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飛び立てなかった海軍二等飛行兵曹
伊那市長谷中尾
大出達雄さん(80)“浜までは 海女も蓑(みの)着る 時雨時”
「海に潜る海女であっても、陸にいるときに雨が降れば自分の体を気遣って蓑を着る。だから、命は絶対粗末にしてはいけない。大切にしろ」
大井海軍航空隊にいたある司令官は、自作の詩とともにそう語った。その言葉は印象的だった。62年経った今でも鮮明に覚えている竏秩B
◇ ◇
栃木県出身。航空戦力の立て直しを目的として国が海軍航空隊の増員を進める中、甲種飛行予科練習生に自ら志願したのは中学3年生の時だった。1943年、入隊試験に合格。茨城県の土浦海軍航空隊甲種13期に配属となり、基礎となる体力づくりのほか、精神教育、陸戦、軍制などといった知識を徹底的に叩き込まれた。
翌年ほどなくして予科を修了し、偵察員を養成するために開設された静岡県の大井海軍航空隊第39期に配属となる。
大井に移ってからは、爆撃、射撃、航法など、実際に知っていなければ自分の死に直結する実践的な訓練が中心となった。厳しい訓練を必死でこなす一方、周囲の状況から、日々悪化していく戦況を感じずにはいられなかった。
敵の艦載機が航空隊の上空を頻繁に飛び、その爆撃で命を落とす友人を目の当たりにする。そんな日常が続き、自分も生きて帰れないことを覚悟した。
「土浦にいた時は『戦局は極めて悪化の一途をたどっている。人間魚雷として志願してくれ』という訓示があった。この訓示により、自分たちより2カ月遅く入った同期の仲間が随分と持っていかれた。土浦を出てからも、関西や鹿児島の方に行った同期の仲間は特攻機に乗って亡くなっている」
敗戦色が濃くなってきた1945年3月、突如として偵察術の訓練が中止となり、自分たちが使っていた訓練用の航空機を使い、特攻隊として編成された八洲隊の訓練が始まった。
いよいよ自分も危ない竏秩Bそう感じ、兵士らの繕い物をするため兵舎に出入りしていた女性に手紙を託し、航空隊の外にある班長の下宿に父と弟を呼び出し、面会を果たした。
しかし、最終的には航空機の数が足りず、順番待ちをしたまま飛び立つことなく終戦を迎えた。
◇ ◇
終戦後、社会的にも、精神的にも立ち直るには時間がかかった。社会的な復帰を果たした後も、思い出したくない記憶は封印し、極力表に出さないことを心がけた。
しかし10年ほど前からは、大井海軍航空隊のOB会に参加したり自分の戦争体験を語るなど、過去の記憶をたどるとともに自分の経験を伝える活動に取り組み始めた。
「それまではあまり思い出したくもないので、OB会にも参加していなかったし、戦争のことを語ることもなかった。しかし、平和を守るためには戦争をしないという合意づくりが大切だと気付いた。だからこそ、自分の経験を伝えていこうと思う。若い世代には、平和を守ることがいかに大切かを伝えていきたい」 -
盆恒例マスの魚釣り大会にぎやかに
宮田村の自然を呼び戻す会(加藤一彦会長)は14日、盆恒例となった魚釣り大会を小田切川で開いた。村観光協会と共催で千匹余りのニジマスを放流。村内外から300人ほどの・ス太公望・スが集まり、大物を狙った。
家族連れの姿が目立ち、和気あいあい親子で肩を並べて釣り糸を垂らす姿も。魚の強い引きを存分に味わい、釣り上げると歓声が沸いた。
天竜川漁協が運営していた新田区の養魚場閉鎖により、一時は中止の運びだった釣り大会。しかし、関係者の努力などもあり、今年も開催にこぎつけた。
「帰省などで遠方からも楽しみに来てくれる人もいる。何とか来年以降も続けていきたい」と加藤会長。
釣り終了後は魚のつかみ取りもあり、子どもたちが川の中で笑顔を広げた。 -
天竜精機社員研修会
産業用加工機を開発・設計・販売する天竜精機(芦部喜一社長、駒ケ根市)は11日、社員全体研修会を駒ケ根市の文化会館で開いた。市内の製造業者などでつくるテクノネット駒ケ根の会員など、約20人の来賓を招いて開く初めての公開研修。「・ス成長と自信・スを共有する研修会」と題して社員ら約100人が参加し、ここ2年間に取り組んできたプロジェクトのうちの3つについて代表者の発表を聴き、意見交換をするなどして、会社の着実な進歩を互いに確認し合った=写真。芦部社長は今後の方向について「納期、完成度で卓越した会社を目指そう」と全社員に呼び掛けた。
