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燃えるインターハイ(4)女子新体操・団体
昨年16位のチームは本年、力のある1年生が入部したことで、全国の頂に手が届くチームになった。県高校総体6連覇、北信越5連覇を達成する新体操部。橋爪監督は「新しい歴史を伊那西新体操部に作りたい」と意気込む。選手たちも・ス日本一・スを目指し、演技に情熱をぶつけている。
新入部員は、橋爪監督が代表を務めるジュニア新体操クラブ「ポーラ☆スター」の出身。それぞれが中学時代、個人や団体で全国大会出場を経験してきた実力者ばかりだ。志は高く、インターハイ優勝を目指して入部した思いが部に活気を注ぎ込んでいる。
選手一人ひとりが違う動きを重ね、一つの演技をつくる・ス連携・スを中心とした難易度の高い演技構成を組んだ。橋爪監督は「技術力とやる気を持ったチームなので、最高レベルに到達したいかを、いつも問い掛けている」と練習に厳しさは欠かさない。
選手たちは、自分たちに妥協を許さず組むことで、個々の技術、精神力を磨いてきた。長田主将は「日ごろ世話になっている人たちへの感謝の気持ちを踊りに込めたい。みんなの心に残る、自分たちが最も輝ける試合が出来れば」と全国の頂点を目指す。 -
赤穂中生職場体験
駒ケ根市の赤穂中学校(杉田純治校長)2年生は26縲・1日にかけて職場体験で市内の企業や官公庁などを訪れた。30日には駒ケ根警察署(山本修作署長)を男女生徒5人が訪れ、警察官のさまざまな業務について学んだ。生徒らはパトカーの役割や機能について実際の操作を交えて詳しく説明を受けると、一般車と違う運転席付近の様子を興味深そうにのぞき込んだり、じっくり眺めたり。パトカーに備え付けの透明樹脂製のたてを警棒で思い切りたたく実験では、警察装備の頑丈さに感心しきりだった=写真。
生徒らは警察活動紹介のビデオを視聴したり、道場で逮捕術の実技指導を受けたりしたほか、石こうを使った足跡採取などの鑑識業務も体験。警察官の仕事について生徒らは「体力も頭も使う大変な仕事だ」と話し合うなど、日ごろの認識を新たにしていた。 -
高校生が一日看護体験
駒ケ根市の昭和伊南総合病院で31日、県看護協会が企画した高校生一日看護体験学習があった。南信各地の9校から1縲・年生の男女生徒27人が参加し、病棟での看護などを体験した。
生徒らは白衣を着用し、数人ずつに分かれて各病棟で入院患者の身の回りの世話に当たった。病室を訪れた生徒らは患者の手足や頭髪を洗う作業を体験=写真。医療用手袋をつけて恐る恐る患者の体を洗い始めると、そばで見ていた担当の看護師が「もっと強く」「指の奥までしっかり洗って」などとアドバイス。高校生らは慣れない手つきながらゆっくりと慎重に作業をこなした。患者が「気持ち良かった」と言うと初めて緊張が緩み、うれしそうな笑顔を見せた。高校生らは患者の汚物処理などの作業も行い、看護師らの仕事の大変さに改めて驚いていた。
参加した伊那北高2年の巣山史織さん(17)は「将来は看護師になりたいので参加した。看護は思ったより力が必要で大変。患者さんと接するのはすごく難しいが、とてもいい経験になった」と話した。 -
親子木工教室
駒ケ根市のおもしろかっぱ館(小平容大館長)は28日、親子木工教室を東伊那の「ふるさとの丘・あゆみ館」で開いた。市内の親子約10人が参加し、木を使った小鳥の巣箱やえさ箱、森の動物たちなどを作った。
指導に当たったのは「木の香の会」の宮脇保さん。参加者は宮脇さんの用意した巣箱の材料を受け取ると、木の板を組み合わせて早速組み立て始めた=写真。子どもたちは「難しいなあ」などと言いながら保護者や宮脇さんの手を借り、苦労の末、どうにか巣箱を完成させると手に取ってうれしそうに眺めていた。
宮脇さんは「小鳥が敵にやられないように、高い枝に置くのがいいよ」などとアドバイスしていた。 -
箕輪中と庄内中の交流会
