを発見し、13日間で身に付いたことを今後に生かしてほしい。家族に感謝し、健康に気を付けて行ってきてください」と激励した。
カナダ語学研修は31日-8月12日までの13日間。レスブリッジ市でホームステイし、語学研修のほかカナダ人生徒とのスポーツ交流も予定している。 -
南箕輪村図書館「おはなしの旅にでよう!」
南箕輪村図書館は28日、夏休み特別企画「おはなしの旅にでよう&大きなシャボン玉作り」を村民センターで開いた。約40人の小学生らが集まり、語りを聞いたりパネルシアターを見たり、おはなしの旅を楽しんだ。
語り「だいくとおにろく」、パネルシアター「すてきなぼうしやさん」、大型絵本「花さき山」のプログラム。子どもたちはじっと耳を澄ましてお話の世界に入り込んでいた。
お話の後は、図書館前の庭で大きなシャボン玉を作って遊んだ。ハートや星の形、二人で操る大きな四角などさまざまな形の枠があり、子どもたちは好きな枠を交代に使って遊んだ。
大きな長いシャボン玉ができると「すごーい」と歓声。紙コップに入れたシャボン液をストローでぶくぶくと吹いて泡が盛りあがってくると、「アイスができた」「こっちはポップコーン」とはしゃいでいた。 -
高校生が1日看護体験
伊那中央病院で28日、高校生の1日看護体験があった。上伊那の高校を中心に8校から43人が参加し、一般病棟で実習をした。
県看護協会が主催する恒例行事で▽高校生の進路の参考にしてもらう▽看護に理解を深める窶狽ヒらいがある。
病院の概要を聞いたり、足を洗う足浴を練習したあと、高校生は白衣に着替え、病棟で実習に入った。
現場で働く看護師の指導を受けながら、患者の足浴を体験。洗面器に足を入れ、丁寧に洗う高校生に、患者は「とっても気持ちがいい。このあと、すっと眠れるよ」と喜んだ。
伊那弥生ケ丘3年の新谷裕香さん(18)=宮田村=は「看護に興味があり、進路の参考になればと思って参加した。大変だけど、人とのかかわりがあって、やりがいのある職場」と話していた。 -
伊那消防組合議会の7月臨時会
伊那市など6市町村でつくる伊那消防組合議会の7月臨時会が28日、伊那市役所であった。05年度一般会計第1回補正予算や、高遠消防署に配備する水槽付き消防ポンプ自動車1台の取得など、3議案を可決した。
05年度一般会計補正は、5675万9千円を追加し、総額12億7172万2千円とした。主な歳出は、4月末に横転事故があった、伊那消防署のはしご付き消防ポンプ自動車の修理に関する一時借り入れ金5500万円、箕輪消防署の化学防護服2着の購入金169万5千円。
高遠消防署に配備する水槽付き消防ポンプ自動車は、来年1月末に納車予定で、取得予定価格は3千990万円。 -
金メダル獲得宣言で、未来ある後輩を激励
宮田村出身で来年2月のトリノ冬期五輪に出場が期待されるスピードスケートの新谷志保美さん(25)が26日、母校の宮田中学校で講演。世界記録を出して五輪では金メダルを取りたいと力強く宣言し、「皆さんも高い目標を持ち、その夢を実現させるためには何が必要か考えてみて」と後輩たちを激励した。
目標に向って取り組み、課題を一つひとつクリアしていく喜びを語る新谷さん。
「まだ頑張れる、まだ変えていけるって高い所を目指してきた。求めることがなくなったら、終わってしまう」と話した。
夢の実現には「今、自分が何をすべきか」考えることが必要と指摘。「私は強くなるために、コーチにどのように関わってほしいかも考える。周囲のサポートも視野に入れたほうが、うまくいくと思う」と説明した。