発表されたのは「伝わる組織作り」、「採用」、「人事評価制度構築」の3プロジェクト。「伝わる組織作り」に取り組んだ3人の管理職社員らは1年間にわたる活動から得られたことについて「自分を見つめ直すことができた」、「部下とのコミュニケーションを常に考えるようになった」などと取り組みの成果を強調した。 -
キッズスポーツキャラバン
伊那教育事務所は8月から10月にかけ、信州縦断キッズスポーツキャラバンとして子どもの体力向上キャンペーンに取り組んでいる。11日、第1回ワークショップが駒ケ根市の赤穂小学校体育館で開かれた。保育園児、小学1、2年生と保護者ら約100人が参加し、さまざまな運動を通して体力の向上に取り組んだ。腕や肩など、子どもたちが普段の生活の中で使うことの少ない部分の筋力を養うため、参加者は四つんばいになって歩くクマさん歩きやトンネルくぐり、ゴムひもを使っての側転など、講師の指導で楽しくこなした=写真。
最近の子どもは昔に比べて体格が良くなっているにもかかわらず転んだ時のけがが増えていることから、幼少期に筋力やバランス感覚を養う必要があるとして、伊那教育事務所は2年前からキャンペーンに取り組んでいる。
ワークショップ第2回は25日に伊那市で、第3回は10月27日に箕輪町でそれぞれ開かれる。 -
子育て中のお父さん、お母さんもリフレッシュを竏猪~前ジャズin高遠が開催
高遠町在住のジャズピアニスト・緒方美音子さん(35)らによる「盆前ジャズin高遠」が11日夕方、伊那市の高遠町総合福祉センターであった。子育て中の家族連れなど200人以上が集まり、心地良いリズムと迫力のある演奏を楽しんだ=写真。
大学卒業後、働きながらジャズピアニストとして活動を続けていた緒方さん。高遠町へ越してきた2年前からは、活動を休止していた。しかし、子どもの保育園で知り合った友人らから演奏を依頼されたことをきっかけに活動を再開。そんな中、夫の転勤で今月末に渡米することが決まり、「渡米前最後のコンサートを」という友人らの要望を受け、今回のコンサートを企画した。
コンサートには、大学時代からともに演奏をしている佐藤友信さん(バス)、浅谷カヲルさん(ドラム)も出演。緒方さんのオリジナル曲を中心に、「古里」「遠き山に日は落ちて」などの童謡も、バラード調で披露。最後はセカンドアルバムのタイトル曲「SHOOTING STAR(シューティング・スター)」を演奏。大人だけでなく、子どもたちも演奏に合わせて体を動かすなどしてコンサートを満喫していた。 -
三峰川電力が三峰川風力発電事業計画にかかる環境影響評価の方法書を縦覧
伊那市の入笠山、鹿嶺高原一帯で風力発電事業の検討をしている三峰川電力(酒井宗二社長)は13日から、同事業にかかる環境影響評価の方法書の縦覧を行っている。
環境面での調査方法に対して広く意見を募ることを目的とするもので、9月12日までの午前8時半縲恁゚後5時(土日、祝日は除く)、同社ホームページ(http:www.mibuden.com)で縦覧できる。
これに伴なう意見書の提出を9月26日(必着)まで郵送FAX、電子メール受け付けており、住所、氏名を明記すること。ホームページ上からも意見を提出できるようになっている。
なお、縦覧は事業の可否を問うものではないとしている。
意見書の提出先は〒396竏・403長野県伊那市長谷黒河内2895三峰川電力会社。
問い合わせは三峰川電力三峰川発電所(TEL98・2027)へ。 -
東春近の農地・水・環境を守る会
自然石積み水路「親子観察会」伊那市の「東春近の農地・水・環境を守る会」(伊東由和会長)は12日、東春近の中殿島から田原に残る昔ながらの自然石積み水路を観察する「夏休み親子観察会」を開いた。小中学生33人、水路を案内する会員ら合計100人が班別に水路の名前、深さ、現状などを観察して歩いた。
農業用水路で、地域住民の希望でコンクリートにするのではなく自然石積みを残してきた。しかし痛みも進み、会として地域に啓蒙活動を続けながら保護に取り組もうと検討。5カ年計画の事業第1弾として、観察、概要調査、問題提起を挙げ、親子で水路の存在を知り水路の価値を感じてもらおうと観察会を計画した。
最も大きな水路「清水川」の観察では、会員から昔は自然の川で50年ほど前にまっすぐに改修し今に至っていること、昔は周辺の水田の持ち主が盆前に川掃除をしたこと、アメノウオ、赤魚、ウナギなどがいて川遊びをしたことなどを話した。小学生は、石積みを興味深く観察したり、川幅や水深を測って記録。東春近小学校6年の沼波晃輝君は、「魚がいて面白い」と話していた。