箕輪町の箕輪中学校と、町と「友好交流推進協定」を結んでいる静岡県浜松市庄内地区の庄内中学校との交流会が31日、ながた自然公園であった。1日までの2日間の日程で、初日はマレットゴルフや出し物などで楽しく交流した。
98年に始まり今年で9回目。夏休み中に両校の生徒会役員を中心に交代に訪問しあって交流している。
箕輪中は生徒会役員の3年生26人と2年生の評議員7人が参加し、庄内中の生徒会役員や評議員ら1年生から3年生まで20人を迎えた。
箕輪中生徒会副会長の市川和馬君が「楽しい企画を考えている。一緒に楽しい思い出を作りましょう」と歓迎。庄内中生徒会長の渥美心悟君は「交流できることがとてもうれしい。互いの学校を高め合い、ずっといい思い出になるよう頑張っていきましょう」とあいさつした。
参加生徒の自己紹介に続いて両校の学校紹介をした後、公園内のマレットゴルフ場でプレーを楽しんだ。夕食は皆で調理したカレーと焼肉を味わい、庄内中の生徒はキャビンに宿泊した。
1日は箕輪中の校舎や古田人形部、吹奏楽部と合唱部の発表見学などを計画している。 -
南箕輪村公民館書道研究会
35年の歴史がある南箕輪村公民館書道研究会。南箕輪村にまだ文化活動がなかったころ、当時の村公民館長が、「村でも何か始めたらどうか。それならだれにでもできる書道がよかろう」と提案し始まった。
受講者は100人と多く、皆が楽しみながら書道に励んできたが、後に舞踊や茶道、華道など文化活動の多様化に伴い1人減り、2人減りして、現在は子ども7人を含む15人が毎月2回、公民館で学んでいる。発足当初から伊那市西春近の西村星光さんが講師を務め、大人の会員の多くはすでに師範の資格を取得している。
「公民館に集まって書いたり、世間話をしたり。本当に書くことが楽しい人が残ったんだと思う」と話すのは、10年前から支部長を務める加藤今朝美さん。
加藤さん自身は、高校時代からずっと書道に親しみ、研究会発足時から参加している。「皆さん1日1枚は書く。私は農業が忙しいから雨降りと、天気がよく暑くて仕事ができないときに書いて、月に20枚は書きます。皆、好きでやってる。好きでなくちゃ、字は続けられない」という。
研究会では、かなと漢字を学び、漢字は主に漢文、かなは百人一首から題材を選ぶ。月末には本部の日本書道に作品を送り、評価を受ける。支部長クラスになると、創始者原田観峰さんの「観峰賞」を取らなければ-と、作品にも力が入る。
1作品を仕上げるのに少なくとも20枚は書く。「1文字1文字見ていては書けない。早く書かないと字の勢いがなくなる」。漢文、あるいは和歌の意味をしっかり飲み込んで紙に向い、一気に書き上げる。それでも1字だけが気に入らないなど満足できずに書き直し、納得できるまで取り組む。本部から戻ってきた作品の評価がよかったときの満足感や達成感が、「あぁ、やったな。来月もがんばろう」という意欲に繋がっているという。
「皆で和気あいあいとやってる。楽しみがあると病も回復できるし、皆が互いに元気をもらってます」
掛け軸や額装した作品は、JA上伊那南箕輪支店や大芝の湯ギャラリー、伊那市立図書館の展示コーナーなどで展示している。(村上裕子) -
エコファーマー認定式
環境保全型農業に取り組む「エコファーマー」の認定書授与式が31日、伊那市のJA上伊那西箕輪支所であり、本年度、上伊那でエコファーマーに認定された14人の農業者に対して佐藤光吉農政課長から認定書が手渡され=写真。
環境に優しい栽培技術の普及などを目的として99年から始まった同制度は、土づくり、減化学肥料、減化学農薬の3つに一体的に取り組む農業者を認定するもので、認定を受けた農業者は有効期間となる5年間、生産物を販売する時に県の認定マークをつけて販売できるようになる。
上伊那管内で昨年までに認定を受け、エコファーマーとして活動している農業者59人。おもな認定作物は米だが、今年は野菜や花きなどでの申請もあった。個人で契約栽培している農業者などが農産物の付加価値を高めるために申請することなども多いという。
