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初の防災ボランティアセンター立ち上げ訓練
飯島町文化館で18日、第22回上伊那ブロックボランティア交流研究集会があり、上伊那10市町村から317人が参加、分科会では災害時に備え本番さながらの緊張感で「災害ボランティア立ち上げ訓練」などをした。
訓練は飯島町に震度6弱の地震が発生、死者9人、けが人200人、全壊、半壊家屋多数、国道寸断-を想定。県社協職員の指導、協力のもと、スタッフ役とボランティア役に分かれ、ロールプレーイング方式で進めた。
実行委員や社協職員ら約30人のスタッフを前に、本部長(堀越社協会長)が「災害ボランティアセンターを設置します」と宣言。総務・ニーズ・ボランティア・マッチング・送出し、迎え入れの各係に分かれ、ボランティアに受入準備をした。
ニーズ係にはボランティアを要請する電話が次々と掛かり、緊張感が募った。ほどなく、ボランティアがどっと到着。受付を済ませ、名札を着け、マッチング係から「中学校にニーズ調査へ10人」「救援物資の仕分け15人」など活動内容や場所、注意事項などの説明を受け、送出し係から必要な道具、スコップや筆記用具などを受け取り、現場に出動した。
指導に当った県社協職員は「訓練を通じて、協力し合う心を育み、災害現場ばかりでなく、日常の場面でも、問題解決力が身につけば」と話していた。
訓練に先立ち、各地の災害で災害ボランティアセンターを設置しするなど、支援活動を展開するサポートコミュニティー飛騨理事長の川上哲也さんが、豊富な体験を交えた講演で、センターの役割や設置のノウハウを伝えた。
また「地域での課題にボランティアとして関わることができるか」-をテーマにした分科会では、宮田村の仁科智弘さん、駒ケ根市の片桐美登さんが活動発表をした。 -
高齢者ふれあい祭
飯島町飯島区の第6回高齢者ふれあい祭は16日、成人大学センターで開いた。老人クラブ員や地域の高齢者ら約180人が参加し、会食したり、演芸を見て楽しい一時を過ごした。町老連などでつくる実行委員会主催。
着席したお年寄りを前に、座光寺好実行委員長(町老連会長)は「命が軽んぜられ、ごまかしが横行する暗い世相だが、今日は健康について、保健師の話しを聞いたり、会食などでふれあいと交流を深めて」とあいさつ。 町保健師による健康教室に続き、町社会福祉協議会の堀越幸夫会長の発声で乾杯、祝宴に移った。
お年寄りの嗜好に合わせて用意した料理にはしを運び、隣同士、杯を交わしながら、近況や体調について歓談した。
舞台では同区の趣味のグループが踊りや合唱、カラオケ、民謡など18プログラムを繰り広げ、最後に全員で「信濃の国」を歌って、盛り上げた。 -
洋らんの花を咲かせる会第5回展示会
洋ランの愛好者でつくる「洋らんの花を咲かせる会」の第5回展示会が18日、箕輪町富田のフラワーハウスで始まった。来場者は、甘い香りに包まれて華やかな洋ランの競演を楽しんでいる。
毎年千人を超す来場でにぎわう展示会。1年間大切に育ててきた洋ラン250点のほか、今回初めて高森町の「蘭ミュージアム・高森」などの洋ラン20点も展示している。
会員は110人。基本の栽培方法を学び、研究部会では新種の育て方や無菌培養などを勉強。ハウスやサンルーム、居間などでそれぞれが丹精込めて育てたシンビジューム、カトレア、リカステ、エビデンドラム、ジゴベタラム、セロジネなどが見事な花を咲かせ、所狭しと並んでいる。
向山高司代表は、「ランは花を長く楽しめる良さがある。年々種類が多くなり、今年の展示もいいもの、珍しいものが増えているので是非見てもらいたい」と話している。
洋ランの育て方相談や植え替えなどの指導、花の絵・写真・陶芸作品の展示、洋ランの花・鉢花の格安での販売、洋ラン・鉢花が当たる抽選会などの催しもある。19日は午前9時縲恁゚後4時。 -
箕輪町通学安全パトロール隊連絡協議会
3月末に立ち上げ箕輪町の子どもの安全を守る通学パトロール隊の活動充実のため、町、町教育委員会、学校、保護者らが連携して通学安全パトロール隊連絡協議会を3月末に立ち上げる。17日、町役場であった準備会で決定した。
町内の中部・北・東・西小では、安全みまもり隊や通学パトロール隊がすでに活動。南小は2月13日から活動を始めており3月4日に結成式をする。