参加した子どもたちは、「水が岩から染み出てくるところを初めて見た」「トンボがいっぱいいて驚いた」などの感想を挙げ、どんな川になったらいいと思うか-との問いかけには「生き物がたくさんいる川」「自然のままの川」と答えた。
会では今後、小学5、6年生と中学生を中心に水路マップを作る予定。 -
“歴史の町高遠”を語り継ぐ
伊那市高遠町東高遠
堀井英雄さん(85)とにかくこの町には歴史があり、素晴らしい人たちもたくさんいる。「あー、おれは高遠に生まれて本当に良かったな」って感じる竏秩B
高遠に縁のある歴史的な人物や町の歴史について語っている。高遠城址公園での観光案内のほか、公民館講座などで講演を依頼されることも多い。
85歳とは思えない快活な口調。まるでその時代を見ていたかのような語りに聴衆も引き込まれる。
「まんず、すごいんだに。正之公が亡くなってから117年した時、幕府が全国の藩に対して『善行者を調査しろ』という御触れを出した。ほかの藩は10縲・0人ほどだったのに、(正之公の治めた)会津藩は926人も善行者がいた。これも正之公が『親を大事にしろ』という政治をした結果。ここに正之公の人柄が出ている」 -
伊那弥生ヶ丘高生徒会がアリスこども寄金に寄付
伊那弥生ヶ丘高校の生徒会(細田大輔生徒会長)は12日、04年12月のスマトラ沖地震で学校を失った子どもたちのために「アリスこども寄金」を立ち上げ活動している同校卒業生の野笹玲子さん=東京都在住=に、文化祭で集めた同寄金への募金を送った。
野笹さんは、横浜市でアリスこどもスクールを主宰。昨年3月、「今の自分があるのは母校のおかげ」と、生徒会に10万円を寄付した。
今年の生徒会本部の筒井成実さん(2年)が、アリスこども寄金を野笹さんの著書で知り、寄付のお礼も兼ねて協力したいと、弥生祭の本部企画の一つとして提案。7月7、8日の弥生祭一般公開でアリス寄金への協力を呼びかけた。アリスこども寄金でスリランカにすでに幼稚園2校を建設したことなど活動を紹介したほか、平和な未来を願って全校で折鶴壁画も制作した。
募金はアリス寄金で製作したウェットティッシュを1個50円で販売した売上金と、募金箱への直接の寄付金で合計2万4360円。
野笹さんが来校し、生徒会本部役員の3年生5人、2年生2人が同席し、今回の募金活動の責任者である筒井さんが募金を手渡した。筒井さんは、「最初はお金がどれだけ集まるか心配だったが、高校生が協力してくれて心が温まった。こういう高校生がいる限りは日本は大丈夫だと思う」と話した。野笹さんからの寄付金で暗幕を購入したことも報告した。
野笹さんは、「皆さんの気持ちがものすごくうれしかった。皆さんの寄金のお金は、弥生の名前が残る形で、幼児だけでなく村の人皆が借りられる文庫など、現地と相談して形として残したい」と感謝した。 -
みのりんぐ箕輪ねっと
新たな地域ブランドに
「玉ねぎドレッシング」発売箕輪町、南箕輪村、伊那市西箕輪で地域通貨を通した地域経済の活性化を図る「みのりんぐ箕輪ねっと」(20人、寺平秀行代表)は13日、地域ブランドとして生えごま油を使った「玉ねぎドレッシング」を発売した。
03年8月に発足。05年度から労働に対し地域通貨「みのり」を発行し、「みのり」に応じてエゴマ油を分配する事業に取り組み、「えごま油」の商品化も進めている。
今回、地域ブランドを育てるため発足当初から計画していたドレッシング作りを実現した。会員の「有機農場かみーの」で栽培したタマネギと、箕輪ねっとが栽培し今年3月に搾油した「えごま油」を使用。製造は小池手造り農産加工所(飯田市)に委託し、今月7日に完成した。
試行的に240本製造。全体でタマネギ20キロ余、えごま油600ccを使った。「さっぱりした味」で、焼き魚、フライ、しゃぶしゃぶ、冷奴などにかけるのがおすすめという。
1本400ミリリットルで680円。箕輪町内の立石、金星、かしわや、南箕輪村のあじ縲怩ネで販売。要望次第で追加製造も考えるという。問い合わせは寺平代表(TEL70・5728)へ。 -
スターウォッチング
星空を観察して大気環境の状態を調査する全国星空継続観察「スターウォッチング」が10日夜、伊那市西町の県伊那文化会館であった。天候不順で野外観察は中止となったが、参加した市内の児童やその保護者ら約100人がプラネタリウムで夏の星座を学んだ。