今回エコファーマーに認定された南箕輪村の唐沢俊男さんは「環境に優しい農業に取り組まなければ私たち人間も滅びてしまうと思う。これからはもっときつい有機栽培などに取り組んでいきたい」と話していた。 -
南大東島の子どもたちが伊那市に到着
8月3日に大東太鼓と島唄のコンサートを伊那市で開く沖縄県南大東島の子どもたちが31日、伊那市に到着し、伊那西小学校の体育館で音慣らしをした。堂々とした太鼓の音と威勢のいい子どもたちのかけ声が夏休みで静かになった学校中に響きわたった=写真。
もう一度伊那市で演奏したい竏窒ニいう2年前に来伊したメンバーの思いを発端とする今回、大東太鼓碧会からは小学生から高校生までの30人が、ボロジノ娘からは7人が来伊。予定より早く伊那市に到着した一行は、伊那西小で約2時間の練習に臨み、汗を流した。
碧会の宮城克仁君(17)と大城海君(17)は「伊那の人たちを感動させられるような演奏をしたい。初めて伊那を訪れる子たちには地元とは違う環境の中で南大東島の良いところ、伊那の良い所を感じてほしい」と話していた。
コンサートは8月3日の午後7時(開演は午後6時半)から。チケットは前売りで大人千円、小人500円(当日は大人1500円、小人700円)。
問い合わせはグリーンファーム(TEL74・5351)へ。 -
南アルプス食害対策協議会、9月6日の発足目指す
ニホンジカなどによる深刻な食害が進む南アルプス周辺区域における広域的な対策について模索する南アルプス食害対策プロジェクトの担当者打ち合わせ会が31日、伊那市役所であった。関係市町村や県職員などが集まり、9月6日を目指してプロジェクトの実施母体となる南アルプス食害対策協議会を発足することを確認した。
同プロジェクトは、猟友会などとの連携を図りながら市町村や行政区域を越えた実効性のある有害鳥獣対策に取り組むことを目的としており、伊那市、飯田市、富士見町、大鹿村のほか、県、南信森林管理署、信州大学農学部で構成している。 この日は、1回目の打ち合わせ会の懸案事項を確認。協議会の規約など、いくつかの点で再度修正案が挙がったため、調整を図りながら協議会発足の早期実現を目指すこととなった。 -
信州の伝統野菜「羽広菜」の伝承地に羽広菜生産加工組合を認定
県の信州伝統野菜・支援事業で羽広菜の伝承地栽培認定を受けた伊那市西箕輪の「羽広菜生産加工組合」(組合員10人、西村照幸組合長)に30日、宮坂上伊那地方事務所長から認定書が伝達された。西村組合長は「羽広かぶにも個人で作っているものにはそれぞれ質の違いがあるが、私たちが作っているものは昔から伝えられているものに一番近いと自負している。後世に引き継いでいきたい」と喜びを語った。
同制度は伝統野菜の継承と地域振興などを目的として県が今年から始めたもの。まず、学識経験者などでつくる認定委員会が今年4月に地域で継承されてきた38品目の野菜を「伝統野菜」と認定。また、それらの伝統野菜を一定の基準に沿って生産し、「伝承地」と認定された団体は、県の交付する伝承地栽培認定証を生産物に添付して販売できるようになる。
これまでに24団体が伝承地認定を受けているが、上伊那では初めて。伊那市西箕輪羽広を原産とする羽広菜は、江戸時代には種子が売られていたという記述もある。肉質が比較的軟らかく、甘味があるのが特徴で、同組合では収穫期となる11月始めころから漬物に加工したカブを販売している。
かすとみそを混ぜた昔ながらの漬け方のほか、浅漬けも好評で、今年からは生のカブも販売していく。 -
伊那市の2公民館で「子どもおいで塾」
夏休みの子供たちの居場所を提供する事業「夏休み!こどもおいで塾」が30日、伊那市内の2公民館で始まった。公民館に集まった児童は、宿題や自由研究などの学習のほか、スポーツやクッキングなどで交流を広げていく。それぞれ8月3日までの5日間。
2公民館は、伊那と富県の公民館。2年前、伊那で始めたのをきっかけに、本年、富県でも実施した。参加人数は伊那120人、富県21人で、伊那は昨年の約倍数。そのほとんどがリピーターで、保護者らの口コミで広がったという。