連絡協議会の設置により、各地域のパトロール隊が要望や問題点について意見交換し、情報を共有することで、よりよい活動を目指す。
組織は町長、教育長、箕輪町警部交番所長、各校の通学安全パトロール隊代表、小・中学校事務局(教頭)、保護者で構成。緊急時など必要に応じて会を開き、活動状況の確認や連絡調整、意見交換、危険な場所や不審者情報など情報の共有化を図る。 -
箕輪町介護保険事業計画意見の中間具申
箕輪町は17日の議会全員協議会で、介護保険第1号被保険者の第3期保険料を基準額で3570円(月額)が適当とする、介護保険事業計画策定委員会(加藤寿一郎委員長)の中間具申を報告した。
介護保険料額は事業計画に示された介護サービスなどの総費用を基に検討。町の介護保険サービスは民間事業者の参入や医療事業者の規模拡大、介護予防に主体を置いた新予防給付事業の新設などに伴うサービス事業の展開で充実するが、高齢者人口の増加と併せ、介護保険会計財政が膨らみ保険料にも反映される。
保険料(基準月額)は第1期2290円、第2期2830円と推移している。
徴収区分は、低所得者層に配慮し現行6段階を7段階にすることが望ましい-としている。
平沢豊満町長は、「基本的には中間具申を最大限尊重する」考えを示した。 -
上古田保育園でごっこ遊び
箕輪町の上古田保育園で、ごっこ遊びでオープンした「ふるたおんせん」で園児が夢中になって遊んでいる。
「ふるたおんせん」はラーメン、たこ焼き、寿し、バイキング、デザートなどの食事コーナー、室内と露天の風呂、マッサージ、カラオケ、ゲームコーナーがある。年長児が準備し、売り子になって年中、年少の園児を楽しませた。
インフルエンザなどで休みの園児が多かったことから、期間を延長して“営業”。年中や年少の園児も売り子になって、どんぶりに山盛りのラーメンを作ったり、「いらっしゃいませ縲怐vと番台に座ったり。寿しコーナーでは、「何がいいですか」と威勢良く、「玉子とマグロを下さい」などの注文に答えていた。
客の園児たちは、次々と料理を食べ、タオルを持って温泉に入り、カラオケステージで歌って踊ってショーも繰り広げるなど「おんせん」を楽しんだ。 -
温泉ウォーキング教室開講
南箕輪わくわくクラブ主催の温泉ウォーキング教室が18日、大芝の湯内ふれあいプラザで始まった。参加者は温かいウォーキングコースで楽しく歩いた。
運動不足の解消と気分のリフレッシュのため冬に開き3年目。クラブ会員のほか村内、伊那市、辰野町からも参加した。教室は全5回で、第2回は特別プログラムとしてヨガの先生の指導も受ける。
講師は、クラブ指導員の松崎由紀子さん。参加者はエクササイズボールを使ってウォーミングアップした後、温泉プールでまずは普通にゆっくり、続いて少し早く歩いて体を慣らした。
ひざを持ち上げるようにするニーアップ・ウォーク、ひざを上げそのまま足先も上げて伸ばすダイナミック・ウォーク、横向きに歩幅を広く歩いて足を閉じるサイド・ウォークなど、水の抵抗を感じながらしっかり足を動かした。 -
タグラグビーって楽しい
伊那市の小中学生を対象に体験活動の場を提供する事業「はなまる地域探検隊」(伊藤元郎代表)は18日、市民体育館でニュースポーツ体験道場を開き、児童30人余がタグラグビーを体験した。
「一人が皆のために。皆が一人のために」のラグビー精神を体験し、市が毎年夏に開く大学招待ラグビーへの関心も高める目的。タグラグビーを体験するのは昨年10月に続いて2回目。
タグラグビーは首都圏の小学校で多く取り入れられているスポーツ。タックルの代わりに相手選手の腰に付けられたタグを奪い取ることが、通常のラグビーと大きく変る。
2人一組でタグを取り合ったりと、練習を重ねてから実践。児童らは前方にパスできないラグビーのルールに困惑していたが、市体協ラグビー部、県ラグビー協会の3人が優しく指導した。
試合が始まると児童たちは競技に夢中。2度目の体験となった伊那東小4年の市村尚也君は「鬼ごっこみたい」と息を弾ませながら楽しんでいた。 -
伊那市立図書館が「不明本」解消対策
伊那市立図書館(大槻正明館長)は年間の「不明本」数が180万円相当に及ぶことなどを理由に、2月初旬から、利用者の私物と貸出し本の区別をつけるために、館内では本を買い物かごに入れて持ち歩くよう協力を呼びかけている。
