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定年退職者等の生活設計講座
県南信労政事務所・伊那市は22日、伊那市西春近のサンライフ伊那で定年退職者等の生活設計講座を開いた。1年以内に定年退職を迎える人を対象に、再就職や生活設計、健康管理に役立ててもらうねらい。
内容は、雇用保険や厚生年金の給付、高年齢者の健康管理の講演のほか、健康体操の実技が組まれ、上伊那郡内の35人が受講した。
再就職について、伊那公共職業安定所職員が労働市場概況や、求人と求職のニーズの現状などを説明。「企業側は技術・経験のある即戦力を求めている」とし、再就職するために「『やりたい仕事』と『できる仕事』の妥協点を探る」などをアドバイスした。 -
上農定時制同窓会、PTAなどが存続を求める要請書提出
上伊那農業高校定時制同窓会やPTAなどは25日、上農定時制の存続を求める要請書を、第3通学区高校改革プラン推進委員を務める小坂樫男・伊那市長に提出した。
要望書は、小規模で家庭的な定時制を生徒が望んでいることから、大規模化が懸念され、親密な関わりを築きにくい多部制・単位制は、定時制高校を希望する生徒に対応できないことを強調。
「多部制・単位制を箕輪工業高校に設置した場合、比較的近距離の上農高校定時制をこれに統合する」とした6月の県教育委案が、プランに影響することを懸念している。
小坂市長は、推進委員として意見を聞き入れたが、要望の受け入れが困難であることをうかがわせる発言もあったという。
推進委上伊那小委員会は前回推進委で、箕工の全日制・定時制の廃止、多部制・単位制への転換案を提示。地元の声や魅力ある高校づくりに配慮した結果であることを強調したが、対象校は県教委案と一致している。
小林辰興委員(辰野教育長)は「赤穂高校の定時制は存続できる要素がある」とする一方、上農定時制については、存続する可能性の低さをうかがわせた。 -
まちじゅう美術館の入賞者を表彰
伊那商工会議所・商業連合協議会が主催する「第4回まちじゅう美術館」の表彰式が26日、商工会館であった。入賞者一人ひとりに表彰状などを手渡した。
保育園児を対象にした「まちじゅう窶煤vは、子どもたちにも楽しく親しみのある店づくりにと企画。「わたしの好きなお店」「わたしの家族」をテーマに作品を募ったところ、576点の応募があった。審査の結果、会頭賞5点、副会頭賞10点、部会長賞20点が決まった。
表彰式後、向山公人会頭は多くの応募を喜び「多くの市民に見て喜んでもらい、まちの良さを味わって」と呼びかけた。
応募作品は12月4日縲恬・N1月10日、市内48店舗に展示。来店した園児に各店からプレゼントがある。 -
シニアと女性のゴルフ同好会「シックスオー&レディース」が発足
宮田村で女性と60歳以上の男性にメンバーを限定したゴルフ同好会「シックスオー&レディース」が発足した。24日に初のコンペを伊那国際ゴルフクラブで開き、親睦を深めた。
上伊那にも60歳以上対象の同好会はあるが、女性の参加年齢を自由にして会員に加えたケースは珍しい。
「定年過ぎても元気にいつまでもプレーしたいと、仲間に呼びかけた。女性が入ることで、また雰囲気も違うでしょ」と吉沢務会長。
52人が入会して、この日のコンペには34人が参加。吉沢会長らの始球式に続いて、さっそく和気あいあいとラウンドした。
女性のひとりが「素振りはうまくいくんだけど。ボールの前に立つと、上手くいかないんです」と話すと、にわかにゴルフ談義が熱を帯びる場面も。好天にも恵まれ、心地良い汗を流していた。
吉沢さんは「今後も年に数回コンペを開きながら、お互いに楽しみながらプレーしていきたい」と話していた。 -
産業振興センターの管理運営から商工会が撤退
宮田村中心商店街の一角にある宮田産業振興センター(仲なかふれあいセンター)の管理運営について、村商工会は今年度末での撤退を表明。所有者の村は25日までに申し出を受理した。空き店舗を村が買い取り、商工会に管理を任せて地域活性化を検討してきた施設だが、5年間の累計で商工会が抱えた赤字は400万円にも及ぶ。結果的に稼動が伸びず、村は新たな管理者と活用法を探ることになった。