いずれも昼食を持参した児童たちは、午前中に自主学習し、午後は参加者同士の交流を楽しむ。学年、学校の垣根を超えたグループ行動が主となるため、上級生が下級生の世話を見ながら親ぼくを図っていく。
指導は公民館職員や、元小中学校教師のボランティアで、児童は仲間や講師の助言をもらいながら自主学習に励んだ。富県公民館に通う、同小5年の三浦正也君(10)は「いろんな人と出会えるので、早く勉強を終わらせてみんなと遊びたい」と話していた。
出来上がった夏休みの課題帳を講師に見てもらう児童たち(富県公民館) -
箕輪の唐沢さん・遺作展 一周忌に足跡刻む
箕輪町松島でカメラ店を営んでいた故唐沢秀夫さん(享年65)の一周忌に合わせ、妻洋子さん(66)と唐沢さんが指導者として携わった写真愛好会「箕輪写友会」メンバーらが8月5日まで、伊那市立伊那図書館広域コーナーで遺作展を開いている。入場無料。
作品は、フィルムカメラで撮影された全紙3枚、半切40枚の計43枚。県内を中心とした四季折々の風景写真が並ぶ。二科展の入賞作品や亡くなる1カ月前に撮影した遺作など、半世紀近く撮影活動をしてきた唐沢さんの足跡が飾られている。
撮影に労を惜しまなかった唐沢さんは、お気に入りの場所だった高ボッチ高原に、一冬で60回以上も通っていたという。遺作となった写真も同所で撮影。朝霧のなかで鮮やかなオレンジ色の花を咲かせるレンゲツツジを写している。
洋子さんは「生きた証を見てほしい。1秒、1分という時間を惜しんで撮った写真ばかり。たくさんの人たちに見てもらいたい」と来場を呼びかけている。
午前10時縲恁゚後7時(最終日は午後5時まで)。
唐沢さんの足跡が刻まれた作品が並ぶ遺作展(伊那市立伊那図書館) -
島崎洋路さん受賞記念 森林・林業シンポジウム
元信州大学農学部教授で島崎山林塾主宰の島崎洋路さん(79)=写真=の信毎賞受賞を記念した「森林・林業シンポジウム」が28日、南箕輪村の同大学あった。島崎さんの「森林整備は、いま…」と題した講演などに多くの学生らが耳を傾けた。信州大学農学部など主催。
講演で島崎さんは、少子化による担い手不足などにも触れながら、日本の林業の低迷していった現状を説明し、「昔のように里山をうまく使えるシステムが衰退しているのが要因」などと主張。「国の援助を受けながら大学などの機関で、この問題を深刻に受け止め研究を進めなければ」などと訴えた。
シンポジウムではこのほか、前岐阜県立森林文化アカデミー助教授の内田健一氏、飯南森林組合長の林和弘氏、県森林部長の加藤英郎氏3人が現場の声を伝えた。 -
非核平和行進が北上、上伊那を縦断
上伊那地区労働組合会議や各地区勤労協でつくる被爆62周年2007非核・平和行進上伊那地区実行委員会は31日、恒久平和を訴える平和行進「子どもたちに核のない未来を!2007上伊那非核・平和行進」を行った。延べ100人が、中川村から辰野町まで歩き、非核、恒久平和を訴えた。今年の行進は昨年は豪雨災害で中止したため2年振り。従来は2日間掛けて実施していたが、今年は1日に短縮、市街地の要所要所を歩き、バスでも移動した。
出発地の中川村役場では約60人が集まり集会。上伊那地区労組会議の宮島良夫議長は「被爆62年を迎え、原爆を容認するかのような大臣の発言、改憲論議など様々な問題が出てきた。新潟中越地震では原子力発電所がいかに危険かを立証した。核のない未来を子どもたちに届けることや、原子力に頼らない未来づくりに向け、頑張ろう」と呼び掛けた。
市瀬副村長は「唯一の被爆国として、核のない世界を作ろうと、行動することは尊い。村は図書館の平和企画や平和宣言自治体協議会に加入するなど、様々な取り組みをしている」と述べ、カンパを手渡し、激励した。
一行は先導車に続き出発。組合旗を手に、炎天下の中、沿道の住民に核廃絶をアピールしながら、飯島町に向い北上した。
中 -
1日からあいさつ運動強化旬間
中川村は1日縲・0日まであいさつ強化旬間と位置付け、「中川村はあいさつがよくできる村、この伝統を大切に」をスローガンに、07年度あいさつ運動を展開する。