上伊那の図書館では初めての試み。3月末まで試験的に実施し、館内使用注意事項に加えることも検討する。
伊那市立図書館によると、同図書館に加え市内3分館を合計した蔵書(現在=約20万点)については、毎年6月に点検を実施。04年6月の点検を終えてから05年6月までの不明本数は約900点で、一点当たり2千円と考えても約180万円の損失になるという。
市立図書館がオープンした1994年以来、同館管内の不明本の累計数は約2千余点(同館推定)。最近では雑誌(500円相当)や音楽CD(3千竏・千円相当)の紛失が最も目立だち、なかには一点2万円ほどの高価な美術図鑑もなくなっているという。
不明本のうち何点かについては、いつのまにか返却ボックスに返されていることや、職員の点検ミスで見つかることもあるという。
不明本対策については、伊那市理事者などで構成する行政改革推進本部会議が図書館の行政改革を見直すなかでも検討。利用サービスの強化に努めるため、同図書館では1月初旬、職員で行政改革推進チームを設け、「まずはできることから」と買い物かごの利用を実施している。
買い物かごの利用状況は今だ低いが、本をまとめて持ち歩ける便利さを喜ぶ人もいる。大槻館長は「せっかく買った本を多くの人に利用してもらいたいと思っているので協力を」と呼びかけている。 -
「常和の命水」にクラシック聴かせる
伊那市にある建設業「織建」の織井常和社長が代表を務める水製造・販売「いすゞ」は2月から、クラシック音楽を聴かせた南アルプスの深層水「常和の命水(ときわのめいすい)」を郵送用に売り出している。波動値が自然水の中で世界トップクラス。波動値は、人間も含めて物質が発している目に見えない超微弱エネルギー(波動)を数値化したもので、健康な人は高いといわれる。味も「さらっとしてまろやか」と評判だ。
クラシックを聴かせたワインや焼酎、牛乳などがあることから、水はどうかと考えた。心をいやすモーツァルトの交響曲第40番を選び、命水が入った500リットルタンクにスピーカー12個を取り付け、振動で30分以上、音楽を聴かせる。水に取り組んだのは日本で初めてという。
東京都にある波動値の検査機関に命水の測定を依頼したところ、自然水の中で波動値が高い結果が出た。命水と比べても23%アップ。水道水と違い、音楽を聴かせた後も波動値の高さが持続する。
命水は織井代表の自宅敷地内の地下100メートルからくみ上げ、非加熱ろ過充填したもので、昨年6月に発売。活性酸素の一つ、一重項酸素(肌の老化やがんを促進する物質)を除去する能力が高い特性などを持つ。カルシウムが多いものの、マグネシウムやナトリウムが少なく、成分のバランスがいい。
発売から半年以上が経ち、利用者から「医者に通わなくて済むようになった」と体調の改善効果など喜びの言葉が多く届き、命水の機能が実証された形。
織井代表(67)は「寄せられた声は信じられない話ばかり。確実に口コミで広がっている」と予想以上の反響に驚き、周囲からも「『名物水』として地域の産業振興につながる」と期待が寄せられる。
命水は、同社やインターネットで販売。郵送用は2種類(自然水のまま、クラシックを聴かせた自然水)のうち、どちらかを選ぶことができる。価格は同じで、20リットル入りは2千円。音楽を聴かせた水には「こころいやす音楽を覚えた」と記したシールをはっている。
問い合わせは「いすゞ」(TEL77・9113)へ。 -
信大卒論発表会
信州大学農学部の学生による「卒業論文地域発表会」が18日、南箕輪村商工会館であった。一般参加者など約20人が集まり、学生たちが積み上げてきた成果に聞き入った。
論文発表に臨んだのは木村和弘教授率いる農業工学研究室のゼミ生3人。同研究室は、学生の取り組みを知ってもらったり、地元で行った調査の結果を還元するために、昨年から卒論発表を一般にも公開している。
中島空さんは、ヤギを用いた畦畔法面(けいはんのりめん)除草を発表。高齢化が加速する中、水田あぜ斜面の除草作業は、農業者の危険や労働負担となっている。中島さんはその解決策として、ヤギの放牧による除草を提案。ヤギの行動があぜにどのような変化を与えるかを実証した上で、導入に有効な畦畔法面を示した。