旧赤穂信用金庫(現アルプス中央信用金庫)宮田支店の移転に伴う空店舗を1999(平成11)年度に村は2500万円余りで購入。
当時、商店街や地域の活性化を望む商工会の強い要請を受けて、土地と建物を信金から買い取ったもので、補助で改修もした。
年間管理費約70万円のうち、商工会が半額を負担する形でセンターは開所。さまざまな活用法を模索し、喫茶店なども併設した。
しかし、当初から主要となる1階ホールの稼動率は年間数十日に満たない状態で、主な収入は喫茶の売り上げと2階の1室を貸事務所にした家賃に限られていた。
来年度から「指定管理者制度」の導入が始まり、村は商工会の管理費負担を増額してほしいと要請。
だが、同商工会理事会は、これ以上の投資は困難として管理運営権を返上する方針を決めた。
前林善一商工会長は「活性化とは逆行してしまうが、センターの清掃なども我々が担っており、これ以上の負担増は商工会の存続にも関わる」と説明。
センターは村が福祉施設としても活用しており、2階には福祉作業所が入居。手狭になっていることから、作業所の拡張や運営する福祉法人への管理指定なども含めて村は検討している。 -
心の育ちを考える日
宮田村の宮田小、中学校は21日、心の育ちを考える日を開いた。両校の連携の一環で、中学校の授業風景を小学校の教諭が参観。両校教諭が精神面や学力面など子どもの育ちについても意見交換した。
10年以上前から続いており、小学校と中学校で交互に実施。当初は子どもたちの心について理解を深めようと道徳の授業を参観していたが、近年は学力も含めて全般的な参観に変わってきた。
小学校の教諭は自由に授業の様子を参観。宮田小を巣立った子どもたちが、中学校でどのように勉強して生活しているか、熱心に見つめていた。
参観後の分散会では、両校の教諭がひざを交えて、生徒、児童のことについて話し合っていた。 -
商工会建設部会と村が懇談
宮田村商工会建設部会は24日夜、村との懇談会を開いた。村に限らず伊南行政組合が行なう公共事業の発注など、細かい仕事でも出来る限り工事を紹介してほしいと注文。村からの情報提供を強く求めた。
部会員約10人、村からは清水靖夫村長、平沢正典産業建設課長らが出席。
部会側は経費節減のための工事書類簡素化のほか、耐震補強制度の拡充や広報などについて意見した。
公営住宅の売れ残り対策についても提案。民間の不動産業者や建設業者に情報を提供して、積極的な販売戦略を行なうよう求めた。
また、山林の活用などにも話しが及び、幅広く意見を交換した。 -
正しい姿勢で健全な心
早稲田大学名誉教授の春木豊さん(心理学)と桜美林大学が正しい姿勢と心の変化のつながりを研究するため、長谷村の長谷小学校で9月から「背筋を伸ばす」いすを用いた実証研究をしている。
いすは横浜市の寺で座禅用に開発され、座面と背もたれにクッションが付いているのが特徴で、座面は前方が膨らみ後方に傾斜している。5年生15人に来年3月まで試作品を使ってもらい、月に1度、「やる気がでてきたか」や「元気がでてきたか」「ピリピリしないか」など約10項目を6段階評価して、心への影響を調査する。担任の視点からも児童の変化を調べ、データをまとめる。
同校で使用している従来の木のいすは、「姿勢が崩れやすい」。
大学生で同様の研究をしたところでは、背筋が伸び、顔が正面に向いていると気持ちが前向きで、猫背で下向きだとうつになりやすい結果が出たという。
春木さんと、桜美林大の鈴木平助教授(人間科学)は、「背筋を伸ばすいすによって姿勢や顔の向きが改善され、健全な心の教育につながることを示したい」とし、同校以外でも調査して、効果次第で最終的に全国での普及を目指している。 -
ベル伊那で永岡泰則さんの陶展 29日まで