村・小中PTA、みなかた・片桐保育園などが中心になって運動を展開。▽家庭内であいさつを気持ちよくかわそう▽子どもたちとのあいさつに一言添えよう▽大人同士のあいさつもこの機会に見直そう-などを重点項目に掲げた。
また、「あいさつで広がる笑顔、深まる絆、高まる安心」「あいさつで、今日1日さわやかに」「あいさつは皆を結ぶ、1つのわ」など各地区で標語を募集し、公共施設などに張り、運動の浸透を図っている。 -
高校生活の集大成、インターハイ出場の2選手を激励
宮田村から全国高校総体(インターハイ)にフェンシング個人、団体で出場する赤穂高3年三澤杏奈さん(18)=大原区=と、同じく新体操団体の伊那西高3年大沢ひとみさん(17)=南割区=の激励会が31日、村役場であった。2人はいずれも3年連続の出場。高校生活の集大成として、活躍を誓った。
全身を突くことで得点を競う「エペ」で1年の時からインターハイ出場の三澤さん。今大会は有効面が胴体に限られる「フルーレ」に加え、赤穂高の仲間と一緒に戦う団体でもインターハイに挑む。
この日は清水靖夫村長から激励を受け「団体で行けるのは本当にうれしい。自分たちが納得できるよう頂点を目指し、高校生活の全てをぶつけたい」と抱負。個人種目でも今まで以上の成績を残すと力強く語った。
保育園の時から新体操を続けてきた大沢さん。個人は届かなかったが、団体で3年連続の全国に臨む。
夏休みに入ってから合宿が続き、31日日早朝には大会会場へ向けて出発。激励会には母親の富美恵さんが代理で出席し、「昨年の16位より上を狙っている。頑張ってきてくれるはず」と話した。
今年のインターハイは佐賀県が会場。新体操は3日から県体育館、フェンシングは7日から嬉野市体育館で行われる。 -
地図情報システムで地域の支え合いマップを
宮田村中越区は、パソコンの地図情報(GIS)システムを住民自ら駆使して、緊急災害時の支え合いマップを作成しようと取り組み始めた。今までは初期に膨大な費用や労力がかかるとされ行政や企業が利用主体だった同システム。集落単位で活用する試みは上伊那では初、全国的にも珍しいが「これをきっかけに情報を寄せ合ったり、真剣に考える過程のほうが大切」と、関係者は希薄だった災害に対する住民の意識変化に期待を寄せる。
地図情報システムは様々な用途に使われるが、数百万から数千万円と高額。専門知識がないと操作も難しかったが近年10万円ほどの安価なソフトが登場し、容易に使いこなせることもあり着目した。
中越区は当初、除雪管理に使おうと計画したが、幅広い用途が考えられるシステムの利便性を発揮させようと、未整備だった支え合いマップからまず着手することに。県の元気づくり支援金から15万円の助成も受けた。
30日夜には区の役員が集まり、システムの使い方などを学習。さらにはどのような情報を地図に盛り込んでいくか、話題を広げた。
「支援が必要な世帯を色分けしよう」「色々な情報を盛り込み過ぎるのは逆に使いずらくなるのでは」など、さっそく熱く議論。
今までは区の集落センターとしか定めていなかった避難所についても、「隣組や班で1次避難場所を決め地図情報に盛り込もう」と話しは及んだ。
「このように頭をみんなでひねることこそ大切なのでは」と近藤健一区長。システム導入を提案した村総務課企画情報係長で同区担当職員でもある赤羽和夫さんも「地域のことを話し合うきっかけづくりになるはず。モデルケースにして全村に広げたい」と話す。
マップは9月の防災訓練に活用。緊急時に必要な情報を精査していく考えだ。 -
伊那市、子育てガイドブックの配布開始
子育てで困った時に役立ててもらおう竏窒ニ伊那市は1日、市内の子育て支援制度や子育てサークルや託児所、病院などの所在地と連絡先をひとまとめにした子育てガイドブックの配布を開始した=写真。