そのほかにも、除草回数が畦畔法面の植生にどのような変化を与えるかを検証した学生や、中越地震の住宅再建に、被害の少なかった屋敷林を利用することを検証した学生が発表した。 -
どうぞのいすで子育て何でも話し会
気軽な話し合いを通して情報交換をしたり、交流を深めよう竏窒ニ18日、伊那市荒井区東町の福祉事業所「どうぞのいす」で障害児を持つ母親などを対象とした「子育てなんでも話し会」があった。
障害児の親が交流する場があまりない竏窒ニいう声にこたえて実現した会で2回目。
さまざまな年代の子どもを持つ母親が参加し、就学についての疑問や、障害者自立支援法に伴う変化などを話し合った。
子どもの自立については「障害者が普通に生活していける場所がほしいと感じている親は多いが、自分の子どもは外に出したくないと考える人も多い。行動しなければ社会は変わらない」「隠すように子どもを育て、成人してから地域に戻そうといっても戸惑う。小さい時から地域の中で育てていけば、それが当たり前のことになる」などの声があり、「家族の意識を変えることも重要だね」と確認し合った。
今後も、母親だけでなく障害児にかかわる全般を対象として話し会を開いていく予定で、多くの参加を呼びかけている。次回は4月に開催する予定。
問い合わせはどうぞのいす(TEL74・6697)へ。 -
交通安全・防犯意識高める
高遠町長藤老人クラブ(伊藤勝夫会長)の定例会が17日、老人福祉センターであり、伊那警察署の下里勝巳交通課長らが交通安全や悪質商法について講話した。
下里課長は、「県内の昨年1年間の交通事故死者は152人、伊那署管内の人身事故は618件、物損事故は約3千件だった」と紹介。「県内では2日に1人は亡くなり、管内でも1日に10件の事故が起きていることになる。身近なところで事故が発生していることを認識してほしい」とし、管内で高齢者がかかわった人身事故が全体の30%近くを占めていることを特徴に挙げて、注意を促した。
また、高遠町交番所の岩井智明所長が振り込め詐欺などの悪質商法に触れ、「年々、手口が巧妙化している。一人では判断せずに、身内に相談することを忘れずに実践してほしい」と呼びかけた。
定例会には約40人が集まり、メモをとるなどして真剣に耳を傾け、交通安全や防犯への意識を高めた。 -
従業員が趣味の力作披露
高遠さくらホテルで28日まで、従業員が余暇に励む趣味の作品を持ち寄り、ロビーに約50点を飾っている。油絵、写真、木工、陶芸、手芸など多彩で、利用客を楽しませている。
仙丈ケ岳から撮影した「標高一位の富士山と二位北岳が並んで見える」作品や、「仙丈小屋から見た甲斐駒ケ岳の夕暮れ」といった山岳写真、手編みのセーターやマフラー、パッチワークのバック、ビーズのアクセサリー、油絵の大作、陶器などさまざま。利用客は作品をじっくりと見ながら、一つ一つのできに感心していた。
同ホテルは「ホテルや従業員を身近に感じてもらい、お客さまとのふれあいのきっかけになれば」と話している。 -
障害者スキー教室
障害者水泳支援センター駒ケ根サンスポートと県障害者福祉センターは18日、小学生以上の障害者を対象にしたスキー教室を駒ケ根市の駒ケ根高原スキー場で開いた。伊那、飯田の養護学校などから障害者約20人と保護者らが参加し、明るい晴天の下でスキーやソリを楽しんだ。
参加者は習熟度などにより5グループに分かれ、それぞれ障害者スポーツ指導員やボランティアらの指導を受けた。車いすの利用者らはバイスキーと呼ばれる下肢障害者用のスキーに乗り、介助者らの手を借りながら動く歩道でゲレンデ中ほどまで登ると、かなりのスピードでさっそうと滑り降りて周囲を驚かせていた=写真。
ほとんどの参加者はスキーの経験があるというだけあって、雪の感触に慣れるとともにスムーズにスキーを操ってゲレンデを滑り降りていた。
駒ケ根サンスポートと県障害者福祉センターは障害者がスキーに親しむ機会として毎年教室を開いている。 -
マルトシでロボットがデモ
駒ケ根市のスーパー・マルトシ(小林寿之社長)店内で18日、富士通オートメーションが開発した二足歩行ロボット「HOAP(ホープ)竏・」のデモンストレーションが行われ、訪れた来店客らの注目を集めた=写真。HOAP竏・は「みなさん、こんにちは」とあいさつしたり、前後左右に自在に歩いたりして高性能をアピール。さらに足元のボールをけったり相撲のしこを踏むなど、微妙なバランスが必要な動作を披露すると、見つめる来場者から「おおー」「すごい」と大きな歓声が上がった。小さな5本の指を器用に使って、子どもたちとじゃんけんや握手などのサービスもしていた。