岐阜県恵那市に窯を構える陶芸家・永岡泰則さん(53)の展示即売会は29日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。同ホールでの個展は昨年に続き2回目となる。
永岡さんは、1952(昭和27)年、福岡県生まれ。茶道の勉強をする中で、李朝陶磁の屈託のない優しさに魅入られ、作陶歴は23年間。全国各地で個展を開き李朝陶磁の魅力を伝えている。
李朝陶磁の「高麗白磁」「三島」「粉引」「黒高麗」などの作風で、茶道具をはじめ花器、一般食器100余展を出品。祭礼で供物入れに使われた「粉引祭器」は、一般食器として使い勝手のよい大きさに工夫して作っている。
永岡さんは「中国の白磁にない柔らかい風合いの李朝陶磁をご覧ください」と来場を呼びかけている。
27日、大日本茶道学会・向山弘仙さんの呈茶がある。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時まで)。 -
日本の財政を考える
飯島町文化館で24日、財務行政懇話会があった。商工会や議会など約60人が財務省長野財務事務所の刈谷正隆所長の「日本の財政を考える」と題した講演に耳を傾け、日本の財政の現状と、問題点、課題について理解を深めた。
この中で、刈谷所長は05年度一般会計予算の歳出は約82兆円で、国債費が2割、一般歳出の6割が社会保障関係費が占めている。歳入は税収が5割、4割強は公債金(借金)に依存し、公債残高は538兆円に上るとし、家計に例えて、分かりやすく解説した。
また、財政事情を国際比較し、対GDP比でみると、主要先進国中、最悪の水準になっているとした。
今後の財政については、高齢化が進み、社会保障のための支出が増大し、財政はますます厳しくなると予測した。
最後、財政健全化策に触れ「国は子や孫の世代に負担を先送りしない持続可能な財政構築に向け、まずは、10年代初頭の国、地方合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目指している」と述べた。 -
竹生節男さんの「中川の四季」
中川村大草の望岳荘ロビーで、竹生節男さん(73)=豊橋市=の油彩作品を集めた「中川の四季展」が30日まで開かれている。
葛島から見た天竜の流れを描いた「天竜川」。晩秋の田で農作業に励む人々を描いた「夫婦(寒露)」。厳寒の飯島町七久保でスケッチした「中川村への道(立春)」など、中川村の四季折々の風景と、そこで暮らす村人を温かく描いた秀作16点がずらり。
竹生さんは豊橋市市民セミナーの絵画講師、市民展審査委員を務める。高校の美術教諭の頃から、伊那谷の山里の良さにひかれ、スケッチ旅行にしばしば中川村に訪れ、望岳荘に投宿し、制作した。 -
小学生ミュージカルダンス
こまがね文化創造劇場が主催する小学生ミュージカルダンス「ドロシーからの手紙窶買Iズの魔法使い」が23日、駒ケ根市文化会館大ホールで上演された。7月から練習を重ねてきた市内の小学生30人は本番の大舞台にも気後れすることなく、ステージ狭しと歌い踊った=写真。駒ケ根太鼓子ども連も劇中の場面で特別出演した。
ストーリーは、竜巻で魔法の国に吹き飛ばされたドロシーが家に帰ろうとさまざまな困難に出合う『オズの魔法使い』を基に、演出・振付を担当した神崎由布子さんが書き上げたオリジナル。小学生らがはつらつと演じる楽しいミュージカルに、会場を埋めた観衆は大きな拍手を送っていた。
同劇場は劇団昴を中心とした市民参加の共同ミュージカルを毎年開催してきたが、出演者のほとんどが小学生という舞台は今回が初。できれば今後も続けていきたい窶狽ニいう。 -
窪田孟恒絵絣(かすり)展
アンズの木の染料で染め上げた素朴で温かみのある窪田孟恒さんの絵絣(かすり)展が27日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。つむぎや生糸で織られたタペストリーや壁絵など約50点が、訪れた人を楽しませている。
絵絣は織られた布に絵を描くのでなく、描く絵を想定しながら糸を染め上げて模様を描く。作為的な線でなく“かすりの足”と言われる優しいラインが魅力。窪田さんはそんな絵絣に魅せられてグラフィックデザイナーから転職した。