半年後に迫った五輪について「結果を出すためには、自分をどこまで追い込めるか。どんな練習をしたら良いか、逆算しながらやっている」とも。
成績不振だった昨季を冷静に分析し、攻めの姿勢で練習に励んでいる今の姿を話した。
PTAの主催で、全校生徒と保護者が聞いた。丸山沙織生徒会長は「先輩が世界で活躍していることを誇りに思う。私も高い目標を持って、進路を切り開きたい」と話した。 -
七輪でウナギ蒲焼き
土用の丑の日の28日、宮田村町1区の宅幼老所「わが家」(大石ひとみ代表)では、七輪を使ってウナギを蒲焼き。利用者は昔懐かしい炭火の風味を堪能し、「本当に美味しい」と喜んだ。
「たくさん食べて夏場を元気に乗りきってほしい」と考えた大石さん。自宅から七輪を持ちこんだ。
ウナギのほか、ホタテやイカ、みりんぼし、ウインナーなども一緒に焼き、辺り一帯は炭火の香りが充満。ビールをグラスに注ぎ、夏の料理の醍醐味を満喫した。
「炭火だで、ちょっと違うに」とスタッフ。おじいちゃん、おばあちゃんはコンガリと焼きあがったウナギを口に運び「本当。いい味だなー」と笑顔が広がった。 -
高遠小で高遠城の絵図新たに2枚発見
高遠町の高遠小学校資料庫からこのほど、高遠城の絵図が新たに2枚発見された。これにより、高遠城やその周辺の様子を描いた絵図は、町が確認しているだけで80点となった。町教育委員会は、この2枚を町立歴史博物館か古文書館に移管したいとしている。
見つかった絵図のうち1枚は横2・30メートル、縦1・8メートルほどの大きさ。江戸時代初期、鳥居忠春と忠則が藩主だった1936年から1689年の間の高遠城を含む藩士の武家屋敷割りが描かれている。
町教委によると、絵図には幕末の学者である中村元起(1820窶・884)の庵をさす「希月舎蔵」の判が押されていることから、謄写した絵図を中村元起が所持していたとみられる。
鳥居時代のものは、今回と同様の屋敷割りと、簡略化されたものが11点確認されている。
絵図は町教委が同校資料庫の古文書などを、整理調査していて発見。ほかにも、明治初めころの教科書や古文書、進徳図書館の書籍なども見つかった。 -
どろんこクラブのジャガイモ掘り
宮田村公民館の親子学級「どろんこクラブ」はこのほど、今が旬のジャガイモ掘りを体験。暑さも忘れて、土に親しんだ。
大久保区の吉沢小百合さんが協力し、畑を開放。子どもたちはさっそく、土を掘り、ジャガイモを探し当てた。
近所や親戚が栽培していても、ジャガイモ掘りは初めての参加者が大半。大きな袋に一杯詰めてもやり足りない様子で、袋を余分にもらって作業を続けた。
蒸し返すような暑さだったが、子どもたちはヘッチャラ。「こんなに大きいのが獲れた」と満面の笑みを浮かべていた。 -
駒ケ根建設業組合ボランティア清掃作業
駒ケ根市と宮田村の建設業者34社でつくる駒ケ根建設業組合(佐々木正博会長)は29日、地域の美化に協力しようと駒ケ根市の伊南バイパス沿道と市内を流れる田沢川周辺のボランティア清掃作業を行った。同組合員らのほか、伊那建設事務所員、市職員ら約70人が参加し、草刈りやごみ拾い、アレチウリ駆除などに汗を流した。
参加者らは真夏の日差しが照り付ける中、草刈り機やかまなどを手にして長く伸びた草を刈ったり、捨てられている空き缶やたばこの吸殻などを分別してごみ袋に入れたりしていた。
所河覚副組合長は「暑い中ご苦労様。交通事故とけがに気をつけて頑張って」とあいさつした。
同組合による田沢川の美化作業は4年目。バイパス沿いの清掃作業は昨年から行っている。