同ガイドブックは「子育てに関するさまざまな悩みをどこで相談したらいいのか分からない」という住民の声を受けて今年初めて作製したもの。子育てサークル代表者などでつくる「子育て支援ネットワーク連絡会」の協力のもと、妊娠した時の届け出方法からそれぞれの悩みに応じた相談窓口、市の子育て支援制度などを掲載しているほか、託児施設や子育てサークル、保育園が学校、病院などの所在地と連絡先の一覧をつけ、妊娠時から中学生までの相談窓口を明確化した。
約2千部を印刷した今年は、3歳児までの各健診で配布していく予定で、ガイドブックそのものは1年ごとに見直ししていく。 -
市役所本庁の大規模改修終わる
伊那市役所本庁の大規模改修が31日、終了した。新設したトイレなどは1日から利用可能となる。
改修は06縲・7年度、耐震度の強化や市町村合併に伴う住民の一体感を図るため、1階部分に耐震間柱や交流スペースなどを新たに設けたほか、火災時対応のエレベーター前への防煙区画を整備。
耐震度の強化は、官庁施設の総合耐震計画基準に適合させるため、1階市民ホールなどに直径約40センチの耐震間柱8本を建てた。
交流スペース(広さ72平方メートル)は、正面玄関の両側に設置。西側は、情報発信の場として観光パンフレットなどをそろえるほか、市民がくつろげるように机やいす、飲料水の自動販売機を置く。市街地循環バスの待ち合い場所に使うこともできる。東側は喫煙所、打ち合わせスペース。
また「トイレが少ない」という要望にこたえ、西側(社会福祉課・高齢者福祉課前)に男女別のトイレと多目的トイレを設けた。多目的トイレ(2カ所)には、オストメイト(人工肛門などを保有する人)用や収納式ベビーシートを備えた。閉庁時は利用できないが、催し物がある場合は開放し、庁舎内に入らなくても外から出入りができるようにする。
事業費は1億6600万円で、合併特例債を活用した。 -
伊那市立図書館夏休み企画「ブックカバー&ヨーヨーキルト作り」
伊那市の市立図書館は29日、夏読書「サマーリーディング」事業の一環で、夏休み企画「ブックカバー&ヨーヨーキルト作り」をした。小学生が布でブックカバー作りを楽しんだ。
今年、読書のお手伝いをしようと「サマーリーディング」事業を計画。館内に職員お勧め本コーナーを設けたり、クイズの正解者の中から10人に本の袋をプレゼントするなどしている。
読書にちなんで計画したブックカバー作りは、参加者が文庫本やハードカバーなど好きな本の大きさに合わせて好みの布を縫って仕上げた。
伊那小学校5年の御子柴杏奈さんは、「お気に入りの本『鏡の向こう側』のカバーを作りたい」と好きな布を持参して参加。手芸好きとあって、器用に作っていた。 -
町一区の飯ごうすいさん
小学生は夏休みに入り、宮田村内でも地区行事が盛んに行われている。各地区のPTAや育成会などが協力し、肝だめしや花火大会、納涼祭と多彩。火おこしから調理まで子どもたち自ら協力する飯ごうすいさんは、太田切川の河原で行う地区が大半で、野外体験も満喫している。
町一区の飯ごうすいさんは29日開き、38人の小学生が参加。村内の養魚場閉鎖により中止する地区が多くなったマスのつかみどりを、子どもたちの強い要望を受けて今年も実施した。
太田切川の河原にできた安全なよどみにマスを放流。子どもたちは素早い魚影を追いながら歓声をあげた。
ご飯を炊き、カレーを調理。遊んで汗をかいた後は、野外で食べる美味しい食事に舌鼓を打っていた。 -
トップストーンロゼッタ北信越へ
宮田村のサッカークラブチーム・トップストーンの女子ロゼッタは28、29日、U‐12(12歳以下)の女子北信越大会出場をかけた松本平カップ(松本市)で4位に入り、県代表の切符を手にした。また、男子ジュニアの4年生チームはマクドナルド杯で3位に入った。
参戦1年目で県リーグを制して臨んだロゼッタだが、厳しい対戦カードに苦戦した。最終戦は3点差以上での勝利が求められたが、波田に5‐0で快勝。富山県で開かれる北信越大会への出場を決めた。 -
親子昆虫教室
駒ケ根市立博物館は29日、親子昆虫教室を中沢のかっぱ広場周辺で開いた。市内外の4組15人ほどが参加。トンボやチョウなど観察しながらつかまえ、標本の作り方も学んだ。