全国星空継続観察は、1988(昭和63)年度から環境省が全国の地方公共団体、学校、市民グループなどに呼び掛け、年2回実施。同所では、同文化会館、上伊那地方事務所、伊那市が共催で開き、伊那天文ボランティアサークル「すばる星の会」の会員が講師として、参加者を指導した。
県文化会館のプラネタリウムで星空を見た後、同会の野口輝雄代表(56)=同市西箕輪=がこの日、観察するはずだった、はくちょう座、たて座、いて座や、はくちょう座「アルビレオ」(二重星)などを説明=写真。
そのほか、双眼鏡の扱い方を学んだり、探査機が撮影した木星の迫力ある写真を見るなどした。
伊那小4年の刀根川将太君(9)は「知らないことがまだまだあった。宇宙は広いと感じた」と感想。野口代表は「きれいな星を見ることで環境の目を養ってほしい」と呼び掛けていた。 -
山ぶどうの里づくり新たな局面へ
宮田村特産、山ぶどうワインの生産関係者らでつくる「中央アルプス山ぶどうの里づくり推進会議」(会長・清水靖夫村長)は、より品質を重視するため、6万本の将来的な生産構想を4万本に見直す。さらにワインを地元の文化として発展させようと「山ぶどうロマン研究検討会議」を近く発足させ、経営安定に向けた販売強化も含めた取り組みを始める。
このほどあった総会で決まった。村内農家13戸が栽培する山ぶどう(ヤマソービニオン種)は、栽培開始から約10年が経過し、収獲量は30トンを超えるまでに増加。ワインの出荷本数は年間約2万本になり、県の原産地呼称管理制度に認定されるなど、品質的にも高い評価を受けている。
一方で現状は、販売のほぼすべてを醸造する本坊酒造に委ねる格好となっていて、今後の生産増を見込むと、ワイン以外の製品、付加価値づくりを含めた販売戦略の練り直しも迫られている。
山ぶどうロマン研究検討会議は、ワインの発展を望む栽培農家らの提案を受ける形で発足。栽培技術の向上から、素材の活用、販売のあり方、文化の形成まで4つの部会を設ける考え。
村産業建設課は「早急に発足させる」とし、11月中旬には中間集約、来年2月中旬には意見を取りまとめて行動に移す。 -
【記者室】舞台の裏側は?
「ぶたいうらたんけんたい」。県伊那文化会館の事業で、親子がアイドルコンサートを想定した舞台裏を見学したり、スタッフとして音響や照明を担当するなどの体験をした▼会館スタッフが、客席を照らす明かり「客電」など会場内の照明説明にはじまり、舞台裏の動きをわかりやすく説明。デモンストレーションで降らしたアルミ箔の雪は年長児や小学校低学年に人気で、実際に体験する時間になると、雪を降らせる役に子どもが集中し、ジャンケンで役決めするほどだった▼舞台裏を知る機会は少ない。自分がスイッチを押すことで会場に音が流れたり、舞台のライトが点いたり、楽しい体験だったと思う。今までより舞台が身近に感じられるのではないだろうか。(村上裕子)
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「いいじまはないち」にぎわう
飯島町の「いいじまはないち」(わが町は花で美しく推進機構主催)が12日、上の原のJA上伊那果実選果場で開かれた。この日は日曜日とあって出足好調、町内外から大勢が訪れ、開始前から長い列ができ、色とりどりの花々をじっくりと品定めして2束、3束と買い求めた。
「はないち」は今年で18回目。シマカヤやオミナエシ、アスター、リンドウ、トルコキキョウ、テッポウユリなどを束ねた大、中、小、単品の花束4種類3千束を用意した。花は全体で約40種類、3万本余。
会場では小中学生のボランティアも大活躍、ばら売りの本数を数え、計算票に記入するなど、かいがいしく、販売を手伝っていた。
また、五平もちやたこ焼の出店、モモや野菜の販売もあった。
関係者によると、今年はボリウムのある850円の束が人気で、飛ぶように売れているという。 -
盆花市にぎわう
30年余の歴史を刻む宮田村の「盆花市」は12日朝、JA宮田営農センター前で開いた。用意した300束はたちまち売れきれた。
壮年連盟(木下祐二会長)とJA生活部会(田畑清江部会長)が協力。自分たちが育てたアスターを中心に、シマカヤ、オミナエシ、小菊、ユリなど約10種類の草花20本余を束にして、1束750円で販売。一般家庭用のほか、新盆向けの2千円の大束45束も予約販売した。
早朝、50人余が参加して、花束を作りながら、販売した。
田畑部会長は「今年はアスターの成長が不ぞろいで、花の量が少ない」と話していた。 -
##(写真)