藍(あい)でつくる絣絵は有名だが、自分だけの色彩を模索し、故郷・千曲市の木でもあるアンズの木の染料に出合った。
染める回数や媒染などによって橙、こげ茶など、色彩はさまざまに変化するが、温かみがあるアンズの染料は、絣の美しさを引きたてる。
窪田さんは「絣は自分の思いが及ばない美しさを表現してくれる」と話していた。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時。 -
幼稚園児が勤労感謝訪問
勤労感謝の日に合わせ22日、駒ケ根市の聖マルチン幼稚園(山田日出子園長)の園児らが市内の郵便局、駅前交番、消防署を訪れて感謝の絵や歌をプレゼントした。
園児らは駅前交番に年少、駒ケ根郵便局に年中、伊南行政組合北消防署に年長組がそれぞれ訪れ、「いつもお仕事ありがとう」などとかわいい声をそろえて感謝の気持ちを伝え、描いた絵をプレゼントしたり皆で歌を歌ったりした。「応対した職員らは「ありがとう。これからも頑張ります」などと礼を述べ、貯金箱などのお土産を渡したり、パトカーに乗せてあげたりしていた。駒ケ根郵便局の矢島和一郎局長は「年末年始に向けて忙しくなるこの時期に、子どもたちの声を聞けてホッとした」と笑顔で話した。 -
山ぶどう酵母のパンを開発
宮田村南割区のパン職人岸裕さん(56)が、村の特産品である山ぶどうから酵母を抽出して、パンとして製品化することに成功した。ニシザワ双葉店(伊那市)内で自身が経営するパン屋「ジャストベイクドパオ」で販売を開始。客の反応も上々で「村の活性化に少しでも役立てば」と期待をふくらませている。
本来はワインに醸造する山ぶどうをパンに使えないかと一念発起。近所に住む栽培農家の秋山泰久さんが全面的に協力し、今夏から研究を進めた。
当初は酸味が出たり、ふくらまなかったりするなど試行錯誤。しかし、徐々に安定し、100%山ぶどう酵母のパンが完成した。
「今まで使っていたイースト菌のパンよりも風味が豊か」と職人歴30年の岸さん自身納得の出来ばえ。
宮田特産の山ぶどうワイン「紫輝」に漬けた干しぶどうをトッピングした「レーズンロール」と「クルミロール」に使用している。
12月3日に村内の本坊酒造で開かれる山ぶどうワイン祭りに、岸さんも参加を予定。
会場で自慢のパンを販売し、この日解禁されるワインの新酒と一緒に多くの人に味わってもらう考えだ。
パンに関する問い合わせなどは「ジャストベイクドパオ」78・3209まで。 -
第5回水墨画県展
第5回水墨画県展が24日、伊那市の県伊那文化会館で始まった。オープニングから200人を超える人が集まり、幅広い題材を描いた水墨画の世界をたん能している。
会場を移動して開く公募展で、伊那市での開催は初。応募者は画歴5、6年から30年くらいまでとさまざま。10号以上30号未満で、色をつけず墨だけで描くという規定があり、例年並の260点余の応募の中から入賞、入選作品、特別出品作品約200点を展示している。
画風は風景、山水、建物、人物など幅広く、洋風な題材もある。高遠町の高遠城址公園、駒ヶ根市の光前寺鐘楼など地元を描いた作品もある。「全体のレベルが上がってきている。テーマや表現もバラエティに富み、見応えがある」という。
26日は水墨画実技教室が小ホールである。講師は長野県水墨画協会長代行の下平瑞雲さん。午前10時縲・1時半、午後2時縲・時半の2回。申し込み不要。
展覧は27日まで。午前9時縲恁゚後5時。最終日は午後3時まで。入場無料。 -
ねんりんピック
ソフトバレーボールで県代表「まっくん60」が3位入賞
60歳以上が対象の第18回全国健康福祉祭ふくおか大会「ねんりんピックふくおか2005」(12縲・5日、福岡県)のソフトバレーボールに県代表で出場した南箕輪村のチーム「まっくん60」が3位に入賞した。24日、村役場で唐木一直村長に喜びの報告をした。