HOAP竏・は05年7月に発表された。身長60センチ、質量8・8キロで、価格はオープンだが実勢価格は約630万円前後。日本ロボット学会の04年実用化技術賞を受賞している。ロボット技術向上のため研究開発を目的に製作されたが、一般の反響も見てみたい竏窒ニの意向で同店でのデモンストレーションが実現した。スーパーでのデモは全国初という。同社員と小林社長が知人だったことから話が決まった。
デモは19日も行われる。時間は午前9時30分、11時、午後1時30分、3時、4時30分、6時からで、いずれも10分間。無料。 -
「菊香堂」社長 赤羽政治さん(46)
創業は1887(明治20)年。「高遠饅頭(まんじゅう)」で始まったまんじゅう屋さん。04年に4代目を引き継いだ。
子どものころから、菓子づくりに囲まれた環境で育ち、おのずと和菓子の道へ進んだ。東京都の和菓子屋で、住み込みで修業。帰郷して14年目に入った。
伊那市坂下区にある和菓子店「菊香堂」には、高遠饅頭(まんじゅう)をはじめ、漂泊の俳人・井上井月の「井月さん」「勘太郎笠」「羽広の観音さま」「絵島生島」「みなみみのわの実」などが並ぶ。地元の文化や歴史にちなんだ商品づくりを意識し、伊那の地をアピール。菓子を包む袋には、そのいわれなどを記す。客との雑談の中から生まれたものもある。
1月中旬には、伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルの開通を記念し、米俵の形をしたもなか「権兵衛米の道」を発売した。3月31日の高遠町・長谷村との合併を控え、新たな商品を売り出す予定。
地元にちなんだ商品は、手土産に持って行った先で話題にもなるし、地域資源を再認識することにもなる。菓子を食べながら「へぇ」と感じてもらい、伊那へ来たとき、店に立ち寄るきっかけになればと考える。
新作は頭の中で構想を練り、イメージ画を描いて試作に入る。「自分でいいと思って店に出すと、いいもの、よくなかったものの反応がすぐわかる。お客さまに受け入れられなければ、商品は残る」。客の反応が創作意欲をかきたてる。
和菓子の中でも、特に季節感が出るのが生菓子。絞り、細工など一つひとつが手作りで、一つひとつに気持ちを込める。今の時期は桃の花、福寿草、スイセンなどが店頭を飾る。同じ赤色でも、四季折々でその色合いは変わるという。
桃の節句といえば「桜もち」を食べるが、今はケーキなどが出回り、子どもたちに人気。伝統の和菓子が薄れていくのを感じる。
茶席の授業で「和菓子を食べておいしかったから」と商品を買い求める高校生がいる。季節の和菓子を見直す意味で、店側からPRしていくべきと考える。
和菓子はきれいさもあるが、創作するおもしろさがある。地元の人が土産に持っていける商品、足を運んでくれる店づくりを目指す。
(湯沢康江) -
原始・古代テーマ別考古展
駒ケ根市立博物館で特別企画展「実験・予見による考古学竏柱エ始・古代テーマ別考古展」が4月30日まで開かれている。学芸員の田中清文さんの予見を基に原始・古代を5テーマに分け、市内をはじめ各地で発掘された土器・石器などを中心に展示している。テーマは▽御子柴遺跡の石器群▽舟山遺跡の遺構と遺物▽縄文中期の蛇文様と埋甕風習▽伊那谷縄文中期後葉における曲流渦巻文土器の系譜▽塩尻市芝宮銅鐸と古代中国陰陽五行説の関係竏秩B
御子柴遺跡=南箕輪村=での出土状況から、石器を保管する納屋のような物があったのではないか竏窒ニする田中さんの仮説に基づいて、当時の風景が再現されている。
午前9時30分縲恁゚後6時30分。月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)休館。入場無料。 -
県看護大出願状況
駒ケ根市の県看護大(深山智代学長)は06年度一般入学試験の最終出願状況を15日付でまとめた。試験は前・後期があり、前期は定員42人に対して出願者は78人(男子8・女子70)で倍率は1・9倍。後期は定員8人に対して出願者は60人(男子5・女子55)で倍率は7・5倍。05年度の前期2・7倍、後期12・1倍に比べて「広き門」となった。出願者は前後期共に県内が約6割を占めている。