感動を呼んだ「命のうた・生きるうた」生死の現場で立ち会った子どもたちの心の叫びをつむいだCD「命のうた・生きるうた」制作記念、Musik Schatzコンサートが12日、宮田村民会館であった。ほぼ満席の聴衆に命の尊さ、生きることのすばらしさを伝えた。
3部構成、演出・指揮は古原さよ子さん。第1部はバリトンの井手守さんとMusik Schatzの共演でミュージカルポエム「とうめいうさぎLОLО」。2部は特別ゲストの渡辺しおりさんが澄んだソプラノ独唱「さとうきび畑」「千の風になって」など6曲を響かせた。
第3部は朗読ミュージカル「命のうた・生きるうた」。安曇野市県立こども病院の院内学級でつらい病気と闘いながら、一生懸命勉強し、精いっぱい生きて亡くなった宮越由貴奈ちゃんが残した詩「命-電池の切れるまで」に、春富中学校3年有志の詩「生きる」を加え、朗読と合唱で構成し「周り人のことを思うこと、愛すること、それが生きるということ、今という時、自分らしく生きよう」と訴え、共感を呼んだ。
「Musik Schatz」は松本第一高校ОBを中心に「音楽はたからもの」をモットーに音楽活動するとともに「命のうた事務局」も運営。村内のパブリックレコードが創立30周年記念事業として協力した。 -
小町屋区ふれあい広場
駒ケ根市小町屋の区民ふれあい広場は12日、区内のきらめき公園であった。恒例のマスつかみやマスの塩焼き、食べ物・飲食のテントが並び、老若男女の住民でにぎわった。
「区民ふれあい広場」は14年目、「きらめき公園」での開催は2年目。小学生から高齢者まで約百人で組織した実行委員会が主催。 マスつかみでは隣接のねずみ川をせき止め、ニジマスを放流し、子どもたちは歓声と水しぶきを上げて追いまわした。
新企画の消防コーナーでは、子どもたちは消防工作車に試乗したり、放水体験に大喜び。青年海外協力隊の協力で実施した国際交流コーナーでは外国料理の試食、民族衣装の試着、アフリカンドラムの体験などもあり、人気を集めた。
駒ケ根市のヒーロー「スピート太郎」も応援に駈け付け、子どもたちとゲームで盛り上がった。
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東伊那の小池勤さん
「カラカラーン。冷凍になった同朋の遺体を仮設の屍室に投げこむ時の音。あれから60有余年経った今でも、その時の夢にうなされる」と、語るのは駒ケ根市東伊那の小池勤さん(84)
小池さんは1923年東伊那に生まれ、尋常高等小学校卒業後、8年間、大工の修業をし、召集され、満州に渡った。
45年8月ソ連戦車隊の爆撃に遭い、陣地は破壊され軍はバラバラ、食糧の補給は途絶え、ボーフラの湧いた水溜まりの水をすすり、サルノコシカケで命をつないで、本部を目指して後方に移動した。
大けがをし傷口からウジがわいている同胞や、ぼろ布のように路傍でうずくまり、救いを求める人も置き去りにして「今度はおれの番か」と何度も思いながら、死の行軍の果て、ソ連兵に投降し、捕虜になり、平安の格納庫に収容された。
張り詰めていた糸がプツンと切れるように、栄養失調や赤痢で多くの同朋がバタバタと亡くなった。
平安を後に、ソ連兵に追いたてられ、アムール河を渡り、ブエゴエスチンクスに着いたのは11月の初め、シベリアはすでに厳寒期だった。
病気と栄養失調の体で、シベリアの極寒に耐えられるはずもなく、毎日、何10人かが亡くなった。衣類は剥ぎとられ、カチカチに凍り、白蝋のように変わり果てた屍は、木材でも扱うように無造作に仮設屍室に放りこまれた。カラカラーン、カラカラーンと異様な響きが耳に突き刺した。
さらに貨物列車に乗せられ、46年1月にシベリアの最奥地ヤクドニヤの捕虜収容所に移され、毎日、「ダワイ、ダワイ(早く、早く)」と苛酷な強制労働に駆り出される抑留生活が始まった。
使役は2人引きのノコギリで薪の伐採作業、ふらつく体での重労働、少しでも休むと、銃をつき付けられた。体感温度は零下50縲・0度、気を付けないと、顔や鼻、足の先はすぐに凍傷になってしまう。
2カ月ほどで、大工の腕が見込まれ、ウルガル方面に移動、建物の建設や橋の架橋工事に従事し、作業中、足を滑らし、大けがをし、病院に入院した。回復すると病院勤務を命ぜられた。病院に日本人の入院患者がいなくなると同時に、4年間の抑留生活から開放され、49年8月28日に大郁丸で帰国した。