昨年まではふるさとの丘で開いていたが、今年は天竜川岸に場所を移した。
昆虫に詳しい田中邦治さんと氣賀澤和男さんを講師に、散策しながら虫探し。「こんな所にいた」など歓声をあげながら、網などを使って採集していた。 -
天竜川ゆめ会議がアレチウリ駆除作業
天竜川ゆめ会議は28、29日、岡谷市から飯田市までの天竜川流域でアレチウリの駆除作業を行った。総勢200人以上が参加し、自然環境に影響を与える植物を取り除こうと汗を流した。
そのうち駒ケ根市の会場は29日に新宮川合流点で行い約30人が参加。根気よく力をあわせた。
28日に行った宮田村の会場では、地元の大久保区と大田切区も協力。母なる天竜川の素晴らしさを改めて感じながら、足元の環境を考えていこうと作業に励んだ。 -
「漂泊の俳人・井上井月記」発刊
上伊那でいまだに根強い人気を保っている井上井月の俳諧世界とその生きざまを独自のタッチで著した書「漂泊の俳人・井上井月記」がこのほど彩流社(東京都千代田区)から発刊された。「(井月)没後120年記念出版」と銘打つ。
著者は、俳誌「俳句往来」主宰で、元高校長の中井三好氏(69)=東京都在住=。
長岡藩の優秀な青年武士として将来を嘱望されていた井月が、一所不在の侘びを追い求める俳諧師となって伊那谷をふらりと訪れ、住民の温かい人情に触れながら各地で名句を残し、やがて郷里へ帰ることもなく美篶村末広(現伊那市)で息を引き取るまでを、その時々の句と照らし合わせながら生き生きと描いている。流れるような文章は読者を飽きさせない。
あまり知られていない青少年期についても簡潔に触れてあり、当時の長岡藩の事情などを描写した個所と合わせ、井月の背景が立体的によく理解できる組み立てになっている。さらに、井月の発句や文章に、京都の連歌師たちが使っていた特殊な「新在家文字」が見られることから、「井月は長く京都あたりで俳諧の修業を積み、文学的感性も育んでいったのではないか」と推測するなど、国文学に精通した確かな分析力も随所で見せる。
井月を慕って伊那市まで墓参にやってきた種田山頭火や、「井月全集」を著した下島勲=駒ケ根市中沢出身=を通じて井月を知り、「与謝蕪村以来の日本文学の大発見」と絶賛した芥川龍之介の逸話なども興味深い。
中井氏はあとがきで「芥川龍之介の生涯を深く知ろうと、龍之介の父道章の主治医であり龍之介の文人仲間であった下島勲の文章を漁(あさ)っている時、井上井月の存在を知った。(略)龍之介が究明したであろう井月の俳諧の高みを望みたく、漂泊の俳人井月を求めて、その足跡の旅に出た」と記している。同書にはこの「足跡の旅」の成果がびっしり詰まっている。
174ページ。本体定価1500円。
9月2日に、中井氏の講演会が伊那市立図書館で開かれる。詳細は伊那毎日新聞紙上で後日紹介。 -
第54回上伊那郡市母子寡婦福祉大会
第54回上伊那郡市母子寡婦福祉大会は29日、伊那市の伊那公民館で開いた。上伊那郡母子寡婦福祉協議会、伊那市と駒ヶ根市の各母子寡婦福祉会の3者主催の同福祉大会は今年で長年の歴史に幕を閉じ、記念大会を伊那市の東部中学校合唱部の演奏が盛り上げた。
各協議会や福祉会の活動はこれまで通り継続するが、3者が集う福祉大会は協議の結果、今年で終了することになった。式典で加納春江大会長は、「変動する社会情勢の中で困難な問題を抱えているもの同士が集い、今後は若いお母さんが大勢集まっていける形にしていきたい。今後とも会にお力をいただきたい」とあいさつした。
式典では優良母子家庭、功労者の表彰もあった。 -
森林セラピーグランドオープン記念
親子スタンプ&ウォークラリー南箕輪村と村森林セラピー協議会は29日、森林セラピーグランドオープンを記念して、大芝高原みんなの森セラピーロードで「親子スタンプ&ウォークラリー」を開いた。約130人が参加し、森の中の3キロコースを楽しく歩いた。
親子で楽しみながらセラピーロードを歩き、いやし・健康・自然などの理解を深めてもらう目的。