試験は前期が25日に、後期は3月13日に同大で行われ、いずれも小論文と面接が課される。合格発表は前期が3月1日、後期は同20日の午前10時から同大に受験番号が掲示されるほか、インターネットでの閲覧もできる。 -
観成園起工間近
建物の老朽化に伴う駒ケ根市の特別養護老人ホーム観成園(福島紀六園長)の移転新築に伴う建設工事が22日始まる。移転先は赤穂北割一区の広域農道沿いで、昭和伊南病院や介護老人保健施設フラワーハイツなどの南側。約9400平方メートルの敷地は土地の造成が終わり、13日に行われた一般競争入札で建設業者が決定して建築工事を待つばかりとなっている=写真。
計画によると建物は鉄筋コンクリート2階建てで延べ床面積は4670平方メートル。現在の2人・4人部屋からすべて個室とし、定員も25人増の80人となるなど、より充実したケア体制を目指す。しゅん工は10月31日を見込む。施設を運営する伊南福祉会は年内の開所を目標に準備を進めたいとしている。
落札した工事請負業者は次の通り(カッコ内は請負金額)。
▽建築本体=窪田建設・石田建設・小沢建設共同企業体(6億8145万円)▽機械設備=丸福久保田組・中沢木材・石田建設共同企業体(2億6250万円)▽電気設備(新井電気・小林電気工事商会特定建設工事共同企業体(1億3125万円) -
6年間最後の授業参観
宮田村の宮田小学校は16日、高学年の授業参観を開いた。6年生は小学校生活最後の参観。卒業まで1カ月をきった現在の気持ちや6年間の思い出を一人ひとり発表し、保護者に感謝も伝えた。
6年の3学級は各教室で参観を行なった。それぞれ「今わたしはぼくは」をテーマに各児童がスピーチ。今取り組んでいることを発表したり、友達のこと、学校での思い出などを語った。
野球やサッカー、新体操にトランペット鼓隊など。取り組んできたスポーツや文化活動について目を輝かして話す子どもたち。
一方でキャンプや臨海学校など、友人と一緒に楽しんだ良き思い出話も。
「一生懸命働いているお母さんをみならいたい」と自分の将来や夢を語る児童もいた。
参観した保護者は堂々と発表する子どもたちの姿に目を細め、成長を改めて感じていた。 -
宮田高原キャンプ場の利用状況
宮田村宮田高原キャンプ場の昨年の利用状況がまとまった。のべ利用者数は1433人で前年に比べ26人の減少。天候には恵まれたが、利用者数の減少傾向に歯止めはかかっていない。
同キャンプ場の営業期間は原則7月から9月末。県内からの利用者が387人に対して、県外が1046人だった。宿泊が113組とほぼ大半で、日帰りのデイキャンプ利用者は3組。
同高原は標高約1600メートルに位置し、村中心部からは約12キロ、車で20縲・0分の距離。周辺に民家などはなく、完全に下界と離れることから一部のキャンパーに人気があるが、レジャーの多様化なども影響して利用者は頭打ちだ。
キャンプ場周辺の牧場も含め、村の行政改革のなかで見直し事業の一つとして話題に挙がる現状だが、近年は活性化を模索する動きもある。
村商工会青年部がリンゴオーナーで訪れた県外の家族を対象にキャンプを実施したほか、手作りで遊具なども整備。昨年には高原を紹介するパンフレットも新調した。
村産業課商工観光課は「予算など現状維持のなかで、どれだけ工夫するかが鍵になる」と話す。 -
わが家で救急講習会
宮田村町1区の宅幼老所「わが家」(大石ひとみ代表)は16日夜、職員と利用者家族を対象に救急法の講習会を開いた。緊急時に即座に対応できるようにと、消防署救急隊員の指導で心肺蘇生法の基本実技などを学んだ。
わが家は高齢者や障害者らが利用。看護師がスタッフとして常駐しているが「自然災害も含め何がおきるか分からない。緊急時の対処を事前に身につけておきたい」(大石さん)と、社内研修の一環として実施した。
利用者家族にも呼びかけ10人ほどが参加。伊南行政組合北消防署の署員から手ほどきを受け、気道確保から人工呼吸、心臓マッサージまで一連の動作に挑戦した。
「通報から救急車が到着するまで約6分。どんな医師の治療よりも、現場に居合わせた人たちの応急手当が命を救う」と署員。
参加者は実際の現場を想定して、一人ひとり意識を高めていた。 -