「まっくん60」は南箕輪わくわくクラブのソフトバレーボールクラブ会員6人で構成。監督・高木繁雄さん(60)神子柴、加藤忠一さん(64)田畑、倉田嘉明さん(60)北殿、原幸子さん(63)田畑、池上保子さん(63)沢尻、征矢順子さん(61)塩ノ井。
リーグ戦1日目に2勝0敗で1位グループに進み、2日目は強豪相手に0勝2敗の結果だったが、3位になった。
5月の出場決定以来週1回、8月から週2回の練習を重ね、10歳代から60歳代まで60人が所属するクラブの仲間が練習相手を務めた。若いメンバー2人が夏に負傷するアクシデントもあったが、どうしても6人で行きたい-と支え合って出場。「勝因はチームワーク。仲良くやってきたことが結果につながった」という。
ヤフードームでの開会式は、女性3人が入場行進に参加。「オリンピックの雰囲気で圧倒された。あの感動はすごかった」と振り返り、「これからも元気いっぱい頑張って、あと3回くらいは行きたい」と語った。
村長は活躍を祝福し、「生涯スポーツ、健康が大事。皆さんの活躍はありがたい。今後も頑張って村民に普及して」と話した。 -
宮田村の下水道料金平均15・1%引き上げを答申
宮田村の上下水道運営委員会(前林善一委員長)は24日、村の諮問通り来年4月から下水道使用料を平均15・1%引き上げる答申をした。村は村議会12月定例会に条例改正案を提出。上伊那平均より大幅に安価な料金設定の大口利用者の引き上げ幅を高め、最大では21%の値上げとなる。
議決されれば2年ぶりの改定となるが、月平均30立方メートルまでの小口利用者は4・6%縲・・8%と値上げ幅を抑制。平均的な家庭の使用料金(24立方メートル)は月額3664円から305円値上がりし、3969円となる。
一方で店舗や事業所など50立方メートル以上使う大口利用者は11・8%縲・1%の値上げ。1000立方メートル以上使う場合、月額14万8千円ほどが18万7千円まで上がる。
村産業建設課は「特に上伊那の平均より安かった大口利用者の是正を図った。理解してもらいたい」と説明。
委員会は諮問の内容を認めたが、住民への周知徹底を求めた。
村は収支安定や施設維持を考慮し、下水道料金を2002年度の水準から50%引き上げる必要があると試算。
2008年度まで2年ごとに改定する計画で、初年度の04年度に平均15%引き上げた。 -
市田柿の風景を守る宮田村出身の写真家
唐木孝治さん(53)
農家の軒下に干し柿がズラリと並ぶ風景は伊那谷の初冬の風物詩だった。上伊那では余り見かけなくなったが、干し柿を作る「柿すだれ」という言葉を聞けば、下伊那郡高森町を思い出す人も多いことだろう。
だが、この「市田柿の里」からも、柿すだれが姿を消している。
「市田柿は今も高森町の特産品です。しかし、柿すだれは一ヵ所もなくなってしまった。あの風景を守ろうと、訴えているんです」
宮田村出身の写真家。高森町在住だが、今も宮田村にスタジオ写瑠を構える。柿すだれの写真を撮り歩くうち、「この風景は守るべき貴重な財産だ」と思ったという。
会の設立は6年前。当時はまだ、柿すだれがあった。だが、衛生上の観点から「寒冷紗(かんれいしゃ)」と呼ばれる虫除け・陽射し除け用の網状の薄い布がかけられ、柿すだれを隠していた。
「1日でも良いから、寒冷紗をはずして、オレンジ色に輝く柿すだれの風景を蘇らせよう。それを子どもの目に焼き付けよう窶狽ニいうのが最初の趣旨だったんですよ」
ところが、事態は好転しなかった。それどころか、県や農業団体が「干し柿生産における衛生管理の徹底」を指導したこともあり、干し柿を軒下に吊るすこと自体がなくなってしまったのだ。
11月13日に会が主催した市田柿の風景を見るウォーキングのイベントでも、柿すだれは1カ所。松源寺という禅寺の鐘楼に、自家用の柿を特別に吊下げてもらって、かろうじて「風景」を守っている状況だ。
もちろん、生産者側にも事情がないわけではない。現在、市田柿を生産・出荷する農家は、倉庫など家屋の中に柿を吊るし、極力外気に当てないようにして干し柿を作っている。「ごみが混ざっていた」「カビが生えていた」などのクレームに対応していくためには、生産工程で徹底した衛生管理を行っていることを示さなければならない。外気にさらして作るのでは「不衛生」のそしりを免れないというわけだ。