夏休みで多くの親子が集まり、スタンプラリーカードをもらって出発。案内板に従ってさわやかなセラピーロード内のコースを歩き、「かたらい亭」「赤松の小屋」など4カ所のチェックポイントでスタンプを押してもらった。
4つのスタンプがそろってゴールした参加者には記念品としてお香と消しゴムのセット、さらに花火セットや大芝高原味工房のジェラート券が50人に当たる抽選もあった。 -
南箕輪村長杯少年野球大会
南箕輪少年野球連盟(征矢秀一郎会長)主催の07年度南箕輪村長杯少年野球大会は29日、大芝野球場で開いた。8チームがトーナメント戦で競い、伊那中部スポーツ少年団が優勝した。
例年、南箕輪村、箕輪町、伊那市から8チームが出場して開く大会。今年は夏休み行事などで参加できないチームがあり、岡谷市から1チームが加わった。
伊那中部スポーツ少年団は、1回戦で守屋スネークスに4-3、準決勝は箕輪彗星クラブに3-2で勝ち、決勝戦は南小ドラゴンズに6-1で勝って優勝した。2位は南小ドラゴンス、3位は長地ファイヤードラゴンズだった。 -
第2回ボイス81地域会議、上伊那地区で開催
知事と市町村長らが地域のことについて意見交換する「ボイス81地域会議」が30日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。村井知事や県幹部を迎え、上伊那地区の市町村長らがそれぞれに直面する地域の課題について提言。医療提供体制の充実や有害鳥獣駆除など、早急な対応が必要な問題に対する県の支援を求めた=写真。
10広域ごとに開催する地域懇談会は昨年に続き2年目。
医師、産科医不足が深刻化していることを受け、医師確保のための具体的取り組みを求める声が多く、小坂伊那市長は「県立病院から産科医を配置するか、院内助産院を設置する早急に対応してほしい」と指摘。それに対し村井知事は「県が本気になって取り組まなければどうしようもない問題。病院が研修医を抱え込むことができるようなインセンティブをつけるなどの工夫ができないかと検討している」として、具体的には研修環境の充実、女性医師の確保、研究助成金の増額などを挙げた。
有害鳥獣対策としては、適正かつ広域的な駆除体制の確立を求める意見が出たほか、駆除した肉を食肉として活用するためのガイドラインの策定を早急に示してほしいとする声があった。 -
参院選長野選挙区 羽田氏が大差でトップ当選
第21回参院選は29日、投開票が行われ、長野選挙区(改選定数2)は羽田雄一郎氏(40)=民主前=と吉田博美氏(58)=自民前=が当選した。羽田氏は53万8690票(4候補の得票数合計の47・9%)を獲得、吉田氏の30万1635票(同26・8%)に大差をつけて見事トップ当選した。
今回の選挙は年金問題、大臣事務所費問題などが安倍内閣への強い逆風となり、吉田氏を終始苦しめた。
民主党の大躍進で同党が目指す次期総選挙での政権交代の基礎固めができたと見る関係者は多い。上伊那地方でも羽田氏は追い風の強さを見せ、伊那市、駒ケ根市、6町村計のいずれも吉田氏を引き離し最多得票した。
しかし町村別に見ると、飯島町と中川村で吉田氏が羽田氏を抑えてトップ得票している。駒ケ根市では羽田氏が最多得票したとはいえ、吉田氏とは僅差で、伊南地区では総じて吉田氏が健闘している。吉田氏の地元に地理的に近いということや保守色が強い地域性などが原因として考えられる。
両氏の差には投票率も影響していそうだ。投票率が平均70・9%と高かった6町村では、得票率で羽田氏45・0%、吉田氏30・6%となり、両者の差は14・4ポイントと広がっている。逆に投票率が65・88%と比較的低かった駒ケ根市では羽田氏の得票率41・5%、吉田氏同36・0%で差はわずか5・5ポイント。共産党の中野早苗氏の場合も投票率に応じて得票率に羽田氏と同じ動きが見られ、無党派層の票が影響していることがうかがえる。
##(写真・顔)
当選 羽田雄一郎(40)民主前(3) 党農林水産団体局次長 玉川大学文学部卒 上田市
当選 吉田博美(58)自民前(2) 党副幹事長 早稲田大学社会科学部卒 下伊那郡松川町