飯島町06年度当初予算案を発表
飯島町は17日、総額39億8000万円の06年度一般会計当初予算案を発表した。前年当初比5・7%減。一般・特別会計の総額は83億2140万円で、前年比0・2%増となった。「行政改革3年目、自立初年度と位置付け、改革の実行と、新たな活力創造のためのメリハリ予算」(高坂町長)。
歳入は町税が10億2690万円で前年当初比2・7%増、うち個人町民税は税制改革により3600万円増(10・4%増)の3億8100万円、法人町民税は横ばい、固定資産税は1600万円減(2・6%減)の5億7900万円。地方交付税は2・1%減の13億7700万円。繰越金は4000万円でうち、財政調整基金からは1700万円繰り入れる。町債は5億9160万円、11%の減。
歳出の人件費は職員数6人減、理事者や一般職員給与削減により、4・7%減の10億1830万円。物件費は6・2%減の4億1700万円、扶助費は児童手当、福祉医療費増などで13・7%増の2億9630万円、補助費は3・5%減の5億1940万円。普通建設費は2億3760万円、06年度計画の東部保育園建設費や七久保小学校耐震大規模改造事業が05年度に前倒しになったため68%の大幅減となった。公債費は8・6%増の6億2640万円。公債比率は15・7%、道の駅建設費や中学大規模改造事業費などの償還が始まったため。
特別会計関係では、国民健康保険が診療報酬改定で8900万円減の7億5350万円、介護保険は7億5700万円、老人医療は10億4700万円・公共下水道事業は七久保浄化センター建設事業着手で2億7550万円増の10億3660万円、農業集落排水事業は2億3540万円。水道事業は5億1060万円となっている。 -
食肉の安全を考える
伊那食品衛生協会(御子柴誠一会長)は16日、食肉の安全について考えるシンポジウムを伊那市の県伊那文化会館で開いた。食肉に関わる国や県の機関職員3人が牛海綿状脳症(BSE)対策などについて講演。同協会員のほか一般住民ら約150人が話に耳を傾けた。
県伊那家畜保健衛生所防疫課長の小室徳宏さんはBSEの感染源となる肉骨紛の感染経路などについて説明し、「本来は草食動物の牛に動物性タンパク質の肉骨紛をエサとして与えてしまったことで問題が生じた」と話した。
県飯田食肉衛生検査所主任食肉衛生専門員の山下貞秀さんはBSE検査などについて解説。県内では2001年10月から本年1月までに検査した約5万頭のうち、陽性数、BSE確認数は1頭もなかったと報告した。
農水省長野農政事務所消費安全部安全管理課長の布施克哉さんは牛肉パックに表示された国産牛肉の個体識別番号から、出生や飼育情報などの生産履歴が消費者でも開示できる仕組みについて、「スーパーで肉を買う時に、携帯電話で検索することもできる」と紹介した。
ディスカッションでは講師3人に対して会場から、「県が全頭検査を今後も続けるか」「綿羊についても全頭検査をしているのか」「特定危険部位の除去、焼却処分は永久に続くのか」などの質問があがった。 -
信大・家畜用分娩監視遠隔通信装置の開発
信州大学農学部食料生還学科の松井寛二教授を中心とする開発グループはこのほど、磁気を使った家畜用分娩(ぶんべん)装置の試作の実験に成功した。産学官が連携して開発グループを構成。今後は、小型化、機能の充実を図りながら、市場調査、ビジネスモデルの確立を進め、07年度の実用化を目指す。
上伊那の畜産農家を対象とした調査によると、難産や逆子などのトラブルで出産時に子牛が死亡するケースは約7、8%。ほとんどのトラブルは、人間の手助けで解消できる問題であり、現在は出産間近に泊り込みで分娩を監視するなどして、対応しているが、農家にかかる労働負担は大きい。
現在も、家畜の膣内にセンサーをつけて分娩を知らせる遠隔通報装置はある。しかし、家畜の体にかかる負担は大きいだけでなく、装着は獣医などの専門家しかできない作業であり、実用性は低い。
松井教授らの磁気センサーを使った装置は、体外から外陰部の収縮を感知し、出産を知らせるものであり、家畜の生体を傷つけることがない。センサーはマッチ棒ほどの大きさで、誰にでも簡単に装着できるだけでなく、さまざまな家畜動物に対応させることが可能だという。センサーからの情報が専用の無線に送られ、そこから携帯電話などに発信される。