「安全・衛生上の配慮は重要ですよ。しかし、伝統的な風景には、その地域の伝統的な食と生活が凝縮されている。それを途絶えさせてしまうのは、地域にとって貴重な財産を失うことになる」
高森町で干し柿作りが始まったのは、飯田城主が奨励したとか伊勢神宮の焼き柿が伝わったとか諸説あるが、天竜川から沸きあがる濃い川霧が、干し柿を包む白い粉(ブドウ糖)を吹かせるのに良い影響を与えるそうで、そうした気象条件がこの地の特産品=市田柿を生み出したことは間違いない。長い歴史の中で、人々はそれを知り、営々と柿すだれを吊るしてきたのだろう。
「風景を守ることは地域を守ることそのもののはず。これからも頑張って、いつの日かたくさんの柿すだれを復活させたいと思っているんですよ」
最後をそう結んだ。
(毛賀沢明宏) -
雑穀を楽しく食べよう
新山荘で楽食会食べる機会が少なくなった雑穀を、天然由来の調味料を使って調理して食べる催し=「楽食会」が27日、伊那市の新山荘である。
料理屋や料理教室と違い、参加者全員が一緒に作り一緒に食べる。メニューは、長芋とカブのもちあわクリームグラタン、アマランサスを使ったパスタなど5品。上記2品を実際に作り、残りはレシピを渡す。
「雑穀を簡単に・おいしく・楽しく食べることを目指しています。毎日の食のスパイスになれば幸せ」と管理人の伊藤和弥さんは話している。
27日午前10時30分より受付開始。参加費2500円。エプロン、マイ包丁、メモ帳など持参のこと。詳しくは新山荘78窶・133まで -
育てた農作物 収穫を喜ぶ
伊那市の西春近北小学校で23日、そば打ち交流会があった。児童や保護者、地域住民が協力してそば作りを体験しよう窶狽ニ、7月下旬のそばの種まき、10月中旬の収穫と段階を踏み、この日は収穫祭としてそば打ちを約50人で楽しんだ。学校PTA、同窓会の主催。
地域のそば打ち愛好者でつくる「春近そばの会」の4人が指導。講師の実演の後、参加者らはそれぞれでグループをつくり実践した。親子連れが多く、それぞれが、そばを打つ共同作業を楽しんでいた。
打ちたてのそばは、その場で湯でて試食。自分たちで育てたソバの味を参加者でたん能した。
1年生の関島隆仁君(7つ)は母親と一緒の作業。「大変だったけど楽しかった。今度は一人でも打ってみたい」と楽しんでいた。
片桐省平校長は「普段ふれあいの少ない地域の人と同じ体験をするなかで、児童たちがいつも見守られていることを肌で感じてもらえれば」と話していた。
学校PTA、同窓会では、今後も活動を継続する考えだ。 -
伊那東小で開校展
伊那東小学校(小山隆文校長、717人)で23日、開校記念日を祝う恒例の開校展があった。絵画、工作、習字などの学習成果の展示のほか、合唱団や子どもみこしのステージ発表を展開。児童と地域住民が大勢集まりにぎわった。
1898(明治31)年に開校し、本年は107周年。敷地内ではわたあめや五平もちのほか、伝統になっているうどんも販売した。学校によると、昔は地域の青年団が農産物を持ちよったりもしていたという。
区民展では、コスモス、バラ、矢車草などの押し花を使ったしおり作りを住民が指導。集まった児童らと会話を交えながら楽しんでいた。
また、開校当初から現在までの卒業写真を並べた展示もあり、「おばあちゃん」「お父さん」と、自分の家族を探す児童や大人たちで溢れていた。
小山校長は「地域の人たちで溢れる様子から、学校を大事に支えてきた地域性を感じる。児童にとっても、地域住民とにぎ合える場所があることは嬉しいことだと思う」と話す。 -
小学生JA共済ドッジボール
小学生を対象とした、第8回JA共済ドッジボール南信地区大会が23日、伊那市の県伊那勤労者福祉センター体育館であった=写真。上伊那から男女各8チームも参加し、県大会出場を目指して熱戦を繰り広げた。県ドッジボール協会などの主催。