現在、小池さんは「駒ケ根9条の会」の会員であり、機会あるごとにシベリア抑留体験を語っている。「今もシベリアの永久凍土の下に放置されている同朋のことを思う時、2度と戦争を起してはならない、戦争の悲惨さを語ることが、体験者の責務。生きている限り、語り継ぎ、平和憲法を護る活動をしたい」と話す。 -
江戸時代の村人になって、ソバの種まき
歴史体験で青少年の健全育成を図る飯島陣屋元気もりもり塾(飯島町教委主催)が11日あり、子どもも大人も江戸時代の村人になって、ソバの種まきをした。
江戸から昭和初期の野良着を着こみ、菅笠(すげがさ)を被り、上の原の休耕田前に集合した参加者13人を前に、唐沢隆係長は「昔、岩間でソバづくりが盛んに行なわれた。ソバは生育おう盛で、肥料がなくてもたくさん収穫できる」と説明。 この後、素足になって、くさかきで土の表面をならし、綱を移動しながら、2アールに赤ソバの種を筋蒔きした。
この日は気温35度の炎暑、子どもたちのはだけた胸元に容赦なく太陽が照りつけ、汗をぬぐいながら、昔の農作業に精を出した。
弟と参加した堀越達貴君(小学2年)は「着物は脱げそうになるけど、楽しい」と話していた。
この日まいたソバは11月11日にみんなで刈取り、12月22日に自分たちで打って味わう。 -
ニシザワが新潟中越沖地震の義援金送る
ニシザワ(本社・伊那市、荒木康雄社長)は10日、荒木社長ら2人が市役所を訪れ、新潟中越沖地震の義援金40万円を日赤県支部伊那市地区長の小坂樫男市長に受け渡した。義援金は同地区から日赤新潟県支部などへ送付される。
義援金は、お客さんと同社従業員の善意の集まり。7月18日竏・月5日、ニシザワの県内18店舗内に設置した義援金ボックスなどで集めた。40万円の内訳はお客さんが7割、従業員が3割となっている。
義援金を受け渡す荒木社長 -
恒例のマス釣り大会14日に
宮田村の小田切川で行うお盆恒例ニジマスの魚釣り大会が、例年通り14日午前8時から村民会館周辺の同河川で開かれることになった。
新田区の養魚場閉鎖で一時は中止の運びだったが、同養魚場から魚を確保できることになり、主催者の自然を呼び戻す会と村観光協会は開催を決定。「多くの人に楽しんでもらいたい」と来場を呼びかけている。
千匹以上のニジマスを放流するが、参加費は無料。雨天の場合は15日に順延する。 -
子育て学級で運動あそび
箕輪町公民館の子育て学級は9日、町運動保育士の指導で親子で運動あそびをした。子ども達はお母さんの腕にぶら下がったり、足の上に乗ってバランスを取るなど楽しく遊んだ。
町は町内全保育園に運動あそびを導入しているが、入園前の子ども達の運動あそびは親子でできる遊びで、運動保育士が腕の力、ジャンプ力、空間感覚などそれぞれを養う運動を指導した。
バランス感覚を養うためにひざを曲げて座った親の足の上に立つ、懸垂力のために腕にぶら下がる、ジャンプ力のために両足でジャンプして親が立って伸ばした手にタッチするなどで、子どもたちは夢中になって遊んだ。
運動保育士は、「今の子どもは渡り棒にぶら下がる力がないので、親の腕にぶら下がることで懸垂力を鍛えてもらうといい」などアドバイスしていた。 -
安楽寺で施餓鬼法要
先祖の霊が帰るといわれるお盆を前にした11日、恒例の施餓鬼(せがき)法要が駒ケ根市の安楽寺で営まれた。市内全域の檀家から約500人が本堂に集まり、16人の僧侶の読経が響く中「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えながら手を合わせて焼香し、先祖の霊を慰めた=写真。法要を終えた参加者らは僧侶がまいた散華(さんげ)と呼ばれる仏の絵を描いた札や塔婆、小旗などを大切そうに抱えてそれぞれの家路についた。
施餓鬼は地獄で苦しむ餓鬼に施しをするための法要だが、人への思いやりや先祖への感謝の気持ちを忘れないよう、お盆に合わせたこの時期に行われることが多い。 -
県伊那文化会館「ぶたいうらたんけんたいコンサート編」
伊那市の県伊那文化会館は11日、「ぶたいうらたんけんたいコンサート編」を同館大ホールで開いた。親子約30人が、アイドルコンサートを想定した舞台裏を見学し、実際に音響や照明を担当してデモンストレーションした。
舞台を身近に感じてもらおうと企画。昨年はオペラ編で、第2弾の今年はアイドルコンサート編。客席に座ってデモンストレーションを見た後、ミラーボールで星型の光が会場内に映る仕組み、舞台上のモニタースピーカーなどの説明を聞いた。雪を降らすための雪布も間近に見て、子どもたちは小さく切ったアルミ箔を布にのせる準備も体験した。