プロジェクトは科学技術振興機構の「独創的シリーズ展開事業・大学発ベンチャー創出推進プログラム」の05年度採択を受け、07年度までに年間で最大5千万円の資金供与を受けることができる。 -
「伊那谷田んぼの生き物」全国書店で販売開始
伊那谷を中心に自然に近い形での水稲や野菜の栽培を進め、田んぼや畑に集まる虫や小動物の観察をしているグループ「ひと・むし・たんぼの会」(代表・小川文昭さん)。このグループが調査・作成した図鑑、「伊那谷田んぼの生き物」(飯田市美術博物館編)がこのほど、東京の築地書館から再出版され、全国の書店で販売が始まった。「百姓仕事がつくるフィールドガイド竏駐cんぼの生き物」と名称も変った。
04年夏に飯田市美術博物館で開いた同会の企画写真展に合わせて1500部印刷されたが、予想以上の好評で05年秋には完売、品切れ状態になっていた。再出版の道を探っていたところ、築地書館から話があり、再出版となった。
図鑑では、春の田起しから、代掻き、田植え……と1年の農作業の進展を追いながら、四季折々の水田環境の変化とそこに暮らす生き物を写真と文章で紹介している。田んぼに棲む、昆虫類・爬虫類・魚類を網羅した決定版。写真や文章は、会員が実際の農作業のただ中で撮影し、綴ったものであることが最大の特徴。
農に生きる人の視線で虫を見、虫の視線で人を見ている。
本紙でも毎週金曜日(変動有り)に「ひと・むし・たんぼの会」のリレーエッセーを連載している。
定価は2000円+税。飯田市美術博物館、全国書店、AMAZONなどのネットショップで購入できる。 -
箕輪町議会臨時会
北小体育館新設予算など可決箕輪町議会臨時会は17日開き、箕輪北小学校体育館の新設や公共施設のアスベスト除去工事などの一般会計補正予算案を可決した。
補正予算は歳入歳出に各3億8474万1千円を追加し総額を89億17万4千円とする。
箕輪北小体育館新設の事業費は3億5544万2千円。国庫補助事業で、公立小学校屋内運動場新増築事業、地域・学校連携施設整備事業の2事業の対象となる。
体育館はグラウンドの西側に建設。渡り廊下で南校舎とつなぐ。社会体育館の要素も併せもち、学童クラブも設置する。現在の体育館は当面残す方針。
建築工事計画は現在検討中だが、計画案では延べ床面積1485・02平方メートル(1階1421・22平方メートル、2階ギャラリー63・80平方メートル)。現在の体育館の約2倍の広さになる。1階はアリーナ、ステージ、学校用器具庫、玄関、ホール、トイレ、ミーティングルームなど。屋根は、耐震力に優れているという球形で雪止めを付ける。
アスベストは、健康などの被害防止のため除去工事をする。町内の施設は、庁舎屋上・地下機械室、メゾンみんなのわ階段下、南小学校倉庫、中学校倉庫・浄化槽機械室。 -
箕輪町議会議員定数研究委員会
3減の15を報告箕輪町議会議員定数研究委員会(委員8人)の松崎久司委員長は17日、上嶋貞一議長に、議員定数を現在の18から3減の15が適当とする報告をした。
委員会は8回開き、住民アンケートや各種団体長、区長との懇談で定数減の声が多かったこと、議会全員協議会の意見などを参考に報告をまとめた。07年4月の次回選挙から適用したい考え。
上嶋議長は、「報告を尊重し、3月議会に議員定数改正条例を提出する準備や議会の委員会構成検討のための特別委員会立上げを検討したい」と答えた。 -
上古田スケート場05年度利用状況
箕輪町教育委員会は、上古田スケート場の05年度利用状況をまとめた。本年度は天候に恵まれ、滑走26日間で4159人が利用。管理人の熱心な管理・整備で氷の質も好評で、多くの町民が天然リンクでのスケートを楽しんだ。
スケート場開場は1月7日縲・月5日の30日間。そのうち朝、ナイターともに滑走日数は26日で04年度より朝は5日、ナイターは4日多かった。
利用者数は、ジュニアスケート大会と親子スケート教室参加者を含め、一般利用者の朝1122人(04年度750人)、ナイター1232人(1216人)で計2354人(1966人)。箕輪西小学校授業は1441人(1254人)、上古田保育園364人(220人)で計1805人。総計は4159人で、前年度3440人より719人増えた。
貸しスケート靴の貸し出し数は1126足(04年度715足)。