小学生高学年(5・6年生)の男子、女子の部に各地区予選を勝ち上がった39チームが出場。それぞれの部ごと、予選リーグ、決勝トーナメントで競った。
上伊那から県大会に出場するチームは、男子の天竜(西箕輪)、五平もち(赤穂)、MAX(中川西)、女子のクイーン(西箕輪)、南小アタッカーズ(南箕輪小)、七小ドッジファイターズ(七久保)の6チーム。
決勝トーナメントの結果は次の通り。
【男子】 (1)さすらいの竜丘5年男子(竜丘)(2)スッパイダーマン(高森南)(3)天竜(西箕輪)(4)五平もち(赤穂)、MAX(中川西)
【女子】 (1)クイーン(西箕輪)(2)かがやき☆レインボー(竜丘)(3)南小アタッカーズ(南箕輪小)(4)竜丘魂(竜丘)、七小ドッジファイターズ(七久保)
※男女各部門の上位5チームは県大会(12月10・長野市ホワイトリング)へ出場 -
ソフトバレーボール夢気球杯 4部門64チームで白熱
第14回上伊那ソフトバレーボール大会「夢気球杯」が23日、南箕輪村の村民体育館など3会場であった。上伊那の愛好者400人ほどが集まり、交流の輪を広げた。上伊那ソフトバレーボール連盟主催、中部電力協賛。
ヤング、ブロンズ、シルバー、ゴールドの年齢別の4部門に64チームが出場し、予選リーグ、順位別決勝リーグで熱戦を繰り広げた。
結果は次の通り。
【ヤングの部】 (1)はせくらぶA)(長谷村)(2)Beeライク(伊那市)(3)まっくん20(南箕輪村)
【ブロンズの部】 (1)梅の里(宮田村)(2)大穴B(飯島町)(3)はせくらぶC(長谷村)
【シルバーの部】 (1)はせくらぶE(長谷村)(2)伊那ドリーム(伊那市)(3)どっこいしょ(南箕輪村)
【ゴールドの部】 (1)リバース(宮田村)(2)梅の里E(宮田村)(3)こまちゃんS(駒ヶ根市) -
12月から時差出勤を試行
伊那市は12月1日から、市民課職員を対象に、時差出勤を試行する。効率的な勤務体系を構築し、超過勤務手当ての削減を図る。1カ月間の試行結果によって、会議や集金など夜間業務がある他部署での導入を検討する。
時差出勤は、市民課職員15人のうち2人が出勤時刻から30分遅れの午前9時に出勤し、午後5時45分まで業務に当たる。駆け込み利用者の対応と、恒常的な残業の解消を図る。
時差出勤は、庁内の事務改善研究委員会時差出勤研究部会で検討。事前に時間別の来庁者数を調査し、来庁者の増減に対応できる勤務体系とした。
そのほか、研究委員会の専門部会では▽学校給食は当面、自校方式を維持して段階的な正規職員の臨時・パート化を進める▽保育所運営は利用者の利便性に配慮し、特別保育の充実を図る窶狽ネどをまとめ、小坂市長に報告した。 -
悪質商法にだまされないために
伊那市の消費生活講座が22日、市役所であった。市民約70人が集まり、悪質商法にだまされないための講演などを聞いた。市・市消費者の会主催。
あいさつに立った原静江会長は「悪質商法が後を絶たない。被害を受けないために、最新情報を得て対応を考えてほしい」と呼びかけた。
講演では、県飯田消費生活センター所長の久保田篤さんが「『帰ってください』が大事な言葉」と題し、事例を交えながら振り込め詐欺などの対処法、実習を含めた訪問販売や電話でのしつこい勧誘の断り方を紹介。
久保田さんは「悪質商法は知っていても、自分のこととなると気づかない」とだれにでも起こりうる犯罪被害とし、自衛手段に▽家族の交通事故などを装った電話は、本人に確認するなど1人で判断しない▽不審なはがきは無視する窶狽ネどを挙げた。
また、講演に先立ち、消費者の会が催眠商法防止の朗読劇を披露した。
飯田消費生活センターの04年度相談件数は約8900件で、うち伊那市は747件。架空請求や「オレオレ詐欺」が多いという。 -
天白区が来村、ふれあい協定で
名古屋市天白区の都市と農村交流会(森山みゆき会長)の一行41人が22日中川村に訪れ、望岳荘で、地元中川村の都市と農村の交流会(中塚秀昭会長)メンバー7人と親ぼくを深めた。