最後は子どもたちが照明、音響、大道具に分かれ、会館スタッフの説明を聞いてデモンストレーションをした。大道具では、どん帳、ライト、雪など役割分担し、舞台監督の「ゴウ!」の合図で真剣な表情でどん張を上げるボタンを押すなどしていた。
伊那市境の伊東葵さん、元親君(伊那東小5年)、幸親君(同1年)の親子は2年連続の参加。「子どもがどうしても来たいと言って参加した。普段は絶対見られないのでいい機会。夏休みの思い出になる」と話していた。 -
箕輪の新ブランドに
酪農家根橋英夫さん
地元の牛乳でジェラート「信州みのわ愛す」製造・販売へ箕輪町南小河内福沢の酪農家根橋英夫さん(51)が、箕輪の新ブランドとして、地元の牛乳を使ったイタリアン・ジェラート「信州みのわ愛す」の製造・販売を始める。自宅敷地内に製造所兼店舗の「愛す工房みのわ」を造り、9月オープンに向け準備を進めている。
アイスクリーム作りは、牛乳の消費拡大と次世代の新たな産業創出をねらい、箕輪町酪農振興協議会の有志が検討していた。酪農は飼料価格が高騰し、乳も余っている現状で、原乳出荷だけでは難しく、付加価値を付けて売ることを考えていたが、同協議会長の根橋さんが、まず個人で始めることになった。
ジェラートは地元の牛乳と果物などを使い「安心安全で顔が見えるアイス」。種類は牛乳、コーン、スイカ、ピーチ、イチゴ、リンゴ、バナナなど定番商品と季節限定商品で20種類以上を考えている。シャーベットも作る。価格は250円。専属スタッフ2人とパートスタッフで運営。現在試作を重ねている。
敷地内には休耕田を利用して「ふれあい牧場」も造り訪れた人がポニーやアイガモとふれあえるほか、食べるスペースのウッドデッキも造る。東箕輪の活性化を願い農産物直売所の設置も検討している。
オープンは9月7日。7-9日はオープン記念を計画する。営業時間は午前11時-午後4時。水曜定休日。問い合わせは根橋さん(TEL79・0744)へ。 -
ごはんどころ「ぶらり亭」店主 久保村元気さん(26)
本年3月28日、伊那市西町の県勤労者福祉センター体育館近くに「ぶらり亭」をオープンした。自分の店を持つことは夢だった。・スぶらり・スと寄ってもらい、くつろいでもらおう竏窒ニの思いが込められた店だ。
店の雰囲気を伝えるため、ひらがなで表記した店の看板には「とるこらいす・そ縲怩キかつどん」と記されている。この2品がこの店の目玉メニューだ。味の追求はもちろんのこと、盛り付けなどの細部まで気遣った料理で客をもてなす。
社会人として働き始めたがそれまでの自分の仕事には、やりがいを感じていなかった。そんな時、昔から好きだった・ス飲食・スへの道を歩もうと思った。最終的に自分の店を構えるため、経営システムや接客方法などを学ぼう竏窒ニ、飲食店で働き、知人の料理人から料理の手ほどきを受けるなどして経験を積んだ。
メニューの「とるこらいす」は、長崎県の名物料理。両親の知り合いである、地方情報誌の編集に携わる人が毎月、送ってくれるその雑誌の中からヒントを得たという。「以前からトルコライスを自分の店で出したかった」。物珍しさも加わり、現在の人気メニューになっている。
ソースカツ丼の味には、一番の自信を持っている。幼少のころから好きだった、行きつけのとんかつ屋の味が忘れられず、それを手掛けた料理人から直々に調理方法を学んだ。その後は自分なりのカツを追い求め、使う材料や揚げ方などを研究。衣を薄めに付けることでサックリ感を出し、かむと中から肉汁があふれる現在のトンカツを完成させた。
いろいろな人の支えがあったから、自分の店を持つことが出来たという。最も世話になったのが、麺づくり「蒼空」(南箕輪村田畑)の人たち。ここで働いた約半年間は「お客さんに対してのサービスのこまやかさ」など、さまざまなことを学んだという。
開店当初は、立地条件や宣伝不足で客の入りは少なかったが、現在は昼間を中心に店内も満席になる繁盛ぶり。忙しいが、「何よりも、よろこんでくれるお客さんの姿がうれしい」。
これからも他の店では味わえない、珍しいメニューを出していきたいという。「常に新メニューを考えているので、完成するのを期待してください」。
##(お店データ)
ごはんどころ「ぶらり亭」
○営業時間 午前11時縲恁゚後2時30分、同5時縲・時30分
○定休日 毎週火曜日
○住所 伊那市伊那5913‐2
○TEL 0265・76・9665 -