中川村出身の森山会長は「中川村の人情に触れ、農産物を知ってもらおうと始まった交流会。何度来ても温かく迎えてくれる。長年続いてこそ、初めて固いきずなが生まれる」と述べ、さらに交流が深まることを期待した。
中川村の中塚会長は「明日はお楽しみのアップルランドでのリンゴ狩り。中川のおいしいリンゴをたくさん食べて、交流を深めて」と歓迎あいさつした。
村と天白区とは88年ふれあい協定を締結以来、都市と農村の交流会を中心に、相互交流が続いている。
一行は早朝、名古屋市を出発、長野市の善光寺参拝を済ませ、望岳荘で1泊し、明日はリンゴ狩りを予定する。
あいさつする森山会長 -
県下弓道大会
飯島町弓友会主催の第40回県下弓道大会は23日、飯島町弓道場で開かれ、一般の部、学生の部に合わせて36チーム、130人が出場し、28メートル先の直径36センチの的を狙い、矢を放った=写真。
競技に先立ち、教士7段の今井勉さんが射手を務め「矢渡し」を行った。
結果は次の通り(敬称略))
◇個人▽学生の部・優勝=久保田将寛(7中、下農A)(2)原田雄平(岡工A)(3)渋谷純(赤穂A)(4)鷲沢野乃香(赤穂B)(5)米山はるな(伊那西A)▽一般の部・優勝=中田真也(8中、上伊那A)(2)鈴木清重(駒ケ根志峰館)(3)中島啓(高森)(4)丸山清一(富士見)(5)奥平章夫(塩尻A)◇団体・優勝=高森(水田明美・倉田宗夫・中島啓)(2)上伊那A(中田真也・北村弥昌・山川茂樹)(3)下農A(久保田将寛・岡村寿・土屋健太)
◇詰射賞▽学生=原田雄平(3中・岡工A)▽一般=中田真也(8中・上伊那A)
◇40回大会記念特別賞(男女各17位)▽男子=土屋健太(5中、下農A)▽女子=伊藤京子(2中、下諏訪)
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育てた農作物 収穫を喜ぶ
長谷村の長谷小学校5年生(降旗宏子教諭、15人)は23日、溝口の講友館で、年間通して取り組んできた稲作の収穫祭をした。
4月から同級生の祖父の指導で、もち米作りに励んだ。4月からあぜぬりや田植えをし、10月に稲刈りと脱穀をして、180キロを収穫した。
収穫祭は恒例の親子交流会も兼ね、保護者ら約20人とともに、4升を使ってもちづくり。児童は重いきねを振り上げて「よいしょ、よいしょ」と威勢よくもちをつき、あんこやきな粉、大根おろしなどで味わって、収穫の喜びをかみ締めた。
また、保護者らを前に、児童一人ひとりが稲作の活動を発表。作業の様子をスライドに映し出し、「あぜぬりや田植えは難しくてうまくできなかった」「モグラの穴のせいで水がぬけて大変だった」「脱穀したら米の量が半分くらいになってびっくりした」と振り返り、協力者に感謝した。
残りのもち米は今後、児童の自宅に配ったり、販売していく予定という。 -
山ぶどう酵母のパンを開発
宮田村南割区のパン職人岸裕さん(56)が、村の特産品である山ぶどうから酵母を抽出して、パンとして製品化することに成功した。ニシザワ双葉店(伊那市)内で自身が経営するパン屋「ジャストベイクドパオ」で販売を開始。客の反応も上々で「村の活性化に少しでも役立てば」と期待をふくらませている。
本来はワインに醸造する山ぶどうをパンに使えないかと一念発起。近所に住む栽培農家の秋山泰久さんが全面的に協力し、今夏から研究を進めた。
当初は酸味が出たり、ふくらまなかったりするなど試行錯誤。しかし、徐々に安定し、100%山ぶどう酵母のパンが完成した。
「今まで使っていたイースト菌のパンよりも風味が豊か」と職人歴30年の岸さん自身納得の出来ばえ。
宮田特産の山ぶどうワイン「紫輝」に漬けた干しぶどうをトッピングした「レーズンロール」と「クルミロール」に使用している。
12月3日に村内の本坊酒造で開かれる山ぶどうワイン祭りに、岸さんも参加を予定。
会場で自慢のパンを販売し、この日解禁されるワインの新酒と一緒に多くの人に味わってもらう考えだ。
パンに関する問い合わせなどは「ジャストベイクドパオ」78・3209まで。