お盆を前に上伊那農業高校の生徒が花市の準備
お盆を前に南箕輪村の上伊那農業高校の生徒たちが11日、花市の準備をした=写真。
地域交流と実習の一環として同校生徒らが毎年開く花市は地域住民にも人気があり、収益の一部は農業大会の全国大会に出場する生徒の交通費などに当てている。
この日は農林委員会のメンバーや生徒会、農業大会の全国大会出場者など約30人が作業に参加。畑から収穫した花を丁寧にそろえ、販売用の束に仕上げていた。
今年は夏の長雨や台風の影響が一部であったが、全体としてはまずまずの出来栄えで、500束ほど販売できると見込んでいる。
花市責任者の小林安果さん(17)は「みんなで一生懸命育てた花なのでぜひみなさんで買いに来てください」と話していた。
花市は12日の午前9時半から、伊那市駅前ビル「いなっせ」の多目的コミュニティ広場と伊那北駅前の2カ所で行う。アスター3色(赤、紫、白各1本)、オミナエシ、小菊、シマガヤ、ガマノホ、カーネーションを一束として販売する予定で、価格は500円(一人2束まで)。 -
小沢区で50年ぶりに振り万灯復活
地元の伝統を復活させよう竏窒ニ、伊那市小沢区の住民有志と子どもたちが11日、「振り万灯」作りをした。同地域の振り万灯が復活するのは五十数年ぶり。地元住民の一人、唐沢幸男さんは「今年は1年目だが、今後も続けていければ」と話す。
麦わらを束ねたものに縄をつけ、麦わらの部分に火をつけて回す「振り万灯」は、辰野町から伊那市にかけて昔から行われてきたお盆の伝統。小沢区でも先祖の霊を迎える13日の「迎え万灯」、再び彼岸へと送る16日の「送り万灯」のほか、14日には「ごちそう万灯」として振り万灯を行い、先祖の霊をもてなしていたが、安全への配慮や麦を作る農家がなくなったことに伴ない、振りまんどもいつしか行われなくなっていた。
そんな中、地元伝統行事を子どもたちに継承することや住民同士の世代を超えた交流を目的として復活を企画。育成会などが中心となり、小学生家族などに参加を呼びかけた。
この日は、小学生や保護者、地域住民など約30人が参加し、昔の経験者から手ほどきを受けながら万灯作りに挑戦。
6年生の唐沢恵介君(11)は「難しかったけどとても楽しくできた」と話していた。
今年は13日夜に下小沢橋の上で地区の小学生が振りまんどを行う。 -
国産ワインコンクールで銅賞
##(リード)
宮田村特産品の山ぶどう(ヤマソービニオン)ワイン「信州駒ケ原2006」が、山梨県であった国産ワインコンクールで銅賞を獲得した。ヤマソービニオン種の銅賞以上は唯一で、関係者は「この品種としては国内最高の評価」と受賞を喜んでいる。
全国各地のワイナリーから75点の出品があった「国内改良品種赤ワイン部門」。金賞は該当がなく、銀賞3、銅賞は18で、宮田村のワインとしては一昨年の「紫輝」に続いての受賞となった。
同部門には他のワイナリーからもヤマソービニオン種の出品が数点あったが、すべて銅賞より下位の奨励賞止まりだった。
村内農家が栽培するヤマソービニオンを用いて「駒ケ原」を醸造する本坊酒造信州工場の藤野公宏工場長は「世界に通じる可能性のあるワインとして認めてもらえたと思う」と話す。
コンクールはフランスの醸造研究家やワインジャーナリストら国内外の審査員が官能判定し採点。全部門で575点に及ぶワインが参加した。
##写真
国内のワインが数多く出品した権威あるコンクールで銅賞に輝いた「信州駒ケ原」 -
村民カード先着30人無料で交付へ、普及拡大に9月3日から
宮田村は住民基本台帳(住基)を活用した村民カードの普及を図ろうと来月3日から、300円かかるカード交付の手数料を先着30人の新規申請者に限って無料にする。「少しでも村民カードの存在を知ってもらい、関心を寄せてもらえれば」と村住民福祉課。同村のカード普及率は上伊那で最も高いが、それでも15%強のため、話題づくりで拡大を進めたい考えだ。
村民カードは2003年から印鑑登録を行った際に登録証として交付。同登録証をはじめ、住民票、戸籍謄本などの各種証明書が必要な時は、カードがあれば村役場窓口以外にも上伊那に5台設置する自動交付機で受けることができる。
同村には現在、自動交付機はないが年末にも設置予定。村としては今回の手数料無料のキャンペーンをPRすることで、広くカードの周知徹底を図るのが狙いだ。
期間は9月3日から28日までだが、先着30人の定数になり次第終了。問い合わせは同課住民生活係85・3183。